話題の新鋭アニメ映画監督・新海誠が手がけた注目作品まとめ

2016.08.27
監督

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

公開される映画は軒並みヒットし、CMの映像なども手がける今話題のアニメーション監督が新海誠。その新海監督の最新作『君の名は。』が8月26日より公開されました。

これから観に行く予定という方も多いと思いますので、この映画を観る前にチェックしておいた方がいい、新海監督の5作品を紹介します!

そもそも新海誠とは?

1973年生まれ、長野県出身のアニメーション監督です。大学卒業後、ゲーム開発会社を経てアニメーション制作の道へ。劇場用映画のほかにも大成建設やZ会のCM、ゲームソフトのオープニング、NHK『みんなのうた』などの映像も制作しています。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films

そして監督が手掛けた主な劇場用映画というのが自主制作も含めた『ほしのこえ』(2002年)、『雲のむこう、約束の場所』(2004年)、『秒速5センチメートル』(2007年)、『星を追う子ども』(2011年)、『言の葉の庭』(2013年)の5つ。(*2016年7月末までに手がけた作品)

初期作の『ほしのこえ』はほぼひとりで制作したことで話題に。そして第1回新世紀東京国際アニメフェア21・公募部門で「優秀賞」を受賞しています。

長編となった『雲のむこう、約束の場所』では同日公開の『ハウルの動く城』を抑え、第59回毎日映画コンクールにて「アニメーション映画賞」を受賞しました。

連作短編『秒速5センチメートル』では、アジアパシフィック映画祭「最優秀アニメ賞」や、イタリアのフューチャーフィルム映画祭で「ランチア・プラチナグランプリ」を受賞するなど、海外でも注目される監督に。

その後、第八回中国国際動漫節「金猴賞」優秀賞を受賞した長編『星を追う子ども』、シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭・長編アニメーション部門グランプリ受賞など、数々の賞を獲得した『言の葉の庭』を発表し、監督作の人気が不動のものとなりました。

では、新海誠監督が手掛けた5つの作品はどのような物語なのか、具体的に紹介したいと思います!

『ほしのこえ』

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あらすじ

2046年、中学生の長峰美加子(ミカコ)は同じ部活で仲良しの同級生・寺尾昇(ノボル)との帰り道に、宇宙の異生命体を調査する国連軍の選抜メンバーに選ばれたことをノボルに告げます。

そして翌年、ミカコは宇宙へ立ち、ノボルは高校に進学。

離れた2人は携帯メールで連絡を取り合いますが、ミカコがいる艦隊が地球から離れたところに向かうにつれ、メールが届くまでの時間がかかるように。

そしてついにメールが届くまで8年という時間が必要になってしまい……。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films

恋愛の切なさを投影した作品

お互い直接口には出さないものの思い合うミカコとノボル。

最初は距離だけ感じていた2人もメールの届く時間がかかるようになるにつれ、不安や孤独感を抱くようになります。

一見SFな世界観が印象に残りがちなストーリーですが、気持ちはあるのに相手と通じ合っている実感がない恋愛のもどかしさをミカコとノボルに投影して表現しているようにも見える映画。

でもラストに語られるミカコとノボルのメッセージは、その物悲しさを乗り越えるような意味が込められているようで、見終わったあとは心救われる作品です!

『雲のむこう、約束の場所』

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あらすじ

青森と北海道を境に南北に分断された戦後の日本という、架空の世界。

青森に住む中学生の藤沢ヒロキと白川タクヤは、津軽海峡の向こうにあるユニオンという組織に占領された北海道に立つ謎めいた巨大な「塔」まで自作の飛行機で到達することを夢見ていた。

ヒロキの憧れである同級生の沢渡サユリも巻き込み、「塔」に行くことは3人の約束となります。

しかし、眠り続けるという原因不明の病にかかったサユリが突如2人の前から姿を消したことで、ヒロキは東京の高校へ、タクヤは青森の高校へ進学。3人はバラバラになってしまいます。

そして次第に南北の情勢が緊迫。そんな中、サユリを目覚めさせる鍵は「塔」にあることが明らかになってきます。

サユリを救うことができるのか、そして3人の約束は果たされるのか……。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films

