夏が終わっちゃうその前に。沖縄に行きたくなる映画15本

2018.08.28
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

そろそろ夏も終わりに近づいてきたが、この夏に何かやり残したことはない?

まだ旅行に行っていないなあ。ああ、結局どこにも行けなかった。

そんな方でも今からまだ遅くない。夏が終わってしまう前に、思い切って沖縄などに旅行してはいかがでしょう?

今回は、観ているうちに沖縄に行きたくなるような映画15本をご紹介しよう。

ナビィの恋』(1999)

60年前の恋バナ

ナビィの恋

東京から粟国島に里帰りした主人公は、連絡船で島に向かう途中、白いスーツの老紳士を見かける。すると、それからおばあが妙にソワソワするようになり……。

知る人ぞ知る沖縄民謡の名手を多く起用し、沖縄音楽と笑いを盛り込んだ陽気で大らかな映画。仕事を辞め、都会暮らしの疲れを癒すように家でダラダラ過ごしていた彼女は、おばあの不審な行動に気づき、そのワケを探るようになる。

さて、おばあ、どうする? いや、おじぃ、どうする? このおじぃときたら女性のオッパイが好きで、ジャパニーズ・イングリッシュを交えながら、三線でアメリカ国歌を弾いたりするお茶目さがたまらない。行け行け! 愛に生きるおばあ。

ニライカナイからの手紙』(2005)

母の愛の秘密

ニライカイからの手紙

竹富島を舞台に、東京で暮らす母から1年に1度送られてくる手紙を支えに成長していく少女の姿を描く。

蒼井優の初主演映画。 毎年誕生日に届く母の手紙を心待ちにしている彼女は、おじぃと2人暮らし。母がなぜ幼い自分を残して東京で働くことになったのか、なぜ島に戻らないのか、その理由を知らない。

沖縄と聞けば南国特有の明るい空気感をイメージしてしまうものだが、この作品は心に染み入る静かな美しさ。海と空の青さもぼんやりしていて、それはそのまま彼女の心情を映し出しているかのようだ。こんな沖縄映画もあったのかと目からウロコ。

サウスバウンド』(2007)

じゃあ国民やめる

サウスバウンド

何に対しても自分が納得しなければ抗議する父親をもてあました家族が、母親の考えで彼の故郷である西表島へ引っ越すことになる。

税金など払わん! お父さんは元学生活動家。なので、疑問に思ったことには猛然と立ち向かってしまうのである。この世の中でそういう姿勢は貴重な存在ではあるが、子供からすると恥ずかしいよねえ。そんな大人を豊川悦司が嬉しそうに好演。

西表島で温かく迎えられた一家だったが、そこでもやっぱりお父さんは過激なまま。ひょっとして闘うのが好き? でも、お父さんの理論は筋が通ってるんじゃない? それに気づいた息子との関係が変わっていく様子が感動的だ。大人の世界はナンセンス!

天の茶助』(2015)

人生にシナリオあり

天の茶助

天界で人間のシナリオを執筆している脚本家たちのお茶くみ係をしていた男が、密かに恋心を寄せている女性が交通事故で死ぬ運命だと知ってしまう。

まるで古代中国みたいな天界で脚本家が人の一生を書いているという設定に、度肝を抜かれる。そしてそこから一転、オール沖縄ロケで描かれる現実世界。彼女を救いたい一心で降り立った下界は、エイサーまつりの真っ最中。商店街の活気が気持ちいい。

要するに天使が人間の女性に恋してしまったという話なのだが、彼女を必死で守っているうちに彼自身の過去が明らかになっていく。さて、自分がいるべき場所は天と地のどっち? 沖縄県出身の玉城ティナが、なぜか土佐弁をしゃべるシーンがみどころ。

涙そうそう』(2006)

兄はつらいよ

涙そうそう

那覇市で働く兄のところへ、高校に合格した妹がやって来て同居することになる。2人は血の繋がらない兄妹だったが、実はお互いに密かに恋心を抱いていた。

森山良子のヒット曲「涙そうそう」をモチーフに映画化。幼い頃に親を亡くして親戚の家で一緒に育った2人が、孤独を慰めあい、支えあいながら生きてきたのだから、そりゃ好きになるだろう。

禁断の愛というほどでもないのに、自粛してしまうマジメな2人。彼らの行く末は少女マンガみたいで、妻夫木聡の泣き方がいつも「わさびツーン」なのが気になるが、嫌味がないところはさすがだ。

