【実写では叶わない映像体験】人々を魅了するアニメーション作品5選

2017.07.29
アニメ

映画と現実を行ったり来たり

ne22co

昨年8月に公開され、その美しいアニメーション表現が人々を虜にしたトム・ムーア監督のソング・オブ・ザ・シー 海のうた』。

過去の記事でもトム・ムーア監督が描くアイルランドの海、精霊と人間の美しい物語の魅力をご紹介しました。

そして今年、トム・ムーア監督作『ブレンダンとケルズの秘密』が、満を持して日本公開となります!

ブレンダン
(C)Les Amateurs, Vivi Film, Cartoon Saloon

本作は『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』以前の2009年に製作され、アイルランドの大自然に暮らすケルト人の文化、太陽や大地に宿る神々と人々との交わりや自然一体化思想を色濃く表現した作品となっています。

予告編からも分かるように、場面ごとに施されたケルト文化特有の美しい装飾的な描画や音楽は『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』同様、美しい絵本の中に迷い込んだような、不思議で心地よい癒しの時間をもたらしてくれることでしょう。

今回は、『ブレンダンとケルズの秘密』の日本公開に合わせ、独特の世界観で人々を魅了する少々変わり種のアニメ映画を紹介します。

これぞファンタスティック!なアニメーション。観れば観るほどクセになる『ファンタスティック・プラネット』

今から40年以上前に制作されたフランス、チェコ合作の『ファンタスティック・プラネット

宇宙のどこかの星で進んだ科学を操る巨大な人型宇宙人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられている地球人によく似た人類オム族を描いた物語です。

ファンタスティックプラネット

奇才と言われたルネ・ラルー監督が生み出した、初期ネーデンランド期の宗教絵画を思わせる世界観と摩訶不思議な生き物、建物や機械の数々。

衣装や背景の細部まで描き込まれた1シーン1シーンは、カルト的な恐ろしさもありながらずっと眺めていたくなるような絶妙な美しさも感じられます。

地球上の人間の在り方に対して、問題提起をするような哲学的ストーリーも見所です。

その独特すぎる世界感にただただ圧倒され、一度観たら忘れられない作品となるでしょう。

美しい映像と音楽。一緒に歌って踊りだしたくなる『キリクと魔女』

1998年に製作された、フランス・ベルギー・ルクセンブルグの映画『キリクと魔女』。

物語の舞台はアフリカ。自らの意思で生まれたキリクという赤ん坊が、魔女の魔力で支配された村を救うべく冒険をするというストーリーで、公開当時フランスでは130万人を超える動員を記録。数々の国際的な映画賞を受賞しました。

キリク

この作品の見所は何と言っても鮮やかな色使い、切り絵を組み合わせたような他にはない映像。そしてリズミカルで印象的な音楽は思わず一緒に踊りだしたくなるほどです。

平面の組み合わせでありながらも、スクリーンの奥まで引き込まれるような画面、キリクや可愛い動物たちのどこかコミカルな動き、ストーリーを盛り上げるアフリカンミュージック。

それらが繊細に絡み合うことで、ストーリーに込められた人間の本質についてのメッセージを、大人から子供まで感じ取ることができる作品となっています。

日本アニメにはない動き!? 画面全体が躍動し語りかける『ベルヴィル・ランデブー』

2002年にフランス、ベルギー、カナダで製作された作品。孫息子を愛するおばあちゃんが彼のために疾走する『ベルヴィル・ランデブー』。

ベルヴィル

人物や背景などに用いられるアニメーションならではのデフォルメがとても印象的な本作。

台詞はさほど多くないものの、キャラクター達のコミカルな動きや表情が物語をぐいぐいひっぱっており、終始小気味良い音楽がだんだんとクセになって来るはず。

80分と短めの作品なので、2010年製作の『イリュージョニスト』(こちらも80分)も合わせて観賞することで、シルバン・ショメ監督の世界観にどっぷりと浸ってみてもいいかもしれません。

ウェス・アンダーソン節をアニメで楽しむ! 『ファンタスティック Mr.FOX

こちらは『ダージリン急行』や『グランド・ブダペスト・ホテル』など、近年日本でも多くのファンを持つアカデミー賞監督、ウェス・アンダーソンが2009年に手がけた、アメリカ、イギリス合作のストップモーションアニメーションです。

