園子温監督が魂のすべてを注ぎ込んだ衝撃のドラマ「東京ヴァンパイアホテル」

2017.06.24
特集

FILMAGA編集部

フィルマーくま

現在、Amazonプライム・ビデオにて全9話が独占配信中の「東京ヴァンパイアホテル」は、園子温監督が長年温めていた企画をようやく昇華した、魂のすべてを注ぎ込んだドラマだ。初のオリジナルドラマ、そして初のヴァンパイア作品という冠がつく本作、一体どんなものかと興味津々の方も多いだろう。百聞は一見に如かず、まずはトレーラーを確認してほしい。

これまでに例を見ない、やみつきになる衝撃作

東京ヴァンパイアホテル

強烈なインパクトを残すトレーラーは、とにかく「????」が頭を駆け巡る。正直に言えば、第1話を観終わった感想は「……! ……? ……?」、第2話を観終わった感想は「????? &?????」、そして、第3話を観終わった段階で、ようやく「!」と腑に落ちる展開を迎える(しかし、まだまだ謎に次ぐ謎が待ち受けるのだが)。

主演の夏帆&共演の満島真之介をもってしても、「第3話までは序章!」とのことで、つまり第4話から物語が本格的にスタートするという、例を見ないつくりになっている。「わかりやすく」が主流の現代において、視聴者を鮮やかに裏切る「わけのわからなさ」、もっと言えば「後半になってすべてがわかってくる感じ」は、ドラマを観続けられるテンションを維持する理由にもなるだろう。

実写映像化の限界に挑戦した血湧き肉躍る描写

東京ヴァンパイアホテル

地球と人類の滅亡を図る2種の吸血族と人類の闘いが描かれている世界観は、さながらヴァンパイア・スプラッター・アクションとでも形容するのが正解なのだろうか。第1話の冒頭では、しょこたん(中川翔子、殺人鬼・ギガ役)がいきなり居酒屋にやってきて、その場の全員を死刑、というか惨殺するシーンからスタートする。笑いながらマシンガンをぶっ放し、かと思えば、地味にナイフやフォークでぐさぐさやっちまう痛いさまは、「ああ、園監督、超やる気だな……!」という、ドラマへの本気度を伝えてくれる。

園監督作品の沼に落ちた方の多くが、『自殺サークル』(02)、『愛のむきだし』(08)、『冷たい熱帯魚』(10)あたりで取り込まれたのではないだろうか。近年手掛ける作品は、より大衆に向けた作りでも巧みな演出力をいかんなく発揮し、我々ファンもうならせてくれてはいるものの、「もっと……もっと……!」と、激しい描写を望む自分もどこかにはいた。そんなモヤモヤ&やきもきを払拭する何かを、「東京ヴァンパイアホテル」は、ありあまる熱量で応えてくれており、往年のファンもにんまりする仕上がりだろう。昨日と同じ今日、今日と同じであろう明日を送る人に、喝と刺激をくれるドラマでもある。

なにもかもが規格外のアクション

東京ヴァンパイアホテル

本作では、「これってドラマ?」と目を疑うほどの規格外のアクション、爆破等々がお目見えする。第1話の終盤では、夏帆演じるK、そして満島演じる山田による激しいガンアクション、さらには車が大破するシーンが盛り込まれている。先日行われた完成披露試写会(第1~3話までを上映)に登壇した園監督いわく、「そのシーンはCGが1つもない。いい車にちゃんと穴を開けて、銃痕をつけて、全部実写でやりました。街も壊すために作った」という気合いの入れよう。「最初にがつんといいシーンを撮りたいと思って」と園監督が思いのたけを込めるオリジナルドラマ、観ない理由がどこにあるのだろうか。