豚の報い』(1999)

神の島で厄落とし

豚の報い

店に紛れ込んできた豚がもたらした厄を落とすため、その場にいた4人の男女が神の島を訪れ、騒動を巻き起こす。

沖縄という独特な土着性が伝わってくる作品。豚に追い詰められて魂を落とすだなんて、とても沖縄らしいエピソードであろう。そのせいで、色っぽくて大らかな沖縄女性3人と、彼女たちの世話をする大人しい青年が、彼の故郷の島へ行くことになる。

豚小屋で生まれたという彼には、どうやら父親にまつわる秘密があるらしい。なぜ女たちを連れて島に戻ってきたのか。その衝撃的な理由が明かされたとき、彼らの珍道中は終わりを告げる。それにしても小澤征悦、年上の奔放な女性に振り回される役が似合うなあ。

ヤギの冒険』(2010)

ひと夏の経験

ヤギの冒険

那覇市に住む男子小学生は、冬休みを母方の田舎である今帰仁村で過ごしていたが、ある日そこで飼われていた子ヤギがいなくなっていることに気づく。

監督は中学生! しかし侮るなかれ。これがなかなか達者な作品。人間は他の生き物の命を食べて生きている。その現実をヤギを通じて描くところが沖縄人だなあ。嫌がるヤギを淡々と連れ去り、フツーにつぶしているシーンがちゃんとあるのがよい。

可愛がっていたヤギが目の前で丸焼けに。街の子供からすると、これはショッキングなことだ。村の子供が着ているTシャツが、いかにもお下がりでボロボロなのがリアル。夏休みではなく冬休みだとは、大和人にはヤギのことよりもカルチャーショックだったりして。

深呼吸の必要』(2004)

自然と向き合う労働

深呼吸の必要

サトウキビを刈るために沖縄へやって来た若者たちが、重労働をしながら美味しいご飯を食べ、美しい自然と島民たちの温かさに触れるうちに次第に変わっていく。

香里奈の映画デビュー作。期日までにサトウキビを収穫するアルバイト「キビ刈隊」に応募した彼らはみな初対面だったが、約7万本のサトウキビを刈るという過酷な労働をこなしているうちに、みんなそれぞれ悩みを抱えていることがわかってくる。

都会からわざわざ沖縄の離島に行って労働をしようだなんて、何かワケがあるに決まってる。ひたすら体を動かして食べて寝る。よけいなことは何も考えない。そして気がつくと、気持ちがふっと軽くなっている。人間には自然が必要だと思い知らされる映画。

ホテル・ハイビスカス』(2002)

なんくるないさ

ホテル・ハイビスカス

沖縄にあるホテル・ハイビスカスを舞台に、このホテルを経営する個性的な家族に囲まれて元気に過ごす女子小学生の日々を描く。

外見はボロボロで客室は1つしかないホテル。そこに行き倒れみたいな青年を運んで「お客さんだよー!」と叫ぶ女の子が、ものすごくたくましくてイキイキしていて、作品を通してその子の元気な声しか聴こえてこないほどだ。

基地もチラッと出てくるし、彼女の家族を見ているだけで沖縄ならではの戦争や差別、国籍の問題が見え隠れするのだが、そういう面はあっけらかんと切り捨てられ、とにかく明るい日常コメディ。この懐が深さが沖縄の魅力か。

てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』(2010)

成せば成る

てぃだかん

沖縄の美しい海を守るため、人工によるサンゴの移植産卵に10年間チャレンジし続けた男とその家族の物語。

ナインティナインの岡村隆史が、お笑い芸人ではなく1人の俳優として演じた感動の実話。結婚するために沖縄に帰郷した彼は、子供の頃よりも海が汚れてしまっていることに気づき、経営するレストランを辞めてサンゴの再生事業をやり始める。

目的は正しいのだが、そこにいろんな利権がからんでくると大人の事情が……それでも彼が突っ走れるのは、ただただ海をきれいにしたいから。ものすごい情熱だ。美しい自然は人間による努力の賜物。幼なじみゆえに理解のある妻でよかった。

群青 愛が沈んだ海の色』(2009)

