映画を通して学ぶ、感じるLGBTの世界。 必見の6タイトルをご紹介!!

2015.10.27
まとめ

映画デートでモメてみたいショタコン文筆家

martha

「LGBT」という言葉をご存知ですか?

最近耳にする機会も増えてきたこの言葉は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略です。ゲイやバイセクシュアルであることをカミングアウトするセレブが増え、今年6月には全米で、同性結婚が認められました。

虹色に染まったホワイトハウスが記憶に新しい方も多いと思います。LGBT、今まさに注目のワードであることは間違いありません。

映画でもまた、これをテーマとして掲げている作品は多数あります。例えば『博士と彼女のセオリー』で、オスカーを手にしたエディ・レッドメインが、世界で初めて性転換手術を受けたとされる画家を演じた『ザ・デニッシュ・ガール』。こちらは来年2016年、日本での公開が予定されている期待の作品です。

今回は、DVDレンタルが開始した『パレードへようこそ』を含め、一度観ておくべき関連作品を6つご紹介します。映画を通して気になるLGBTの世界、覗いて観ませんか?

運命に性別は関係なし『アデル、ブルーは熱い色』

アデル

あらすじ

それまでは男性とデートやセックスをしていたアデルが、ブルーヘアーのエマとの大恋愛を経て成長していく様子を描いたラブストーリー。フランスを舞台に、2人が惹かれ合う過程、女性を好きになっていく事へのアデルの葛藤、次第にすれ違っていく愛が色濃く描かれています。

リアルなカメラワークや音に注目!

ラブシーンが長尺で生々しく、話題になった本作ですが、印象的なのはそのリアルなカメラワーク、音です。

食事をするシーンや絡み合うシーン、恋人の一挙一同が気になって仕方ない女性特有の敏感さが、実にリアルに撮られています。エマと一緒に暮らしはじめ、すぐに触れ合える距離にいるはずの彼女が、何故か遠くに感じどうしようもない孤独に襲われていくアデル。

長い映画ですがラストを迎える頃には、完全に主人公アデルに感情移入しているはずです。

男性同士のゲイを描いた作品は多いですが、レズビアンをここまで濃厚に、体当たりで演じた二人はとても魅力的。レア・セドゥ演じるエマに憧れて、青い髪にした女子も多いのではないでしょうか。

勝つことは重要じゃない『ミルク』

ミルク

あらすじ

合衆国で初めてゲイを公表し、市議会議員となったハーヴィー・ミルクの伝記映画。ミルクは1970年代、サンフランシスコのカストロを拠点とし、同性愛者の権利を訴えた人物です。彼の存在が大きく認知され、支持者が増える一方、大きくなっていく反発の力。身の危険を感じ始めた彼は、遺言をテープレコーダーに吹き込むようになります。

涙なしでは観られない伝記映画

ハーヴィー・ミルクを演じたショーン・ペンがアカデミー賞を受賞。加えてミルクの恋人スコットをジェームズ・フランコが熱演している点も本作の魅力の一つです。ミルクを愛でる甘い眼差しと麗しさを見事に演じ、この作品以降、ジェームズは積極的にゲイ役を受けています。

政治家の伝記映画と言っても肩肘を張った感じは無く、とても分かりやすく入りやすい作品になっており、現在までの同性愛への関心、理解に通ずるミルクの活動を知ることが出来ます。執念深いとまで言える彼の自由への訴えは、まさに命懸けと言えるでしょう。

ミルクはスコットに「勝つ事は重要じゃない。存在を知ってもらう事が大切だ」と話します。70年代のアメリカで、自分を偽らずに生きる事がどれだけ難しかったのか・・・。涙無しでは観られません。

偏見、差別と向き合う『ボーイズ・ドント・クライ』

ボーイズドントクライ

あらすじ

体は女性であるが、男性として生きる主人公ブランドン。訪れた田舎町で2人の男と仲間になり、2人が妹のように大切にするラナと恋に落ちる。少年のようなルックスのブランドンが、実は女性である事を仲間達が知った時、むごく残酷な悲劇が始まります。

観終わった後は言葉がでないほどショッキング

この作品で女優のヒラリー・スワンクはアカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞を受賞。撮影中はずっと男性として過ごし、その役作りは徹底していたと言います。

