必死で本気な人間がとる行動は、時に笑えるものだ《取材》

2016.12.27
インタビュー

FILMAGA編集部

フィルマーくま

ヤングポールさんアイキャッチ

アメリカ人の父と日本人の母を持つ栃木県出身、フリーランスの監督が描く「恐怖と笑いが一体化した映画」とは!?

新しい映像クリエイターの発掘と育成を目的に、コンペティションを勝ち抜いた映像企画をTSUTAYAが全面的にバックアップし、制作からレンタル・販売までを総合支援する「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」(以下、TCP)。本コンペにおいて、『ゴーストマスターズ ~呪いのビデオができるまで~(仮)』で準グランプリ・Filmarks賞を受賞したヤングポールさんを取材。

現在フリーランスとしてインデペンデント映画やテレビドラマの監督として活躍中のヤングポールさん。撮影現場で見てきた人たちを元にして描いた、「恐怖」と「笑い」の映画とは?

■参照:
TSUTAYAが「本当に観たい映像作品」の企画を募集中!5,000万円の制作支援
次世代の大物監督が出る!?「TCP2016」最終審査会に密着!

ヤングポール監督『ゴーストマスターズ ~呪いのビデオができるまで~(仮)』ってどんな企画?

ヤングポールさん密着2

低予算ホラーの撮影現場、当然スタッフは誰も幽霊なんて信じていないが、そこにホンモノの悪霊が現れた!映画を信じて過酷な撮影現場に身を置くスタッフたちが、死んでもビデオを完成させようとする熱血ホラーコメディ!!!!!(『ゴーストマスターズ ~呪いのビデオができるまで~(仮)』企画資料より)

-プレゼン終わりでブッ倒れていましたがどんな気分だったのですか?

ヤングポールさん密着3

月並みですが、疲れました。1回ちょっと横にさせて、布団そこにないの? という感じです(笑)TCPは3次審査まであり、6月くらいから約半年の間準備をしてきたのですが、期間が長いんですよね。映画撮影ももちろんそうなのですが、この企画が通るか通らないか分からない中、長期に渡り緊張感を持って続けていくという難しさもありました。プレゼン後は緊張の糸が切れたのと安堵感も重なり、ぶっ倒れました(笑)

ヤングポールさん密着5

映画の撮影現場には「おかしい人」がたくさんいる

-『ゴーストマスターズ ~呪いのビデオができるまで~(仮)』という作品を思いついたきっかけは何でしょうか?

どうして映画の撮影現場って、良い意味で「おかしい人」が多いのだろう? ということを考えたのが作品作りのきっかけです。

たとえば、誰も想像できないような、思いつかないようなカメラ位置で撮るカメラマンや、脚本だけを読んで誰も考えないような解釈の仕方でものを用意する美術の人とか、すごい尊敬できる人がたくさんいるんですね。

ヤングポールさん4

その反面、めちゃくちゃ適当で、「あとはよろしく!」しか言わないけど、作品を撮り続けているプロデューサーとか(笑)良い意味でも悪い意味でもあくが強い人がたくさんいる。自分を育ててもらった先輩方や同期を描いたら、きっと面白くなるんじゃないかなと。

それが「映画撮影もの」というある種ジャンル映画を作ろうと思ったきっかけの一つです。

ヤングポールさん密着1▼TCP最終審査発表プレゼンより本企画の一コマ

「恐怖」と「笑い」は表裏一体。本気の人って面白い!

-そこから、「ホラー」と「笑い」を融合したものを作られたのはもともとそういったジャンルが好きだったからですか?

自分は、好きなジャンルしか観ないというようなタイプではなくて、何でも観ます。大学時代に専攻していたのが、ドキュメンタリー、ビデオアートなど映像の学校だったこともあり、映像表現全般に興味がありました。

「恐怖」と「笑い」って表裏一体だなと思うんです。ホラー映画で起るようなシチュエーションも冷静に考えたら「それはないだろう」と突っ込みたくなるけど、登場人物からしてみたら、それはマジだと思うんですよ。死んでしまう状況にいるのですから。

