『レヴェナント:蘇りし者』イニャリトゥ、アカデミー監督賞2連覇の偉業達成なるか?

2016.02.24
監督

俺は木こりだいい男よく眠りよく働く

谷越カニ

2月28日(現地時間)に開催される第88回アカデミー賞。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の最多部門受賞が噂されている今回、密かに注目を集めているのが監督賞ノミネートのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥなんです。

Alejandro González Iñárritu

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/File:Alejandro_Gonz%C3%A1lez_I%C3%B1%C3%A1rritu_with_a_camera_in_production.jpg

第87回アカデミー賞で監督賞(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でノミネート)を受賞し、今回も『レヴェナント:蘇りし者』でノミネートされています。もし受賞すれば、史上3人目の監督賞2連覇という快挙!その可能性は?過去にこの偉業を達成した2人は誰で、どの作品が受賞したのか?この記事を読めばアカデミー賞が待ち遠しくなること間違いなし!

イニャリトゥが受賞する可能性は?

レヴェナント:蘇えりし者

(C)Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

実は、アカデミー賞はハリウッドの映画関係者が投票する身内の映画賞なんです。ハリウッドで仕事をする業界人は各業種ごとに協会に所属することになっており、各協会で独自の映画賞を開催します。

ここでの結果がアカデミー賞に大きく関係することになります。各協会の映画賞に投票した人がアカデミー賞でも投票するわけですからね。あまり注目されませんが、ゴールデングローブ賞よりも信憑性が高いウラ前哨戦なんです。

イニャリトゥは今年開催された第68回全米監督協会賞の長編映画監督賞を受賞しました。この賞の結果はアカデミー監督賞とほぼ一致しており、彼は去年も『バードマン』で受賞しています。また、アカデミー賞の前哨戦とされる第69回英国アカデミー賞、第73回ゴールデングローブ賞でも監督賞を受賞しているため、イニャリトゥの監督賞2連覇はほぼ確定したと言えます。

ちなみに、『レヴェナント』の音楽を担当した坂本龍一はゴールデングローブ賞の作曲賞にアルヴァ・ノトと連名でノミネートされましたが、惜しくも受賞を逃しました。

監督賞2連覇の偉業を達成した2人の巨匠

もしイニャリトゥが監督賞2連覇を達成すれば史上3人目の快挙になります。では、過去にこの偉業を達成した映画監督は誰なのでしょうか?

jf

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89

一人目はジョン・フォードです。西部劇の優れた監督として知られるフォードは1940年に『怒りの葡萄』で、翌41年に『わが谷は緑なりき』で監督賞を受賞しました。

代表作として知られ、映画のお手本として映画学校の教材として使用されることが多い『駅馬車』で39年にも監督賞にノミネートされましたが惜しくも受賞を逃しています。もし『駅馬車』でも受賞していたら、史上唯一の3連覇だったのですが……。

ちなみに、受賞者は13部門にノミネートされた『風と共に去りぬ』のヴィクター・フレミング。『スミス都へ行く』のビリー・ワイルダーもノミネートされており、三つ巴の激戦だったことが伺えます。

二人目はジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。プロデューサー上がりのマンキーウィッツは1949年に『三人の妻への手紙』で、翌50年に『イヴの総て』で監督賞を受賞しています。48,51年に公開された映画はなかったため、フォードとは異なり3年連続受賞のチャンスはありませんでした。

1950年の第23回アカデミー賞は『イヴの総て』が39年の『風と共に去りぬ』の13部門を超える14部門でノミネートされ、監督賞は39年に引けをとらない激戦でした。他の候補に『第三の男』のキャロル・リード、『サンセット大通り』のビリー・ワイルダー。誰が受賞してもおかしくない状況でマンキーウィッツが受賞したのです。

イニャリトゥのライバルは誰だ?

フォードとマンキーウィッツには強力なライバルがいましたが、イニャリトゥにはライバルがいるのでしょうか?

