あの有名映画も実は...映画の世界も風刺だらけ!何度も見たくなる風刺映画10選

2015.08.30
映画

映画好きをこじらせLAへ

MaryK

イギリスの覆面アーティスト Banksy (バンクシー)が、皆大好きな某夢の国を風刺したテーマーパーク「Dismaland / ディズマランド」を9月22日まで限定でオープンさせたというニュースが世界中で話題になっています。
 
驚いたことにDismalandの予告編まで登場してしまいました。
 
しかし、色々と問題のある現代社会を風刺しているのはアート作品だけではありません。映画の世界でも昔からたくさんの風刺映画が作られてきました。
 
たとえば、日本を代表する特撮映画の『ゴジラ』は原爆や環境問題を風刺。喜劇王として知られるチャーリー・チャップリンは『モダン・タイムス』や『独裁者』といった風刺映画を世に生み出しました。
 
そこで今回は、比較的新しい作品だけにフォーカスし、風刺が込められている映画10選をご紹介!

アート界と風評に踊らされる消費者を風刺!『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 』(2009)

exitttgs

Dismaland (ディズマランド)を作ったイギリスのアーティスト、バンクシーの初監督作品。
 
LAに住む撮影好きの男が、度重なる偶然によりアートの世界に入り、マドンナのジャケットを手がけるほどの大成功を収めるまでを追ったドキュメンタリー。
 
アート界そのものへの痛烈な批判と風評に踊らされる大衆を見事に風刺した作品ですが、さすが社会風刺派アーティストのバンクシー。映画を見たあとは数々の疑問が頭に浮かぶことでしょう。
 
素晴らしいアートってなに?人気があれば才能があるの? ご覧になった方はどう感じましたか?
 
ちなみに、題名になっている Exit Through the Gift Shopとは美術館などで最後にある "おみやげ屋さんを通って出口へ" という決まり文句。題名が既にアートの展示よりもギフトの売上を気にする美術館を皮肉っていますね。

お年頃女子のゴタゴタを風刺!『ミーン・ガールズ 』(2004) 

meangirl

リンジー・ローハンやアマンダ・サイフリッド、レイチェル・マクアダムス出演のガールズ映画。
 
南アフリカからアメリカの高校へ転校してきた主人公。イケてる女子グループに入ったことから彼女たちのいざこざに巻き込まれていきます。一見、かわいい女子が出てくる学園モノに見えますが、立派な風刺映画なんです。
 
アメリカの高校における「ハイスクールカースト」やティーンエイジャーの女の子ならではの「女子同士の争い」の風刺をコメディタッチで描いています。
 
原作は 『女の子って、どうして傷つけあうの?』 というティーンネイジャーを持つ親向けのハウツー本。そこに取り上げられているトピックを、教師役で出演もしているティナ・フェイが映画として脚本を書き上げました。

格差社会を風刺!『TIME/タイム』 (2011)

intime

『ガタカ』のアンドリュー・ニコル監督。ジャスティン・ティンバーレイクを主演に迎えたSF映画。
 
時間が通貨となった近未来を舞台に人類は遺伝子操作で25歳になると成長がとまり、23時間という寿命があたえられる。時間(お金)がない貧困層は死が近いことを意味し、富裕層は永遠に生きることができる。
 
斬新なアイディアで資本主義社会の本質とそれによって生まれる格差社会を風刺していて、とてもおもしろいテーマです。まさに「時は金なり」の言葉通り。

消費社会を風刺!『ファイト・クラブ』 (1999)

fightclub

ブラット・ピット&エドワード・ノートンの二大スターが共演した作品。監督は鬼才として知られるデヴィッド・フィンチャー。
 
オシャレな部屋に住み、何不自由ない生活を送る主人公の男。しかし、精神面では満たされておらず不眠症という悩みを抱えている。そんな彼が謎の男テイラーに誘われ、夜な夜な殴り合いを行なう「ファイト・クラブ」にのめり込んでいくといったストーリー。
 
