○○したら死ぬ!?ルールを破れば死や恐怖が訪れるホラー・サスペンス映画10選

2018.10.08
映画

「映画」を主軸に活動中のフリーライター

春錵かつら

『クワイエット・プレイス』『イット・フォローズ』『ヴィジット』『ライト/オフ』などルールを破ると恐怖や死が訪れるホラー・サスペンス映画10作品を紹介

「音を立てたら、即死」という印象的なキャッチコピーで早くも注目を集めた、公開中の話題の新作『クワイエット・プレイス』。

実は世の中には「○○したら死ぬ」といった“ルール系映画”がたくさんある。そこで今回は「○○しちゃいけない」のにも関わらず、知ってか知らずかルールを破っちゃった主人公たちが恐怖に見舞われちゃう…そんな映画をピックアップしてご紹介。

『エルム街の悪夢』(1984)

眠ったら赤と緑のシマシマを着たアイツが来ちゃう

毎夜悪夢にうなされているエルム街に住む女子高校生・ティナは、恋人のロッド、親友のナンシー、その彼グレンも同じ夢を見ていると知る。ある日ティナが殺され、犯人として逮捕されたロッドは獄中死を遂げる。

ナンシーは犯人が夢に出る男だと突き止め、その男が昔エルム街で少年少女たちを20人以上殺害した挙げ句に、近所の者に放火されて死んだフレディ・クルーガーだと知る。

殺人鬼フレディ・クルーガーが夢の中で次々と人を襲うルール系ホラーの革命的作品。初めて本作を観た時に「眠らないなんて無理!逃げられない!逃げ場ナシ!!」と恐怖におののいた記憶がある。駆け出しのジョニー・デップが出演していて、2010年にはリメイクもされた。

エルム街の悪夢

睡眠は人間が持つ三大欲求のひとつで生理現象でもある上に、もっとも制御しづらい。こんなに不可避の恐怖は類を見ない。睡眠不足が重なり心身ともに憔悴していく主人公たち。気づかぬうちに寝落ちして、しかも寝てる自覚もナシ。これは現実なのか夢なのか。

エルム街の悪夢

『リング』(1998)

そのビデオテープを観たら1週間で死んじゃう

テレビ局のディレクター浅川玲子は都市伝説の取材で、観た者を1週間後に死に至らしめる「呪いのビデオ」の存在を知る。

その呪いで死んだとされる男女と、数日前に奇怪な死を遂げた自分の姪が同日の同時刻に死亡していることに気づいた彼女は、調査を進めるうちにその呪いのビデオの映像を見てしまう。残された時間は1週間。彼女は呪いを解く方法を見つけることができるのか。

知る人ぞ知る映画版が大ヒットを記録した鈴木光司原作の感染ホラーで、Jホラーブームの火付け役。“ルール系映画”と聞けば日本人はまず思い浮かべるであろう知る人ぞ知る作品で、その後シリーズ化やハリウッドや韓国でリメイク版が製作された。呪いの張本人である山村貞子は本作でスターダムにのし上がり(笑)、テレビから這い出てくる長髪の白装束の女に日本中が恐怖した。

映画公開から遡ること3年、1995年に実は高橋克典主演でドラマ化しており、偶然この放映を観ていた私はこちらの方をオススメしたい。

貞子

Photo credit: anelasama on Visual Hunt / CC BY-NC-ND

『バイバイマン』(2016)

“ソレ”の名前を口にしたり考えたりしたら死んじゃう

舞台はアメリカのウィスコンシン州。古い一軒家をシェアしようと引っ越して来た大学生のエリオットと恋人のサーシャ、そしてエリオットの親友ジョン。3人が住み始めると奇妙なことが起きる。

ふとしたきっかけで、「バイバイマン」という“何者”かを呼び起こし取り憑かれてしまった彼らは、なんとかお互いに助け合おうとするものの、周囲の人間たちが1人、また1人と命を落としていく。

バイバイマン

キャリー=アン・モスフェイ・ダナウェイという豪華キャストも出演している本作の敵は「バイバイマン」という謎の“何か”。名前を口にしたらいけないだけならともかく、考えてもいけないなんて“無理ゲー”すぎる。「やめろ、考えるな、言うな」って言ったり思ったりしている時には既に考えているわけで……。

ああ、やはり“無理ゲー”。何回、あるいはどれだけ考えたらアウトなのかも分からない漠然とした、しかし確実にヤバめな恐怖を抱えることになる主人公たち。本当の敵は、自身の中にある弱さや恐怖心。幻聴や幻覚もあいまって彼らの精神は蝕まれてゆく。

バイバイマン

『ライト/オフ』(2016)