壊れてしまった友情や愛情を取り戻していく作品

眠り続けるサユリは、夢の中でひとりでいることに耐えながらもヒロキを求め続け、ヒロキも考えないようにしながらも心の奥ではずっとサユリを思っています。

タクヤもヒロキ、サユリの不在の虚しさを埋めるかのように「塔」の謎を追う研究に没頭。

関係が壊れてしまったがゆえにそれぞれが抱える孤独を、サユリの病と「塔」、南北の戦いがきっかけとなり友情や愛情を再生していく姿を描いています。

思いがけず誰かとの絆が途絶えてしまった人であれば共感できるストーリーでもあるし、ヒロキ、タクヤ、サユリの言動に勇気や希望がもらえる作品でもあります。

『秒速5センチメートル』

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あらすじ

中学生の貴樹は小学生のときに仲がよく中学に上がると同時に栃木に転校した明里と文通をしていましたが、今度は貴樹が東京から鹿児島へ転校することに。

今よりもなお一層距離が離れてしまうため、貴樹の転校の前に明里と会う約束をしますが……(第一話「桜花抄」)。

中2のときに転校してきた貴樹にずっと思いを寄せる種子島に住む花苗。

高3にして進路が決まらない不安と得意のサーフィンのスランプを、波の上に立てたら貴樹に思いを伝えると決意することで打ち破ることができるのではないか、と淡い期待を抱いていましたが……(第二話「コスモナウト」)。

社会人となった貴樹は、がむしゃらに働いたものの、何のために働いていたのかわからなくなり会社を辞め、しかも3年付き合った彼女から致命的な言葉で振られてしまいます。

そんな打ちひしがれた中、明里に似た女性を見かけ……(第三話「秒速5センチメートル」)。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films

日常にある孤独や美しさを描いた作品

貴樹を軸にした3話の短編からできているのがこの『秒速5センチメートル』。

監督自身が作品の紹介文で

今この現実をアニメーション表現の中にすくい取ろうと試みています。

新海誠監督個人サイト「Other voices-遠い声-」

と言う通り、SFやファンタジーが一切ない物語。

現実的であるからこそ募る思いの大きさ、その思いが届かないとわかったときに感じる孤独が重く伝わってきます。

しかし、そんな希望が薄い日常の中に描かれた四季や景色の美しい表現のおかげで、不思議と前向きな気持ちが湧き上がってくるような作品です。

『星を追う子ども』

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あらすじ

父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた唄を忘れられず、お気に入りの場所でラジオをよくいじっている少女・アスナ。

あるとき地下世界アガルタから来た少年・シュンと出会い心を通わせますが、彼は突然姿を消してしまいます。

もう一度会いたいと思ったときにシュンに似たシンが現れ、彼のあとを追ってしまうアスナ。

そのとき亡き妻を生き返らせるためアガルタに行くことを願っていたアスナの学校の教師・モリサキが現れ、3人はアガルタの中へ。

その地ではアスナやモリサキは「地上人」と忌み嫌われ追われながらも冒険を続けます。しかしそれがアスナにもシンにもモリサキにも思わぬ結末を導き……。

(C)Makoto Shinkai / CMMMY

喪失を乗り越えるためのヒントが隠された作品

地上とは別の地下世界が存在するという設定で、そこは人間以外の怪物のような生物も共存しているなど新海監督作品の中で一番ファンタジー色が強い映画。

物語の中にはいくつもの死が描かれ、その喪失からくる孤独や亡くなった人への執着も描かれています。

しかしそういった感情を乗り越えることが生きているものの役目だというメッセージが込められているように感じる作品。

死に限らず喪失や孤独を感じている人にはそれを受け入れ、克服するためのヒントが得られそうなストーリーです。

『言の葉の庭』

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あらすじ

雨の日の朝は学校をサボり、公園の日本庭園でスケッチをしている靴職人を目指す高校生のタカオ。

そんなある梅雨の日、いつもの場所に行ってみたら午前中から缶ビールを飲む会社員風の女性・ユキノと出会う。

それからは約束をするわけでもなく雨の日に会うようになった2人。次第に心を通わせて行き、タカオが描く靴のスケッチも次第に彼女のものへと変化していきます。

しかし梅雨が明けて会うことも少なくなってきたあるとき、ユキノの秘密がわかってしまい……。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films

