9月9日公開!ノーラン監督セレクトの11作品から、新作『ダンケルク』の全貌を徹底予想!

2017.06.26
特集

FILMAGA編集部

フィルマーくま

あの現代最高峰の監督クリストファー・ノーランが初の実話に挑んだ最新作は、すでに今夏公開の作品の中でぶっちぎりの話題作として君臨する『ダンケルク』だ。第二次世界大戦中の1940年、港町ダンケルクで英仏40万人の兵士たちが絶体絶命の窮地に立たされた歴史的イベントを、こだわりにこだわり抜いて独創的に映像化! <そのヘンに転がっている戦争映画とはまったくの別格感!>をプンプンに漂わせている、映画ファンが待ち焦がれる一作なのだ。

ダンケルク_特集

しかも、毎作品徹底した秘密主義を守り、来日インタビュー時でさえマスコミ陣を煙に巻くノーラン監督が、今作『ダンケルク』を製作するにあたって影響を受けたという作品を“自分自身でセレクト”し、イギリスで「ノーラン映画祭」と銘打ったイベントまでも開催するという異例の大展開! まずはその作品群を知り、最新作の本質、そしてノーランの頭の中を覗け!

ダンケルク_特集

 

『エイリアン』から『スピード』まで、タイムリミット・サスペンスの側面も色濃く加味! 

まず『ダンケルク』を敵の攻撃からの一刻を争うサバイバルの物語とポジショニングすると、自ずとサスペンスの技巧や手法も要るということで、ノーラン監督はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作『恐怖の報酬』や、かの有名なリドリー・スコット監督作『エイリアン』など、目に見えない敵や時間をめぐる緊迫感が今なお色褪せない名作たちもチョイス!

またキアヌ・リーヴスの出世作『スピード』や、トニー・スコット監督の遺作『アンストッパブル』など、比較的最近の傑作・秀作まで飽くなき探求心でリサーチするなど、『ダンケルク』がある種のタイムリミット・サスペンスの側面も濃いことを示している! 期待せずにはいられない!

ダンケルク_特集

『西部戦線異状なし』の影響大! 過剰ドンパチ映像=戦争映画じゃないという真の方程式を再提案!

またノーラン監督は、『ダンケルク』を「生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択した」と語っている。戦争が人間性を奪うというメッセージを最初にして最高の手法で描いたルイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』を、影響を受けた重要な一作としてセレクト!

ノーラン監督は、「あの傑作をもう一度観れば、過剰な戦闘描写や恐怖の表現がより優れていたとは言えなくなるはずだ。登場人物たちがそれぞれの運命における意義と論理を見つけ出すという、これまでの戦争映画の常套表現に抵抗する力を示してくれる」として、いわゆる過剰ドンパチ映像=戦争映画ではない、という真の方程式を再提案しているのだ。

ダンケルク_特集

美しいサイレント映画の名作も大胆に参考に 天才監督のルーツ的な作品群がコレだ! 

そしてノーラン監督は、「純粋に視覚的なストーリーテリングの可能性を探求するもの」として、エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の『グリード』なども参考にしたといい、F・W・ムルナウ監督の『サンライズ』などの美しいサイレント映画を観て、文字どおり視覚的な可能性を探ったともコメント。そしてデヴィッド・リーン監督の『ライアンの娘』では、恐怖と孤独さえ感じる吹きっさらしの浜辺や、砕ける波の場面が象徴するような、映画に登場する映像の力に影響を受けたとも。過去、徹底したリアリティーで観客の度肝を抜くような映像を構築した、天才監督のルーツ的な作品群が今明らかに!

ダンケルク_特集

ヒッチコックの影響まで赤裸々に告白! 戦争映画、そして戦争の本質をエグく捉えた大傑作、『ダンケルク』に期待だ!

そして、「映画的なサスペンスや視覚的なストーリーテリングの探求は、ヒッチコックなくして完成しない」ともノーラン監督は惜しげもなく言う。「『海外特派員』での飛行機が海に墜落する様を描いたヒッチコックの才能は、我々が『ダンケルク』で試みたことの多くにインスピレーションを与えてくれた」と公言しているほどで、『ダンケルク』鑑賞前にぜひともヒッチコック作品を体験するのがベター。これまで秘密主義が恒例だったノーラン監督がここまであけすけに語るほど、並々ならぬ情熱を『ダンケルク』に注いでいる。

ダンケルク_特集

これだけを見ても、何も銃弾や流血だけが戦争映画ではないという主張がビンビンに伝わる。というより、サバイバルやサスペンスを最重要ファクターとしてIMAX65ミリカメラで撮影に挑んだノーラン監督の『ダンケルク』こそ、戦争映画、そして戦争の本質をエグく捉えた大傑作の誕生に違いなく、我々はその目撃者になるのだ!

