どん底から這い上がる人生だから面白い!最高に熱い映画『百円の恋』

2015.09.15
邦画

映画好きなサラリーマン。

柏木雄介

昨年年末に公開され、鑑賞した多くの人を勇気づけた一作『百円の恋』が、先日第88回アカデミー賞外国語映画賞部門の日本出品作に選出されました。

『0.5ミリ』で今年の日本アカデミー賞優秀主演女優賞でも選ばれた安藤サクラさんが主演のこの作品。一言で言うと、とても”熱い”映画です。ご覧になれば、どんなに自分がダメな人生を送っていようとも、明日に向けて頑張れること間違いありません。

百円の恋1

『百円の恋』ストーリー

32歳の一子(安藤サクラ)は絵に描いたようなダメ人間。実家で毎日だらしない日々を過ごしていました。あるとき離婚して実家に戻ってきた妹とケンカをして、一子は一人暮らしをすることになります。

百円均一のコンビニでバイトをして生活していたところ、そこに通うボクサーの狩野(新井浩文)に恋をする。そこからいろいろあって、ボクシングへと興味を持つという話です。

始めはコメディ色が強くて驚かれるかもしれませんが、最終的にものすごい”熱い”スポ根映画に変わります。主人公がダメ人間だから、周りに出てくる人もダメ人間ばかり。そんな人と一緒にいても、感情を押し殺してボクシングへと励む一子を観て何だか応援したくなります。

一子がボクシングをやるきっかけは確かにありました。しかし最終的にボクシングを続ける”理由”なんてなくなっていたかもしれません。自己満足でも良いのです。どんなことにやるにせよ、理由らしい理由はあってもなくても実はそれは重要ではなく、真っ直ぐ何かに打ち込むひとの姿はカッコ良いと改めて感じさせます。

底辺にいるから湧く力

どんな環境にいたって人はきっと変われます。そんな風に感じられる素晴らしい映画です。そして一子を演技した安藤サクラさんが非常に素晴らしい。一子のあの初めの目つきや姿勢、そしてぼそぼそとした話声が変わっていく姿がとても印象的です。シャドーボクシングを仕事場でもやるシーンがあるのですが、めちゃくちゃカッコ良いです。

一度でも底辺を経験したからこそ、湧く力があります。それは決してかっこ良いものではないかもしれません。言うならば”負”の原動力です。怒りとか、苦しみ、悔しさ、全て”負”の原動力ですが、それが”痛い”ほど伝わってきます。

それを露わにしないよう、必死にボクシングに没頭する姿に惹かれます。底辺でも百円の価値だろうとも、馬鹿にするんじゃない!勝ってやる!という”自分”への闘志が観るものを熱くさせるのです。

とても熱いボクシング映画。終盤は涙が止まりませんでした。どんな環境にいたってきっと這い上がれる。そんな勇気をもらえる作品。今、自分に自信がない人にこそ観て欲しい映画です。

主題歌のクリープハイプ【CreepHyp】も素晴らしい。

▼クリープハイプ「百八円の恋」MUSIC VIDEO

『脳内ポイズンベリー』の「愛の点滅」主題歌としてもクリープハイプの曲が選ばれています。クリープハイプの曲は、非常に映画とマッチしていて映画を観終わった後も余韻に浸れます。

最近では9月12日より『私たちのハァハァ』というクリープハイプのファンである女子高生4人が、福岡から東京までライブめがけて走り出す青春ムービーが公開されました。今年はクリープハイプの勢いが止まらない気がします。

世界各国の出品作からノミネート作が選ばれ、来年の2月に受賞作が決まるのですが、これをきっかけにこの映画を見て様々な人の心を打ち、勇気を与えていければ映画のファンとして嬉しいです。

またスウェーデン代表として選ばれた、「さよなら、人類」は現在公開中、またドイツの代表として「顔のないヒトラーたち」が選出されており、こちらは日本公開は10月3日となっています。来年の第88回アカデミー賞”熱く”なりそうです。

