新作『ゴーストバスターズ』でも注目!「笑い」の演技が冴えわたるコメディ女優たち

2016.08.26
女優・俳優

気づいたら映画ファンになっていた

松平光冬

1984年に公開され、続編も製作されるほどの大ヒットとなった『ゴーストバスターズ』が、装いも新たに2016年の夏に帰ってきた。

ゴースト

オリジナル版との大きな違いは、メインキャストが30~40代の女性に変わっているという点で、なおかつ全員、日本ではあまりなじみの無い知る人ぞ知る面々ということだろうか。

しかし本国アメリカでは、彼女たちは映画はもちろん、テレビ界でも名を馳せたコメディエンヌとして人気なのだ。

そこでここでは、そうしたコメディエンヌたちにスポットを当ててみよう。

『ゴーストバスターズ』主演者① クリステン・ウィグ&メリッサ・マッカーシー

新作『ゴーストバスターズ』で、マジメな素粒子物理学博士のエリンを演じるクリステン・ウィグと、超自然研究所で働くゴーストオタクなアビーを演じるメリッサ・マッカーシー彼女たちはプライベートでも親友同士だったりする。

ghost1

(左からメリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、クリステン・ウィグ、レスリー・ジョーンズ)

(C) COLUMBIA PICTURES (C)2016 SONY PICTURES DIGITAL PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

まずエリン役のクリステンは大学中退後にノリユキ・パット・モリタウィル・フェレルといったスターを輩出したロサンゼルスの即興コメディ集団「ザ・グラウンドリングス(The Groundlings)」でセンスを磨き、2005年から6年間、テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」(SNL)で人気者に。

映画界には2007年の『無ケーカクの命中男/ノックトアップで本格進出を果たし、『ローラーガールズ・ダイアリー』でのローラーチームのリーダー役や、『宇宙人ポール』のキリスト教原理主義の娘役で脚光を浴びていく。

一方のアビー役のメリッサも、ニューヨークでスタンダップコメディアンとして活動後、クリステンと同じ「ザ・グラウンドリングス」でキャリアを積み、2000年のテレビドラマ「ギルモア・ガールズ」でのスーキー役で人気を博す。

映画への出演そのものは2000年頃から脇役で活躍していたが、いまや1本あたりの出演ギャラが1500万ドルという、アンジェリーナ・ジョリージェニファー・ローレンスらと同額を稼ぐヒットメーカーに。

もちろんコメディだけにとどまらず、『ヴィンセントが教えてくれたこと』では心優しいシングルマザー役を好演している。

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

ブライズ

クリステン&メリッサの共演作で、一番有名なのがこの作品。

ケーキ店事業に失敗した上に恋人に逃げられるという、逆境続きの30代女性アニー(クリステン)。友人女性の結婚のブライズメイド(花嫁付添人)のまとめ役を頼まれたことをきっかけに、ブライズメイドの一人で変わり者のメーガン(メリッサ)らを交えたドタバタを描く。

監督を『ゴーストバスターズ』のポール・フェイグが、そしてクリステン自身が脚本と製作を兼ねており、彼女自身の離婚体験などを含んだ下品で本音まる出しな負け組女子の悲喜こもごもが受け、全世界で約3億ドルの大ヒットとなった。

アカデミー賞でもメリッサが助演女優賞、クリステンが脚本賞でノミネートされる快挙を果たしている。

『デンジャラス・バディ』

バディ

カタブツなFBI捜査官(サンドラ・ブロックと、悪態つきまくりのやさぐれ刑事(メリッサ)がコンビを組んだ、女性版バディアクション。

この作品もポール・フェイグが監督を務めており、とにかく主演2人のアドリブを交えたやり取りが絶妙。脚本のケイティ・ディポルドはこれで評価され、『ゴーストバスターズ』にも参加している。

なお『ブライズメイズ』と『デンジャラス・バディ』のDVD特典には、キャスト陣のこれでもかというばかりのアドリブを交えたNGテイク集が収録されているので、未見の方は併せてどうぞ。

『ゴーストバスターズ』主演者② ケイト・マッキノン&レスリー・ジョーンズ

同じく、『ゴーストバスターズ』でエキセントリックな発明家のジリアンを演じるケイト・マッキノンと、ニューヨークの街に精通する地下鉄職員パティを演じるレスリー・ジョーンズ

ジリアン役のケイトはコロンビア大学生時代からコメディエンヌとして仲間とグループを結成しており、大学卒業後に本格的に活動を開始。

SNLでは、いまやアメリカ大統領候補者となったヒラリー・クリントンや、女優のジョディ・フォスターのモノマネで人気を博した。

(SNLでヒラリーのモノマネをするケイト・マッキノン。後にヒラリー本人も番組に出演、ケイトと“共演”している)

『しゃかりきにフットボール』

大学卒業を間近に控え、社会人としての自覚を持てないフットボール選手たちが、その踏ん切りとしてフラッグフットボールでクラブチームを作り、最後の試合に挑もうとするコメディ。

この作品でのケイトは、主人公の一人に結婚を迫るも、その行動はとにかくウザくてエゲツないことこの上なしという、インパクト大な婚約者を演じている。

ghost2

(左からレスリー・ジョーンズ、メリッサ・マッカーシー、クリステン・ウィグ、ケイト・マッキノン)​

(C) COLUMBIA PICTURES (C)2016 SONY PICTURES DIGITAL PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

一方のバディ役のレスリーも大学時からスタンダップコメディエンヌとして活動しており、長い下積みを経て2013年に、年齢が40代半ばでSNLに脚本家として参加し、その翌年にはレギュラーキャストへと“スピード出世”した。