愛が生まれる前の「恋」の話を描いた作品

監督は『言の葉の庭』について、

愛に至る以前の、孤独に誰かを希求するしかない感情の物語だ。誰かとの愛も絆も約束もなく、その遙か手前で立ちすくんでいる個人を描きたい。

新海誠監督個人サイト「Other voices-遠い声-」

と説明しており、まだ「恋」を万葉の時代の言葉で「孤悲」と書いたときのような恋の話を描いたそうです。

相手を思えば気持ちが高まるけれど、必ず会えるわけでもないのでどこか不安定で切ない、まさに誰かを孤独に求めているような感情を的確に表現している作品。

でもそんな期待と不安がないまぜになった感情が生まれたからこそ、前に進むことができることもある、ということを追体験できる物語でもある気がします。

新海誠監督作のキーワードは、「孤独」「恋・愛情」「空模様」

これまでの5作品からわかるのは、距離や時間、死などで大切な人と離れてしまった主人公の孤独と、それでも誰かを思う恋心や愛情を描いているのが新海誠監督作品の特徴ということだと思います。

それから晴天、夕景、夜景、曇天、雨、雪といっためまぐるしく変わる空の表現。

描写が美しいこともさることながら、空の移り変わりが登場人物たちのうれしさや悲しさ、虚しさなどの感情をより強調する役割を担っています。

それだけでなく、ときには物悲しく感じるストーリー展開だとしても劇中で表現される空模様のおかげで清々しく受け入れることができる場面も!

作品をより深く味わいたいのなら、変化する空の描写にも注目してみてください。

* 『君の名は。』はについては以下の記事で見どころをまとめました!是非合わせて読んでみてください。
大ヒット作『君の名は。』はなぜ多くの人々を魅了するのか? その理由は◯◯にあった

最新作『君の名は。』を観る前に過去作は要チェック!

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公開されたばかりの『君の名は。』は、田舎町に住む女子高校生・三葉と東京に住む男子高校生・瀧が主人公。

夢の中で入れ替わってしまうという奇妙な現象が自分たちに起きていることがわかった2人が、お互いの存在を確かめるため会いに行こうしたときに意外な真実がわかる……というストーリー。

この作品に向けて、監督自身の個人サイトにはこのようなメッセージが記されています。

『君の名は。』には、僕の過去作のモチーフもたっぷりと盛りこまれています。もちろん新しい要素も多くありますが、過去作を熱心に観てくださっていた方ほど、連続性や語り直し、アップデートに気づいていただけるはずです。

新海誠監督個人サイト「Other voices-遠い声-」

実際に予告を見たところ、確かに過去作でも出てきたような要素がいくつか登場。

(C)2016「君の名は。」製作委員会

もちろん何の知識もなく観に行っても楽しめると思いますが、前述した監督作品のキーになるポイントを押さえつつ、過去作を事前に観ておいたほうが、より楽しめる作品ではないかと感じています!