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  • JinNobue
    4.3
    新井浩文が弁当をポイ捨てするシーンが最高
  • アサハカサカス
    3.5
    単純なのでボクシングやりたくなりました。
  • セバスチャン
    3.2
    安藤サクラは本当にちょうどいいブス!
  • AmiArakane
    2.0
    安藤サクラ好きだったからみたけど、そうでもなかった。 気に入ったのは、すんごい生活感のある実家のリビングと、古そうなアパートと、雨の中ゲロにまみれて寝てたの。
  • 3.3
    新井浩文のクズっぷりが最高によい。安藤サクラ演じる一子がボクシングに出会ったことで変化していく顔つきをみて、改めて彼女の演技が好きになった。
  • まりこ
    -
    お〜〜
  • にお
    2.5
    サクラちゃんはがんばるな〜! ボクシングシーンはほんとすごい、それまでも体当たりですごい。 好きな話じゃないし、相手役がダメ男だと悲しくなるけど、サクラちゃんはすごい 失恋してからボクシングに打ち込んでるとこは女の強さを感じてよかった。
  • しおり
    3.9
    とにかく安藤さくらの演技が凄かったです!これは見るべき。 底辺のダメな大人ばかり出てきたり、恋をして失恋して変わっていく一子が可愛くてカッコよく思えました。入場曲ダサい笑 いつもなら痛々しいのは苦手ですが、それ以外の魅力もたっぷりで良い映画でした。
  • youtoyo
    3.6
    安藤サクラの演技がすごい! やっすい100円ショップみたいな恋だけど、人が燃え上がるきっかけにもなり、捨てがたい恋でよかった!
  • エンヤユウイチヤンヤン
    4.5
    最高にのり弁が食べたくなる映画。 マジすか?の役やりたかった。 もっとがんばろ。
  • emma
    -
    安藤サクラこそ女優だ。キューティクルが死んだ髪を見て鬱陶しい、男を落とす下着を着けた姿を見てきったねえ体だな、働かないで親の金で生活する姿を見てどうしようもねえクソ野郎だな、と思わせる安藤サクラは天才だ。ひゅーいくんの音楽も最高よ。それに果たして今作品の中で乳首出せる「女優」ってどれだけいるのかな。
  • かざま
    3.8
    個人的にはドストライクに好きなジャンルではなかったのに最後の試合のシーンで、自分でもどこにかは明確にわからないが感動した。 安藤サクラさんは本当に「素晴らしい」の一言に尽きる。 変わり様の芝居もさることながら、あれだけの体型の変わり様、そこから伝わってくるストイックさ、そういった点も役とリンクして良さを感じた。 言い方が悪いが名前の知らない脇の役者さんたち、その人たちも基本芝居上手かったし本当に見やすかった。 芝居の違和感でイラッとして映画の世界から戻されるみたいなことはほぼ0だった。 最後の長回しにはびっくり。 演出なのか新井さんなのかわからないが安藤さんにあれだけの時間泣かせて待つのは脱帽もの。 安藤さんがセリフもほぼ聞き取れないくらいの、あれだけ崩れて泣く演出をしたにしてもOK出したにしてもあれは大正解だと思った。
  • 石川瑠華
    3.6
    安藤さくらさんがどういう人なのか分からないけど、 この役にすごいハマっていて、見ていてすっきりするほど違和感がなかった。 すごい。
  • 甘味丸
    -
    記録
  • ぴーさや
    4.0
    かっこよかった 一子かっこいい 試合しているところで 胸いっぱいになった わからないけど涙出た 自分を変える出来事はきっと そこらへんに転がってて 自分がそれに気づけるか なんだろうなあ ああ
  • A
    5.0
    キャストの役作りが、精神だけじゃなく、体から作り込まれていて、凄く引き込まれた。安藤サクラさんと新井浩文さんの演技はもはや演技をしてる感じではなく、その人物が実際に存在してるかのよう。一子の最初のダメ人間っぷりが、観ていて痛々しく気の毒になるほどだったが、恋をしてるときの一子は乙女そのもので、驚いた。段々と変化して行く一子を観ているのがとてもおもしろかった。すごい俳優部。クリープハイプさんの主題歌も、歌詞が繊細で凄くよかった。
  • 井田
    3.8
    安藤サクラの女優魂がすごい 三部作かと思うくらいの彼女の変貌がもう笑っちゃうくらい
  • keeper7
    2.6
    リア充以外現実ってこうだよね、の多くの人が共感できてしまうリアリティのある日常の序盤から中盤。そして中盤から徐々にファンタジーが入って来きてそのままクライマックスへ!って感じだがあくまで超現実離れした様な奇跡は起こらない。(これを始めてみよう。と思った一子の行動が十分この作品での最大のファンタジーなのだ) ラストの試合もああした描き方にしたことで観た人がより作品を受け入れられ、少し元気がもらえる良い佳作になった気がする。 安藤さくら、やはり役者バカですね。素晴らしい。