題名や簡単なあらすじだけで判断すると、なんだろう?ボクシングの話なのかな?と思ってしまいますが、実は現在の大量消費社会を風刺した作品です。

セレブと映画の都ハリウッドそのものを風刺!『マップ・トゥ・ザ・スターズ 』(2014)

mapstts

デヴィッド・クローネンバーグ監督の今作は、アカデミー賞を受賞したジュリアン・ムーアが本来の彼女とは間逆の落ち目の女優を体当たりで演じ話題となりました。
 
スターになる夢を追い世界中から人が集まる映画の都ハリウッドでリムジン運転手をしていた脚本家の実体験を基にした作品です。
 
輝かしい映画の都ハリウッドのイメージを一掃させる、まさにハリウッドの闇をドロドロに描いた風刺作品。
 
カナダ出身&アメリカで撮影したのは始めてというクローネンバーグ監督だからこそ作れた作品です。

便利な現代アメリカ社会を風刺!『26世紀青年』 (2006)

idiocracy

題名が印象的なこちらの作品。邦題だと内容がイメージしにくいですが、原題のIdiocracy はIdiot (バカ、アホ) と Cracy (統治、政治) という単語を組み合わせた造語。既にぶっとんでいます。しかし、その題名のすごさにも負けないのが映画の中身。
 
冷凍睡眠から500年経って目覚めた世界では、人類は皆とんでもなくバカになっていたという設定の風刺映画。
 
本も読まずくだらないTV番組を見ているだけだと将来こうなっちゃうよ、とものすごい世界観を作り上げてしまっていました。便利になりすぎている世の中は、ひょっとしたらいずれこんな世界を生んでしまうんじゃないかと少し怖くなってしまう作品でもあります。

教育システムを風刺!『トラブル・カレッジ / 大学をつくろう』 (2006)

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受験した大学からの合格通知が一通も来なかった主人公。親にも打ち明けられず、苦肉の策で架空の学校、サウス・ハーモン工科大学こと略してS.H.I.T (この学校名からして皮肉たっぷり)を作り上げてしまう。
 
偽のホームページから入学を希望してきた生徒で溢れることになってしまった偽の校舎。じゃあもうこのまま大学経営しちゃおう!と勢いだけで突っ走ってしまうが、といったストーリー。
 
落ちこぼれで居場所のない自分を受け入れてくれる場所を見つけるというわかりやすいテーマの中に、教育システムって本当に今のままでいいの?という問題をうまく風刺していています。

人種差別を風刺!『第9地区』 (2009)

district9

最新作『チャッピー』で知られる南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ監督の長編デビュー作品。
 
28年前にヨハネスブルグに不時着をした宇宙船は飛び立つことができず、乗船していたエイリアンは難民となり「第9地区」に隔離をされたまま生活をしています。
 
差別され続けているエイリアンを新しい居住地区に移す計画が実行され、立ち退きのため第9地区を訪れていた政府の職員。しかし、謎の液体を浴びたことによりエイリアン化し、追われる身となってしまい...
 
SF映画としても見ごたえたっぷりの傑作ですが、決して忘れてはならない南アフリカ共和国のアパルトヘイトを風刺した社会的作品です。

お金のためなら何でもしちゃうメディアを風刺!『トゥルーマン・ショー 』(1998)

truemanshow

さきほど紹介した『TIME/ タイム』 では監督を務めたアンドリュー・ニコルが脚本を書いた作品。主演はコメディからシリアスな役まで演じれるカメレオン俳優のジム・キャリー。
 
とある孤島に暮らす男性トゥルーマン。彼は生まれたときからの人生すべてを24時間365日のリアリティ番組として放送されていました。しかし、当の本人はそんなことは知ることはなく日々を過ごしているといったお話。
 
一般の人の生活を垣間見れるリアリティショーは日本でも「テラスハウス」などは社会現象にまでなりましたが、この映画ではお金のためにどんなことでもしてしまうマスメディアとそれを知りつつもくいついてしまう民衆への風刺がたっぷり。

文明社会を風刺!『ウォーリー』 (2008)

walle

29世紀の地球は、ごみの山となり人類から見捨てられていました。そんな地球に暮らし続けるお掃除ロボットのWALL・E。孤独だったWALL・Eのもとへ突然やってきたロボットのイヴに想いを寄せるようになり...
 
切ない恋と冒険を描いたピクサーによる傑作ですが、単なるアニメーション映画に収まらず、現代の文明社会と自分たちを第一に考えてきた愚かな人間そのものを風刺したシーンがたくさん出てきます。
 
便利な世の中と比例して環境破壊されていく地球といったことを考えてしまうこと間違いなしです。

さいごに

ご紹介した作品はどれもエンターテイメントとしても楽しめる映画ばかりなので、風刺とかいちいち考えて見たくない!といった方にもお薦めできるのでご安心を。
 
既に見たことがあったけど、風刺ってあまり気が付かなかったなーという人はぜひもう一度見返してみてください!
 
