夏休みに行きたい!夏の北海道が舞台の映画15本<ロケ地情報>

2018.06.30
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

先日、例年に比べ3週間も早い梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番! 夏休みの計画はもう立てましたか?

日本の夏ってじっとり暑いですよね……そうなると、カラッと爽やかな気候の土地に行きたくなるのが人情というもの。

日本でそんな素晴らしい気候の中過ごせる土地……そう、北海道!

北海道といえば、壮大な自然と豊かな食材に身も心も満たされて、リフレッシュ!

そこで今回は、北海道が舞台の映画15本をご紹介しよう。

しあわせのパン』(2012)

洞爺湖

しあわせのパン

洞爺湖畔で宿泊付カフェを経営する夫婦と、そこを訪れるお客さんたちとの交流を描く。

北海道の大自然。憩いの空間。心のこもった丁寧な料理。そして温かい人間関係。やすらぎ度120%のまったり系かと思いきや、おや? 原田知世演じる奥さんがうっすらと闇を抱えている様子である。なので、あながち絵本みたいな映画だとはいえないところが面白い。

しかし映像的には童話のよう。大きな窓から湖畔が見え、夜空に月がぼんやり輝く。このカフェで起こる春夏秋冬のエピソードがオムニバス形式で語られ、季節ごとの風景や暮らし、自然の恵みが目で楽しめる。こんな場所があるのなら北海道に住みたい。そう思ったら1度行ってみるのがオススメ。映画の世界が実在するかも?

わたし出すわ』(2009)

函館市 

私出すわ

東京から故郷に帰って来た女性が、同級生たちの夢を叶えるため大金を次々と差し出す。

お金とは何だろう。それがこの映画のテーマである。主人公はまるでティッシュみたいにホイホイと大金を渡すが、それで叶う夢もあれば叶わない夢もある。お金で得られるものは夢の一部だし、お金の使い方には人格と品性が表れてしまう。彼らはそのことに気づかされるのだ。考えてみれば、ちょっとイジワルな話だね。

函館は貿易の街なだけに西洋と東洋の文化が入り混じり、建築物を見ているだけでも独特の雰囲気がある。彼女がこの街に帰ってきたのも、そういう函館ならではの空気感が忘れられなかったのかなと思ったり。お金を操る術を身につけていると、お金に振り回されなくて済むのね。そのミステリアスで自由な生き方が、羨ましい。

写真甲子園 0.5秒の夏』(2017)

上川郡東川町

写真甲子園

全国高校写真部の日本一を決める大会を舞台に、写真に青春を賭ける高校生たちのひと夏を描く。

高校の写真部しか知らないであろう全国高等学校写真選手権大会(写真甲子園)のまさかの映画化。全国の代表校が“写真の町”東川町に集まり、その場で決められたフィールドで写真を撮って競うという実在の大会である。ちなみに1チーム3名編成で、撮影から作品提出までの時間制限あり。チームワークも試されるというスポーツみたいな競技だ。

季節は初夏。東川町を中心とした美瑛町・上富良野町・東神楽町・旭川市の豊かな自然が次々とスクリーンに映し出されるが、やはり壮大な大雪山国立公園がみどころであろう。北海道の爽やかな夏。どこまでも続く真っ青な空と白い雲。そこに10代の輝きと汗と涙が加わり、この組み合わせはズルイよなと思いつつ、そのキラキラしたまぶしさに胸がきゅんとなる。

北のカナリアたち』(2012)

利尻島・礼文島

北のカナリアたち

20年前に起きた悲劇によって引き裂かれた小学教師と教え子たちが、ある事件をきっかけに再会する。

現在と過去が交差し、彼らの身の上に一体何があったのか、彼らが共有している痛みとは何なのかが次第に明らかになっていく。そこらへんの展開はサスペンスフルなのだが、主演の吉永小百合が悪人なわけはなく、すべては愛ゆえに起きたという事件の真相が感動を呼ぶ。教え子たちの物語も見え隠れし、大人になった彼らの人生にしみじみ。