  • ゆき
    4.0
    負けてるの見て気持ちいいって思ったのは初めて。 とっても清々しい後味!!!
  • やまもと
    2.8
    主人公の安藤サクラが素敵
  • Hidewatanabe
    5.0
    マジすか!! 安藤さくらさんはじめ、役者さんが素敵やった
  • Anna
    3.5
    安藤サクラすごかった… いい感じの筋肉になってた…
  • Maria
    3.7
    安藤サクラの役者魂凄いな!! あんなに自堕落な生活を送ってて、ふとした瞬間に自分の中に燃え滾る火がつくことがあるって。最初とか、しょーもないやつらばっかり出てきて、うわぁ〜こういう奴らいるなぁってあるあるで、それはそれで面白くて、後半からはがむしゃらに練習に励むシーンが多くて、こっちまで熱くなった!顔つきや体型が変わって行く所とか、人は変われるんだなって。明るく変わっていく経過を見てて、なんだか安堵したり。 結果も大事だとは思うけど、そこに至るまでの経過が大事だからこそ、転んでも何回も何回も立ち上がろうって思えるんだと思う。そうすると思わぬ所で良い結果が出たり、特に目に見えない、なんでも簡単に手に入らないことこそ程、がむしゃらに手を伸ばせば触れたと感じることもあるんだって。形は違えど、幸せと思えるかどうかということこそ程大切。 しょーもない男にしょーもない自分に、なんでとか疑問に思うこともあったり、生きてる意味とか、自暴自棄になったりすることあるけど、少なくとも思い立って行動してみれば、自ずと見えてくるものがあるのかなって、ストーリーがリアルなだけあって、凄く入ってきたから、とても勇気もらえた!! 恋愛にモヤモヤしていたり、何かに踏み出せないでいる人にオススメしたいです!
  • mizuu
    3.5
    男なら〜、豆腐〜 女なら〜、なお豆腐〜
  • TATSUYA
    4.0
    シュールとはまたちょっと違う、 でも他にどう表現したら良いかわからない。 圧倒的な邦画感。 キックボードのおばさんのオカルト感も、 一子の処女奪ってったダメフリーターも、 ボクシングのコーチングしてくれる青年も、 現実にいなさそうで、いる。 リアル過ぎる情景が役者たちの演技を引き出すのと、 役者たちがリアルな情景を引き出している絶妙なバランス。 こういう邦画はハマる。 試合の登場曲が百円ショップの曲っていうのも良い。 なぜか耳に残ってたからね。
  • soycrane
    4.3
    シンプルな筋書きながらこれに各クズキャラのリアル感をシンボリックに造形する演出と安藤サクラの演技が加わり傑作。「ロッキー」までの爽快感は得られないし、到達点も低いままだったり。が、このラストの到達感は、ボクサー素人の自堕落生活が出発点だけに相当なもの。 兎にも角にも、(日本)アカデミーを獲ったという安藤サクラの演技に尽きる。体型からボクサーの動きから、ボクサーとなってからの表情の変化などなど挙げればキリがない。個人的なハイライトは父親との居酒屋での再会シーンと、リングに登場した時のシーン。父親が淡々と自分のダメなところを娘に語り娘はそれを前とは違う表情で受け止める。安藤サクラの居酒屋メニューの食べ方も夜食を食べていた自堕落時代と正反対で芸が細かい。劇伴が否応なく感動へ導くきらいはあるが、試合場に出た安藤サクラが浴びる眩しいスポットライトは、その後の試合結果とか以上に心を動かす。勝ち負け関係なく主人公は「光が当たる場所」に出てきたのだと、そう宣言するかよような象徴的な演出に痺れる。 ラストシーンは、素晴らしい演技に打ちのめされている鑑賞者が一番観たいだろう安藤サクラの表情を全く映さず、セリフと2人の会話や関係のみで収束させていて、逆にそれがインパクト。加えてクリープハイプの主題歌がこれ以上ないほど主題歌してて、いい終わり方だと思う。
  • 373
    5.0
    最高! ラストに向かって夢中になった何かをやり遂げる、必死になって頑張る、そうして絞られて行く安藤サクラ。人間をよく見て作ってる作品だなあと思う。 ああ、すっごくよかった!
  • macco
    3.0
    見よう見ようと思いつつやっと見れた。安藤サクラの演技がすごい。なんか世の中のそこら辺に転がっていそうなダメな大人がいっぱい出てくる。
  • carchitecture
    3.0
    個人的には前半が長くて少し辛かった。 何かに打ち込む。やる時の時期なんてもんは遅い早いのレベルではない。最後勝てない的なくだりは好き(b_d)
「百円の恋」
のレビュー(19467件)