劇場で見れるチャンスを逃すな!再上映決定の傑作映画『ドライヴ』の魅力に迫る

2016.04.20
洋画

邦画・洋画、ジャンルを問わない映画好き

いと

映画好きの人たちの中では圧倒的な支持を受けるものの一般的な地名度は高くない、そういった作品は多々あります。

しかし、レンタルビデオ店TSUTAYAの始めた発掘良品コーナーで話題となった『バグダッド・カフェ』であったりとここ数年で様々な企業が地名度の低い良作を世間に広めるべく尽力しています。

そんな中、未公開映画を映画館で上映する「未体験ゾーンの映画たち」など、映画館での鑑賞にこだわった企画を多く提供するテアトルシネマ系列、ヒューマントラストシネマ渋谷で『ドライヴ』の再上映が今週末4月23日より始まります。

ドライヴ

今回は、この機会に1人でも多くの方に今作の劇場での鑑賞をオススメするべく映画『ドライヴ』の魅力をお伝えしていこうと思います。

ストーリー

昼は自動車整備工場で働き、しばしばカースタントマンとして映画の撮影にも参加する男(ライアン・ゴズリング)。彼には深夜に強盗の逃がし屋をする裏の顔があった。

ある日、彼は同じアパートに住む若き人妻アイリーン(キャリー・マリガン)と恋に落ちるが彼女には服役中の夫スタンダード(オスカー・アイザック)がいた。

スタンダードが釈放され、複雑な思いを抱える男だったが、やがてスタンダードがマフィアとのいざこざに巻き込まれていると知りアイリーンを守るため彼はマフィアとの戦いに身を投じていく……。

静かな音楽と過激な暴力

『ドライヴ』という映画の最大の魅力はいくつかの要素の絶妙な融合具合です。

様々な映画音楽を手掛け、レッド・ホット・チリ・ペッパーズにも楽曲提供をしているクリフ・マルティネスが音楽を担当した今作は終始、静かで穏やかな音楽が流れ続けます。

画面では日本上映でR15が指定される程の暴力シーンが繰り返され、とにかく過激で目を覆いたくなることは間違いないのですが背後で流れる静かな音楽の効果で暴力シーンが苦手でも、つい画面から目を背ける事を忘れてしまいます。

緑や赤など原色を基調とした映像も特徴的で、過激な暴力シーンをさらに引き立てています。

ある映画監督との相似にも注目

「静かな音楽」「過激な暴力シーン」「原色を基調とした映像」。

そう、実はこの映画、日本の一部のファンからは「米製北野武映画」と呼ばれています。

ソナチネ

実際に北野武監督自身もこの映画について「映像がオレと似ている」と語り『ドライヴ』の監督であるニコラス・ウィンディング・レフン監督も影響を受けたことを認めています。

両者が共に認める「米製北野武映画」。邦画のファンにも是非見て頂きたい映画です。

魅力的な登場人物と俳優たち

ライアン・ゴズリング

出典:https://www.flickr.com/photos/78501770@N05/7271224916/

ハーフ・ネルソン(原題)』の演技が認められ僅か20代中盤にしてアカデミー賞にノミネートした俳優、ライアン・ゴズリング

彼が演じる主人公の男は、なんと映画の最初から最後まで名前が明らかになることがありません。彼の目線で物語が進むにも関わらず素性も分からない謎の人間のまま。

かといって感情が無く感情移入が出来ないという訳でなく、少ないセリフの中で彼の感情の動きがはっきりと分かり、主人公としての魅力は充分です。

キャリー・マリガン

出典:https://www.flickr.com/photos/evarinaldiphotography/8784968226/

そして、この映画で筆者がなんとしても語りたかったのはヒロイン、アイリーンを演じるキャリー・マリガン! 

愛くるしく、守ってあげたいという気持ちが湧く彼女の演技と天性の容姿はまさしく今作のプロットに間違いなく欠かせない存在で、キャリー・マリガンと言う俳優が居なければこの映画は成り立たなかったのでは、とすら思えます。

『偉大なるギャッツビー』でも、その魅力を遺憾なく発揮する彼女ですが『ドライヴ』を鑑賞後はみなさんも間違いなく彼女のファンになってしまうでしょう。

鑑賞料金はなんと1000円!

ヒューマントラストシネマ渋谷で今後も展開される、劇場利用者からリクエストを募る上映枠「マスターリクエスト」は、なんと鑑賞料金が1000円ピッタリ! 

100分という短い時間の中で描かれる狂気と純愛。『ドライヴ』の上映は4月23日から29日までの1週間。興味を持って頂けた方は上映が終わる前に是非是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

そして、今後もヒューマントラストシネマ渋谷では「マスターリクエスト」枠で『ダラス・バイヤーズクラブ』など映画好きたちに人気の高い作品が続々と上映されます。劇場で見ることが出来なかった……という方にもワクワク出来る企画で今後が楽しみですね。

