梅雨にはもう飽きた?雨じゃないものが降ってくる映画10本

2018.06.25
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

しとしとジメジメ梅雨の季節。あまりにも雨が続くと、そろそろ雨に飽きた……という方もいるのでは?

映画を観ていると、雨ではないものが降ってくるシーンがたまにある。実はあれは全くの絵空事ではないそうで、たとえば生き物が空から降ってくる現象(ファフロツキーズ)は世界各地で起こっているとか……もちろん日本でも!

雨じゃなくてあんなものやこんなものが降ってくるなんて、どんな気分?

そこで今回は、空から雨ではないものが降ってくる映画10本をご紹介しよう。

最後の戦い』(1983)

男たちの最終目的

最後の戦い

文明が破壊された近未来に生き残った男たちが、1人の女をめぐって戦いを繰り広げる。

『レオン』で有名なリュック・ベッソン監督のデビュー作。モノクロでセリフのない淡々とした演出が無機質的なSF風だが、テーマは大変人間臭い。少し前のトヨタのCMの“ドラえもん”役でおなじみ、ジャン・レノが痩せていて別人のよう。女には相手を選ぶ権利がないのかなどとは思わず、「自分を得るために命がけでやって来る男たち」というシチュエーションを楽しむべし。

ブロックが降ってくるのは突然だ。それが雨のように降り注ぐ様子は容赦なく、これぞディストピアの象徴。男が数々の戦いをくぐり抜けてやっと目的にたどりついたとき、そこにいるのは一体どんな女性なのだろう。観客が納得できるような女であってほしい。その期待感で最後まで引き付けられる。

マグノリア』(1999)

カエルも災難

マグノリア

ロサンゼルスを舞台に、微妙に関連しあう男女9人の1日を描く。

接点がなさそうに見えた彼らの人生が折り重なり、物語が進行するにつれて大きなタペストリーになっていく。心に深い傷を持ち、罪を背負い、つらい過去を引きずっている彼らを見て逆に慰められるのは、多かれ少なかれ誰でも似たような経験をしているからだろう。

たった1日で、彼らを取り巻く状況と心境は激変する。「雨降って地固まる」とはまさにこのことだ。降ってきたのは大量のカエルだったけど。この天変地異レベルの出来事により、日常が「爆発」に近い形で吹き飛んでしまう。お陰で気分はスッキリと浄化され、新しい1日が始まる。人生って不思議ね。

くもりときどきミートボール』(2009)

嬉しいやら迷惑やら

くもりときどきミートボール

イワシの名産地である港町で、嫌われ者の発明家が不思議な機械を作り出す。

みんなは地元の名産であるイワシを食べ飽きていた。と、そこに登場したのが「水から食べ物を作ることができる」という夢のような機械である。どうでもいいものばかり作っていた発明家の評価は高まり、「これでもうイワシを食べなくて済む」とみんなが喜んでいたところ、突然その機械が空の向こうに飛んで行ってしまったからさあ大変。

最初に空から落ちてきたのは、チーズバーガーだった。それから機械が暴走し始めると、食べ物は巨大化。スパゲティ竜巻やミートボール雨に人間は押しつぶされ、建物は破壊され、機械を止めに行った発明家はピザで攻撃され……食糧問題は解決されてもこれではねえ。食べ物だと侮るなかれ。子供の夢みたいな話ではあるが、言いたいことはいたって道徳的。

太陽を盗んだ男』(1979)

原爆をハンドメイド

太陽を盗んだ男

中学校の理科教師が自宅で原子爆弾を作り、政府を脅迫する。

奇想天外な話でありつつ、原爆をこっそり製造したり皇居前でバスジャックが起きたりして、内容的にはかなりきわどい。だが、そのシリアスなテーマとは裏腹に作風はポップ。沢田研二の退廃的な魅力に目が釘付けだ。

脅迫内容が「プロ野球のナイター試合を最後まで中継」「ローリング・ストーンズ日本公演の実現」という非常に個人的要求であり、同時に時代性も感じさせて面白い。主人公がデパートの屋上から5億円をばら撒けと指示したので、空から大量のお札が降ってくる。彼の目的は何なのか。被爆している彼は、その後どうなったのか。現代にも通じる鬱積した空気感が身に迫る。

君の名は。』(2016)

思い出せないもどかしさ

君の名は。

東京で暮らす少年と飛騨で暮らす少女に「入れ替わり」が起こり、見知らぬ2人がお互いの存在を意識するようになる。

こういう「入れ替わり」で話を進めていくケースは珍しくないし、どうせ高校生のありがちな恋物語かと思いきや、あれよという間に想定外の展開へ。気がつけばすっかりこの世界にハマッてしまい、「自分も大切なことを忘れているのではないか」ということを思い出す。

