【紡ぎだす愛の形】進化を止めない美しき天才、グザヴィエ・ドランの作品を堪能しよう

2017.11.11
映画

映画と現実を行ったり来たり

ne22co

2009年、『マイ・マザー』で映画脚本家、監督としてデビュー。弱冠19歳にしてカンヌ国際映画祭で上映、20カ国で買い付けされるという鮮烈なデビューから8年。

今やカンヌ、ベルリン、ヴェネチアの世界三大映画祭では常連となり、“若き天才”、“美しきカリスマ”と映画界の誉れをほしいままにするグザヴィエ・ドラン

デビューから10年を待たずして、彼のこれまでの作品と彼自身を紐解くドキュメンタリー作品、バウンド・トゥ・インポッシブルが11月11日に公開されます。

バウンド

これまでの彼の作品に出演したヴァンサン・カッセルマリオン・コティヤールナタリー・バイなどの名俳優たちや、カンヌ国際映画祭の総代表、ティエリー・フレモーを含む業界人、そしてグザヴィエ・ドラン自身が作品への想いを語り、彼の魅力を余すことなく詰め込んだ至極のドキュメンタリーとなっています。

本記事では『バウンド・トゥ・インポッシブル』の公開にあわせ、彼の過去作品をこれから観ようと思っている方へ、観賞時におさえておくとグザヴィエ・ドランの作品をさらに楽しむきかっけになるポイントを、いくつかご紹介します!

ファッションや小物、背景、色の仕掛けを存分に楽しむ

グザヴィエ・ドラン作品に共通して楽しめる要素として、数えきれないほどの画面の中のこだわり抜かれた色使いや小物使いによる仕掛けがあります。

例えば2016年製作『たかが世界の終わり』では、現在のシーンはブルーやセピアが強くあまりカラフルな色彩を感じられないのに対し、過去の回想シーンは色とりどりで表現されており、その対比からも主人公の心の様子が伝わってきます。

たかが

初期の作品、『マイ・マザー』(2009年)や『胸騒ぎの恋人』(2010年)も色の効果が意図的に使われており、画面の中に印象的に配置されていたり、何度も登場したりする色に注目することで登場人物それぞれの性格や感情、台詞からは分からない心の変化に気がつくかもしれません。

マイマザー胸騒ぎ

私はロランス』では、劇中で主人公・ロランスの指先につけられたクリップ、空から落ちてくるカラフルな洗濯物や部屋の中で滝のように流れ落ちる水のシーンなど、次々と映し出されるカラフルで幻想的なイメージのなかで使われる小道具やファッションからも、登場人物たちの心の声を感じられます。

ロランスドラン本文2

独創的な画角の変化から伝わる登場人物の心の動きを楽しむ

2014年製作『Mommy/マミー』で話題となった、スクリーンの画面アスペクト比、縦:横が1:1。真四角の画角。

ドラン本文

最近はインスタグラムによって、見慣れた比率となっていますが、映画作品のスタンダードサイズ1:1.33、ビスタサイズ1:1.85、スコープサイズ1:2.35などと比べても極端に画面自体が狭い印象です。

画面の中に映る情報の量が少なくなるので、人物たちに没入する感覚を味わえます。

『Mommy/マミー』や、『トム・アット・ザ・ファーム』ではストーリーの中で画角が変化することによって、主人公の心情やスクリーン内の世界の圧倒的な空気感の変化が表現されおり、観賞する私たちに大きな衝撃と作品への更なる没入感を与えます。

マミートム

共通するテーマのなかで、年月と共に移り変わる監督の価値観や視点を楽しむ

グザヴィエ・ドランの映画に何度も描かれる共通のテーマとして、母と息子をメインとした家族の関係、トランスジェンダーの恋や友情などがあります。

そしてどの作品においても描かれてきた【愛するが故の心の葛藤や愛ゆえのすれ違い】。

【人間と人間が生み出す愛の形】はドランの作品には描かせないテーマとなっています。

過去作品のなかには原作ものもありますが、映画化にあたってはドラン自身の体験や価値観が色濃く反映されており、彼が日々感じる様々な想いが込められて生み出されています。