『トップ・ファイブ』

トップファイブ

クリス・ロック演じる人気コメディ俳優アンドレが演技派俳優への転身を図ろうとするも…という、クリス自身の体験も含んだ内容(脚本もクリスが担当)で、レスリーを含むSNLのレギュラーキャストがこぞって出演。

レスリーはアンドレの友達のリサに扮してアイス-Tの曲をラップし(なぜそうなるかはぜひとも映画をご覧に)、これまで脇役として女優活動していた彼女が一躍注目を集めることとなった。

新作のマスターマインズ(原題)では、クリステン・ウィグやケイト・マッキノン、ザック・ガリフィアナキスにオーウェン・ウィルソンといった錚々たるコメディ俳優らと、肩を並べて出演している。

『マスターマインズ(原題)』予告編

元祖コメディエンヌ、ゴールディ・ホーン

コメディエンヌとしての地位を確立した女優の代表格として挙げたいのが、ゴールディ・ホーン

大学を中退後にコーラスダンサーとして活躍し、1967年のシットコム番組『Good Morning, World』に出演し、人気を集める。

1969年の映画出演2作目の『サボテンの花』でアカデミー助演女優賞を獲得し、スティーヴン・スピルバーグの初の劇場用監督作『続・激突!/カージャック』を経て、コメディエンヌとしての地位を確立していった。

娘のケイト・ハドソンも、ラブコメディ作品に多数出演する人気女優となっている。

『プライベート・ベンジャミン』

ベンジャミン

新婚初夜にいきなり夫を亡くしてしまった世間知らずの金持ち娘(ゴールディ)が、ヤケ気味に陸軍の新兵訓練所に入隊。最初はやる気のなかった彼女も、次第に一人の女性として自立を目指していく。

ゴールディの主演作には、クラブのコンパニオンガールが特別外交官に任命される『アメリカ万才』のように、男性社会にいきなり飛び込む女性を主人公とした作品が多い。見方によっては反感を買いそうな役どころでも、持ち前の底抜けに明るいキャラクターで嫌味なく演じられるのが、彼女の長所といえる。

注目株のコメディエンヌ、レイク・ベル

ここで、近年活躍が目覚ましいコメディエンヌを紹介したい。その名はレイク・ベル

2002年に女優デビューし、ベガスの恋に勝つルール』や『恋するベーカリー』といったラブコメディで立て続けに助演したことで注目を集めた彼女は、クリステン・ウィグ同様、自ら脚本や製作を手がけるクリエイターとしての顔も持つ。

『私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望』

ナレーター

映画の予告編やテレビCMのナレーターを目指す女性を描いた、よくある「男社会における女性ポジションの確立」といったサクセスストーリーでありながら、ラスト付近で女性作家らしいシニカルな展開に転がるのがポイント。

レイクが主演のみならず監督、脚本、製作を務め、わずか20日間という撮影期間で作られた。ハスキーボイスを持つ彼女の芸達者ぶりにも注目。

ノンクレジットで『ベガスの恋のルール』での共演で友人となったキャメロン・ディアスがカメオ出演しているので、探してみるのもいいかも。

『マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり』

マンアップ

(C) STUDIOCANAL Limited/British Broadcasting Corporation 2014. All Rights Reserved. 

『ミッション:インポッシブル』、『スター・トレック』といったヒットシリーズに出演するコメディ俳優、サイモン・ペッグとのダブル主演作。

恋人ができない30代女性ナンシー(レイク)が、勘違いからジャック(サイモン)という初対面の40代男性とデートをすることになるラブコメディで、ナンシーが無自覚で行う下品な言動ぶりが、目も当てられないほどの滑稽ぶりで笑いを誘う。

現在製作中のラブコメディ『What’s the Point?(原題)』でも監督、脚本、製作、主演の四役を務めているレイク・ベルは、今後要チェックすべきコメディエンヌといえよう。

女優がもっとも“映える”のは、コメディ演技である

今回ピックアップしたコメディエンヌたちは、何もコメディに限らず普通にシリアス演技もこなせるし、キャメロン・ディアスキャサリン・ハイグルといった、コメディ演技に定評のある女優はほかにもたくさん存在する。

ここで断言したいのは、女優を含むすべての俳優がもっともスクリーンで輝くのはコメディ演技だということ。

キレイに着飾ったり凛としたりする演技もいいけど、屈託もない笑顔を見せたり、とんでもないハプニングなどでヒドイ目に遭う演技の方が、人間味があふれてよく映えると思うのだが、いかがだろうか。

「笑い」の演技に性別は関係なし。

とりあえずは新作『ゴーストバスターズ』で、その貪欲なまでに笑いをとるコメディエンヌ精神を堪能しよう。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • merry
    4.0
    若者たちと走る場面が笑える。 "過去は捨てちまえ!"
  • marin
    3.3
    姉と鑑賞。 笑えるシーンもあったけどそこまでハマらなかった。 運命の相手ってどこで気付けるのか。 言いたいことを言える相手なのか? 一緒にいて楽しい相手なのか? そんなことを考えた。
  • tkt
    4.0
    記録
  • けんと
    5.0
    盛り上がりがよい
  • まっつん
    3.4
    良いラブコメだった。 まあけど普通にベタだからここがこう!とかはないかなあ。 最後の大袈裟な感じも好き。
「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」
のレビュー(2167件)