【製作前を直撃】Filmarks賞受賞ウエダアツシ監督にインタビューと出演直談判してきた《取材》

2018.02.01
映画

映画ライターです。毎日映画を見ています。

ゆうせい

こんにちは、ゆうせいです。
私は今、TSUTAYAのオフィスに来ています。

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TSUTAYAと言えば映画レンタルを思い浮かべる方が多いと思いますが、映像クリエイターと作品企画の発掘プログラム「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」(以下、TCP)はご存知ですか?

ものすごく簡単に説明すると、応募した映像企画が受賞作に選ばれると総製作費5,000万円が出資されるという夢の太っ腹企画なのです。

今回は、そんなTCPにおいて、『モータープール(仮)』で準グランプリ・Filmarks(フィルマークス)賞を受賞したウエダアツシ監督にインタビューしつつ、いい感じのところで出演直談判しようと思っています。

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製作前のこのチャンス。ウエダ監督はただのインタビューだと思っておられますが、私にとってはオーディションです。取材時間45分の一本勝負。当然ウエダ監督はこのことを知りませんので、まずは普通のインタビューで油断させるところから始めます。

~『モータープール(仮)』ってどんな企画?~

横浜に住む小学2年生の新太郎は夏休みを大阪の祖母のもとで過ごすことになる。祖母が管理する「モータープール(月極駐車場)」で出会う人々は高級外車から軽自動車まで車も違えば、仕事も境遇もさまざま。大阪の個性的な人々に翻弄され戸惑う日々の中、新太郎は両親が離婚する事実を知る…。笑いと人情の町で少年が経験するひと夏の物語。(『モータープール(仮)』企画資料より)

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【ウエダアツシ】プロフィール

近畿大学在学時に自主映画を制作。卒業後、雑誌・WEBの編集者を経て映像作家に転身。監督作に『リュウグウノツカイ』『桜ノ雨』『天使のいる図書館』の他、最新作に『富美子の足』(2018年2月公開)がある。「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」にて映画企画『モータープール(仮)』が準グランプリ(Filmarks賞)を獲得。趣味は釣り、フットサル。

 

−−それではまず、マジメな質問から。

えっ、マジメな?

−−あ、いえ、お気になさらず。この度は、準グランプリの受賞おめでとうございます! 受賞の瞬間はどんなお気持ちでしたか?

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単純に嬉しかったですね。グランプリではありませんでしたが、映画を撮れることには変わりがないので。プレゼンが終わった開放感とやりきった感で、(授賞式で)名前が呼ばれたときは逆にボーっとしていました。

−−極度のアガリ症とのことですが?

そうなんです。でも当日は開き直ってプレゼンできたと思います。午前中に一度リハーサルをしたときはガッチガチでしたが(笑)。

−−『モータープール(仮)』の内容について詳しくお聞きしたいです。

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主人公の少年・新太郎くんは横浜生まれの小学2年生で、泳げないんですね。夏休みのプールの補習が嫌で、逃げたいがために大阪のおばあちゃんの家に一人で行くわけです。そこから、生まれて初めての大阪でのおばあちゃんとの生活が始まります。

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※作品のビジュアルはあくまで現段階でのイメージです。

新太郎は、日課としておばあちゃんが管理するモータープールの掃除を命じられて、毎日通うことになる。そこに停まっている車は黒塗りのベンツから軽自動車までいろいろあって、横浜にはまずいないような個性的な関西の人々との交流が生まれていく。

−−大阪は濃いキャラの人が多そうですね。

ベイスターズのキャップをかぶってたら、阪神ファンのおっさんに頭をはたかれたり(笑)。

−−横浜の少年にとってはカルチャーショックですね。

そう。新太郎は引っ込み思案な性格なので、最初はイヤだなぁという思いしかないけれど、でも徐々に関西のノリに慣れて来て、少しずつ心をひらいていく、みたいな。そんな中、新太郎の知らないところで実は両親が離婚話を進めていると知って…というストーリーです。

−−ひと夏の新太郎くんのジュブナイル的なストーリー軸があって、もうひとつ離婚という要素があるのが面白いですね。ちなみに、「プール」で泳げないことと「モータープール」がかかっているわけですね。

超絶安易なダジャレですね(笑)。

モータープールって?