ノミネートはイニャリトゥの他に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー、『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー、『ルーム』のレニー・アブラハムソン、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイの4人です。

対抗にあげられるのはロサンゼルスやロンドンなど世界中の映画賞で監督賞を受賞しているジョージ・ミラー。作品賞の有力候補である『ルーム』のレニー・アブラハムソンは他の映画賞で監督賞を受賞していないため、可能性は低いと考えられます。

とはいえ、ジョージ・ミラーはゴールデングローブ賞でノミネート止まり、英国アカデミー賞ではノミネートすらされていません。前哨戦での成績を踏まえればイニャリトゥの受賞は揺るぎないということになります。

しかし、イニャリトゥがあのジョン・フォードと肩を並べるに相応しい監督かどうかという議論もあり、受賞を逃す可能性は0ではありません。運命の2月28日、イニャリトゥの運命やいかに。

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  • Na02o01to
    4.3
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  • sasaco
    3.7
    ✏️
  • shii
    4.0
    山怖い クマ怖い
  • カイト
    3.6
    息子を殺された男の壮絶な復讐劇。 一人のシーンが多かったのでセリフは少なめだったが、ディカプリオの演技は素晴らしかった。執念がとにかく凄まじい。執念につぐ執念。 大自然の雄大な映像美も◎ ディカプリオはこの作品で悲願のオスカー獲得☆ 本編はもう少し短ければもっと良かったかも。。
  • バスターロイド
    5.0
    好きだ こらこら、無茶さすなぁ 馬のシーン好き
  • だーしよ
    3.5
    大自然の中では人間はちっぽけな存在なんだなぁと感じる場面が多い映画だった。ディカプリオの演技は鬼気迫るものがあり、この映画の世界に深く引き込まれた。 またこの映画は、常に昔の人間が大自然の中で生きる生活が多く描かれているためか、サバイバルに目覚めそうになった。
  • ひろし
    4.0
    アメリカ開拓時代の美しい自然の厳しさや原住民の部族やフランスとの争いなど背景がよく伝わって素晴らしい映画だった。ディカプリオは台詞が少ないけど賞に値するいい演技だった。イニャリトゥ監督は素晴らしいね。
  • 力強い蟹
    5.0
    常に死が漂う
  • mogiplanet
    3.9
    レオナルド氏の受賞作、いよいよと言うかようやくと言うか辿り着くまでのここ数作は本当に演技の幅や凄味が増してきていて感心してしまう。彼の父親役はどうも家族が不幸でそんな印象なのだけど、怒り悲しみ丸出しで良かった。トムハーディってどんな役もこなせるなあとそこも再確認。
  • OS
    4.0
    記録
  • 寄道世之介
    4.5
    映像が凄い。凄すぎてよく分からなくなる。熊とのシーンとか圧倒的。 相手役のトムバーディ、マッドマックスの人とは気付かないくらい映画の中に溶け込んでいた。 その点ディカプリオは有名過ぎて熱演しても観てる方はディカプリオとして認識してしまった。
  • chihal
    4.0
    復讐に燃えるってまさにこういう姿かな。本当に体の中で何かが燃えていて、その熱で傷が癒えて、手足を動かして、いつかは燃え尽きてしまうと分かっていても全身で生きることにしがみついている。 次から次へと何かが起こって、もうやめてーって思うけども、ついつい息をするのも忘れて観てしまいました。 ひげもじゃで泥まみれでしわがれた声しか出なくてもレオ様の青い目が美しかった。
  • s
    3.7
    森が神秘的
  • momo
    3.8