作品作りの肝としてずっと自分が思っているのが、本気の人って面白いなというのがあるんです。

人間生きているとある倫理観や社会のルールとか、こう見られたいとか、こうならなくてはならないといった様々なことに縛られて生きていると思うのですが、本気になった人って、何か一個にしか集中できないから、そういう制約は全部取っ払われちゃうんですよ。

本気になっているシチュエーションって、その人の素の部分、根っこの部分がモロに浮き出る。そういうときに取っている行動というのは、見方によっては滑稽なんですよね。はたから見たら笑ってしまう行動をとっているものなのです。めっちゃ怒っているのに、裸だったり、、、(笑)

ヤングポールさん2

そこのギャップというのは、単なるギャグではなくて、ある種人生において、真実味がある気がします。いろいろなバランスの中で、人は生きているけど、本当はみんな「おかしい」し、そこの「おかしさ」にその人のリアルなものとかがある気がします。もしかしたら面白さの他に哀しいものといった人間ドラマがあるかもしれない。

つまり、いわゆる「ホラー映画」のジャンル的な表現には元々興味があるし大好きですが、寧ろ今回は「ホラー映画」的な極限のシチュエーションに置かれた人々の、さらけ出される根っこの部分が表現できると思ったので、今回このような企画を考えました。

ヤングポールさん密着4▼TCP最終審査のプレゼン前の昼食時間の合間、カメラに対して決め顔で答えてくれたヤングポールさん。

-作品作りにおいて、イメージした映画とか、参考にした映画はありますか?

ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ゾンビランド』、『ギャラクシー・クエスト』など参考にしています。

ショーンオブザデッド

こちらの映画にあるような「本当にゾンビが出てきたら、こういうこと起きるかもね」という現実感もあるようなホラーコメディの作品はやりたいと思っていました。

一方でただのギャグだけではないコメディを作りたいと思っています。ギャグとか変顔を見せたいのではなくて、結果としてこういう風に面白く見えたという人と人とのドラマで、観ている人が笑えるような作品にしたいです。

ヤングポールさん1

-キャスティングのイメージはありますか?

キャスティングとスタッフィングは、タイミングもありますし、いろんな要素が絡んでくると思います。もちろん、この人だ!とお願いしてそこから生まれる関係性もあるかと思いますが、脚本を読んでもらって、実はこんな人生経験があったり、似たような経験があったりとか、こういうような興味が今あってといって深く入ってくれることもあると思います。

また、考えていたキャストの方が入れなく別の方が入った場合でも、実はすごく何か持っていたりとかもいろいろあると思いますし、ぶれないようにイメージは持っていた方がいいと思いますが、反対にそれを重要視しすぎないようにして偶発的な出会いを大事にしたいと思っています。

ヤングポールさん3

-最後に意気込みメッセージをお願いします

チャンスをもらえたのは本当にありがたいことだと思っています。選んでくれた人だけでなく、これまで自分に関わってくれた人、期待をかけてくれた人、期待してないよ!と言ってくれた人にも、全員に対してメッセージを返せるチャンスだと思っています。それに対して自分ができることは、面白い映画を作ることしかない!そう思っています。

-ヤングポールさん、ありがとうございました。完成を楽しみにしています!

(取材:斉藤聖、撮影・文:柏木雄介)

■TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM公式サイト
http://top.tsite.jp/special/tcp/

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  • shoheidon
    3.7
    最近のゾンビ映画もアイデア勝負なとこが少しあると思うけど、いいアイデアで楽しめた
  • kazuuu
    3.5
    思ったより面白かった。小ネタが効いてる。笑 クイーンの曲。
  • Momo4
    4.1
    サイモン•ペッグのおかげで出だしから好調。このままゾンビ出ないパターンも欲しくなる。朝の通勤シーンもそうだがいちいち好みの雰囲気。Queenで叩かれるゾンビはもうゾンビに見えない。涙ありのニューマン系ゾンビ映画。
  • suica891
    -
    記録
  • サバ缶蔵
    -
    大抵のゾンビ映画はモヤッとする終わりかたが多い。 救助が来たり、別の土地へ到達したり まだまだゾンビが出現し戦いが終わらないとか。 なんかパターン化している。この作品は笑えるオチ。 コメディだけどもグチャグチャでゴアなシーンもある。 今更ながら傑作。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」
のレビュー(13817件)