【ネタバレ】江戸事情は松竹映画で学べ!『超高速!参勤交代』の魅力

2016.08.30
映画

待ってましたっ。あの愛すべき田舎侍達にまた会える~!!2016年9月10日、『超高速!参勤交代リターンズ』が公開になります。

参勤交代リターンズ

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

いつの世も、そろそろ出し尽くしたんじゃないかな?と思った頃、「その手があったか!」という、驚きをくれるエンタメが登場します。『超高速!参勤交代』もその一つ。

「参勤交代」という一大行事を丁寧に描くことで、これまでのサムライ映画とは少し違う「武士はツラいよ団体戦」的な世界観を描き、大ヒットとなりました。

続編となる『超高速!参勤交代リターンズ』を見る前に、前作の魅力と参勤交代の雑学をおさらいしましょう!

↓なんと親切な! 公式サイトで早わかり動画が…

密着120時間!湯長谷藩「参勤交代のウラすべて見せます!」

超高速!参勤交代

(C)2014「超高速!参勤交代」製作委員会

参勤交代を無茶ブリされるのは、磐城国の小藩、湯長谷藩。磐城国って、今で言えば福島県。しかも交通機関など整っていない江戸時代。福島から東京まで、馬と徒歩で5日間って!しかもしかも大名行列の体を整えて、です。無理ムリむり!

そもそも参勤交代とは、江戸の大名が、諸藩が勢力を伸ばすのを避けるため、体力と財力を消耗させる目的で始まったのだとか。『超高速!参勤交代リターンズ』の公式HPには、参勤交代を分かりやすく説明した解説ページがあるのですが、これが本当に面白い!まさに「へぇ~!」の連続です。

これまでの時代劇にありがちな、小さな子どもが前を横切ってしまい「手うちじゃ!」という偉そうなイメージはどこへやら。

偉そうどころか、苦労だらけ。大名行列って大変なのね…。

この映画をはじめ、松竹映画は、江戸の諸事情を上手に紹介する作品が多いですね。

最近では『駆込み女と駆出し男』で江戸の離婚事情、『殿、利息でござる!』では金銭事情について描かれていてどちらも名作。「松竹映画でお江戸通になろう」というシリーズ名を付けたいほどです(笑)。

初の映画脚本でアカデミー賞最優秀脚本賞ゲット

『超高速!参勤交代』1

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

前作『超高速!参勤交代』は、2011年に第37回城戸賞を全審査員満点で受賞した土橋章宏さんの作品を映画化したもの。

彼にとってはじめての映画脚本。それが、第57回ブルーリボン賞作品賞、第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を見事ゲットするのです!

いやもうわかります。テンポの良さ、トラブルと参勤交代雑学投入の絡み具合はいわずもがななのですが、ピンチに陥っても「なんか大丈夫そう」とホノボノできてしまう、いわき弁が本当に絶妙。福島県の風土も瑞々しく描かれています。

実際に、福島民報社が出資して松竹とともに製作委員会に入り、町興しとリンク。まだまだ復興途中の福島県の応援団として最強の役割を果たす1本となりました。

【前作ネタバレあり】水戸黄門的・勧善懲悪でスッキリ

参勤交代イメージ

(C)2014「超高速!参勤交代」製作委員会

時代劇が苦手な人もスッと入りやすい『超高速!参勤交代』ですが、だからといって奇をてらっているわけではありません。時代劇ファンなら絶対盛り込んでほしい「お約束」はちゃんと守っているのも嬉しいところです。

陣内孝則演じる、清々しいまでの悪代家老。お人よしな殿様の善行が後々窮地を救うという人情エピソード。息を飲む忍者バトル。そして深キョンこと深田恭子の太ももという爽やかな色気投下。そしてそして、大団円につながる、大迫力のチャンバラ!!

これらがキッチリと用意されて、水戸黄門的な満足感と安心感があります。

さらに、江戸幕府将軍の吉宗。湯長谷藩の参勤が、強欲家老・松平信祝のデマだと知りつつ、彼の悪行の証拠をつかむため、そのまま見守るというトップならではの冷酷さを見せます。これを市川猿之助が演じているのですが、威厳と美しい所作で、まさにラスボスの風格。彼の存在が映画の緩急となり、ユーモラスな映画ながら「おふざけ」で終わらず、きちんとした時代劇として成り立っている気がします。

チョンマゲが上地雄輔に魔法をかける

誠実で実力もあるけど、どこか損をする…そんな「人のいい部長」的な大名・内藤政醇を演じる佐々木蔵之介は言うまでもなくハマり役。なんと『間宮兄弟』以来8年ぶりの主演なのだとか。い、意外!

彼を守る7人の家臣も、白雪姫に登場する7人の小人バリに名キャラ揃いです。

ちょっと口うるさい知恵者(西村雅彦)、誠実だけど石頭(上地雄輔)、熱血(寺脇康文)、動物遣い(柄本時生)、アイドル(知念侑李)、食いしん坊(六角精児)、謎キャラ(伊原剛志)。

この中で、驚くような存在感を見せるのが、家臣・秋山役の上地雄輔。彼は時代劇になると普段のおバカキャラはどこへやら、「誠実で知的」に変貌するんですね。『のぼうの城』の石田三成役でも薄々気づいてはいましたが、今回で確信となりました。この人は、チョンマゲでIQがとてつもなく上がる人相だと。次世代の時代劇の星です。

サムライだって、社会人

参勤2

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

時代劇の王道は守りつつも、非現実で神格化されがちなサムライの世界に、妙にリアルさを感じるところが『超高速~』の素晴らしさ。その「リアル」を担っているのが、毎回「知恵を出せ」と丸投げされ必死で対応しようとする家臣の相馬(西村雅彦)。いやもう中間管理職の鏡!

スーパーマンのような扱いのサムライ映画も素敵だけれど、彼らもマチガイナク人間。お上につかえる社会人。上や下に挟まれながら、チームとして頑張る姿は、現代社会と何ら変わらず、シミジミ共感できるのです。

ちなみに、主人公の内藤政醇も、悪徳家老・松平信祝も実在の人物。お二人とも(特に松平信祝は)、あの世でこの映画をどう見ているのでしょうか。

次は「参勤交代」の「交代」!

『超高速!参勤交代』2

(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

無茶な「参勤」は絶妙のチームワークで果たせたものの、江戸でのお勤めを終えたら、今度国許に帰らねばなりません。そもそも「参勤交代」という言葉は大名行列の往復を指すもので、国許から江戸に行くのが「参勤」。江戸から国許に帰るのが「交代」

続編『超高速!参勤交代』ではその「交代」の様子が描かれるわけなのですが、今度はもっと大変そう。なぜか2日間で江戸から磐城国まで帰らないといけない羽目に。…大丈夫か?(汗) 次もダッシュ、ダッシュの超高速な展開となりそうです。

過酷な経験で絆を深めた湯長谷一行が、帰りはどんな知恵とチームワークを発揮し、2度めのミッションインポッシブルをやり遂げるか、楽しみですね!

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • 有村コーン
    -
    当たり〜〜!!!(by知念)
  • con
    3.6
    定石通りの展開で安心しながら笑いながらみれた。でもめっちゃおすすめ!ってアマゾンプライムが言ってて見たけど、そんなにおすすめするほどなのかな?と思ってしまった…
  • つよ
    4.2
    ナイスなタイトルから大好き。 色んなアイディア出てきて面白かった。
  • okp
    3.9
    完全に部活だった。面白い
  • Tyk98
    2.5
    前作は超えられない
「超高速!参勤交代」
のレビュー(18936件)