日本人が最も愛した美しき俳優アラン・ドロンの軌跡

2016.06.06
映画

代官山蔦屋書店 シネマ・コンシェルジュ

吉川明利

こんにちは!映像パッケージ業界33年目の映画オヤジです。いま、東京都の恵比寿ガーデンシネマで、イタリア映画の至宝とも言うべきルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫が再上映されています。生誕100年を記念しての特集上映(6/10まで)とのことですが、そこで是非出会っていただきたい俳優がいますので、今回ご紹介させていただきます!

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その俳優はアラン・ドロン。今ではあまり使われなくなった「ハンサム」という代名詞が最も似合う、1935年生まれ、今年2016年で80歳を迎えるフランス映画を代表する名優です。

アラン・ドロンに魅了された名監督

ルキノ・ヴィスコンティ監督

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アラン・ドロンほどヨーロッパ映画界の数多くの巨匠たちに愛された俳優はいないでしょう。

山猫』より3年前に『若者のすべて』という瑞々しい映画でヴィスコンティ監督に出会ったアラン・ドロンはプライベートでも親交を結び、そこからイタリア・フランスを股にかけ、大活躍します。

ルネ・クレマン監督

若者のすべてと同年の1960年に『太陽がいっぱい』に主演したドロンの人気は爆発します。正統派犯罪映画であり、かつ青春映画でありながら、同性愛の要素満載(最初に指摘したのが映画評論家・淀川長治氏!)の傑作です。

この時のドロンは本当に美しいです!監督はルネ・クレマン。クレマン監督とは他にも生きる歓び』『危険がいっぱいでコンビを組み、ドロンのキャリア前半で最も相性の良い監督と言えるでしょう。

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ジャン=ピエール・メルヴィル監督

イタリア人でありながら、イギリスでもアメリカでも活躍し、世界的な巨匠ミケランジェロ・アントニオー二の作品にも出演します。当時、アントニオーニ監督にはモニカ・ヴィッティというお気に入りの女優がいて、1962年の『太陽はひとりぼっち』で、相手役にドロンを指名しました。

そして、アラン・ドロンにピカレスクな匂いを感じ取り、暗殺者から刑事役まで演らせた監督はジャン=ピエール・メルヴィル。『サムライ』では、寡黙な暗殺者を演じ、劇中で着用していたトレンチ・コートは彼の代名詞ともなりました。

メルヴィル監督とは他にも『仁義』『リスボン特急』で仕事を共にしています。『リスボン特急』では70年代に大人気女優であったカトリーヌ・ドヌーヴと夢の共演を果たしているのです。役柄は高級娼婦とやさぐれ刑事、いい組み合わせですね!

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ドロンが選んだ共演者たち

次は監督ではなく、ドロンがどれだけ凄い俳優たちと共演していたかをご紹介いたします。まずは本国フランスでは、ドロンより人気のあったジャン=ポール・ベルモンドと『ボルサリーノ』で共演。マルセイユを舞台に成り上がって行くギャングを二人で楽しそうに演じています。

ドロンが先輩格の俳優と共演して成長した記念すべき作品が『地下室のメロディー』です。共演者はフランス映画界に君臨する名優ジャン・ギャバンでした。ギャバンとは『シシリアン』と『暗黒街のふたり』と計3度の共演を果たしています。ギャバンはドロンの成長の過程を見守っていたのです。

シシリアン』にはギャバンの他にリノ・ヴァンチュラも共演しています。ドロンとヴァンチュラの共演で記憶されるのは、何と言っても『冒険者たち』でしょう。フランス映画が築いた男2人に女1人の恋愛関係と、一攫千金を夢見る男たちのロマン溢れる傑作です。フランソワ・ド・ルーべの音楽が最高です!

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世界のミフネとも共演

男の友情をフレンチ・ノワールで描いた『さらば友よ』では、髭がトレードマークのチャールズ・ブロンソンと共演。ラストのタバコに火をつける名場面は忘れられません。そのブロンソンに“世界のミフネ”こと三船敏郎を加え、作られた西部劇が『レッド・サンです。ここでのドロンの左利きの拳銃が、これまたカッコいいです!