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  • なぁこ
    3.0
    そこまで世間が騒ぎ立てる程の内容ではなかった。 映像は綺麗だったが、ストーリー、キャラクターは普通。
  • Satomi
    -
    記録
  • 6トン将軍
    1.5
    「映像的にはあまり綺麗じゃない」 「ラノベっぽい。10代向け作品」 「この作品本当に若いそうに受けたの?」 「これ深海作品?」 凄く驚いた。前作までの暗い欝雰囲気&ナルシスト臭が消えた。 というか これなら深海監督じゃなくてもよくないかな。 深海特徴の綺麗な背景って結構できる人多いから。 ネットで探せばいくらでも出てくる。 ※辛口注意 後。 若者向けらしいですが。 あまり若者向けっぽくないような。 なんだか20代・30代向けのような気もしなくもないです。 ■悪い点 ・深夜アニメ。少女漫画っぽい演出 opのTVアニメっぽい入り方とか。 「あの夏の~的な」 演出も漫画っぽいというか どこかで見たことがある絵を繋げてくるので新規性無し。 多分「ここで盛り上げようとしているんだろうな」とかは思いましたけど寒かったです。のれなかったので。 ・映像 「背景が綺麗」という評判聞くけどそんなことない。 あまり映像が綺麗じゃない。 アニメなら「アナ雪」の方が圧倒的に綺麗。 実写なら「レヴェナント」 はっきりいってレベルが数段劣る。 又2Dアニメ映像としても前作「言の葉の庭」の方が綺麗。 なんで新作でレベルが落ちてる・・・ 後田舎・都会とも景色があんまり綺麗じゃない。 ほんと写真~。 実際に自分で「綺麗」と思った景色ではなく ネットで画像集めてそれ見て書いたみたいな。 ネット画像の方が綺麗だけど。 体感ない。 普段見ている景色が綺麗に見えるとかはない。 ジブリの映像の方が綺麗。 ・雑さ 高校生の部屋じゃない等々。 ・音楽と絵 このマッチング度が深海作品の売りだったけど 本作は合ってない。 前までは良かったんだけど。 秒速>言の葉>本作品 何気にBGMがないシーンが多い。 付け忘れ?とか思った。 ・動き 動きの面白さはなし 動きは微妙といか深夜アニメっぽい動き。 簡単に言うと普通のTVアニメの動きです。 実際の高校生を観察して魅力的な動きにするとかではない。 動きのアイデアも結構手抜き。 ・キャラ 全然姉妹っぽくない・・・ アニメキャラっぽい・ オタクの妄想のような先輩キャラ&友達キャラ。 ・安い 「予算無いんだろうな」と思う映画です。 背景も所々気合はいってるところあるけど多くはもわっとした背景。 TVアニメレベルのところも多い。 背景書き込んでいるシーンでは雲も草も動かない。 だから季節も感触も分からない。 感触ない。 結構手抜きが多い。 後。人はあまり動かない。 ・まとまり 毎度のことですが。 深海監督の作品は荒いです。 そして今回の映画は映画としてのまとまりもない。 とりあえず皆の意見(多分受けるだろう要素)たくさんいれて 誰もまとめ役がいない映画みたい。 これだと誰が監督やっても同じような映画です。 同じ手法でアメコミ映画みたいに量産できるのではないのでしょうか。 しかし。 アナ雪のように「圧倒的に綺麗な映像」と「見せ場の連続」で見せる映画でもない。 この映画見るとディズニーって映画作るの上手いと思います。 世界中で受けるためにさまざまな要素をいれてきますが 一つ一つの要素をレベル高く仕上げてきます。 まとまりも一定水準以上でくるので。 ディズニー・ハリウッド凄いと思いました。 世界で受ける映画を作ってくるので。 等々。 ジブリ作品を基準にすると荒い点が目立ちます。 田舎っぽさも都会っぽさもないです。 ■よい点 ・とりあえずいっぱい要素をいれまくった点 ・最後は良い感じで終わるのでスッキリ。 ・震災をモチーフにしたねた。 (シン・ゴジラもそうだけど震災をネタにすると映像の質が低くても受けるよね。何故か) ■まとめ 本作。 特にいいところない映画だけど人気なんだよね~。 不思議。 というか私がここ最近「日本」で人気の映画と合わない。 「シン・ゴジラ」「君の名」とか。 (映像的には安っぽくて技術的にも拙いけど評価が高い映画かな) 後。10代にはいいけど。 本作はそれ以降の人には結構きつい内容ではないでしょうか。 (学生ではない人には) 寒いシーンの連続で。 又 「彗星」「入れ替わり」「時間差」とか出てくるけど。 湿っぽくて生命力なく 小さな世界で小さく終わる。 日本らしい映画。 衰退する国みたいな。 「安くて小さい世界」 結構日本の「薄さ」みたいな所を書いている映画だと思います。 ハリウッドと全然違うよね。 ハリウッドなら軍の謎テクノロジーで 宇宙に行って宇宙空間で爆破。 最後は「USA!USA!USA!」とかになりそうだけど。 この映画を見て「日本ってすばらしい」と思うか。 「衰退する国で若者にも活力なく安い国」と思うか。 結構分かれるんじゃないでしょうか。 後。 「アナ雪」はミュージックビデオ的でしたけど。 この作品はそれ程音楽が豊富ではなく無駄に長く。 音楽シーンの映像も「出来がいいとはいえない」ので。 繰り返し見るようなものではないと思います。 →この変はDVDの売り上げで分かるんでしょうけど。 と。 色々思いました。
  • tooooooth
    4.0
    いつもの新海誠の作品! と思った。 余りにも違う違うと言われすぎてて 身構えて観たからかも
  • うに
    -
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「君の名は。」
のレビュー(98466件)