現在と過去。都会と田舎。SFファンタジーと土着性。リアルとフィクション。相反する要素が違和感なく交じり合う。夏の夜空に隕石が落ちてくるシーンが、ゾッとするほど美しい。大ヒットするだけのことはある深いテーマがあり、大人にこそオススメしたい映画である。

シャークネード』(2013)

連れてこないで

シャークネード

海からサメを巻き上げて運んできた台風と人間との死闘を描く。

タイトルは「サメ(シャーク)+トルネード(竜巻)」の合成語だそうで、3つの巨大ハリケーンがサメたちを吸い上げながら巻き込み、そのままサメごとロサンゼルスへやってくる。台風とサメというダブルの災難。よくこんな話を考えたなあ。B級の味わいがたまらない。そして結構コワイ。

サメ、でかいです。しかも多い。サメがいきなり窓を突き破り、空からバンバン落ちてくる。落ちながら人を食う。登場人物がわりと死んでいくので、ビックリする。で、死闘の末にあるのはラブ・ストーリー。チェーンソーでサメを真っ二つに割るシーンに半笑いし、人気シリーズになったのもちょっとわかる気がした。

天空の城ラピュタ』(1986)

輝きながらふんわりと

天空の城

幻の城ラピュタを見つけたいと夢見る少年が、ある日空から落ちてきた少女を助ける。

少女をねらう2つの組織と三つ巴状態になってしまう少年。空に浮かぶ滅びた帝国。王族の血を引く少女……などなど、ファンタジー好きにはたまらない設定がそこかしこに。それに加えて空中戦を中心としたアクションが満載なので、とにかくスピード感あり。どちらかというと活劇という感じである。

欲にかられた大人の餌食になる少女が、一見いたいけそうなのに意外と行動力があるのがジブリ風。ピンクの髪を三つ編みにした海賊ドーラが吐く言葉をチェックしてみると、彼女はどうやら50代くらいだというが……? なかなか個性的なキャラクターなので、この一家を中心に観賞するのもまた楽しい。

ミラクル・ワールド/ブッシュマン』(1981)

降ってきたのは災い

コイサイマン

南アフリカ共和国に住むコイサンマンがコーラの瓶を拾ったことで、思わぬ騒動が巻き起こる。

主人公を演じたニカウはその個性的なキャラクターが日本で大人気となり、来日まで果たした。飛行中のパイロットが空から投げ捨てた1本のコーラ瓶。瓶を初めて見たコイサンマンたちは、最初はそれを不審そうに眺めていたが、そのうち便利な道具として使い始める。

おそらく最も重宝した使い道は、水の運搬だろう。ほかにも皮の模様付けをしたり楽器のように鳴らしたりできるが、やはり砂漠生活に欠かせないのは水。で、この魔法の瓶をめぐって見苦しい争いが頻発し……ああ、これぞ人間のサガ。でもコメディなのでご安心を。

オズの魔法使い』(1939)

つぶしちゃった

オズの魔法使い

カンザスの農場に住む少女と犬が、家と一緒に竜巻に運ばれてオズの国にたどりつく。

「現実世界はモノクロで、魔法の国にいるときはカラー」という映像演出は、モノクロが一般的だった時代(戦前だよ)では大変な衝撃だった。ちなみに劇中歌「Somewhere Over The Rainbow」は、スタンダードの名曲として今でも歌い継がれている。

少女と犬を乗せた家が落ちたのは、悪い魔女の“上”だった。よく考えるとグロい話だが、家の下からのぞいている魔女の両足(縞模様の靴下)がかわいい。CGにはないアナグロ的な創意工夫と職人技レベルの手作り感が新鮮で、ものすごく贅沢な映画である。古い映画だと侮るなかれ。

リアリティのダンス』(2013)

残酷で美しい人生よ

リアリティのダンス

ウクライナから移住し、軍事政権下のチリで生きる少年とその家族の物語。

カルト的人気を誇る監督の少年時代を描いた自伝映画。演出が象徴的かつ演劇風なのが特徴であり、アイデンティティに悩む少年期の恐怖と痛みを寓話として描く。監督も今の自分として出演し、人生を振り返りながら過去の自分に語りかけている。

権威的で暴力的な父親に抑圧され、一方では母性にあふれた母親に愛された少年。この母親を豊満な肉体のオペラ歌手が演じ、なんと彼女のセリフだけ全て歌! それが違和感なく成立する独特な世界に感服である。空から降ってくる魚の群れが幻想的で、23年ぶりの新作でこれほど鮮やかな映像美を見せてくれるとは……85歳まだまだ健在だ。

いかがでしたか?

いくら雨に飽きたといっても、動物や硬いものは降ってきてほしくないですね。

やっぱり雨でよかったんじゃない?ということで、梅雨明けまで雨を楽しみましょう。

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