さらしを硬く胸に巻き、靴下を股間に入れ膨らまし、男性として生きる姿には強い意思を感じながらも、どこかいつも怯えているような不安定さが垣間見えるブランドン。仲間にひどい仕打ちを受けるシーン、叫び狂いたくなる場面で彼は必死に声を抑え、女性である自分を押し殺します。何処までも男性であり続けるのです。

実在する人物の人生を描いた本作品は、これが現実に起きたこととは信じ難いほどショッキングであり、観終わった後は言葉も出ない程、痛烈な余韻を残します。しかしそこに大きな差別や偏見があったこと、決して目を背けてはならない事実です。恐らく何度も観賞は出来ません。しかし、一度は絶対に観ておくべき作品です。

美しくも儚い愛『マイ・プライベート・アイダホ』

マイプライベートアイダホ

概要&あらすじ

故リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴス奇跡の共演、リアルでも親友だった2人の、魅力がたっぷり詰まった名作です。監督は既出の「ミルク」と同じ、ガス・ヴァン・サント。彼自身もゲイを公表している一人です。

リヴァー演じるマイクは、幼い頃に母親に捨てられたトラウマを抱えながら、体を売ってその日暮らしをする青年だが、突然気絶してしまう難病を抱えている。また対照的に市長の息子として生まれた、キアヌ演じるスコットは金に物を言わす父親に嫌気がさし、家を空けている。共にマイクの母親に会うため旅に出るが、親友である2人の状況は次第に変わっていきます。

ゲイであることは特別なことではないと感じる作品

リヴァーの代表作と言われる本作は、オープニングシーンから彼の目力、儚く影のある表情にグッと胸を締め付けられること、必至です。旅路での焚き火をしながらの愛の告白は、リヴァー・フェニックスがカッコいいだけのアイドルでは無く、1人の立派な俳優として存在していた事を思い出させられる名シーン。

「お前が好きだ」と何度も繰り返す様子は、切なく絶望的ですが、美しいの一言。スコットは、「男が愛し合ってはいけない」と言いながらも、親友としてマイクを受け止めます。

境遇や愛の形が違う2人を見ていると、誰かを愛する事は皆にとって当たり前であり、ゲイである事は何も特別な事ではないと感じます。私達が誰かを好きになり好かれたいと願うことは、相手が、異性か同性かは関係なく、自然に生まれ、望むべき思いなのです。

自分に正直に生きる選択『わたしはロランス』

ロランス

概要&あらすじ

その鬼才ぶりが、とどまるところを知らない、グザヴィエ・ドラン監督。監督、脚本のみならず、衣装、音楽なども手がける彼の作品は芸術品とも言えるでしょう。彼自身がそうであり、ゲイが登場する作品がほとんどですが、その中でも大きくテーマとして取り上げているのが、「わたしはロランス」です。

「ずっと自分を偽っていた」と恋人に打ち明け、女性として生きる事を決める教師ロランスは、タイトスカートを履き教壇に立つようになる。また突然の告白に困惑しながらも、彼女になってしまった恋人を受け止め、一生懸命支えるフレッドをカナダ人の女優、スザンヌ・クレマンが見事に演じています。

究極のロマンチックラブストーリーここにあり

長年連れ添った恋人のカミングアウト。愛しているという事実だけで、果たして乗り越えられるものなのだろうか。今までと全く同じまま変わらずにいられるものでしょうか。フレッドの動揺、葛藤と、ぶつかり合う無限とも言える愛情。性別なんて、いっそ無ければいいのに・・・そう願わずにはいられません。

過剰とも言える演出、感情の波がキラキラとスクリーンを彩る映像美。絶妙に合わさるBGM。ラストの『Laurence Anyways』の台詞に、ハッと息を飲まされる。2人の10年間を描いた究極のロマンチックラブストーリー。

ぜひ、ドランワールドに溺れてみてください。

境遇が違っても支え合う力『パレードへようこそ』

パレードへようこそ

あらすじ

1984年のイギリス、炭坑労働者を救うため、募金を集め寄付することを決めた同性愛者の活動家達。LGSM(レズビアンとゲイの活動家たち)の集めた寄付金を受け取る炭坑団体はなかなか現れず、途方に暮れるも、彼らは負けじと自ら小さな炭坑町、ウェールズへ足を運びます。

