劇場で体感できるお化け屋敷!ナメてた相手が実は最恐の映画『ドント・ブリーズ』とは

2017.01.07
洋画

ハットを被ったドールホラー愛好家

Nekubo

ホラー映画といえば夏の風物詩? いやいや、そんなことはないだろう。我々の感じる恐怖というものは、いつどこで襲ってくるかは分からないものだ。それはホラー映画も同じこと!

この冬真っ只中、“最恐”のホラー映画が日本へ上陸した。

『ドント・ブリーズ』ってどんな映画?

donbri

『ドント・ブリーズ』は、三人の若者が盲目の老人宅へと盗みに入ったところ返り討ちに遭うという、ただそれだけのプロットからホラー映画として最大限の面白さを追求した秀作だ。

本作を観て誰もが思うことではあるが、シンプルなワンシチュエーションの映画でありながら「こんなに面白くなるものか!」と感心させられてしまうような映画だということをまず断言しておきたい。

あらすじ

親と決別し街を出るため逃走資金が必要だったロッキーは、恋人のマニーと友人のアレックスと一緒に、大金を隠し持つと噂 される盲目の老人宅に強盗に入る。だが目は見えないが超人的な聴覚を持つ老人は、どんな“音”も逃さない<異常者>だっ た。真っ暗闇の家の中で追い詰められた若者たちは、怪しげな地下室にたどり着く。そこで目にした衝撃的な光景に、ロッキー の悲鳴が鳴り響く――。彼らはここから無傷で《脱出》できるのか―。(Filmarks『ドント・ブリーズ』あらすじより)

監督を務めたのは新鋭フェデ・アルバレス

この映画を監督したのはフェデ・アルバレスという新鋭の映画監督だ。彼の長編デビュー作となったのは日本でも2013年に公開されたリメイク版の『死霊のはらわた』で、『ドント・ブリーズ』は二本目の長編映画となる。

長編デビューに至るまでのフェデ・アルバレス監督は、フィルモグラフィを調べる限りでは短編映画を撮り続けていたようだ。

彼の短編映画の中でも2005製作の“El Cojonudo”という作品は、ブエノスアイレスで開催されているホラーやSF映画に特化した祭典“BUENOS AIRES ROJO SANGRE”に出品され、Best International Shortを受賞した経歴を持つ。

そして、2009年に彼がYoutubeに投稿した短篇“Ataque de pánicoが世界中で話題となり、サム・ライミの目に留まる。これがきっかけとなり、『死霊のはらわた』のリメイクを手がけることになったのだ。

サム・ライミはリメイク版『死霊のはらわた』につづき、『ドント・ブリーズ』の製作も務めている。

“Ataque de pánico”の本編も載せておくので是非観てほしい。

『ドント・ブリーズ』は劇場で体感できるお化け屋敷

ドントプリーズメイン

この映画の物語に関しては先述した「三人の若者が盲目の老人の家に…」という、本当にシンプルなものなのだが、そこに我々観客を怖がらせるための秀逸な演出を惜しげなく盛り込んでいる。まさしくこの映画は“お化け屋敷映画”の完成型といえるだろう。

侵入したソコは老人の世界

盲目の老人宅へと侵入する三人は「目の見えない爺さんが相手なら…」と、それこそナメてかかる。それだけに侵入の前段階で家の間取りを調査する…というような下準備は殆どしないが、それが後に仇となってしまう。

家のどこに大金が眠っているのかは分からない。それだけに家中を手探りで探し回る。そんなことをしているうちに三人の内の一人が、自室で眠る老人にバッタリ遭遇してしまう。

盲目の老人は、自身が生きる術として当然のように家の間取りを把握している。また、注意深く家の中を観察していくと、彼がそこで生きていくために試行錯誤したであろう形跡や、後々分かってくる侵入者への対策の数々が随所に見て取れる。

何も知らない三人が安易に侵入したソコは、完全に盲目の老人の世界となっているのだ。

ドントプリーズサブ2

拭えない緊張感が続く恐怖

自宅への侵入者に気づいた老人の反撃が始まると、そこは途端にお化け屋敷と化す。最初の見せしめとして三人の内の一人が真っ先に殺される。残った二人は家中を、とにかく必死で逃げ回る。

一方、目が見えない分、聴覚に優れ、家を完全に自分の世界としている老人は容赦なく二人を追い詰める。

基本的には老人から逃げる二人の視点から描かれるので、彼等が逃げる先に突如として老人が現れたり、後ろから追いかけてくるという恐怖が延々と続く。

家に侵入してからはBGMの一切が無くなるため、唐突な環境音や、それに反応した老人がいきなり襲い掛かってきたりするという、どのタイミングで何が起こるか分からない緊張感もひたすら続くのだ。

いつどこから現れるかも分からない老人に怯えながら家の中を彷徨うという、まさにお化け屋敷を体験できるのが『ドント・ブリーズ』の魅力なのである。

4DXより体感できる、恐怖の地下室での攻防

ドントプリーズサブ1

この映画が“お化け屋敷映画”の完成型であるということは先述したが、そのお化け屋敷効果が最大限に活かされているのが後半の見せ場ともなってくる地下室での攻防だ。

予想もしていなかった老人の反撃に成す術もなくなった二人は必死の思いで地下室に逃げ込むのだが、それもまた裏目に出てしまう。ただでさえ薄暗く、どこに何があるかもわからない地下室で、あろうことか電気までも消されてしまうのだ。

地下室では「完全な闇の中を逃げ回らねばならない」というシチュエーションとなる。映像としてもナイトヴィジョンを効果的に使い、見えるようで見えづらい、手探りと音だけが頼りの世界を見事に表現している。

怖くて先に進みたくないけど、同時にワクワクするというお化け屋敷の醍醐味を劇場で体感させてくれるのがこの地下室での攻防なのだ。

設定を最大限に生かしたホラー映画の幕の内弁当

この映画はスタッフのホラー映画愛がヒシヒシと感じられる作品だ。これまで解説してきたお化け屋敷映画としての完璧さの他にも、予告編からは一切明かされていない衝撃の展開が隠されている。

最初から最後まで盲目の老人の家に侵入したら返り討ちに遭いました、というだけの映画でも面白いのかもしれないが、それでは単なる「ナメてた相手が実は…」系の映画として終わってしまっただろう。

この映画は「ワンシチュエーションの設定をとことん膨らませてやろう!」というスタッフの意気込みとセンスが炸裂していて、ありとあらゆるジャンルのホラーが一体化している、まるでホラー映画の幕の内弁当のような作品なのだ。

スラッシャー要素あり、シチュエーションスリラー要素あり、そして、最終的にはモンスターパニック要素までも。これらの要素がワンシチュエーションの設定にどのように絡んでくるのか? ぜひとも劇場で確かめてみてほしい。

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    とくにおもしろくはなかった
  • いぬざわ
    3.0
    普通中の普通。
  • AimiWada
    4.5
    記録
  • ムー
    2.2
    設定がわりと斬新でよかったけど、途中からただの密室サスペンス化してへん? しかも敵が盲目なんが救いになってもうてるよね… 耳が特別よくなくても聞こえそうな音ばっか拾ってるし 最近のホラーゲームっぽい雰囲気はわりとよかった
  • にゅき
    2.4
    緊張感は凄まじかったけど「耳が異常にいいおじいちゃん」って聞いてたからもっと凄い特殊能力かなにかかと思ってた…。 もっと対策ねって脱出するのかと思いきや力技やスピード勝負で…。 後味悪い…。 でも暗転シーンは凄かった。緊張感…。
「ドント・ブリーズ」
のレビュー(28981件)