女優”のん”が語る!映画『午後8時の訪問者』の魅力

2017.03.31
特集

Filmarks編集部

フィルマーくま

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女優”のん”さんが映画を語る連載コラム「”のん”のノンストップ!女優業!!」。Vol.4となる今回、取り上げる映画は4月8日(土)から全国順次ロードショーとなる『午後8時の訪問者です。

「あの時、こうしていれば」の後悔が胸に突き刺さる

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童話のような邦画タイトルだなと思ったら、作品自体は全く違うハードなストーリーでした。

若い女医のジェニーは知人の医師の診療所に代理で勤めている。診療時間が1時間過ぎてからベルが鳴った。研修医が出ようとするがジェニーは時間が過ぎているため出なくてもいいと止める。次の日、病院に警察が「昨日の夜、少女を見なかったか」と聞き込みに来る。そして昨日ジェニーが出なくていいと言った訪問者が遺体で発見されたと知り、ショックを受ける。自分のせいでという思いがジェニーを突き動かし、ジェニーは名前も分からない少女のことを調べていく。

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「あの時、こうしていれば」という後悔は誰にでもたくさんあるのではないでしょうか? 私も後から恥ずかしくなったり、こういうことだったのか!と気付いて悔しくなったりと「あの時、こうしていれば」がいっぱいあります。でもほとんどその思いはいずれ忘れてしまうようなことです。この映画には忘れることのできない「あの時、こうしていれば」が描かれていて、危険を顧みず自分一人で真実を追求しいくジェニーの姿がとてもリアルに胸に突き刺さってきました。

自分がちゃんと対応していれば、少女は生きていたのではないか、という後悔の気持ちがジェニーを動かすのですが、ジェニーの、誰に止められても危険な目にあっても構わず追求していくその姿が、既に死んでしまった少女を救おうとしているように映ってとても切なかったです。何かが分かっても、やっぱり自分が助けられたはずという思いは変わらない、やり切れなくなるのです。

事件の裏で、何かに関わってしまった人はどうすればいいんだろう……と一瞬よぎって消えていく疑問が、淡々と進んでいく映像によってより日常的に心に入ってきました。犯人でもなく、刑事でもなく、被害者とすれ違ってしまった人……。私だったらどうするんだろう。こんなに強い意志で少女のことを知ろうと進んでいけるのか。ジェニーの迷いのなさに、静かにずしりと感銘を受けました。

この映画のジェニーのような強い意志は、私達の中にもひっそり眠っているかもしれません。ただジェニーという医師の追求する姿にいつのまにか思い入れをしている。私にとって不思議な魅力のある映画でした。

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■のん プロフィール:女優、創作あーちすと。1993年兵庫県生まれ。映画『この世界の片隅に』で主役すずの声を担当。第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞、第31回高崎映画祭ホリゾント賞、Best10Cinemas in Sapporo 2016特別賞を受賞。写真集『のん、呉へ。2泊3日の旅』、『創作あーちすとNON』が発売中。のんの4月始まりのカレンダーが4月上旬発売予定。

のん公式HP:https://nondesu.jp/

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※本記事は2017年3月31日の朝日新聞東京本社版夕刊の広告特集を転載しています。

(C)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv - RTBF (Télévision belge)

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