『オートマタ』公開記念:人工知能と人類の共存は可能?という疑問の答えを導く5作品

邦画・洋画、ジャンルを問わない映画好き

いと

宇宙旅行は容易ではなく、空飛ぶ車も普及していない、思い描いていたSF映画的未来にはまだまだ時間がかかりそうな2016年。しかし、実は人工知能という分野は驚くほどの成長を遂げています。

プログラマーに対しキレる人工知能が登場したという噂も聞く昨今、SF好きの自分は「機械が人間に対し反旗を翻すのではないか」という妄想が膨らんでいます。

そんな中、人工知能の未来に警鐘を鳴らすアントニオ・バンデラス主演作『オートマタ』が3月5日に公開されます。

オートマタ

(C)2013 AUTOMATA PRODCUTIONS, INC.

砂漠化が進み労働者の減った地球を舞台に「生物を傷つけてはならない」「機械が自分自身を修理してはならない」というルールをもとに製造された人工知能搭載ロボット『オートマタ』がそのルールを逸脱した行為に及んでいる謎に迫るSFミステリーでSF好きとしては期待度マックス!

そんな訳で『オートマタ』への期待を込めて、「人工知能と人類の共存はあるのか」という疑問の答えを導く作品の数々を紹介していこうと思います。

感情を持つ人造人間と人間の違いは何なのか、80年代の名作SF

最新の遺伝子工学により製造された人造人間「レプリカント」。

勤務場所から逃走し地球に潜伏した数名の「レプリカント」を始末するため現場に復帰したデッカード(ハリソン・フォード)は彼らの狩りを始める……。

ブレードランナー

最初にご紹介するのはリドリー・スコットがフィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とし製作した『ブレードランナー』。

この作品は従来までの綺麗で先進的な未来像では無く、どこか退廃的な未来を描きその後のサイバーパンク的世界観に大きく影響を与えることになりました。

先進技術で人間に瓜二つに作られながら、奴隷のように酷使され、更には反乱の恐れを取り除くため寿命は極端に少なく設定された「レプリカント」たち。人間に近い感情を持ち始めた彼らは「死」に対する恐怖を覚えます。

人間に近い感情を持ち生み出された機械は人間ではないのか。人間というものの概念に対する様々なメッセージが込められている作品です。

予め抱く感情が決められた人工知能たちの数奇な運命

ロボットが活躍する時代、愛情を持つロボットとして開発されたデイビッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は息子が不治の病によりコールドスリープすることを余儀なくされたスウィントン夫妻のもとで試験運用される。

しかし、息子が不治の病を奇跡的に克服し目を覚まして以降、スウィントン夫妻にデイビッドは疎まれるようになっていく……。

A.I.

スタンリー・キューブリックが企画し、キューブリックの死後スティーブン・スピルバーグが監督を引き継ぎ製作された『A.I.』は本国では興行収入が振るわなかったものの日本で爆発的にヒットし日本での興行収入だけで制作費を回収出来たほどでした。

義母への愛情をインプットされながら次第に見放されていくデイビッド、玩具型のテディ、セクサロイドのジゴロ・ジョー。人の都合で生み出され捨てられていく機械たちの人工知能は何を感じるのか。

人工知能とは人間よりも純粋な心を持っているのではないか、とさえ思えます。

現在のロボット工学にも影響を与えた伝説的SF小説原作作品

ロボット3原則が適用されたロボットが一般家庭に至るまで普及した時代。

ある日、ロボット工学の第一人者が自殺体として発見される。恩人である博士の死を自殺と認めない機械嫌いの刑事スプーナー(ウィル・スミス)はサニーと名づけられたNS-5型ロボットが「人間に危害を加えてはならない」という3原則のルールを逸脱したと考え始める……。

アイロボット

「人を傷つけてはならない」「前項に反しない限りにおいて人の命令には従わなければならない」「前2項に反しない限りにおいて自身を守らなければならない」というアイザック・アシモフが作り出したロボット3原則が物語の鍵となる『アイ,ロボット』は、3原則を超過したロボットを巡るSFミステリ作品。

ほぼ全編でCGを使用した映像と迫力のアクションは10年も前の作品でありながら今見ても遜色のない出来で純粋なSF映画としてオススメもできます。

人への危険を取り除き、安心して使用できるロボットに無くてはならない原則。人の「道具」である象徴とも言える3原則とサニーの行末、感情を持ったロボットが選ぶのは人の「道具」のままなのか、考えが巡る作品です。

3原則に影響を受けた漫画『PLUTO』

『20世紀少年』などで有名な浦沢直樹が手塚治虫の『鉄腕アトム』の1エピソードを練り直し漫画化した『PLUTO』。

「人を殺してはいけない」という厳格なルールで作られたはずのロボットが犯す殺人と破壊活動。アシモフの3原則を取り入れながら、「人に近づきすぎた人工知能は人を殺す」という人工知能の進化の先を描いた今作はSF漫画としてかなりの完成度も持っています。

人工知能やロボットを描いた漫画として是非読んで頂きたいのでここでご紹介させていただきました。

もし機械に天才の頭脳をインストールしたら

科学者のウィル(ジョニー・デップ)は世界初となる人工知能の開発に成功する。妻のエヴリン(レベッカ・ホール)と共にまだまだこの研究を発展させていけると信じていた最中に過激派組織の銃撃を受け余命を宣告されてしまうが死を目前にしたウィルは妻の助けを借り、人工知能に自分の意識をアップロードした。

ウィルの死後、初めて起動したウィルの感情入りの人工知能はあらゆる情報を取り込み圧倒的なスピードで成長していくが……。

トランセンデンス

(c) 2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

2014年にジョニー・デップ主演で製作された『トランセンデンス』は機械の性能に人間の感情が混ざったらどうなるか、という未来を描いた意欲作。

ウォーリー・フィスターの初監督作だけあり、映画としてはまだまだ未熟な部分も多いものの作品に込められた深いメッセージ性が印象的な作品です。

自分の理解を遥かに越えるものに対しそれが自分たちへの不利益になるのではないかと不信感を抱くのが人という生き物。果たしてあなたは機械が感情を持った時に機械を信用することが出来るでしょうか?