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ドロンとタバコ

フリック・ストーリー』は、いつもタバコを吹かしている刑事役。いわゆるチェーン・スモーカーです。私も含めた男性諸君はみんな、ドロンのタバコの吸い方を真似たものです。しかし、ここでのドロンは犯人役ジャン=ルイ・トランティニャンに見事に見せ場を持っていかれてしまいました。さすが名優ジャン=ルイ!

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アラン・ドロン来日騒動記

当時、日本におけるアラン・ドロンの人気は本国フランス以上。そのため1963年に初来日した際は大騒ぎになりました。1963年当時は成田空港開港前なので、当然ですが羽田空港着。高校生の私は父親のカメラを借りてドロンを激写すべく、学校をさぼって急いで羽田に向かったのでした。

どデカイ望遠レンズを装填して狙っていると、名古屋から上京した女性に「写真が撮れたら売ってください!」声をかけられ、渡されたメモにはなんと住所まで書いてあるじゃないですか!ろくに女性と話したこともない映画少年はモジモジするばかり。でも、結局ドロンはVIP専用口から出てしまい写真は撮れませんでした!

アラン・ドロンとは?

そうです、今でも最も美しい男優は?と聞かれれば自信をもって「アラン・ドロンです!」と答えます。そんなドロンの魅力たっぷりな映画が現在レンタル作品でご覧になれます。ぜひ一度ご覧になってください!

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  • スカイラー
    3.7
    舞踏会のシーンが豪華で、カット割りとかはまるでそこに参加しているかのような感覚になる。当時の政治の話しが結構入ってくるけどその辺はどうでもよかった。とにかく舞踏会のシーンが好き。このシーンのために36日間撮影し、参加したエキストラの242人の内三分の一が本物の貴族だったらしい。観たのは英語吹き替え版で、長い方のオリジナルも観たいと思った。VHSなので画質が悪かった。この作品はせめてDVDで見た方が良いよね。タンクレディとアンジェリカが美しく、何度でも観たくなる。
  • まよなか
    3.5
    記録
  • 4.0
    3時間頑張った。 時間の流れがリアルだった。 名前が覚えられなくて困った😅 持て余し気味なほど豪華絢爛な貴族の生活。スケールでかい戦場のシーン。砂埃舞うシチリアの風景、雄大な自然。歴史はほとんど知識ないけれど、それでも面白く見られた。欲望、嫉妬、軽蔑、怠惰と、その果てにある虚無感。あれもこれもと手を付けていた欲張りな主人公。でも後半はドッと老け込んで見えた。なんだか儚げ。でもいいカラダしてるわね。広い背中。
  • モールス
    4.0
    「山猫」と言えば、その後のヴィスコンティ監督映画の方向性を決定づけた作品です。3時間6分の長丁場で、貴族の豪華絢爛な美を徹底的に見せてくれます。 サリーナ公爵を演じたバート・ランカスター、その甥タンクレディ演じたアラン・ドロン共に、気品のある貴族の役が実によく合ってます。 ヴィスコンティ監督作品の共通点は、年老いた人間が持つ「羨望」だと思います。本作でも衰退していく者の悲哀は感じられますし、「羨望」の対象となったタンクレディ役のアラン・ドロンがとても映えて見ました。この方、いつもの飢えた役柄より、気品ある役の方が合ってると思いますよ。 物語の終わり頃になると、舞踏会という見せ場がやってきます。バート・ランカスターの踊りも美しく、貴族の家の調度品、装飾品があまりにも素晴らしく見えました。当時の貴族文化の再現を細部にまでこだわってるのが分かります。それだけでも見る価値があると思います。 余談ですが、本作はカンヌ映画祭で「切腹」とパルムドール賞を争ったそうです。個人的には日本が誇るあの名作の方が上だと感じます…。「山猫」はカンヌ好みな作品と言えるかもしれません。
  • かやこ
    5.0
    ルキノ・ヴィスコンティの映画では一番好き。
「山猫」
のレビュー(741件)