◆Amazonオリジナル「東京ヴァンパイアホテル」 information

東京ヴァンパイアホテル

22歳の誕生日を迎えるマナミ(冨手麻妙)。彼女を付けねらう謎の吸血鬼たちから、強大な力を持つK(夏帆)は彼女を怒涛の戦いの中で救おうとする。吸血族から狙われるマナミ、そして不思議な力を持つKはいったい何者なのか。物語は怒涛のアクションと銃撃戦で幕を開ける。その日、若い男女ばかりがホテル・レクイエムに招待される。山田(満島真之介)という謎の男と、奇怪な女帝(安達祐実)とエリザベート・バートリ(神楽坂恵)がこのどぎつく美しい宮殿のようなホテルに住み、ホテルを取り仕切っている。招待された人々はホテル内で山田が主催する全国合コン大会に参加する若い男女たちだ。突如、山田が明日世界は滅び、このホテル内にいる人間だけが助かる道が残されていると宣言をする。どよめく人々。信じられない人々。 「ここにいる者たちが生き残る!我々の餌となって!」ホテルの下には広大な地下空間が広がり、人間はそこで愛を営み、人類を繁栄させ、女帝と山田ら吸血鬼コルビン族から永遠に食らわれ続けるしか存続の道がないのだという。集められた若者一同は、完璧なシェルターであるホテルで地球と人類が滅亡するのを目の当たりにする。ホテルの外は死の灰で覆われた。絶望する者、ホテルの外へ出ようとする者、コルビン族の支配を覆そうとする者。そしてその支配に甘んじる者。そこへ、マナミを奪取しようとするKがコルビン族を滅亡させるべく乗り込んでくる。かくして、人類そして吸血鬼たちの存亡をかけた戦いが始まる。人類は生き残り続けることができるのか。マナミは何故コルビン族とドラキュラ族から狙われるのか?そしてKの運命は―。

Amazonプライム・ビデオにて全9話独占配信中
視聴ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B072JZXT2L/ref=dvm_jp_pv_pm_tvh_002
(C)2017NIKKATSU

 

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  • kaometal
    2.7
    1話目の冒頭以外は期待外れ。
  • ちゃー
    -
    最強にすき。
  • ぴょん助
    3.5
    個人的には1.6.7話が園子温監督らしい迫力ある展開で好み やはり8話以降別監督脚本のため 内容が少しドラマらしさが出てしまう だが、渋川清彦さん子役の森七菜さんでもったところがある 話的には謎な箇所があるが、 アクションやカラフルさなど娯楽的に見るならば良き
  • へんりー
    4.5
    最初の三つぐらいのエピソードが最高だ。これほど面白いやつは久しぶりに観た!あとは、弱いところも増えるけどまあ、映画じゃなくてシリーズだから仕方ない。とにかく最後までくそ面白い!! ・・・「最後」というのは、園子温の撮った7目のエピソードまで。そのあとの三つの短いエピソードは、他の監督に撮られて全然違う感じなんだから。さっぱりわけわからない。もったいないし。だからこのレビューは、園子温のエピソードだけを4.5点にして、最後のエピソードは3.5点かな。関係ない話。
  • ayumi
    3.8
    空が一番青かった頃にあなたに会いたかった 空が一番綺麗だった頃にあなたと恋したかった 園子温が好きか、意地っ張りか、よっぽどいい人じゃなければ最後まで見ないだろう 全10話、6時間強、8話からは監督脚本から降りて総監督に、という園子温作品 中だるみ、尻すぼみの極み ただ、いつもながら表現欲求を、初期衝動を、こうして形にする熱量には敬服、さすが 予算がないことなどお構いなしの前半の疾走感は見事だった ホテルのステージ、銅鑼がぶら下がっているのはピカピカのハンガーラックなのに気がついた時にもうリタイアしようかと思ったけど 処女作「LOVE SONG」を想起せずにはいられない走りのシーンに、園子温のコアな部分は何も変わってないんだろうと思った ある意味崇高なまでにピュアなアマチュアリズム 総括すると役者を楽しむ作品といっていいと思う(今回も膨大なキャストの数で、気になる演者の名前探しが大変) 夏帆を筆頭にヒットガール中川翔子、チョイ柳英里紗、怪優安達祐実、黒謎松井玲奈、M母筒井真理子、ブロークンデニム桜井ユキ、ルーマニアの血コトウロレナ、ドレッドショートインピンク満島真之介、闘う花輪君岩永ジョーイ、谷間A神楽坂恵、谷間B今野杏南、憑きモノ落ちてベストアクト渋川清彦、膝下の長さハロプロ系森七菜、半ケツ小谷早弥花…などなど魅力的なキャラクター多数 園組女若頭の冨手麻妙がどうもピンとこなかった…ここまでやり切れる役者さんはいないのかもしれないけど 服着てるときはまだしも、とにかくガタイがよすぎる…怖いやら気持ち悪いやら 満島真之介、ポテンシャル高くてビックリ 最後まで見たおかげで、思いがけず「2つめの窓」阿部純子に再会できた(赤い糸) MIYAVIの曲、カッコいい ルーマニアの美少女、誰なのか気になる…
「東京ヴァンパイアホテル」
のレビュー(436件)