愛と一緒に沈みたい

群青

沖縄で暮らすヒロインが、漁師である父を説得するため海に潜った婚約者の死を知らされ、絶望のあまり引きこもってしまう。

実はその父も、娘が赤ん坊の頃に妻を失くしているという親子2代にわたる喪失の物語。ピアニストだった妻が弾いていたピアノを、今度は娘が弾く。その姿を遠くから静かに見守る父の心境やいかに。ピアノのある部屋は、深い海の底のようにブルーだ。

青く澄んだ沖縄の海がスクリーンに拡がり、哀しみに沈む彼女の涙とオーバーラップする。行き場のない怒りを抱えたまま、時は過ぎ行く。実はもう1人、彼女に想いを寄せていた幼なじみがいるのだが、彼がどうするのかが見ものだ。

パイナップル・ツアーズ』(1992)

コテコテの沖縄

パイナップル・ツアーズ

原因不明の病気で声が出なくなった女性オペラ歌手が、沖縄の霊能者“ユタ”に視てもらうため、沖縄の島に帰ってくる。

沖縄在住の新人監督3人が撮ったオムニバスだけに、沖縄の方言がフツーに使われていて標準語字幕つきという臨場感バツグンの作品。オシャレでリゾート気分満載の沖縄とは一線を画すエネルギッシュさが独特である。

どれも荒唐無稽なストーリーなのだが、ドタバタしているなかにも一種のファンタジー性あり。みんな地に足がついているのに、それが不思議なんだよなあ。でっかいパイナップルは今日はどこへ向かっているのだろうか。

天国からのエール』(2011)

当たり前のことを教える

天国からのエール

沖縄県本部町で弁当屋を営む男が、バンドの練習をする場所がなくて困っている高校生たちのため、店のガレージをスタジオに改装することを思いつく。

自分の余命が短いことを知りながら自力で音楽スタジオを作り、それを高校生たちに無料で貸すなんてなかなかできることではないが、それをするだけの理由が彼にはあった。実在のその人物を演じた阿部寛は、本人の衣服を借りて役作りをしたという。

今時の高校生に「挨拶をする」「赤点を取らない」「人の痛みがわかる人間になる」と口うるさく言う金八先生みたいな大人が、ここにいる。彼に背中を押されて夢を実現した高校生は、どんな大人になるのかな。グレていた子の笑顔が素直でカワイイ。

スケッチ・オブ・ミャーク』(2011)

太古の記憶

スケッチ・オブ・ミャーク

宮古島でひっそりと伝えられてきた「古謡」と神聖な「神歌」に焦点をあて、その歌を歌い継いでいく人々の姿を追ったドキュメンタリー映画。

「ミャーク」とは宮古島の意味。音楽家の久保田麻琴が神事で捧げられていた古謡に出会い、この映画が誕生した。何世紀にもわたって口伝されてきた歌が、今では失われつつあること。そして、それらを歌い継ぐ人々の暮らしが描かれる。

宮古島にこんな古い歌があったとは。それは、神と自然と歌が一体となっていた古代の深い記憶。秘められた神事を通して伝わってくる畏敬の念。生き証人たちの貴重なインタビューもあり、宮古島が今でも神が息づく神聖な島であるとわかる。

がじまる食堂の恋』(2014)

爽やかな四角関係

がじまる食堂の恋

沖縄県名護市で食堂を切り盛りしているヒロインが、財布を失くしたという旅行者の青年の面倒を見ることになり、そこへ元恋人が帰郷してくる。

波瑠の映画初主演作。ドロ臭さが魅力の沖縄映画らしからぬスマートな男女4人恋物語である。元彼の言葉に動揺する主人公。そんな彼女に、恋人同士のフリをしようと提案する旅行者の彼。そして元彼の方は……という具合いに、彼らは四角関係になっていく。

久志ビーチや名護さくら祭りなども映し出され、全体的にオシャレな感じ。がじまるの木にいろいろな悩みを打ち明けてきた彼女だったが、恋に関しては結局自分の心に問いかけるしかなく、あとはどうやって壁をブチ破るか。できるよ。がんばって。

いかがでしたか?

沖縄ならではの透明で美しい海。そして、三線の演奏や郷土料理が必ずといっていいほど登場するのが、沖縄映画である。

ああ、沖縄ってこんなところなのか……。

なので、観ていると「現地に行って、沖縄体験をしてみたい!」という気持ちがますます高まってしまうのが沖縄映画。これを機会に沖縄に行って、映画で観た世界を自分の目で確かめてみませんか?

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