Mr Fox

いわゆるアニメーションでは一般的な、平面に描かれた画をコマ送りする技法とは異なり、ストップモーションアニメーションでは、静止している人形を1コマ毎にカメラで撮影し、あたかも動いているように見せるアニメーション技法。CG技術が進歩したことで近年ではあまり見られなくなってきました。

アニメーション作品になってもウェス・アンダーソンらしい構図やテンポ、優しいトーンの配色やキャラクター(ウェス作品には常連の豪華すぎる声優陣! )の絶妙な掛け合いは健在!!

その洗練されたセンス溢れる1シーン1シーンにうっとりすること間違いありません。

ウェス・アンダーソンと言えば、次回作がもっとも期待される監督の1人としても有名ですが、なんと彼の次回作は2018年に公開の、日本を舞台としたストップモーションアニメーション。

その名も『犬ヶ島』。

黒澤明監督宮崎駿監督を尊敬し、日本が大好きだというウェス監督がどのような新作を創り上げるのか今からとても楽しみですね。

国境と言語を超えて支持されたアニメーション『父を探して』

2013年に製作された『父を探して』はブラジルの新鋭、アレ・アブレル監督による作品で、全世界40以上の映画賞を受賞、アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされました。

舞台はブラジル。都市へ出稼ぎに出た父親を捜しに出かけた小さな子供が様々な人々や環境に出会い成長していくストーリーです。

父を探して

全編を通して台詞は一切ありません。極限まで削ぎ落とされたシンプルな線で描かれるキャラクターと水彩絵の具をちりばめたようなカラフルな色彩が拡がる画面、さらに笛や打楽器の印象的な音で紡がれていくストーリーは世界共通で誰が観ても理解でき、言語を超えて通じ合うアニメーションのすばらしさを体感できる作品となっています。

描かれているのは小さな主人公目線で広がっていくカラフルでリズミカルな美しい世界ですが、良く見るとそこにはブラジルだけでなく、今世界が共通で抱える高度成長による急速なシステム化、貧富の差、自然破壊などへの問題提起も込められていたりと、大人が観ても深く共感出来る内容となっています。

台詞がないからこそ、観賞者それぞれの受け取り方の幅が拡がるのもこの作品の魅力なのではないでしょうか。

アニメーション挿絵

このように、世界的に有名なディズニーやジブリとはまた違う個性溢れる魅力的な作品が世界各国で生み出されています。

今回紹介した作品だけでなく、いろいろな国、監督特有のアニメの表現を楽しんで、お気に入りの作品を探してみるのもいいかもしれません。

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  • カク
    4.5
    めちゃめちゃよかった…ケルズの書の装飾や中世絵画などさまざまなものを引用して構成された画面が美しかった
  • コッポラの死
    4.8
    彩り豊かなアニメーションで、雰囲気がケルトみがあって好き
  • そっと覗き見
    3.2
    万華鏡のような世界にうっとり。 「あらまぁ…綺麗だねぇ。素敵だねぇ」 って孫の七五三をニコニコして眺めるお婆ちゃん化してしまった。 こんな素敵な作品を小さい時から観られるなんてヨーロッパの子供たちは幸せだねえ。。 なんて思ってたら、海賊のシーンは恐ろしかった。 私がヨーロッパの子供だったらトラウマレベル。 パイレーツオブカリビアンのジョニデを見ただけで恐怖で断末魔の叫びを上げるね。 それ以外はとにかく美しい映像で、なんだか夢を見ているかのような作品だった。 女の子の正体もなんだか素敵。 だがしかし、海賊のシーンはやはり恐怖で断(ピーッ、ピーーーー)
  • ますみ
    3.7
    美しいに尽きた
  • 晴山
    3.8
    平面的で漫画的な画面分割 3D効果と絵巻物のような画面の融合がとても不思議で面白く、絵本のような説明と進行の仕方をしている。前作に続いて音と映像が溶け合っていて素敵でした。
「ブレンダンとケルズの秘密」
のレビュー(384件)