ボジョレー・ヌーヴォー解禁!新酒と一緒におすすめしたいワイン映画10本

2018.11.14
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

11月15日はボジョレー・ヌーヴォー解禁日。新酒のボジョレーを飲みながら、ワインの映画はいかが?

いよいよ11月15日(木)は、ワイン好きが待ちわびていたボジョレー・ヌーヴォー解禁日。毎年この時期が来ると、ワイン祭りといってもいいほど世界各地でニュースになり、巷ではさまざまな商戦が繰り広げられる。

「ヌーヴォー」とはフランス語で「新しいもの」という意味で、フランスのボジョレー地区で、その年に収穫された葡萄で造られる新酒ワインだけが、“ボジョレー・ヌーヴォー”と呼ばれる特別なワインになる。
ちなみに解禁日は、毎年11月の第3木曜日と決められているそうだ。

映画の中でも、ワイナリーが舞台になっているものや、そのシーンの意味を深めるためにワインが使われたり、物語の重要なカギになったりするなど、見逃せない小道具として登場することも多い。

そこで今回は、11月15日のボジョレー・ヌーヴォー解禁にちなんで、ワインの世界を垣間見ることのできる映画10本をご紹介しよう。

サイドウェイ』(2004)

ワインも主役

サイドウェイ

ワイン通で作家志望の教師は、売れない役者である親友が結婚すると知り、独身最後の時間をワイナリー巡りで楽しもうと一緒に旅に出る。

2009年には、日本版リメイク作『サイドウェイズ』も製作された。ワインに詳しいことしか取り柄のない冴えない主人公。彼の提案で、2人はカリフォルニア州のワイナリーに出かけるのだが、その友人(微妙にシュワルツェネッガー似)は、独身最後のナンパのことしか考えていない。そんな足並みがそろわない珍道中が、旅先で女性トラブルを巻き起こす。

旅とワイン。なんて女心をそそる組み合わせだろう。実在のワイナリーや店だけでなく、1,000ドル以上する61年物のシュヴァル・ワインが登場するのも楽しく、ピノ・ノワールを崇拝する主人公が、メルローやフランを見下す発言などは、自身の人生を象徴するかのようだ。ヤケになって大切なワインをガブ飲みするシーンが情けないやら笑えるやら。

モンドヴィーノ』(2004)

ワインの裏側

モンド

世界中に広がるワインブームを背景に、グローバリゼーション化を進める企業と、それに反対する人々を描いたドキュメンタリー映画。

ヨーロッパ、アメリカ、南アメリカの三大陸を往復しながら、ワイン業界の裏舞台を取材。ソムリエの資格を持つ監督なだけに、ワインに携わる人々の切実な思いやワインビジネスについて鋭い切り口で迫り、フランスでも物議を醸した問題作である。

伝統を守ること。売れる商品を作ること。その両立の難しさはどこの業界でも同じだろうが、売れるワインが生み出される構造がわかりやすいので、複雑な気持ちになってしまう。にしても、試飲が当たり前になっている今、時代の流れはこっちかな。美味しいワインの向こう側にある裏側の世界。ワインはまだ死んでいない。

ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡』(2008)

まさかの

ボトル・ドリーム

1976年、良質なワインを求めてカリフォルニアを訪れたワイン評論家が、最高のシャルドネを作ろうと奮闘するワイナリー経営者とその息子に出会う。

当時二流と思われていたカリフォルニアワインが、フランスの名だたるワインに勝利した「パリ・テイスティング事件」を基に、優勝ワイナリーであるシャトー・モンテレーナの人々を描いた作品。アラン・リックマンが、フランスワイン史上主義のイギリス人を嫌味に好演している。

最初はアメリカワインを見下していた主人公だったが、シャトー・モンテレーナの親子の情熱に感動し、大会を企画する。今日のようにカルフォルニアワインが世界的に有名になった背景には、こんな出来事があったとは。奇跡という言葉がピッタリ。国柄に関係なく美味しいものは作れる。

プロヴァンスの贈りもの』(2006)

ワインの土地が呼んでいる

プロヴァンス

イギリスで金融トレーダーとしてバリバリ働いている主人公は、ワイン醸造家をしている叔父の訃報を受け取り、遺産相続のためフランスの南部・プロヴァンスへと向かう。

監督自身もプロヴァンスに葡萄農園を所有しているそうで、その土地の柔らかい空気感がじんわり滲み出ているような作品。

やり手のトレーダーである主人公は、大都会・ロンドンでの暮らしにすっかり馴染んでいたが、シャトーに足を踏み入れたとたん、叔父と過ごした幼少時代を思い出す。
相続後は売却するつもりだった葡萄畑とシャトー。なのに、懐かしさと愛おしさがこみあげてきた彼の心は揺れ動き、そしてトドメに、レストラン経営をしている女性に恋をしてしまう。結局は愛ゆえなのである。叔父の娘が登場という想定外のハプニングもあり、彼を取り巻く人間模様はザワザワするが、全ては暖かい日差しの中に溶けていく。

ウスケボーイズ』(2018)

ワインに賭ける大和魂

ウスケボーイズ

ワイン通の若者たちが、フランスと日本のワインでブラインドのテイスティング会を開催したところ、日本産「桔梗ヶ原メルロー」の美味しさを知って驚き、ワイン造りに没頭するようになる。

実話をベースにし、山梨県甲府市でオールロケを敢行した作品。ワインはフランス、ウイスキーはアイルランド、ビールはドイツ、そして日本は日本酒という先入観があるものだが、実は日本にも世界レベルのワインを作り上げた男がいた。それが麻井宇介(あさいうすけ)である。

彼の意志と思想を受け継いだから“ウスケボーイズ”。なんてインパクトのあるネーミングだろう。素人がすぐに造れるものではなかろうに、彼らの揺るぎない情熱と信念はどこからくるのか。若さゆえに突っ走っては挫折し、それをまた肥やしにして上等なワインを目指す姿に感動。たまには国産ワインを飲んでみようかな。

恋の秋』(1998)

ワインが恋人?