重要な舞台となるのは北海道の離島。ロケは利尻島と礼文島で行われたそうで、岬からの絶景が美しく、運がよければサハリンまで見通せるとか。北の海を感じさせる大きな波と海の深さが、事件の悲劇性をより哀しいものにしている。原作は湊かなえの小説だけあって「解明されてスッキリ!」とはならないが、人間のどうしようもない感情が染みてくる。

旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ』(2009) 

旭川市

旭山動物園

閉園の危機から日本一の入園者数を誇る動物園にまで成長した旭山動物園の実録ドラマ。

動物たちの生態をありのままに見てもらう「行動展示」や飼育係によるワンポイントガイド、夜行性動物の姿を見てもらう「夜の動物園」を生み出した旭山動物園。すでに日本一有名な動物園であるが、そうなる前の奮闘ぶりを観ることができて楽しい。

次々と災難に見舞われる様子は、まさに七転び八起き。どん底から這い上がり、新しい動物園として素晴らしい進化を遂げた背景には、器の大きい園長と情熱あふれる飼育員の存在があった。たとえよいアイデアがあったとしても、それを実現するには上層部の理解と組織力が必要なのだ。人間も動物もイキイキしていて、園長ご本人がチラッと登場するのもご愛嬌。

ぶどうのなみだ』(2014)

岩見沢市

ぶどうのなみだ

ワイナリーを営む兄と小麦の栽培をする弟の元へ、キャンピングカーに乗った見知らぬ女性が現れる。

『しあわせのパン』と同じ監督なのでテイストはよく似ているが、どちらにも出演している大泉洋のキャラクターは全く違う。この映画ではあの屈託のない笑顔を封印し、思い通りのワインが作れないと言ってはイライラし、音楽家として挫折した過去や父との確執を引きずっているややこしい男だ。それが新鮮ではあるが、やはり持ち前の魅力は半減していて残念。

舞台は北海道の中央部西側の空知地方。岩見沢市宝水町にある「宝水ワイナリー」で撮影され、なだらかな丘陵に見渡すかぎりのぶどう畑が外国風景みたいでウットリする。屋外で美味しい空気を吸いながら、兄が作ったワインと弟が作ったパンを食べる。憧れの北海道暮らしがここにある。おとぎ話的要素が強いが、これはこれで疲れているときに観るといいかも。

オーバー・フェンス』(2016)

函館市

オーバー・フェンス

バツイチ子持ちで職業訓練校に通っている主人公は、ある日一風変わった女性と出会う。

故郷の函館に戻って大工技術を学んでいる彼は、結婚生活の失敗から自信を失い、未練に悩まされながら自己嫌悪に陥っている様子。そんな彼が奔放で一途な彼女に振り回されているうちに、乗り越えなくてはならない自分の「フェンス」に立ち向かうようになる。

彼が路面電車沿いの坂道を自転車で登るシーン。最初は坂がきつくてフラフラなのだが、それが後半になると自転車をグングン漕いですっと登りきれるようになり、彼の内的変化を象徴的に表しているようでうまい。函館公園の「こどものくに」にある動物園や遊技場もノスタルジックで、ストーリー展開の重要な場所となっている。ちょっと懐かしくて開放感のある街。くすんだような光が心に残る。

銀の匙 Silver Spoon』(2013)

帯広市

銀の匙

農業高等学校に入学した主人公が、実習や部活を通して同級生たちと絆を深めていく。

彼は合格できそうだったからそこに進学しただけで、やりたいことや目的もないため、最初から周りとの温度差がすごい。そんな彼が理想と現実の狭間で揉まれ、命を扱うことの厳しさを学んでいく姿は、酪農の世界をよく知らない観客にも感情移入しやすいだろう。後半は、ばん馬大会(競走馬がソリをひきながら力や速さを競う)で大盛り上がり!