10代の若者が抱える様々な葛藤を描いた初期作品から、30代に近づいたドランの作品は、共通するテーマを扱いながらも、時間の流れの中で変化した彼の視点を感じたり、作品を通して彼自身の心境や価値観の変化を、追体験する気持ちで観賞しても面白いかもしれません。

ドラン本文3

今後の新作、そして更なる進化が楽しみな、“映画界の若き天才、グザヴィエ・ドラン”。

彼自身に迫るドキュメンタリー『バウンド・トゥ・インポッシブル』と併せて、是非上記以外にも、あなたならではの視点でドラン作品を楽しんでみてくださいね。

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  • 未来
    5.0
    刺激
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    レンタルにて。 この監督の作品好きでレンタルされたらすぐに観るけど普通に話してる所初めてみた。めちゃ早口笑 子役をやってたんだな。
  • カミツレ
    -
    衣装、カメラワーク、照明、演技、すべてにおいて彼のセンスと才能が爆発していることがこのドキュメンタリーでわかる。 ドランの初期作品はまだ観てないものがいくつかあるからぜひ観たい。ついでに一度観たものもまた観返したくなった。彼の作品は心で何度でも味わいたくなる作品が多い。 俳優としての彼、監督としての彼、グザヴィエ・ドランという人間そのものが非常に興味深く気になる存在である。 「自分の道を進めば、本物の仲間がわかる。家族を作っているんだ」という言葉が、グザヴィエ・ドランという人をそのまま表しているように感じた。
  • たく
    -
    個性や才能を世界へ発信する意志に感銘を受けた 19歳という若さで華々しい監督デビューを遂げたグザヴィエ・ドラン 17歳で脚本を書きあげた第1作目『I Killed My Mother』(マイマザー)を世に送り出してから勢いよく名を広げていき 最新作の『たかが世界の終わり』までと その軌跡は多くの人の心を揺さぶった ここまで名を知らしめたのは紛れもないセンスと明確なビジョンを持っていたからこそだろう 監督だけでなく、主演、脚本、音楽、編集、衣装までこなし、他にないオリジナリティを駆使して追求する 独自のビジョンで確立する世界で描くのは一貫して "愛" 様々な愛の形を映し出す 映画の根本にある "愛" はドゥ二・ヴィルヌーヴ監督を連想させる なぜここまで胸に突き刺さるような映画を創り出すことができるのか 自身を同性愛者と明かしているドランは日常的に居心地の悪さや痛みを感じて生きていてその経験からに他ならない 人と違うことで非難される現代社会に自分の意思を啓示することがどれだけ素晴らしいことなのかを感じさせられた 間違いなく注目すべき監督
  • ar1shi
    3.3
    とっても尊敬する逸材! 自分の哲学をしっかり持って、貫いて 若くして本当にすごいて言葉だけでは 片付けたくないくらい好きなお方← このドキュメンタリーを見て 裏側での姿勢と物事に対する取り組みの 理由を教えてもらった気がするよ 『表現する』ことに対して才気を感じるほど! 色んな表現力を身につけ効果的な様々な技術で 受け手に鮮烈な記憶をのこしてくるところ 脚本、衣装、編集、 監督、俳優、予告編、字幕までこなして あくまで表現することに色濃く取り組み 見る人に問題提起する事で、 無意識的に考えさせるところ 批難から学ぶ事が多い!って あれだけ名声を持つアーティストが どんだけ謙虚なんだろうと、 自分の成長の為に人と一緒に働くんだなーと 常に目的が、方向性が明確で 迷いながらも自分を信じて 突き進んでいく姿が ほんとにかっこいいなーっと思う☆
「グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル」
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