    ディカプリオの迫真の演技に息を呑むこと間違いなしな作品。 壮大な大自然の中でのサバイバルが本当にリアルで見応えある。 クマに襲われるシーンはトラウマレベルに怖い。 個人的にはディカプリオよりトムハを褒め称えたいほど、トムハ演じるフィッツジェラルドの役どころのインパクトといい、ハマり具合といい、全てがとても良かった。ますますトムハが好きになれた作品。 深紅の血と純白な雪のコントラストが映えていて映像的にも綺麗だと感じた。
  • スー
    3.0
    ディカプリオがやっと受賞したので観たけど、正直もっと名作あるのに...と思った。作品はすごいけど、髭と血と熊のよだれまみれでなかなかキツい。あんまりタイプではない。
  • orangejam1102
    4.0
    かなり血生臭いシーンが多いので、苦手な人にはお勧めしないが、過酷な撮影には創り手の拘りが感じとれる。
  • リブラ
    4.2
    ●手に汗握る死闘が続くのに静かな作品 スタートからラストまで手に汗握る死闘続きで、ぐいぐい引き込まれました。 それなのに、吹きすさぶ風や踏まれる新雪の音が響くような、とっても静かな作品。(主人公グラスが一人でいるシーンが多いのもありますが)セリフは最低限にそぎ落とされ、表情(とくに目!)や仕草から伝わってくるものが本当にたくさんあります。 俳優陣にすさまじい演技力があるからこそ、ここまで到達できるのだろうなぁ…。 ●映像美! 雄大な自然をそのまま再現する映像美も圧巻でした。突き刺すように冷えて澄んだ空気が感じられて、なんとなく毛布を羽織って鑑賞してしまうほど。狩った獣の生肉にかじりつくシーンも生唾の飲み込むくらい鮮明です。 VR対応できそうな、ぐるーっとその場を回るカメラワークも面白かった。 ●実話がベースとは… 実話ベースの物語と知って心底びっくりしました(史実とは異なるらしい部分もいくつもあるようですが)。 他国からやってきた者や原住民が争い、たくさんの人が死んだ悲しい時代。このときに流れていた、平穏な幸せすら望めない苦しさや絶望感、死と隣り合わせの緊張感を少しでも感じ取れたのは嬉しかったです。 ●印象に残ったシーン 獣か人かもわからなくなったグラスに、真正面から見つめられるあのシーン。あれのために劇場に行けばよかったなぁと激しく後悔しました。 トム・ハーディとレオナルド・ディカプリオの競演シーンも迫力満点でした。
  • ぶぅ
    -
    記録
  • Miho
    3.8
    2016.9.18 @キネマ旬報シアター
  • FUKI
    3.0
    生々しかった。
  • エレクトラ
    4.5
    過去に一時停止をした映画が1本有りましたが、これは二度目になりました。 凄まじい。文句なく凄まじい。映像も美しい。 だけどトラウマ。 恐らくもう観れないであろう作品。
  • Aki
    3.5
    痛い!痛っ!!と叫ばずにいられない、とにかく痛そうな映画。へたなホラーより自然の方が怖い。さら言うなら人間が一番怖いことがよくわかった。もう一回見たいかと言われたら辛いかも...ドッと疲れた!
  • Blue
    3.5
    記録
  • 5.0
    もう二度と見たくはないけど すごく良かった。 見てる間生きている心地がしなかった。 現実に戻って着た時の安心がすごい。 とても怖くて寒くて辛かった。
  • mi
    3.5
    生肉、生魚、、 馬の中で眠る。 生きる力がすごい。 さすがにこれはアカデミー賞モノでした。 わたしなら熊にやられて即死。
  • Kou
    3.6
    映画館で二回みた 二回みて新しい感情が生まれることはなく、複雑な気持ちしかない 名作であることには変わりない
  • ボロロボ
    4.1
    「ビューティフル」は良作。 「バベル」は今一つ。 「バードマン」は面白かった。 この作品はとにかく迫力がある。押して押して押しまくってくる。 同時に背景となっている自然をとにかく美しく撮っている。美しいだけに残酷。 楽しめる作品ではないけど凄い作品。 プリオくん、当作品でやっとアカデミー賞取ったけど、個人的にはインセプション、ジャンゴ、ウルフオブウォールストリートと積み重ねてきた上での評価だと思ってます。
  • 青嵐
    3.8
    寒い 痛い 辛い 長い うっ~ううう ってずっと思いながら… 最後までしっかり見てしまいました。 あの、タイタニックに乗って美女のヌードを描く初々しいイケメンはどこにもいません。
「レヴェナント:蘇えりし者」
のレビュー(23204件)