ロケ地は帯広市・岩見沢市・音更町・清水町・鹿追町・上士幌町・更別村だったそうだが、高校生の物語なので学校のシーンが多い。それでもスクリーンいっぱいに広がる十勝平野は圧巻で、豊かな自然に触れるだけでなく肥沃な土地の恵みを受けた農産物も美味しそう。ひょっとしたら、北海道の学校に進学して畜産を学びたくなるかも?

世界から猫が消えたなら』(2015)

函館市

世界から猫が消えたなら

余命宣告を受けた主人公は、自分の元へやってきた死神から「命を1日伸ばす代わりに世界からモノを1つ消す」と告げられる。

何とも悩ましい話である。しかも、消すモノを選ぶのが本人ではなく死神だというところが、どうしようもない。この世に本当にいらないモノなんてある? 改めてそう考えてみると難しいわけで、決して利己的な人間ではない彼は死ぬよりもっと苦しむハメになってしまう。佐藤健が、繊細な主人公と残酷な死神の二役を演じわけているのがみどころ。

坂を登ると遠くに海を一望でき、振り返ると山を臨むことのできる函館。その風景だけでも異国情緒を感じてしまうが、この映画では一転してアルゼンチンとブラジルが舞台となるシーンがあり、何だか不思議な感じ。彼と彼女が別れた理由が今ひとつわからないのだが、それがそのまま彼の心残りでもあるというのなら納得できる。

「探偵はBARにいる」シリーズ

札幌市すすきの

探偵はBARにいる

繁華街のBARに入り浸る探偵と助手のコンビが、事件に巻き込まれながら真相を追っていく。

それまで気さくなあんちゃんのイメージが強かった大泉洋が、かっこ悪いところがかっこいいハードボイルド系に挑戦した人気シリーズ。とぼけた松田龍平も味わい深く、現在3シリーズが製作・公開されている。アクションもなかなか工夫されていて、娯楽作品として十分楽しめる。

探偵がいるのはアジア最北の歓楽街・すすきの。飲食店だけでなくホテルや娯楽施設などあらゆる業種が集まる享楽的な場所でありながら、女性だけで飲み明かしても安全だという治安の良さが売りらしい。映画に登場する交差点はぜひ歩いてみたいスポット。依頼者が毎回謎めいた女性なのだが、ゴージャス感にやや欠けるところが地方都市ぽくてよい。単なる札幌観光映画ではないのに、観れば行きたくなってしまうのは、大泉洋マジックか。

鉄道員(ぽっぽや)』(1999)

空知郡南富良野町

鉄道員

まもなく廃線になる駅の駅長が、定年を迎えるその日まで粛々と仕事を勤め上げる姿を描く。

仕事に真摯に向き合う寡黙で孤独な男。高倉健そのままの主人公なので、安心して観ていられる。定年と廃線が重なるという意味深な偶然を前に、彼は自分の人生を振り返る。妻と幼い娘が死んだ日にもホームに立ち、転職の誘いを断って鉄道員の仕事をひたすら続けた。その不器用で昔かたぎな生き方は、現代の若者の目にどう映るのだろう。

映画に登場する幌舞(ほろまい)駅は、ローカル線で無人駅が続くJR根室本線幾寅(いくとら)駅として実在し、今でもノスタルジックな駅舎がそのまま保存されている。なので、そこに行けば映画のワンシーンが目の前に。ちなみにその駅が選ばれたのは、駅舎からホームへの階段が決め手だったそうだ。ラストは涙を誘うものの、ある意味ではハッピーエンドではないかと思う。

そこのみにて光輝く』(2014)

函館市

そこのみにて輝く

自堕落な生活を送っている主人公が壮絶な過去を持つ女性と出会い、人生を取り戻そうとする。

深い傷を抱えた似た者同士の2人が、海辺にあるバラック小屋で出会う。病気で寝たきりの父と介護に疲れた母、そして刑務所帰りの弟と暮らす彼女は身を売って生活していて、そういう設定や閉塞的な空気感に昭和の匂いがプンプン。しかしそれがまたどこか心地よく、絶望のなかでほのかな希望を見出すラストが心に残る。

