涙が止まらない衝撃作品『ルーム』の基になった信じられないような凶悪監禁事件とは?

2016.03.04
映画

映画好きをこじらせLAへ

MaryK

第88回アカデミー賞で見事ブリー・ラーソンが主演女優賞に輝いた超話題作の『ルーム』。今年の春公開の映画で一番の注目作品であることは間違いありません!

ルーム

そのあまりの衝撃的な内容に"これって実話ではないよね?むしろ、実話ではあって欲しくない!" と誰もが思うでしょう。

しかし、原作であるベストセラー小説『部屋』の筆者であり、映画の脚本も担当したエマ・ドナヒューは残念ながらオーストリアで実際に起きた凶悪監禁事件を基にこの本を書いたとインタビューで語っています。

そこで、今回は4月8日に公開の『ルーム』のあらすじと、基となった凶悪事件についてご紹介していきます。 

7年間もの監禁生活

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最低限の設備だけが用意された小さな部屋で暮らすジョイと息子ジャック。彼女は7年前の17歳のときに監禁され、それから一度もこの部屋から出たことがないのです。ジョイを誘拐した男は夜になると食料を持って部屋にやってきますが、もちろん目的はそれだけではありません。そんな絶望的な状況の中でもジョイは生きる気力を失わずに耐えてきました。

その唯一の理由は、5歳になる息子ジャックの存在です。母親だけがこの世界の住人であり、外の世界は存在しないと教えられ育ったジャック。大きくなったからと、自分はどこから来たのか、TVに出てくる人たちは外の世界で生きていることなど、今までジャックに隠してきたことを話し、息子だけでも外の世界で自由に生きさせるために大きな決心をすることになります。

外の世界で待ち受けていた現実

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映画の前半はとにかく息が詰まるほどの苦しい状況がこれでもかとスクリーンに映し出されます。こんなに見ていて苦しい映画があっただろうかと思えるほど。

一転、後半は外の世界が描かれるのですがジャックが初めて見る空の美しい色がとても印象的。どんよりした灰色一色だった彼の世界は、大きく変わることとなるのです。

しかし、あの部屋しか知らず生きてきたジャックとは違い、7年もの失われた時間を痛感することとなるジョイにとって、その現実はあまりにも過酷でした。日に日に新しい生活に慣れている息子を目の前にし、一人その辛さに耐えることになります。

ジャックが大きくなった時、彼の父親についてどう話せばいいのか?心を病んでいる母親のもとにジャックは残しておいていいのか?これからこの親子が立ち向かうであろう数々の問題を想像するだけで苦しくなります。

オーストリアで起きた信じられないような監禁事件とは

『ルーム』そのものは、フィクションではありますが、原作と映画の脚本を担当したエマ・ドナヒューによると、オーストリアで起きた「フリッツル事件」のショッキングなニュースがこの作品の執筆に影響を与えたと答えています。

その恐ろしい事件とは、実の父親に24年もの間、自宅の地下室に閉じ込められていたと42歳のエリーザベト・フリッツルがオーストリアの警察に訴えたことで2008年に発覚したもの。

その間、7人もの子供を出産し、そのうちの3人は失踪したエリーザベトが置いていった子供として、ヨーゼフと妻に育てられていました。カルト宗教に入ったと信じ込んでいた妻は、まさか娘が地下室に監禁されており、養子として迎えた子たちが娘と夫の子供であるとは知らなかったそうです。

エリーザベトの長女が腎不全のため病院を訪れた際に、病院のスタッフが不審に思い通報したことで警察が捜査に動き出し、24年もの監禁生活から開放されることとなったのです。

この時に、地下室で保護されたエリーザベトの息子フェリックスの年が5歳だったことも『ルーム』に影響を与えています。

息子を演じたジェイコブ・トレンブレイが天才すぎる!

小さな部屋で母親とTVしか知らずに育った息子ジャックを完璧に演じたジェイコブ・トレンブレイ君の演技には誰もが涙を流すことでしょう!アカデミー賞にノミネートされなかったのが不思議でたまりません。

ブリー・ラーソンとは大好きなスター・ウォーズの話題で打ち解けたそうです。親友だと言い合う仲良しの二人。とってもかわいいです!

過酷な運命にも負けず、ひたすら前を見続けた力強い親子の感動作品『ルーム』は4月8日公開です。劇場に足を運ぶ際にはハンカチを忘れないで下さいね!

(C)ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

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  • ぐりこ
    3.8
    男の子がかわいい
  • Seika
    3.5
    こういうこと程伝えたいし、 かといって大ごとにして欲しくない。 “Room”から出てきたとき 7年ぶりだし、まさかの子供産まれてるしで相当な騒ぎだったことでしょう。 でも当人たち、もっといえばジャックの気持ちになったら、もう何もかも新しいし、 ママとオールドニック以外の生身の人間見たことも触れたこともないのに当惑しかないよな。 リポーターの質問に悪意を感じたし、これだからメディアを嫌いになりかける。 真実を伝えて欲しいけど、好奇心だけでひとの人生ズカズカと入っていいわけじゃない。ましてやテレビに映ることを生業としてるわけじゃないし。 事件のこと、犯人のことどうこう、じゃなくて被害者のその後をこうやって描く映画とか伝えかた、大事だな。 気づかなかったことに気付かされた気がする。 ジョイの心の不安定さもとても伝わってくるし、 なんか色々感じる映画だった。
  • シャンシャン
    5.0
    事件後の苦しみを中心に丁寧に描いていた 不幸にもこういう目に合ってしまった人に対して、何故逃げなかったのとか何故早く助けを呼ばなかったとか、その人を責めるような事言っちゃいけないな 忌まわしい記憶を蘇らせてまで語らせるなんて、犯人と同じ、加害者だよね
  • NumaChan
    4.5
    "へや"に"おはよう"と告げて始まった物語は"へや"に"サヨナラ"と告げ、去って終わる。 そして、"へや"で生まれた男の子は広大な"世界"で生きていく。 この映画は重いし、濃い。 "へや"からの脱出で物語が終わると思いきや、"世界"に出てからのジャックとジョイの様子を描くという相当なボリュームであり、それが非常に自然な流れで移り変わっている。 本作はジャックの視点から描かれており、彼が初めて外の"世界"を見た時のシーンに目頭が熱くなっていた。 また、5年間ずっと一緒にいた母親のジョイと初めて離れてから頼もしく見えてくるのがすごく自然で、またまた目頭が...。 本作のもう1人の主人公である、ジャックの母親はジャックとは逆で後半の方で弱くなる。 それは彼女の人生の内の7年間を不当に奪われ、また彼女がどれだけあの"へや"での生活がどれだけ彼女の精神に深い傷を残したかを如実に語っていた。 そして、ジョイの入院を乗り越えて2人が再開した後は本当に良かったなと観ていて思うのであった。
  • caim
    3.9
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「ルーム」
のレビュー(55718件)