恋の秋

南フランスの小さな農園で、ワイン造りに没頭している主人公。彼女が独り身であることを心配した息子のガールフレンドと親友が、恋の相手を探そうとする。

『春のソナタ』(89)、『冬物語』(91)、『夏物語』(96)に続く「四季物語」シリーズの完結作。他人の恋人を勝手に見繕って引き合わせようとするのだから、何ともおせっかいな二人だ。一人は、新聞の結婚交際広告欄に投書して身代わりデート。もう一人は、元カレを教えていた先生に目をつける。

秋は葡萄と恋が実る季節。フランス人らしい洒落た会話が美しい秋の風景とマッチして、落ち着いた大人の映画という感じ。長い間ワインだけが恋人だったヒロインが、この仕組まれた出会いにどう反応するのかがみどころ。機が熟すという言葉があるように、男女の関係も時間をかけて。

世界一美しいボルドーの秘密』(2013)

ボルドーゆえの苦悩

ボルドー

何世紀にもわたって富と権力の象徴とされ、世界一のクオリティを誇るとされるボルドーワインをめぐるビジネスの裏側と、ワインに魅了された人たちの胸の内を捉えたドキュメンタリー映画。

マリー・アントワネットが愛し、1855年パリ万博ではナポレオン3世が第一級として認定したというボルドーワイン。高級ワインというイメージのあるボルドーワインだが、最近中国を中心とした新興国で需要が拡大している現実に対して、ボルドーのシャトーたちがどのように対応しているのか。その実態が赤裸々に描かれる。

ワインビジネスのシビアさときたら。赤ワイン消費量が世界一になった中国の資産家たちが次々とワイン業界に介入し、そのせいで値段が高騰。そんな状況で、ボルドーワインの品質や伝統を維持することの難しさがひしひしと伝わってくる。ワイナリーを所有する監督、フランシス・フォード・コッポラも登場し、経営者としての心情を吐露するシーンが興味深い。

ブルゴーニュで会いましょう』(2015)

血はワインより濃し

ブルゴーニュ

老舗のワイナリーである実家を飛び出した主人公は、パリで有名なワイン評論家として活躍していたが、実家の経営危機を知らされ、久しぶりにブルゴーニュへ帰郷する。

家業という束縛から逃れたかった若き日の彼だが、ワイン評論家になったのだからワインが嫌いなわけではない。なので、何とか実家を立て直そうと奮闘するが、悲しいかな、農業や醸造についてはド素人。頼りになる父親は、家業を捨てて出て行った息子を許せないでいるし、大変だ。

生存を賭けた新しい手法がそれ? でも現実はそういうものだったりして。父親と衝突を繰り返しながらも彼が諦めないのは、罪滅ぼしというよりも遺伝子が騒ぐから。傷ついた家族は、ワイナリーを再建するという共通の目標によって再び強く結びつくのだろうか。何かを造るっていいなあ。

約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』(2009)

天使の目的は?

約束の

19世紀フランス、ブルゴーニュ地方で最高のビンテージワインを造ろうと励んでいる主人公は、ある夜に天使に出会い、1年後に再会することを約束する。

いきなり天使が登場するので少々面食らうが、どちらかというとたくましい体つきのアポロン系なので、人間のような存在感。その天使は、主人公と毎年同じ日の夜に会うことを条件に、ワイン造りのアドバイスをするという。ワイン造りに人生を賭けて悩んでいる彼の前に現れた、それはまさにワインの天使。

でもそう思っていたら、おやおや、何だか雲行きが怪しくなってくるのが、この映画の面白いところだ。原作がベストセラー小説なだけに、やっぱり一筋縄ではいかないのである。天使か悪魔か。結局それを決めるのは人間。極上のワインを追い求める男と、それを見守る女と、そこに上から目線で関わる天使が織り成すドラマ。

Somm ソム: ワインにかけた情熱』(2015)

まるで化学者のような

ソム

マスターソムリエ試験を通じて、ワイン醸造家やソムリエたちの姿を追ったドキュメンタリー映画。

ワインを造る場所は美しいが、ワイン造りは決して楽な仕事ではなく過酷だ。そう語るワイン職人たちの汗と涙の結晶を私たちが最高のシチュエーションで味わうためには、ソムリエという存在が欠かせない。彼らはワインの全てを知りつくしているからこそ、それが最も生かされる状態で消費されてほしいと願う。愛ですね。

ワインのコルクから生えているキノコ。ロマネコンティの貯蔵庫。そんな見たこともない世界がスクリーンに映し出され、飲んでいないのに飲んだような気分になる。気難しそうなソムリエがワインの香りを嗅いだとたん、思わず頬を緩ませるシーンが好きだ。プロの話を聞くのは楽しい。

いかがでしたか?

ワインに詳しい人もこれからワインのことを勉強したい人も、ワインのことはあまり知らないけど飲むのは好きだという人も、発見や驚きのあるワイン映画の数々。共通するのは、観た後にワインを無性に飲みたくなってしまうこと。そういう意味では、ちょっと危険な作品だともいえる。

ワイン映画は、フランスが舞台になることがほとんど。ちなみに11月17日(土)公開の『おかえり、ブルゴーニュへ』も、ブルゴーニュ地方でワイナリーを経営する父親の危篤をきっかけに、主人公が家族との関係を見つめ直す作品。最新のワイン映画として、こちらも合せてどうぞ。

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