ゆとりモンスターでブレイク 太賀、主演作に投じた愛「自分の青春映画の区切りになってもいい」【インタビュー】

2017.10.25
インタビュー

映画のインタビュー&取材漬けの日々是幸也

赤山恭子

2016年にNTV系列で放送され、本年にはスペシャル版も放送された大人気ドラマ「ゆとりですがなにか」は、20代中盤~後半にかけての「ゆとり」世代の心情をコミカルかつ強烈なまでに浮き彫りにし、多くの共感と反響を呼んだ。中でも、太賀が演じた「ゆとり」が生んだ究極の問題児「ゆとりモンスター・山岸ひろむ」はスピンオフ版も作られるほど耳目を集めた。それは、同時に山岸を魅力的に演じきった太賀の演技力を世に知らしめたことにもつながる。

ポンチョに夜明けの風はらませて

デビューは2006年、映像媒体だけで出演作は75本を超えた。着実に実力を積み上げてきた太賀が主演を務める映画ポンチョに夜明けの風はらませてが、ほどなく公開を迎える。地元の仲良し男子3人組が、やけっぱちに歩みを進めるロードムービーは、太賀の言葉を借りれば「青春が1枚1枚どんどん過ぎてゆく話」で、懐かしさと切なさをあわせ持つ。作品のフロントに立った太賀の想いを聞いた。

――Filmarksと申します。よろしくお願いいたします。

Filmarks、使っています。友達何人かに布教活動もしています(笑)。

――なんと、ありがとうございます!

今までいろいろな映画サイトを基準にしていましたけど、今はFilmarksもひとつの判断基準になっていますよね。満足度とかも。

――太賀さんの使い方は、どういった感じですか?

僕は観たい映画をClip!して、観た作品には目のマーク(Mark!)をつけています。Filmarksのいいところは、どんどんリンクで飛べるところですよね。「こんな映画もあるんだ」って、すごく楽しくて。キレイにポスタービジュアルが年代順に並んでいるから、役者でも引けるし、監督でも引けるし、予告編もあって、見出すと寝られなくなります。

――映画をたくさんご覧になっていると思うのですが、お気に入りの劇場はありますか?

好きな劇場は……うーん。イメフォ(※シアター・イメージフォーラム)が好きです! 外れたことがない気がします。最近はなかなか行く機会も減っていますが、なるべく劇場で観たい派なんです。

ポンチョに夜明けの風はらませて

――それでは、主演映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』について、お聞かせください。出演の決め手はどこにありましたか?

決め手で言うと、永井(拓郎)さんというプロデューサーと、早見(和真)さんという原作者のおふたりと、以前『ひゃくはち』という映画でご一緒したんです。だから、すごく縁を感じていました。あとは、純粋に脚本を読んでやってみたいと思いました。

――特に惹かれた部分は?

又八の役ですね。直感的に動いて、皆をどんどん巻き込みながらもどこか憎めない、愛おしい役柄にすごく魅力を感じて。

――又八は明るくムードメーカーでありながら、繊細な面を持っている印象でした。観ていても振れ幅が楽しかったのですが、演じている立場ではいかがでしたか?

撮っていても面白かったです。普段、自分は頭で考えて役を作っていくことが多いんですけど、今回は頭で物事を考えるよりは、もっと動物的に飛びついていきたいと思いました。目の前にあることをいっぱい感じて楽しめれば、又八として映画の中で躍動できるのかなと。それも廣原暁監督とのコミュニケーションの中で、「前後のことは気にせずいこう」という話があったので、その言葉を信じていました。

――普段とは違う作品への取り組み方だったんですね。

違ったような気がします。普段は、もうちょっと考えたり、安心材料を作ったりするんですけど、飛び込んでいったほうが又八らしいのかなと思って。役によって、自分自身の人生に置き換えて投影して演じる瞬間と、そうでない瞬間があるんです。又八に関しては、すごく直感的でした。実は理屈はいらない、という男を演じたかったのはあります。地上からちょっと足が浮いた感じというか、跳ね方みたいなものは理屈ではないのかな、と。

ポンチョに夜明けの風はらませて

――本作はオールロケですよね。ロードムービーならではの撮影の楽しさはありましたか?

ああ~! どんどん進んでいくので、同じ場所でずっと芝居をしているわけじゃなくて、その場その場で感じるものが違っていたりするのは、演じる上でヒントになったかもしれないですね。

――特に「ここが」という場面はありますか?

どこもすごく楽しかったんですけど、中でも印象的だったのが、5人の海辺のシーンです。

ポンチョに夜明けの風はらませて

車で着いて、出てきて走って行って、海に着く、みたいな。それぞれ抱えている想いは違えど、同じ海を見ている。そのシーンは、これまでコメディタッチでバカなことを続けてきた中で、たぶん又八たちもここで1回立ち止まることがあったんじゃないかなと思っていて。そのときの撮影の空気感もよかったし、できあがりを観ても、すごく切ないシーンだと思いました。一気にここで、それまでのことが儚く思えるというか。

この物語は過ぎた青春……、青春がどんどん過ぎてゆく話だと思うんです。1枚1枚めくられていくというか。その残りの少なさに、ちょっと想う部分が各々あるのがわかるシーンだなと思って、すごく印象的でした。

――特に夜になってからの又八の独白シーン、皆で歌っていくところまで、すごく素敵でした。

海辺の一連の流れは、僕も本当に好きですね。

――男子特有のノリ的なものが羨ましくなったんですけど、太賀さんの中にも同じような一面はありますか?

