【6月上映】代官山 蔦屋書店コンシェルジュ一押し!<女の逃走>映画特集

2016.06.07
まとめ

代官山蔦屋書店 シネマ・コンシェルジュ

上村敬

月に1回、公開される映画をオススメをさせていただいております代官山 蔦屋書店の上村です。私がオススメする6月上映の映画ラインナップは、題して<女の逃走>の映画特集です!

逃走を題材にした映画

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サイレント期から、映画は逃走を数多く描いてきました。チャップリンやキートン、ロイドが大男や警官から走って逃げるドタバタ活劇のイメージは、誰もがお持ちかと思います。

中でもたくさんの花嫁から逃げる『キートンのセブン・チャンス』が、個人的にはお気に入りですが、トーキー以後も『駅馬車』に代表される西部劇でのネイティブ・アメリカンからの逃走劇や、ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』の巻き込まれ型の逃走、ハリソン・フォードの『逃亡者』、脱獄ものの『ショーシャンクの空に』など、挙げればきりがないほどですが、今回は<女の逃走>に的を絞ってのオススメ映画特集です。

『テルマ&ルイーズ』

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<女の逃走>と言っても、様々ありますが、まず思いつくのはリドリー・スコット監督の『テルマ&ルイーズ』のような女性二人の逃避行が王道といえるかもしれません。

ただ、逃避行といえば男と逃げる作品が数多く思い浮かびます。例えば、サム・ペキンパー監督の『ゲッタウェイ』や、ボニーとクライドという犯罪者を一躍有名にした『俺たちに明日はない』などなど。

少年と逃げるのは、ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演の『グロリア』、花嫁姿のまま男と逃げるのはダスティン・ホフマン主演の『卒業』や、その元ネタになったという『猛進ロイド』と、たくさんありますね。

また、逃げ出したことによって、男性と出会うオードリー・ヘプバーン主演の『ローマの休日』のようなロマンティックな映画もありますが、今月最初のオススメ映画は、この『ローマの休日』の元ネタになったのではないか?と言われているあるエピソードを映画化した作品です。

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』

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6月4日(土)より公開の『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出です。今年、生誕90周年を迎える現イギリス君主エリザベス2世が、まだプリンセスだった時に、国民と共に終戦を祝うためにお忍びで街へと繰り出したというエピソードを基にした作品です。監督したのは、『キンキーブーツ』や『ジェイン・オースティン 秘められた恋』を手懸けたジュリアン・ジャロルド監督。

ヒロインは、デヴィッド・クローネンバーグ監督の新たなミューズとしても知られ、2012年~2015年と4年連続で「世界で美しい顔ベスト100」にランクインした注目の女優サラ・ガドン

ストーリーは、1945年5月8日のロンドン。VEday(Victory in Europe Day)とも呼ばれるヨーロッパ戦勝記念日の夜に、国王ジョージ6世の外出の許しを得たエリザベス王女と妹のマーガレットは、国民と共に祝杯を挙げようと、生まれて初めて、お忍びでバッキンガム宮殿をあとにします。酔っ払ったマーガレットが監視の隙をぬって逃走したのを追いかけるエリザベス。そこで待っていたのは、ロマンティックな出会いでした。

父のジョージ6世と母の王妃エリザベスの策略によって、生涯でたった一度きりのお忍びでの外出も、近衛兵の監視の下でスケジュールも徹底的に管理されています。それに不満を持つ妹のマーガレットが近衛兵の監視の目をのがれて逃走するのを、あわてて追いかけるエリザベス。期せずして逃走してしまうエリザベスは、バスの降り方さえ知らずに、街に飛び出してしまいます。
ひょんなことから空軍兵士に助けられたことにより、その兵士とともに妹を探すエリザベス。自分の父である国王に批判的な態度を示すその兵士を、最初はイヤな男と思いながらも、治安の良くない場所を歩き、悪名高い売春宿のボディガードとのケンカなど、二人で危険をかいくぐるうちに、淡い想いが芽生えていきます。

逃走兵になりつつあるその兵士と、プリンセスであるエリザベスが、互いにそれぞれの秘密をさらけ出すうちに、一介の兵士と恋に落ちることが許されないプリンセスとしての苦悩が露わに…。そんな二人が爽やかにその恋に決着をつけます。『ローマの休日』に勝るとも劣らないロマンティックな二人の逃走劇をぜひご覧ください!

