いつか必ず訪れる別れの時…。人生の最期を描く映画を観て「生きる」ことを考える

2018.03.23
映画

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

春は別れの季節。いつかまた会える別れもあれば、二度と会えない別れも、人生にはたびたび訪れます。

今回は、“人生の最期”を考える映画を5本紹介します。いわゆる“感涙必至の余命もの”は1本も入れていません。どれも真摯に死と向き合っている映画です。ぜひご覧ください!

『しあわせな人生の選択』

余命わずかな男は、唯一の親友に自分の“終活”を手伝ってもらう。息子に会いに行ったり、息子同然の飼い犬の新しい飼い主を探したり、自分の葬儀の準備をしたりと着々と終活を進めていく。自分が死ぬということ、親友が死ぬということを優しくもリアルに描いていく。第30回ゴヤ賞で作品賞を含む5冠を受賞した作品。(2017年/スペイン・アルゼンチン合作)

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自分の死をある種わがままに考えていた主人公が、自分の死が周りに与えるインパクトを知っていく物語でもあります。決してお涙ちょうだいではなく、シリアスだからこそ生まれる可笑しさもたくさん盛り込んでいて、むしろ生きることに前向きな気持ちになる映画だと思います。→『しあわせな人生の選択』

『ハッピーエンドの選び方』

発明が好きなおじいさんは、望まない延命治療で苦しむ親友に頼まれて「セルフ安楽死マシーン」を発明。その噂は広まり安楽死を望む人たちから次々と依頼が……。そんな中、彼の妻の病状が悪化し、ある決断をすることに……。第71回ベネチア国際映画祭観客賞受賞。2015年/イスラエル・ドイツ合作)

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イスラエルの老人ホームが舞台。治療法もなく鎮痛剤も効かなくて苦しんでいる最愛の人に、何をしてあげられるのかを深く考えさせられますが、全体的にはユーモアと愛情に溢れている温かな映画です。→『ハッピーエンドの選び方』

『湯を沸かすほどの熱い愛』

余命2か月を宣告された母(宮沢りえ)は「死ぬまでにやることリスト」を作成。それは家出した夫を連れ戻し家業の銭湯を再開すること。娘を独り立ちさせて、ある真実を教えること。家族を残して逝かなければならない母の“熱い愛”。第90回アカデミー賞外国語映画賞日本代表作。(2015年/日本)

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タイトルに偽りなしの母の熱い愛。「心残りなく逝きたい・逝かせてあげたい」というのは誰もが思うところでしょう。映画の中でも解決することとしないことがありますが、「解決しなかった」という結果を得られただけでも心は落ち着くものかも知れません。主人公と同じ病気で近親者を亡くしているという宮沢りえの血の通った演技もみどころです。 →『湯を沸かすほどの熱い愛』

幸せなひとりぼっち

最愛の妻を亡くし、生きる希望を失った初老の男性。彼が自殺を図ろうとするたび、隣の賑やかな家族にジャマをされる。その家族との交流を深める中で、閉ざされていた彼の心は解きほぐされていく。第89回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。(2015年/スウェーデン)

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主人公の人生が悲しすぎて、自ら死を選ぶ気持ちに共感してしまいそうになります。でも家族がいないからといってひとりぼっちではなく、少し心を開けば身近な景色も見え方が変わってくるのかもしれないよ、と教えてくれる映画です。→『幸せなひとりぼっち』

或る終焉

終末期患者の在宅ケアを専門にする看護師のデヴィッド。彼は死を目前にした患者たちに真摯に向き合い心の通った深い関係を築いている。ある日、化学療法の副作用で苦しむ患者から「死なせてほしい…と懇願される。彼の決断は……。第68回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞。(2016年/メキシコ)

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“衝撃のラスト”とはこのことか!と思うほどのビックリラストシーン。でも決して単なる驚かしではなく観る人の死生観を揺さぶる大切な映像表現だった思います。トラウマを抱えた介護士を演じるティム・ロスの所作も美しい、静かで熱い映画です。→『或る終焉』

この記事を書くに当たって、この5本を一気に観なおしましたが、それはそれは神妙な気持ちになりましたよ……。でも不思議と暗くはならず「ちゃんと考えて生きよう」などと柄にもないことを思ったりしました。

人間の致死率は100パーセント。誰にでも終わりの日が訪れます。そのエンドがアンハッピーではなく、なるべくハッピーなものであって欲しいと多くの人が望んでいるでしょう。“終活”という言葉がポジティブに使われるようになった今、いつか来る日のために少し考えておいてもいいかもしれません。

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