「自分らしく生きたい」そんなあなたの背中を押してくれる、LGBT映画選

2016.03.24
まとめ

映画と現実を行ったり来たり

ne22co

今私たちが生きる社会は、人々の多様性に富んでいます。様々な人種の人が共に暮らし、性や宗教、職業やファッションなどに対する考え方も個人個人の意志が尊重されるようになってきました。

このような、人々の多様性を認める風潮は以前は当たり前に在るものではありませんでした。そして今の世の中でも国や地域によっては、私たちが当たり前に選択している、多様な生き方を自由に選ぶことができない人々がまだ大勢いることも事実です。

私たちは様々な角度から、人間の多様性の容認について考えていくべきだと思います。

今回はその中でも性別に着目して描かれた作品を紹介していきます。

LGBTとは?性的少数派の中で生きる人間を描いた作品選

ここ数年で注目され浸透している性的少数者を示すLGBTというワードはご存知でしょうか?

これはLesbian:レズビアン+Gay:ゲイ+Bisexual:バイセクシャル+Transgender:トランスジェンダーのアルファベット頭文字をとった略語です。

近年はこれにIntersex:インターセックス(陰陽性、両性具有)や、Queer:クィア(規範的異性愛以外のあらゆるセクシュアリティーを指すのに用いられる言葉)の頭文字を加えてLGBTILGBTQと使われることもあります。

文明が発達し、人々の考えや価値観が多様化し、それに合わせ社会的にLGBTの概念が普及するにつれて(普及させるために)、人間の性をテーマにした様々な映画作品が創られてきました。

以下ではおすすめのLGBTをテーマにした作品を紹介していきます。

Lesbian:レズビアン(女性同性愛者)をテーマに描かれた作品

レズビアンとは女性を性的指向の対象とする女性の総称です。

レズビアンの恋愛をテーマに描いた作品で、近年話題となった『アデル、ブルーは熱い色』

アデル

(C) WILD BUNCH – QUAT’SOUS FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES – RTBF – VERTIGO

話題作に引っ張りだこのレア・セドゥが演じるブルーの髪のエマに、一瞬で心を奪われたアデル・エルザルコプロシュ演じるアデル。

3時間を超える作品ですが、二人の体当たりの演技、切り取られた美しい色の演出に引き込まれ、観るものを飽きさせません。

初めて知った愛の喜びに身も心ものめり込んでいくアデルが、時間の経過とともに変化する二人の関係に戸惑い、悩み、成長していく物語です。

性別という枠を超えて、ただ一人の人間を純粋に愛する少女の初々しい姿に胸が熱くなる作品。是非二人の目と口元の表情の魅力に注目して観てほしいです。

Gay:ゲイ(同性愛者、男性同性愛者)をテーマに描かれた作品

ゲイとは同性愛者全般を指す言葉です。 女性同性愛者も「ゲイ」であるとされていますが、近年では男性を性的指向の対象とする男性の総称として使われることが一般的になっています。ここでは「男性同性愛者」の意味合いで関連作品を紹介します。

『二十才の微熱 A TOUCH OF FEVER

二十歳

『渚のシンドバット』

渚

『ハッシュ!』

ハッシュ!

上記3作品の共通点は、ゲイをテーマに描かれた作品であること、『ぐるりのこと』や、『恋人たち』で数々の賞を受賞し、注目される橋口亮輔監督作品であることです。

橋口亮輔監督は自身がゲイセクシャルであると公表していますが、今から20年近く前は日本でもまだ同性愛や同性愛者に対する認識が、今のように一般的ではありませんでした。

そんな中、自身の監督作品を通して、性別に縛られない、性別を超えた人間同士の繋がりを描いたこれらの作品は、橋口監督が生きていく中で感じて来たのであろう、見た目や生まれ持った性に縛られず、自身の存在を容認することの難しさや葛藤がひりひりと伝わってきます。

私は女性という性別に生まれ男性を恋愛対象として生きていますが、これらの作品の登場人物の台詞や彼らが抱える葛藤に共感できる部分が多々ありました。

Bisexual:バイセクシャル(両性愛者)をテーマに描かれた作品

バイセクシャルとは男性にも女性にも性的に魅力を感じる人を指す総称です。また相手の性別にこだわらない性的指向の人を指して使われています。

ただ、バイセクシャルに関しては定義がかなり曖昧で、その中には肉体的な関係は結ばずとも精神的には両性を平等に扱うものや、精神的には異性を好むが、肉体的には同性を好むものなども含まれます。また、元々は異性愛者で、後天的に同性を愛せるようになるパターンも多いそうです。