生まれたての人工知能は何を求め生きるのか

近未来のヨハネスブルグ、政府は治安の回復のために攻撃性能を持った警戒ロボットを導入した。

人間の知能を模倣した人工知能を開発するが上司に認められず運用に漕ぎ着ける事が出来なかったロボットの設計者ディオン(デーヴ・パテール)は帰宅途中でギャングに拉致され廃棄寸前の警戒ロボットに人工知能をインストールする事を強要される……。

チャッピー

『第9地区』や『エリジウム』など、SFでありながらどこか退廃的な世界観の作品を作るニール・ブロムカンプ監督の最新作『チャッピー』。

生まれたての人工知能はギャングたちによって強盗を教えられ悪に染まっていく、しかし同時にチャッピーを育てるギャングたちには親心が芽生え始め……という内容で、従来までの機械を道具として描くSF映画群とは一線を画するブロムカンプ作。

人と機械の向かうべき方向性、この映画を見てそれがどんな道なのか何となく分かったような気がしました。

今後の注目作

以上で人工知能を描いた5本の映画の紹介が終わりました。

実は一番最初にご紹介した人に対してキレる人工知能は規定範囲内の対話をしているだけで、感情を持っているわけではないと指摘されています。そのため、人工知能が感情を持つのはまだまだ先と言われていますがそれでもそう先の事のような気がしません。

そして、何と言っても今後も人工知能を描いた作品で見逃せない映画は盛り沢山!

もちろん『オートマタ』もそうなのですが、アカデミー賞視覚効果賞を受賞をし高い評価を既に受けている『エクス・マキナ』。

エクスマキナ

(C)Universal Pictures

日本での公開もパッケージ化も未だに未定ですがSF好きは見るべき作品であることは間違いありません。

ロボット工学や人工知能の分野が進化するに連れSF映画の発想も進化していく、これからの未来が楽しみで仕方ありませんね。

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  • Takashi
    2.8
    素材は悪くないんだけど、近未来の設定が少々甘く、主人公のキャラが安定してないし、目的もハッキリしてないので所詮ブレードランナーもどきとしか見えないのが残念。
  • yun
    3.6
    あらすじ↓ 2044年、急増した太陽嵐で地表は汚染濃度の高い砂漠と化し、人口は2,100万人となり、99.7%も減少した。人類は技術的な後退を余儀なくされるという絶望的な状況に喘いでいた。そんな中ROC社は「オートマタ・ピグルムス7000型」という人型ロボットを開発した。オートマタは人類存続のための防御壁や機械雲を造り人間社会に貢献した。人類が膨大な数のオートマタを管理・維持できるよう、彼らには2つの制御機能(プロトコル)が組み込まれていた。 制御機能 1:生命体への危害の禁止 制御機能 2:自他のロボットの修正(改造)の禁止」 その制御機能は複雑なロジックで暗号化されていて、人間には絶対に変更不可能なものであった。 AIモノがわんさか出てる中の一作。 人工知能ロボットはもう無機質だけど無機質ではない、汚染や地球温暖化により人口は減り砂漠都市となりAIが支配する世の中になる。もしかしたらもうこんな未来が近々本当に訪れるのかもしれないと思わせてくれる映画だった。 人間がロボットを作り上げ、AIを支配するのではなくむしろ人間がAIに支配されている。 人工的に作られた雨を降らす機械雲 セックスロボット 発展した映像技術 原子力電池 発想はありきたりだがそこがリアルさを生んでいる。 主人公にロボットが「人間は何から創られるのか」と問い、ジャックは「母親からだ。お前らには理解できない」と言い放つ。 反対に主人公ジャックが酸性雨がなぜ降るのかの答えを聞いた時ロボットは「説明しても人間には理解できない」と言う。 最初こそ人間とロボットが共存しているかのように描かれているが、人間の深い感情というのはAIが知る由も無いモノで、お互いは一生理解し合えない関係なのだと思う。 主人公が追っていた、ロボットを改造した敵技師は実は初期型のロボットだった。 酒を飲んだジャックとセックスロボットとのダンスは見ものだった。心が通じ合えてるような不思議さと2人がキスをしてしまいそうな距離感。そして感じ喘ぐセックスロボット...。やはり違和感は消えない。 よくある設定なのは逆に好印象で、見やすく人間とAIとの共存がいかに難しいかを分かりやすく伝えてくれる。 残念なのはビジュアル。 セックスロボットの初登場は綾波レイにしか見えないし全体的にビジュアルが地味で暗い。 まあストーリー自体も全体的に暗く重いのだが。 ここを魅せたいっていうのがないのか、見所があまりなく淡々と進んでいく。ダラダラ感は拭えない。 ずっと気になっていた作品ではあったが、そんなに意気込んで観なくてもいいかなと。
  • 嗣皓
    3.0
    ソフトな感じ
  • osamu
    3.4
    ロボットが段々と人に見えてくる感じがして、少し怖いようなそれでいて安心感でもあるような複雑な気分でした。何が言いたいかとかエンディングなんかは少し微妙でしたが…^^;
  • bois
    3.0
    退屈系SF。 もしこれまでに似たような映画を1本も観ていなかったとしても、好きになっていないと思う。
「オートマタ」
のレビュー(2575件)