季節は夏なのに輝きや明るさは皆無。彼女が暮らす穴間海岸はぼんやり薄暗く、夜の繁華街は猥雑で蒸し暑い。山上大神宮の賑やかな夏祭りでさえ、けだるい雰囲気だ。彼らの鬱積が映し出されているかのように、映像がざらっとしているのである。だからこそ夜明けの太陽がまぶしく、身に染みてくる。文学作品みたいな映画だ。

Love Letter』(1995)

小樽市

ラブレター

天国の恋人に向けて送った1通のラブレターがきっかけで、埋もれていた恋が浮き彫りになっていく。

喪失と再生を描いたミステリー風ラブストーリーといえばよいだろうか。時を超えて届けられた純愛と雪の北海道というロマンティック要素が融合し、アジア(特に韓国)で大人気になったそうだ。中山美穂が一人二役を演じているので少々混乱してしまうが、彼女のキュートな魅力に目が釘付けになるのも確か。じっと考え込んでいるような瞳がこの不思議な物語に説得力を持たせている。

小樽はレトロな雰囲気があふれている街。映画に登場する小樽市立図書館は旧日本郵船小樽支店、小樽ガラス工房は小樽運河工芸館(クラフトショップ蓮)だそうで、そのレンガ造りの古い洋風建造物もさることながら、彼女がワープロを使っているのを観ると、ますますレトロな気分に。こんなオシャレな生活したいなあ。

子ぎつねヘレン』(2005)

網走市

子ぎつねヘレン

東京からやってきた少年が、視覚・聴覚・嗅覚を失った子ぎつねを育てることで成長していく。

奇跡の人ヘレン・ケラーにちなんで「ヘレン」。母親と離れ、見知らぬ土地に馴染めずいじけていた少年が、3つの障害を抱えながらも必死で生きているヘレンを見て、簡単にくじけちゃいけないことを学ぶ。都会っ子が大自然と野生動物に教わる命のあり方。子ぎつねの演技があまりにもリアルで、それを観ているだけでも感動的である。

季節が春から夏なのだが、梅雨と無関係なオホーツクの風景が爽やかだ。南北に長く広がる網走国定公園や広々とした能取岬は「これぞ北海道!」という感じ。ラストシーンに登場するワッカ原生花園では花が咲き乱れ、生命力があふれていて美しい。動物診療所のある深い森。ヘレンと散歩する砂浜。その対比にも懐の深い大自然を感じる。

星守る犬』(2011)

名寄市

星守る犬

リストラされ、病を患い、家族や住む家も失った主人公は、愛犬を連れて車で北へ向かう。

孤独なおじさんと犬が冬の北海道で行き倒れ。このざっくりとしたあらすじを聞いただけで、もうたまらない。しかもその主人公を演じるのが西田敏行。ご主人の死後もずっとそばにいたのが秋田犬。ああ、もうやめて。哀しすぎる。でも最後は妙な幸福感に包まれてしまうのは、なぜだろう?

彼らは東京から福島を通り、北海道名寄市へやって来た。名寄市職員が彼らの足跡をたどり始めるのだが、実は彼もまた小さい頃に犬を飼い、孤独な人生を送ってきた男だった。おじさんと犬の旅を追体験した彼は、無数の星や壮大なひまわり畑に慰められたのだろうか。ロケ地は北海道立サンピラーパークのひまわり畑だそうで、夏はすばらしい景色なんだろうな。

いかがでしたか?

最近は映画のロケ地マップがかなり充実しているようなので、これを機にロケ地めぐりもいいかも。撮影セットがそのまま保存されていれば嬉しいし、そうでなくてもマップ片手に映画の香りを感じ取ることはできるはず。もし大泉洋に会えたらラッキーだ。

そしてまた映画を観直してみると、臨場感が倍増。新たな発見もあって、映画が二度楽しめる。

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