立ちはだかる壁に立ち向かう登場人物に勇気をもらえる

一見、頭が固そうな田舎町のおじさんやおばちゃん達が、LGSMの勇気ある行動に心打たれ、後ろ向きになっていた活動への意欲を取り戻して行く様子は、まるで再び訪れた青春時代のよう。

ゲイやレズビアンであること、自分たちの生き方に誇りを持ち、仲間を思いやる一人一人がとても温かく、気付くと全力で応援してしまう魅力的なキャラクターが集合しています。

ストーリー展開が明確で、ウィットに飛んだ双方のやり取りにワクワクし、時にぐっと熱さがこみ上げるハッピーな作品です。特にシャーリー&カンパニーのシェイム・シェイム・シェイムで踊り狂うシーンは最高!その他にも、センスのいいUKロックが刺さりまくります。

闘う相手は違っても、生き方は違っても、手を取り合って繋がり支え合う事が出来る。実話が元になっている本作は、現代に生きる私達に大切なパワーを与えてくれます。常に前向きに、個々の人生の問題、立ちはだかる壁に向き合う彼らに、勇気をもらってください。

終わりに

日本では、同性同士の結婚は法的に認められていません。全世界での意識改革は高まりつつありますが、まだまだその偏見や差別を拭い切るには道程があります。

誰かを好きになり、愛すること。それは人類全員に与えられた自由であるはずです。今回紹介した作品を通して、色んな愛の形、人生の形を知ってもらえたら幸いです。

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  • ゆき
    4.1
    人生は短い。誇りを持って生きるということ。 ストライキを起こす炭鉱労働者たちと同性愛者たちの友情を実話を元に描く。 キャラクター一人一人が愛らしい。きっともっと重々しく描くこともできた題材を人と音と服が鮮やかな色付けをしてくれてとても観やすい作品でした。 人を変えられるのは人だ。 自分を勇気つけたい時にまた観たい一作に出会いました。
  • mayu
    5.0
    80年代のファッションや音楽が最強!贔屓目にみちゃう! LGSMの人々に率直に素朴な質問をしてるシーンがとてもすき!そうあるべきだと思った。
  • てんびん
    4.2
    社会的弱者が連帯して自分たちの誇りを守るために立ち上がる映画。だからタイトルも原題の「プライド」の方が合ってると思う。 小気味いいテンポで進むし、コメディシーンも多いので口当たりが軽いけど、実話を基にした作品という重みもあってバランスが取れている。 作中で「炭鉱の問題にかこつけて自分たちの権利を主張したいだけだ」というようなセリフがあったけど、その指摘はその通りだった。お互い利用し合う関係なのは間違いない。ただ単体では弱くて潰されてしまう人々が、それぞれ手を取り合って立ち向かう姿には胸を打たれる。ラストシーンはベタだけど最高。 田舎のおばちゃんはどこの国でも無敵なんですね。
  • Yoko
    4.0
    いい映画だった。 こういう映画好き。
  • nanamonta
    3.7
    80年代のイギリスを舞台に、LGSM (Lesbian and Gay Support Miners)というレズとゲイがストライキ中の炭鉱夫を支援する運動を始め、差別受けながらも次第に仲間を増やしていくというお話。 ゲイを初めて見た、という炭鉱夫組合の人たちと、最初は距離があったものの、次第に打ち解ける。 それでもまだ差別し続ける人も… ゲイたちはそれぞれに悩みも抱えている。家族へのカミングアウトや、家族との和解、エイズ感染。 …パレードへようこそ!ってミッキーマウスじゃねぇんだよ! そんな生易しいものではなく、原題の「Pride」が表すように力強く差別と闘うひとを描いたもの。 そもそも「ゲイプライドパレード」という活動が盛り上がっていた背景もあり、「パレード」という言葉は使われてはいるものの、中身はデモ。パレードへようこそ!なんて歓迎ムードではない。 デモですよ。サッチャー政権配下のデモ。ニュアンス全然違うと思うんですけど…。 ゲイも、その周りの炭鉱夫やその家族たちの変化に胸が熱くなる映画です。のほほん系では決してない。
「パレードへようこそ」
のレビュー(5505件)