『高台家の人々』

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2本目のオススメ映画は、同じく6月4日(土)から公開の『高台家の人々です。森本梢子さんの大人気コミックを実写化した作品です。主演は、綾瀬はるかさんと斎藤工さん。

ストーリーは、祖母がイギリス人のクォーターで名家の高台家の長男・光正(斎藤工)が転勤して来るところから始まります。社内は、そのイケメン王子様の噂で持ちきりの中、妄想が趣味の木絵(綾瀬はるか)が、その王子様からいきなり食事に誘われます。

しかし、その王子様は、人の心が読める“テレパス”という秘密の能力を持っていました。その能力ゆえに、人の心の内にある嫌な部分ばかりを見てきた光正は、木絵の面白おかしい妄想に惹かれていきます。順調に交際を重ねる中、光正の母が名家“高台家”の壁として立ちはだかりながらも、それを乗り越えた二人は、遂に結婚式までこぎつけます。しかし、光正がテレパスという能力を持っているがゆえに、花嫁姿のまま木絵は結婚式場から逃走します。なぜ彼女が逃走したのか、そして二人の恋の行方がどうなったかは、ぜひ劇場でお楽しみください。

それ以外にも、木絵の妄想に幾度となく登場する塚地武雅さん扮する脇田課長の変幻自在ぶりも注目です。また、“テレパス”を持つ者の苦しみや、“テレパス”を持つ人を愛してしまった者の葛藤を、シャーロット・ケイト・フォックスさん扮する祖母や大野拓朗さん扮する祖父の時代から、水原希子さん扮する光正の妹役にいたるまで描かれ、迷いながらも、最後には愛する人に真っ直ぐに立ち向かっていく姿に涙する映画となっています。

『裸足の季節』

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3本目のオススメ映画は6月11日(土)より公開される『裸足の季節です。トルコ出身の女性監督によるトルコ語の映画ながら、2015年第68回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作の『ディーパンの闘い』などを押しのけて、アカデミー賞フランス映画代表に選ばれたという話題作です。それも、フランス語以外の作品がフランス代表となったのは『黒いオルフェ』以来、実に56年ぶりの快挙だというのだから、この情報だけで必見に間違いありません。

トルコの首都イスタンブールから遠く離れた小さな村に住む5人姉妹は、10年前に両親を事故で亡くし、祖母の家で叔父とともに暮らしています。しかし、古い習慣と封建的な考えのもと、一切の外出を禁じられ、祖母に花嫁修業を強要されてしまいます。外に出ることができなくなった彼女たちは、ある日、サッカーを見るために窓から抜け出します。それ以降、姉妹は日常的に窓から逃走を繰り返しますが、それに気づいた叔父は、窓に牢を取り付けてしまいます。そして、長女から順番にお見合いを設定され、結婚していきます。上の姉たちをみた末っ子は、ある一計を案じますが・・・。

外出を禁じられた5人姉妹が、逆境の中でもめげず、日常的に逃走する描写が生き生きとしていて、キラキラと眩しい姿が印象的な作品です。窓から逃走して恋人とデートを重ねる長女、それを茶化す妹たち、そしてじゃれ合ったり、ふざけ合ったりするのが微笑ましい姉妹ですが、次々とお見合い結婚が進み、離れ離れになっていってしまいます。そして、ある事件が勃発したことによって、末っ子は、四女の結婚式の日に準備していた逃走を開始します

彼女がどのように計画を準備し、その逃走の先に誰が待っているのか?それを知るためには、冒頭から絶対に見逃さないようにしていただきたい! トルコ出身で、フランスで映画を学んだデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督の瑞々しい長編デビュー作をぜひご覧ください。

[c]GNO Productions Limited
[c]2016 フジテレビジョン 東宝 集英社 [c]森本梢子/集英社
[c]2015 CG CINEMA - VISTAMAR Filmproduktion - UHLANDFILM- Bam Film - KINOLOGY

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  • Lisa
    3.7
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  • ws
    -
    おてんばな妹を探し回るお姉さん。カッコいいジャック。身分違いの恋。 エリザベス女王がお忍びで街に出かけたって実話からできてるって考えながら観るとより素敵だな〜。 プリンセスがお忍びで遊びまわるの王道ストーリーだけどきゅんとするシーンもあって面白かった。 英国王のスピーチを思い出すシーンもあったあってお父さん!ってなった。
  • ロー
    4.0
    イギリスで終戦を祝う記念の夜に抜け出した王女とその妹だが、妹を見失ってしまって… 身分を明かせない王女のもどかしさと偶然会った空軍兵との掛け合いが微笑ましい映画だった( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
  • furlamami
    3.5
    あらすじがタイトルでした。
  • yumi
    3.4
    予告で気になってレンタル。王女の話だからシンデレラストーリーというと変だけど、王道っぽさはあるものの、抜け出して街に出た、というのが事実というので驚き。クスッと笑えるところもあったり、街並みの美しさだったり、楽しく見れました。
「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」
のレビュー(3179件)