明かりを消したら“ソレ”がやってきちゃう

照明を消して暗くなると現れるという不気味な何かを恐れる弟を守るため、久々に実家に帰ってきた主人公レベッカ。母親と疎遠になっていたレベッカは弟を預かるが、得体の知れない何かが迫ってくる。奇妙な現象をたどって行くうちに母が隠していた真実へとたどり着く。

ヒロインのレベッカを演じたのは『アイ・アム・ナンバー4』のテリーサ・パーマー。動画サイトにアップされ1億5000万回再生された2分半ほどのショートムービーを元に作られた本作は、低予算で単純なストーリーながらも、多くの人に支持された。明るい場所では何も見えず、暗くなるとその“何か”が見えるという矛盾。その“何か”は闇に潜み、闇で自由に移動する。

灯りをつけたら消える“ソレ”は、「だるまさんがころんだ」よろしく消すたびに近づいているという恐怖。単純な設定に「じゃあ電気つけっぱでいいじゃん」と思うなかれ。そういうときは照明器具の調子が悪くなるって決まっているのだ。そしてベッドの下、ドアの裏……闇はそこかしこに存在する。

ライト/オフ

『ヴィジット』(2015)

三つの約束を守らなければ恐ろしい目にあっちゃう

休暇を過ごすため田舎にある母方の祖父母の家を初めて訪れた姉弟。優しく穏やかな二人に歓迎されるが、守るべき3つの奇妙な約束を伝えられる。

それは「楽しい時間を過ごす」「好きなものは遠慮なく食べる」「そして夜9時半以降は部屋から出てはいけない」という内容だった。しかし、夜に妙な気配で起きてしまった姉弟は、恐怖と好奇心から約束を破ってドアを開けてしまう。

シックス・センス』のM・ナイト・シャマランが監督を務めた本作。初めて会う孫と祖父母、しかも共通の接点となる母親が不在なんて、赤の他人同士も同然だ。

見ず知らずの田舎で他人同然の人の家に子供だけで止まるなんて、逃げ場なさすぎ。垣間見えた穏やかな老人たちの裏の顔。予想を裏切らない王道ホラーだけど、パワフルな老人ってギャップがあってなかなか怖いということをこれでもかと思い知らされる一作。

ヴィジット

『イット・フォローズ』(2014)

誰かとエッチしなければ死んじゃう

19歳のジェイは彼氏と一線を越えると彼は突如豹変、彼女を椅子に縛り付けて奇妙な告白をする。“ソレ”は人にうつすことができる。ほかの者には見えず、ゆっくりと近づいてくるが、捕まると殺されてしまう。

そして“ソレ”は性行為をした相手にうつすことができるというものだった。さらに、うつした相手がもし捕まって殺されたら、“ソレ”は再び自身に戻ってくるという。半信半疑のジェイは、やがて“ソレ”が教えられたままの存在だと思い知る──。

青春真っ盛りの若者たちが襲われるホラーは多い。本作もそんな青春ホラーのひとつ。「性病」なのか「エイズ」なのか、“ソレ”は一体何なのかという議論が巻き起こるほどのヒットを記録した低予算映画だ。

タイトル通りに「“ソレ”はついてくる」。ゆっくりと、そして確実に。本編ではドストエフスキーの「白痴」が読み上げられるが、その一節からヒントを得るなら、“ソレ”が追いつくのはうつされた人間が「窮地に座り込んで、最後の瞬間を待とうとした」とき。まるで「運命に抗え」と教えられているようだ。

イット・フォローズ

1408号室』(2007)

その部屋に泊まったら死んじゃう

作家マイク・エンズリンは娘を亡くした今では心霊スポットを取材して歩くライターの仕事をしている。大抵が“眉つば”でウンザリしながらも、「NYドルフィンホテル1408号室に入るな」と書かれた絵はがきを受け取った彼は、断るホテル側の抵抗をよそに強引に、多くの宿泊客が死んでいる1408号室に宿泊する。一見、なんの変哲もない一室に拍子抜けする彼だったが、徐々に不穏な空気が漂い始める。

スティーヴン・キングの短編ホラー小説「一四〇八号室」を映画化した本作。作家マイクをジョン・キューザック、ホテルの支配人をサミュエル・L・ジャクソンが演じている。マイクの調査では一室の死者は「飛び降り7人・薬物4人・首吊り5人・切断3人・窒息2人」。それだけでも充分不自然なものの、新聞沙汰にならなかった「自然死22人」も加え、実は56人の宿泊客が死んでいるらしい。

そこからは怒涛の怪奇現象。突然鳴るレコード、血しぶきの跡、壊れるエアコンに水道管、意味不明の電話、死者たちの出現、エトセトラ、エトセトラ。

その部屋に入った者は「1時間はもたない」とホテルの支配人は言う。ラジオ付きのデジタル時計が60分のカウントダウンを始めるが、その60分は60分を遥かに超える濃密で壮大な恐怖旅行だった。

1408号室

『キャンディマン』(1992)