−−最初に「モータープール」と聞いたときは何のことかわかりませんでしたが、月極駐車場のことなんですね。

あ、そうなんです。関西では普通に駐車場の看板にモータープールと書かれていて、僕も子どもの頃はそこで友だちとキャッチボールをしたりとか。当たり前の存在というか、ごく日常的な言葉だったんですけど、ネットで調べてみたら「関西でしか通用しない言葉」ランキングで第1位になっていて驚きました。あ、そうなのかと。

−−普通はパーキングだと思うんですが、モータープールと言うと何故かオシャレに聞こえるから不思議です。ズボンをパンツと呼ぶくらいの。

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そこまでですか!?(笑) 僕は、物心ついたときからモータープールと呼んでいたので、オシャレさは全然感じないですけど。逆にパーキングの方がシャレてるかと(笑)。

−−主役の子はオーディションも検討しているとお聞きしましたが、どんな子に来てほしいですか?

今のところはですが、引っ込み思案で、自分から話すような子ではない設定で考えています。なので、そんなにセリフが多くないなら幅広くオーディションも検討してみたいなと思っています。極論、お芝居の経験が無い子でも現場で作っていける可能性もあるかなと。

−−表情が画になるような?

そうですね。親の離婚のこととかも、大人たちが何を話しているんだろうという子供の視点で見せていく映画なので、そういう不安そうな表情だとか、ちょっとした仕草がいい子が見つかればいいなと思っています。逆にお芝居が出来すぎちゃうと大げさになりすぎて、出せないリアリティもあるかなと思うので。

−−ちなみに、主人公の少年・新太郎は、監督の少年時代とも重なっていたり?

多少重なってますね。僕も小学2年くらいの頃は、泳ぎが得意じゃなかったり、物静かでしたね。だから、彼のきもちはわかる(笑)。

−−少年以外に現段階で予定しているキャラクターはいますか?

まずは、おばあちゃんですよね。コテコテの関西人の。孫が来たからって動じず、甘やかさず、自分を生きているおばあちゃんのイメージ。あとは、モータープールで出会う人たちですね。

−−たとえばどんな?

ヤクザの若いお兄ちゃん、ワケありのスナックのチーママ、モータープールで夜に漫才の練習をしているコンビだったり、リヤカーを引いているホームレスのおじさんだったり。大阪の新世界あたりに行くと普通に出会える人たちをなんとなく想定しています。

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−−ところで監督、そのヤクザの若いお兄ちゃんを私が演じるというのはどうでしょうか?

 

 

 

 

えっ!?

 

 

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−−ヤクザの若いお兄ちゃんを私が演じるというのはどうでしょうか!?

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わ、若いお兄ちゃんですからねぇ…。ちょっと年齢的に…

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−−リヤカーのおじさんはどうでしょう?

そ、そっちはもっと歳をとっている人のほうが…

−−そ、そうですよね。

ええ。

−−監督! 監督とお会いしてまだたった30分ですが、どうにか僕を使えそうな役のイメージはありませんか?

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うーん、そうですね…

−−僕の風貌とか、今後の伸びしろを含めてご判断いただいて、どうでしょうか!?

うーん、具体的にはないですね…今のところ。

−−そ、そりゃそうですよね、まだお会いして30分の関係ですものね…

まだ脚本も主要キャラクターしか書いていない状態ですし…

−−主要キャラクターだなんてそんな…!

とりあえず、現状にはいないですね。

−−(主要人物の線はナシと…)

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−−でしたら、少年が大阪に向かうバスの隣の乗客とか、すれ違う人とか何でも!

大阪に向かうシーンですか。

−−はい!

大阪に向かうシーン……は、本にないですね。

−−あ、ないんですね。

ありませんね。

−−なるほど。

あ、横浜に帰るシーンは予定しています。今のところ深夜バスの設定で。たとえばそこで寝てる人とかですかねぇ。

−−あ、少年の隣の席で寝ているおじさん的な!?

いえ、少年の隣はもう決まってます。

−−すみません…調子に乗りました。あの…少年に影響を与えるキャラとか滅相もありませんので。

はい。

−−逆に少年から影響を受けるくらいの気持ちで臨みますので…

なかなか粘りますね…(笑)

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−−セリフのある役なんて滅相もありませんので。

ちなみにお芝居の経験はあるんですか?

−−これからです!

そうですか。だいぶ前向きな方なんですね(笑)。

−−はい、映画が大好きでして。あ、そういえば幼い頃に子供歌舞伎をすこしばかり。

マジですか! それはすごいですね。でも今回は…

−−歌舞伎のシーン、ないですよね。でしたら、たとえば、悩める新太郎くんに映画をオススメする映画ライターのおじさん役なんてどうでしょうか?

うーん、なんか話がえらい急になってきましたね…。

−−えっと、えっと、少年の30年後、おじさんになった役はどうでしょうか?

それは…できれば有名な役者さんにお願いしたほうがお客さんは喜んでくれると思いますよね。

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−−ですよね…。

もしそういうシーンがあったとしても。

−−知らないおっさんが急に出てきても画が持たないですよね。他には…

グイグイきますね(笑)。

−−ここがこの記事の勝負どころだと思ってますので!

なるほど(笑)。逆に、今回Filmarks賞をいただいての映画化作品となるわけですからFILMAGAさんで撮影現場に密着取材をしに来てもらったり、宣伝に食い込むところまでお付き合いしていただけたら、こちらとしてはとても嬉しいんですが。現場に常にいてくだされば、「ちょっと画面の中に人が欲しい」なんて状況はよくあるので、出ていただくチャンスはかなり広がると思いますよ。

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−−僕にもワンチャンが!?

なので、毎日現場に来てください(笑)。

−−ま、毎日ですか!?

もしも佇まいが良ければ、ちょっとセリフを…なんてこともあるかもしれませんし。

−−そんな夢みたいなことが!?

ま、今までそんな経験はありませんけど(笑)。

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−−ないんですね…前例は。でもいつか、何かのきっかけで、タイミングと言いますか、めぐり合わせがあることを期待して、時々監督にTwitterでメンション飛ばしたりしますね。

プレッシャーかけてきますね(笑)。

−−ぜひ頭の片隅に置いていただければと!

そうですね。せっかくのFilmarksさんとのご縁をぜひ大切にしていきたいと思ってますのでよろしくお願いいたします。

−−こちらこそよろしくお願いいたします。それでは最後に意気込みをお願いします!

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マンガだったり小説だったり原作モノの映画が多い中で、オリジナルにもかかわらず、純粋に企画を評価していただいて5,000万円という製作費を出していただけるというのは、僕みたいな駆け出しの監督にとっては非常にありがたいですし、夢のようなチャンスをいただいたと思っています。

もちろん僕も原作モノを撮ることはありますし、毎回全力投球で映画作りに取り組んでいますが、今回に関しては企画から脚本も監督も自分次第という意味ではとてもやりがいと思い入れとプレッシャーを感じています。自分の少年時代の思い出なども盛り込みつつ、より多くの人に共感していただける映画になればと思っていますので、ぜひ期待していただければと思います。

−−ウエダ監督、本日はありがとうございました! 完成を楽しみにしております。

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取材を終えて

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出演交渉は失敗に終わりましたが、インタビュー記事としてお楽しみいただけたかと思います。ウエダ監督には、こころよくご対応いただき本当に感謝です。機会があればぜひ撮影現場にもお伺いし、現場レポートを書きつつ、今後も粘り強く出演交渉する予定です。続報にご期待ください!

(取材・文:ゆうせい/編集・撮影:斉藤聖)

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ウエダアツシ監督最新作
富美子の足

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《2018年2月10日(土)公開》
出演:片山萌美/淵上泰史/でんでん ほか
公式サイト:http://tanizakitribute.com/

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 公式サイト

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