もちろんあります。女性がどう観てくれるのかも、すごく気になるんですよね。

ポンチョに夜明けの風はらませて

――現時点で、どんな類の感想が寄せられていますか?

実は女性らしい目線はあまり意見としてはなくて、女性も男性の記者の方も「懐かしい」とか「思い出すようだ」と言ってくれているんです。人には十人十色の青春があると思うんですけど、もしかしたら、この映画が提示している青春と、人が抱えている青春とで折り合う部分があるのかな、と思いました。それは作品の成功のひとつだと思います。全然違っていいけれど、どこかで分かり合える瞬間があるというか。

――確かに。誰もが同じ青春を過ごすわけではないが、どこか投影できるところがあると。

そうです。どこかに投影できている隙間みたいなものがあれば、観ているうちに乗っていけるじゃないですか。『ポンチョに夜明けの風はらませて』に関しては、男性に限らず、女性にもそう思ってもらえたり、若者だけでなく、大人にもそう思ってもらえたりとか。そこは、この映画のアタックポイントのひとつだと思っているんです。

――中村蒼さん、矢本優馬さんとは、お話し合いをされたんでしょうか?

なくて、それがよかったのかなと思っています。「この映画がどう」とか「ああしよう」とかがほぼなくて、くだけた話が多かったんです。それこそが、3人の空気感を作ったんじゃないのかなあ、と。真面目な話をするわけではなく、どうでもいい話をずっとしゃべっているのが、この(映画上の)3人に近い空気感が出ていた感じがして。これで「ああしようぜ」と話していたら、またちょっと違ったのかもしれません。皆、肩の力が抜けていたのでいい塩梅だったのかな。

ポンチョに夜明けの風はらませて

――自然にやっているように見えるからこそ、成り立つ作品にも思えます。

何かを狙ってやることはなかったので、そこがよかったのかな? 大体若い役者が集まって青春ものをやると、激しさが生まれるじゃないですか。それがないからいいのかなと思います。だから観やすいし、役者の主張が映画の中だけで収まっているというのが、いい気がします。……僕が言う言葉じゃないけど(笑)。

――いえいえ、普通これだけ見せ場の多いお話だと、力が入りますよね。

なりがちなんだけど、そうでもなかったという。いいゆるさがよかったのかなという感じがします。

――太賀さんにとっては『走れ、絶望に追いつかれない速さで』以来の映画主演ですよね。特別なものになりましたか?

やっぱりうれしいです。うん、うれしいです。とはいえ、やっていることはそんなに変わらないので、思いのほか感慨深いわけでもないんです。主人公を演じると、いかに自分が普段支えられているかがわかりました。普段、そんなに主役が多いわけではないので、自分が真ん中に立つと、めちゃくちゃスタッフやキャストに支えられている、と。だから頼もしかったし、自由にやれたのかなと思うんです。

――心強い、という感じですか?

そうですね。心強かったです。自分だけで僕が僕として表現しないといけない、僕の中の提示しないといけない部分があると思うんですけど、それをいかようにもしてくれるのが周りのスタッフとキャストだと思うので、そういう意味で、又八という役が僕ひとりで成立したわけではないことを痛感しました。逆に言えば、どうやっても又八にしてくれたんじゃないかなと思うし。ここまで「なるほど。支えられてた」と思ったのは初めてかもしれません。

ポンチョに夜明けの風はらませて

――この作品は特別な一作として残りそうですね。

そうあってほしいです。あとは、やはり公開されて観てもらって初めて完成するものだと思うので。本当に自分ひとりだけの映画ではないし、観客や制作スタッフの皆で共有できたら、自分の中でも存在感も大きく増してくると思うんです。こういう青春映画をやれるのは、そろそろタイムリミットがきている気がしていて。僕はもうすぐ25歳なので、見た目で言えば高校生役はまだできるんでしょうけど、そこに感覚としてのリアリティはどんどん失われていくじゃないですか。そういう意味では、結構最後のほうかなという気がしています。これがひとつの自分の中の青春映画の区切りになってもいいなと思います。

――大きな作品ですね。インタビューをした感想を勝手に申し上げれば、お話がわかりやすく、とても知的な太賀さんでした。

本当ですか? セルフプロデュース、大成功ですね(笑)。(インタビュー・文:赤山恭子、撮影:市川沙希)

『ポンチョに夜明けの風はらませて』は10月28日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。

ポンチョに夜明けの風はらませて
(C)2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会

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    3.5
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  • ふふひ
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  • morine
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    おもしろかた
  • まさみつ
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    染谷将太の歌が良かった。 あとの3人のエピソードがもっと深く掘り下げられれば。ジャンボはウルフ並み? 佐津川愛美は脱ぐかと期待してたのに・・・ バナナクリニック!? 108本目
「ポンチョに夜明けの風はらませて」
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