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  • Gatt
    4.0
    好きです! ヤク中教師と黒人少女の物語。 内容的に暗く思えないのは、2人の関係性と自然な日常感。 続きを想像したくなるラストが心地良く感じました。 ゴズりん評価というより、寧ろ少女の姿がとても凛々しい。 数年越しの日本配給。良い映画に出逢えたと思った。 寄り添うって素敵なことだと思う。
  • 社交性の低いラッパー
    3.8
    不幸であるかどうかは分からないけど悲しいことは確か。良い先生。だけど、どうしようもなく救いようのない先生。 「子供たちのおかげでまともな人間になれる。」というセリフがあった。子供が好きという意味じゃなく、自分が今している事に「意義がある」って実感できるものがあると、ひとまず人は平常心を保てるってことだと思った。まあ、何事も「意味がない」って感じるときが精神的にも末期なんだろうか。 僕は希望のある終わり方だったと解釈しました。ずっと顔をこすって、目がうるうるしている捨てられた仔犬のようなライアン・ゴズリングでした。
  • りのあはワンダーウーマン待機中
    3.7
    ライアン・ゴズリングが心に闇を抱える歴史教師役を繊細に演じ、第79回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた人間ドラマ。 ララランドより前にも主演男優賞候補になっていたのは知らなかったので、驚きました! そして11年前の作品です。 TSUTAYAで1枚しか置いてないのに面出しで、店員さんでゴズリンのファンでもいるのかな?とか思いつつ、策略にハマって借りてみました。 第一印象は、ゴズリンの肌がキレイ!! あと手もキレイ!! コカイン中毒の役だからか、よく手で顔をこする(汗を拭っている?)のだけど その度肌と手がキレイでそこばっか気になっていた(笑) あと目がね!とろ〜んとしたような目付きが上手いなーと。 元々も少しトロリンな感じ?だけど ラリってる時の表情がなんとも。 ストーリーは、、 ゴズリンはブルックリンの中学校で歴史を教えている教師、ダン。 バスケットボール部の顧問もしている。 生徒からの信望もあり、良い教師ですが 実は影ではドラッグに溺れ、やめられないでいた。 ある日、教え子でバスケ部のメンバーでもある少女ドレイに、コカインをやっている所を見られてしまう。 それ以降2人はお互いを心配したり気にしたり、不思議な友情が芽生える。 ドレイの方は、初恋のような感情にも似ていて ダンの方はドレイの家庭環境や、ドラッグの密売で逮捕されてしまった兄の噂を聞いていたから、ほっておけないといった感じ。 ダンは生徒がいるからこそ、なんとかマトモを保っていた。 ドレイの周りには兄の友人たち=ドラッグ密売人 がいて、その中でも兄の代わりのように構ってくれる人がいて、それを演じているのは、アンソニー・マッキー。 キャプテンアメリカのファルコンです。 優しくしてくれつつも、結局ドレイをドラッグの売人に引き込んでいく悪いヤツです。 かくして、教師と生徒でもありながら ドラッグを買う人、売る人になってしまう2人であった、、、。 なんというか、切ないですね。 今後この2人はどうなっていくんだろう? と、見てる人にそれぞれ考えてね!という感じでした。 ゴズリンが好きな方なら、優しくてかっこいい教師の姿と、ドラッグで危ういダメ男の姿を見られるのでオススメします。 どうでもよい話ですが、劇中でドレイは チュッパチャプスみたいな棒付きのキャンディを🍭よく食べていたので 無性にチュッパチャプスが食べたくなりました(笑) あとハーフネルソンというのは、羽交い締めという意味らしいです。 なんとなくわかる気がしました。
  • Tachenics
    3.8
    2017/08/18
  • みおこし
    3.9
    映画館にも行けず、今か今かと観るのを楽しみにしていた本作。教師ものにとことん弱いのですが、本作もとにかく素晴らしかったです...! 型にはまらない授業で生徒からの人気も高い教師ダンだが、プライベートではドラッグ漬けの日々を送っており闇を抱えた人物。ある日、学校のトイレで吸引しているのを女生徒のドレイに目撃されてしまう。しかし、ドレイもまた薬物がはびこる劣悪な環境で育ち、兄はそのために服役しているという状況だった。この日から2人の間に奇妙な友情が芽生え始め...。 教員という仕事にアメリカで就くことがどれほどヘビーなことか、いろんな作品を観るたびに思いますが特にそれがパブリックスクールだとしたら言わずもがな。ダンの勤める学校は、地域柄なのか、通っている生徒の多くが黒人、ヒスパニック、もしくはアジア系の有色人種。家庭環境も決して良くない子供たちが日々色んな想いを抱えて登校しており、犯罪に手を染めることだって十分あり得る状況。それを白人のダンがまとめあげ、導いていかねばならないわけで、人種を超えた広い視点で生徒たちに向き合っていかねばなりません。日本の場合よりも遥かにシビアな環境、先生方の苦労は想像を絶します。 仕事からくるもの、家庭環境からくるもの、色んなストレスの原因はあれど、生徒を導く立場のダンまでもが薬漬けの日々を送っている。生徒の前では快活な好印象の彼が、実は誰よりも闇を抱えているという設定は斬新で、教師ものというよりダンという男の人間ドラマな気がしました。 ドレイとダンの間に芽生えた感情、とても形容しがたいけれど誰しも身に覚えのあるものだと思います。教員は生徒を贔屓してはいけないけれど、当然人間だから自分の弱さを見せられたり、特に手のかかる生徒 はついつい気にかけすぎてしまうもの。もし自分に置き換えて考えてみても、きっとドレイに対して親心のような思いを持つだろうなと。 アメリカの先生と生徒の関係って、希薄なようで日本ほど制限がないから、車で送って帰ったり、ちょっとアイスを奢ってあげたり...なんだかいいなあ。その行為自体に意味があるわけじゃなく、きっとどの先生もこれくらい生徒との精神的距離を詰められたら、最高のクラスが出来上がるんじゃないかといつも思います。そのぶん教え子の家庭環境まで見えて来て、どこまでを教員が責任を負うかのライン引きが難しくなりそうだけど...。 極めて少ない説明、映像とセリフだけで訴えてくる作品だったのですが心を揺さぶられました。ラストシーンのなんとも言えない雰囲気も最高。何度でも観たい一本。
「ハーフネルソン」
のレビュー(336件)