他の映画の見方といえばメタファーを探してみるのもおもしろいですよね!
 
それぞれお好きな方法で映画を楽しんでみてくださいね。

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  • Ridenori
    4.8
    やっと観れたぜーBanksy初監督ドキュメンタリー作品。 だけど主人公はイミフなフランス人カメラ馬鹿。 結局誰の作品なのよ?って感じだけど、内容は笑えるし、深い。 エッセイ書けちゃうよこれで。 カメラobsessedなティエリーはいつしかいとこの「インベーダー」をカメラで追跡するように。そこからストリートアーティスト達との交流が始まる。Banksyにも憧れてやまないティエリはいつか彼も自分のカメラに収めようと躍起になり、念願叶ってついに彼とも交流を持つように。しかし最終的に彼に与えられたミッションにより彼は思わぬ方向に… ティエリーはホンモノのアーティストなんだろうか? それとも彼自身も模したアンディの言葉"In the future, everyone will be world-famous for 15 minutes."のように、ただ運のいいクソ野郎の一人だったのか?w とりあえずインタビューに答える人達がみな疑問符であり否定的であるように、俺もどうかと思うわ(もしかしたらアーティスト達にくっついている内に本当に実力と素養をつけてしまったのかかもしれないけど…) でもアートはいつだって前世代への反逆からなる。 マネが最初はサロンで認められなかったように、ポップアートがクレメント・グリーンバーグから大批判を受けていたように、ストリートアートだって最初はただの落書きだった。 ポップアーティスト達は「日常のどんなものもアートになりえる」と説いた。 …したらティエリの一貫性のない、他の人のやり方をパクってただ切り貼りしたものもアートたりえるのか? 技術や実績は伴っていなくとも話題性さえあれば価値がつくのか? 結局アートはその時代の民衆が認めさえすれば成立してしまうのだろうか? (そんな社会でアーティストやってる俺達って?) この映画は最終的にそういったものを投げかけているんだと思う。 もしかしたらティエリのデビューの仕方や人生自体がドラマで、アートで、 それをBanksyが映像という形で昇華しただけのかもしれない。 なんにせよやっぱBanksy天才だわ。自分を映像に撮ろうとした奴を逆手にとって、ジョークの中からアートの真理を問いかける。「皮肉」で知られる彼の作風にたがわず、この映画もそんな作品の一つに数えられることだろうねん。
  • Ikumi
    3.7
    大学の授業でバンクシーのプレゼンしたの思い出して観たくなった ディズニー行く話好き
  • ペジオ
    4.0
    「アート」に限らず、「わかってる奴わかってない奴」問題は本当にめんどくさい 「人間なんてみんなアホ!」で終わらせてしまいたい(みんなには勿論僕も含む…ってこんな注釈入れねーといけない感じがめんどくせえのよ。) 結構「制作技術」そのものに感動したい方なので、「着想」から「反響」までも作品の一部な現代アートはさほど関心が無かったが、そんな僕みたいなアホでも興味出るくらいだったのでアート入門としても良いのでは? ハイ!終わり!
  • つるみん
    4.2
    映画を作りたいという単なる撮影マニアが愉快なストリートアーティスト達の活動をひたすら撮影しているうちに伝説的ストリートアーティストであるバンクシーに出会う。そんな彼に「君もやってみなよ。」と冗談で言われたものの、自分は天才だと思い込んで独自解釈し、ふつうアーティストが通る道、全てをショートカットして大きな個展をいきなり開いたら何か分からないけど大成功しちゃった実話。 更にその撮影マニアの映画が余りにもダサかった為バンクシーが監督を務めちゃったドキュメンタリー映画というものなのだからバカバカしくて腹が抱えて笑う。 ストリートアートに興味を持った事はないがバンクシーの絵はテレビでもよく見かけるので知っていた。ただこんな奇想天外なアーティストもいたのだなと驚き半分、人生って本当に分からないな〜とも思った。 〝芸術〟って難しいですよね。どんなにデタラメな作品でも名の知れたアーティストが描いた絵なら評価されるし。本当の〝芸術〟とは何なのだろうな〜。そういうことも考えさせられるドキュメンタリー。 個人的には去年の『セルゲイ・ポルーニン』のドキュメンタリーがベストなんですけど、本作も外せない一作となりました。
  • HxMxYxSx
    3.7
    2018.6.7
「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」
のレビュー(2761件)