イギリスで開催「ノーラン映画祭」での上映作品
『西部戦線異状なし』(1930)/ルイス・マイルストン監督
『恐怖の報酬』(1953)/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督
『エイリアン』(1979)/リドリー・スコット監督
『スピード』(1994)/ヤン・デ・ボン監督
『アンストッパブル』(2010)/トニー・スコット監督
『グリード』(1924)/エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督
『サンライズ』(1927)/F・W・ムルナウ監督
『ライアンの娘』(1970)/デヴィッド・リーン監督
アルジェの戦い』(1966)/ジッロ・ポンテコルボ監督
炎のランナー』(1981)/ヒュー・ハドソン監督
『海外特派員』(1940)/アルフレッド・ヒッチコック監督

【参照URL】
Christopher Nolan curates BFI Southbank season of influences on new film Dunkirk
http://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/announcements/christopher-nolan-presents-dunkirk

◆映画『ダンケルク​』 information

ダンケルク_特集

上映時間:110分

9月9日(土)丸の内ピカデリー 新宿ピカデリー他 全国ロードショー
公式サイト:dunkirk.jp #ダンケルク
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • namika
    3.8
    ダンケルクで実際に起こった出来事と知らずに鑑賞。 終始戦争の残酷さと怖さを低調な音楽が煽る。 空の1時間、海の1日、防波堤の1週間、それぞれの場面を上手く組み合わせて描いていた。
  • mhstyles
    3.8
    船の場面がドキドキですね 常にドキドキがあって安心できない
  • ロールシャッハル
    3.5
    戦争映画なのに敵のドイツ軍が2回しか出てこない。 それぞれの主人公たちは特定の人ではなく、全体の中のひとりを象徴している。 最初に説明される時間たち 空 →1時間 海 →→→1日 防波堤 →→→→→→→1週間 映画では3つのシーンに分かれて同時進行していくが、それぞれのシーンで主要人物が体験している時間が違う。 時間の見せ方が秀逸。 クリストファーノーランらしさ満載で 余分なものを削ぎ落とした戦争映画になってました。
  • MA
    3.8
    映像はなるほど…すごい! やっぱり時間軸が混乱 戦争モノだからか難しいからか長く感じた。 私の勉強不足です。
  • 明烏
    2.5
    正直、困惑してしまった。 自分にとっての「いい映画」ってなんなんだろうと。 リアリティを追求した撮影や演出、セリフに頼らない心情描写、音楽と音響の使い方、凝った構成、息を呑むほど美しいカット。 この映画には全部あります。高評価を得ているのも頷けます。ノーラン監督、流石の映像マニアっぷりです。 けど、これを「戦争映画の良作」として認めてしまうのは違う気がする。認めてしまうと自分の「映画観」を否定してしまう気がする。 あまりにもコマーシャルされた話題作なので辛めにたくさん書きます。 この作品、流血描写も殆どなく、ひたすら淡々と進んで行きカタルシスも微弱で、だからメッセージ性も弱い。何より「痛さ」が無い。血が出ない(これ重要だと思う)。死というものがあまりに軽くて、心を抉るような鋭さに欠けた作品な気がする。 映画としての完成度は文句無しに高いと言える要素が目白押しなのだが、その反面先述した描写が甘くて(浜辺で爆死した兵の死体とか寝てるみたい)、そういう点では重要視している筈のリアリティが皆無で自己矛盾起こしてしまってます。 そもそも映画は大衆へ向けたモノなので、ストイックさを多少犠牲にしてもある程度の分かりやすさとメッセージ性は必要なのだと思うし、ましてや戦争を描くのであれば美談をも美談としない決断が必要だと思う。 結果、ドイツ兵が登場せず、敵国の兵士の死が只の出来事としか描かれていない本作は「ダンケルク撤退をリアルに美しい映像になる様に描きました」っていう芸術家の独り善がりな作品でしかない。 ハンスジマーの音楽もそれを強調している。 IMAXで観れば映像&音響効果も倍増し、過去に無い映画体験が出来るがそれってこの作品に限った事じゃないしIMAXが必須レベルの要素になっているって点でいつ何処で観ても評価できる作品ではない。 皆さん、この映画ホントに素晴らしい映画だと思ってるのかな、、、。 「ノーラン=面白い」っていう大衆迎合的な意見じゃないと言える?確かに監督としての力は示せてるけど、、、ねぇ? それと、最後に思ったのは「戦勝国はこういう切り口で戦争と愛国心を語れるのだな」という事。決して戦争賛美な映画では無いが、この救出劇を「勝利」としたチャーチルのスピーチは強烈なプロパガンダであり、その後和平交渉を蹴っての徹底抗戦→世界大戦→英国の衰退、への流れを決定付ける一因でもあるのだが、、、。 ノーラン作品って映画愛と拘りは滲み出しているけど、映画においてかなり重要なものが抜けている場合があって、本作はそれに当たると思う。この人はストーリーテリングが下手というか、わりとどうでもいいと思っている節があるなと思った。 映画人というよりはアーティストなんだよな。 自分の中の映画観を見つめなおすのに良い機会でした。
「ダンケルク」
のレビュー(43203件)