ミュージカル映画『RENT/レント』にもバイセクシャルのカップルが出てきます。

RENT

Transgender:トランスジェンダー(男性女性の性別を超えた第三の性)をテーマに描かれた作品

トランスジェンダーとは、異性の社会的性的役割や規範に収まりたい人を指す総称です。また性別に応じた社会で認識されている役割や規範に収まらない傾向を含む、あらゆる個人および行動、グループに当てられる名称です。

その定義は広域で難しいですが、一般的な認識としては「心と体の性別が一致していない人」を指しています。

そしてトランスジェンダーをテーマにした作品として今最注目したいのが3/18に公開された『リリーのすべて』です。

公開中の超話題作『リリーのすべて』

リリー

世界で初めて性別適合手術を受けた男性と、彼に寄り添い生きた女性を描いた感動作。

LGBTT、Transgender:トランスジェンダーをテーマにした、最注目作品『リリーのすべて』

監督は『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』で世界から賞賛された巨匠トム・フーパーです。

アイナー・ヴェイナー(リリー)を演じるエディ・レッドメインは昨年『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、今年もアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。2016年11月上映のハリーポッターの新シリーズ、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』でも主役に大抜擢され、近年大注目の俳優です。

トム・フーパー監督とは『レ・ミゼラブル』に続き2度目のタッグとなります。

リリーの妻ゲルダを演じるのはアリシア・ヴィキャンデル。スウェーデン出身の彼女はこの作品でアカデミー賞助演女優賞初ノミネートにして初受賞を果たしました。美しい美貌と演技力を兼ね備えた彼女は今後数々の作品に出演が決まっており、活躍がとても楽しみな女優です。

リリーのすべて

(C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

この作品は、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話に基づく小説の映画化です。

トランスジェンダーという言葉や概念がまだ確立していなかった、今から80年以上も前に自分らしく生きるために、命の危険を冒して性別適合手術を望んだ主人公リリー。そして自身の夫が女性として生きることを望んだ時、苦悩しながらも一番の理解者であり続けた妻ゲルダ。

一組の夫婦が性別を超えてて、共に生きようと努力する姿を描いた感動の作品です。

【自分らしく生きる】を考えるきっかけに。

今回は性別という観点から作品を紹介しましたが、自分とは全く異なる人々が溢れる社会の中で生きる私たちにとって、自分らしく生きることはとても大きく、難しいテーマです。

忙しく過ぎる日々の生活の中で、自分自身に向き合い、考える時間はなかなか無いかもしれません。

映画の中で自分らしくあろうとする人々、そしてそんな人々を容認し、共に生きる人々の姿を通じ、なにか自分に投影できたり、自分や自分に関わる周りの人々について考える時間ができたら素敵ですよね。

ぜひ、『リリーのすべて』含め、気になった作品がありましたら鑑賞してみてくださいね。

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  • まー
    5.0
    主演の二人の演技に引き込まれた。リリーとゲルダ、二人は深い愛情で結ばれているのに、あまりにも運命は儚くて、涙無しでは見れなかった。 LGBTがテーマの映画ではずば抜けてると思う。
  • きく
    5.0
    美しい女性。 強い心を持った2人の女性。 2人だけの愛の姿。
  • philia
    4.0
    奥さん側の立場になると愛する男性が変化していく事がなんとも切なかった。2人の繊細な表情の演技が印象的
  • ずん
    3.8
    世界で初めて性別適合手術をつけたリリーの話。 ある日の女装をキッカケに自分の中の女性が目覚めてしまう。 エディ・レッドメインの女性姿に最初はちょっとゴツくて違和感を感じたけど、だんだん見てるうちに本当に女性に見えてきて一つ一つの仕草とかラインも女性より女性らしく見せる演技力はさすがだった。 本人より妻の立場が1番辛いとおもう。変わってしまった夫を理解し受け入れて、夫婦関係が破綻しても最後までリリーに寄り添う精神力と愛の深さに胸打たれた。 もし仮に妻のゲルダも実はレズビアンだったとしたらリリーをモデルにした絵画がきっかけで画家の道が好転したことや、夫が女性になることへの応援とか支えが違和感なく納得がいく気がする。
  • Mana
    3.5
    絵画のように綺麗なシーンがいくつもあつた。細やかな演技に見惚れる。
「リリーのすべて」
のレビュー(34477件)