昭和の香り、浪費される生と性…〜オトナになったあなたにすすめたい映画〜

2017.04.11
邦画

"DON’T TRY"

ロハ

妖艶で甘美でドラマチック。そんな「大人の映画」がある……

若さってやつはいつも間違う。そんな言葉が浮かんできた。若いってだけで偉そうな顔をしていたあの時、私たちは青春をしていたんだ。青春はいつかどこかへ見えなくなる。

どうも、ロハです。すみません。なんか青臭い言葉を書き散らしました。

オトナになったあなたにすすめたい映画第2弾は新宿乱れ街 いくまで待って』。

新宿乱れ街

監督は曾根中生、脚本は『さよなら歌舞伎町』『やわらかい生活』の荒井晴彦、主演・山口美成子

新宿ゴールデン街には夢ある若者が集まっていた。小説家志望、助監督、女優志望、シナリオ作家志望。女優志望のミミ(山口美成子)はシナリオ作家志望の沢井(神田橋満)と同棲しながら、ゴールデン街のバーで働いていた。ミミは沢井と結婚を考えていた。しかし沢井は鳴かず飛ばずのシナリオ作家志望であり、その自尊心が彼を苦しめ、ミミとの仲を少しずつ狂わせていく。ある日バーの常連の監督がミミを気に入り、ピンク映画の主演としてミミを起用すると言う。それを知った沢井はさらに自暴自棄になっていき、ミミもまたそんな沢井との関係に引き裂かれていく。

昭和の香りを感じる

この作品を見て、まず思ったことは画面の節々から感じる昭和感だ。

時代はバブル前の日本。ものが豊かになりつつもまだ、古き良き日本の姿がそこにあった時代である。まず音楽がいい。内田裕也が歌う「きめてやる今夜」が冒頭とラストに流れ(ちなみに内田裕也は劇中に空気の読めない場違いの人として少しだけ出演している)、劇中では様々な昭和の名曲(「酒と泪と男と女」など)が流れる。新宿ゴールデン街の姿もいい。木造の長屋がずらっと狭い路地を挟んで並ぶ様は懐かしさに溢れている。また、ミミと沢井が同棲するアパートの内装が昭和ど真ん中みたいな内装であって、それもまた懐かしく、温かい気持ちになった。ここまで昭和感が溢れる映画を見たのは私は初めてだ。

浪費されていく生と性

この作品の中では若者が酒を飲んだくれ、大麻を吸い、そして体を求め合う。若さを浪費し性を浪費している。その浪費していく時間に脅迫されるように、沢井もミミも少しずつ追い詰められていく。いつまで自分たちは若者なのだろうか? いつまで自分たちは自由が許されているのだろうか? そんな言葉が頭をよぎる。最後には思いもよらないラストが待ち受けている。それは深読みすれば浪費した若さからの反撃を意味しているようにも受け取れる。どんなラストかは観てのお楽しみだ。

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