鏡の前で5回呼び掛けると現れる彼に殺されちゃう

黒人居住地区にまつわる都市伝説を研究している大学院生・へレンは「キャンディマン」という殺人鬼の存在を知り、「鏡に向かってその名を5回唱えるとキャンディマンが現れる」という言い伝えがあるその殺人鬼が起こしたという事件の調査をしている。

そのさなかに殺人事件が起き、容疑者となったヘレンは自身の無罪を晴らそうと半信半疑のまま「キャンディマン」の名前を唱えてしまう。かくして“彼”は現れたのであった。

ダークファンタジー作家であり、『ヘル・レイザー』で脚本・監督も務めたクライヴ・バーカー原作の短編小説「禁じられた場所」の映画化である本作。敵となるキャンディマンはスラリとした体形にロングコートを羽織り、右手には鉤爪という出で立ちで、数あるホラー映画の中でも「え……なんだか格好いい……」と思わずつぶやいてしまう異色の存在。

他のホラーのようなおどろおどろしさはなく、壮絶な過去と哀愁を湛えている。展開も他のホラーとは一線を画す隠れた名作だ。“名前”には、“不思議な力”が宿るという。みだりに呼んではいけない。

キャンディマン出典元:YouTube(Movieclips)

『ポゼッション』(2012)

その箱を開けたら、邪悪なモノが復活しちゃう

離婚した妻の元にいる2人の娘に会える週末を楽しみにしているクライド。ある日、一緒に出かけたガレージセールで古めかしい木箱を次女・エミリーが欲しがり、クライドはその木箱を手に入れる。振ると何かが入っている音がするその箱は開け方が分からず、クライドが諦める一方で、その箱に執着したエミリーはとうとう箱を開けることに成功するが、その日からエミリーの様子はおかしくなっていく。

木箱を開けてからは不吉なことが立て続けに起こるわけだが、可愛らしい娘が白目を剥いたり口から手を出したりと、やりたい放題のオカルト・ホラー。『スパイダーマン』などを監督したサム・ライミがプロデューサーを務め、実話を基に製作されたという本作。

コトの発端は世界大手のオークションサイト「eBay」に出品された“災いをもたらす木箱”だ。出品者は大学生で、その箱を手にした自らが体験した奇妙な現象を書き連ね、14万回以上のページビューを記録して多くの一般人や専門家たちの注目を集めた。プロデューサーを務めたサム・ライミもその1人だ。呪いは今も、どこかで解き放たれるのを待っている。

ポゼッション

『クワイエット・プレイス』(2018)

音を立てたら、即死っちゃう

そして今回公開された『クワイエット・プレイス』。本国アメリカでは「今年もっともヒットしたホラー映画」と言われているSFホラーだ。

音に反応して襲ってくる“何か”の襲来で街は荒廃し、人類が滅亡の危機に瀕した世界。「決して音を立ててはいけない」というルールのもと、生き延びている家族がいた。ある日、手話で会話し、行動圏内の道には砂を敷き詰め、裸足で暮らす彼らを悲劇が襲う。

ボーダーライン』などのエミリー・ブラントが主演を、実生活でもエミリー・ブラントの夫であるジョン・クラシンスキーが夫役を務めただけでなく、監督・脚本も手がけた本作。彼らには、遊びたい盛りの息子だけじゃなく、母親のお腹に赤ちゃんまでいる。いやいやいや、理屈の通じない相手に「音を立てさせるな」って、無理でしょ!どーすんの、コレ。

おまけに長女は聴覚障害を抱えており、自分の立てた音が聞き取れない。ハードルに次ぐハードル。しかも高いハードルだらけ。敵は盲目だけど信じられないほど耳が良く俊敏な怪物。90分、観客も思わず息をひそめる。

クワイエット・プレイス

「わかった、わかった。むやみにルールは侵すなってことね。」と思ったアナタ、ちょっと待った!「知らずの内にルールを破っていることもあるんですよー!」と声を大にして言いたい。

初めての人は、いつだって知らずに禁忌を侵して犠牲になっている(はず)。“ルールが定着するまで犠牲になるその後の何人か”のことも頭に入れて観ると一層増す恐怖も、ルール系ホラーの醍醐味だ。

クワイエット・プレイス

(C)MMX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.、(C)2017 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.、(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED、(C)Universal Pictures.、(C)2014 It Will Follow. Inc,、(C)2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.、(C)2012 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.、(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

【あわせて読みたい】

※ あの巨匠も絶賛!満足度96%の超新感覚最恐ホラー『イット・フォローズ』​
※ 怖いの苦手でも大丈夫!秋の夜長に一人でも観れるかも?ちょっぴり切ないホラー映画​
※ 【3分で分かるJホラー講座】メイド・イン・ジャパンの恐怖が世界を包み込む!!

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS