【映像×音楽】ノア・バームバック監督4作品と音楽の素敵な関係

2016.08.28
監督

ドイツ在住、ヨーロッパ映画三昧!

Chihiro

いい映画に欠かせないのが、音楽という存在。2010年代に入り、ミュージシャンがサウンドトラックのスコアが手掛けたり、その時代のミュージックシーンの流行を押さえた楽曲や、今もなお聞き継がれる古き良きロックミュージックなどを劇中に使用する作品が増えました。

その先駆者のひとりでもあるノア・バームバック監督。彼はこれまでにポール・マッカートニーやデヴィッド・ボウイなど1960年代から活躍しているレジェンドの楽曲を中心に、その年代に合わせた選曲を織り交ぜて、映像と音楽を融合させてきました。

7月より公開中の最新監督作『ヤング・アダルト・ニューヨーク』では、同じアメリカ出身のミュージシャン、元LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーが音楽を担当しています。今回はそんな音楽にもこだわりを持つノア・バームバック監督の作品を、“映像×音楽”の視点からピックアップします。

YAN1

(C)2014 InterActiveCorp Films, LLC.

1.『イカとクジラ』(2006年公開)

イカとクジラ

作家としてなかなか芽が出ない大学教授の父と、有名雑誌に寄稿する母を持ちウォルトと弟のフランク。ある日、両親から離婚することを告げられ、ふたりは父と母の家を行き来する生活を余儀なくされて……。

ノア・バームバック監督の実体験がベースとなった本作は、両親の離婚をきっかけに気持ちがバラバラになっていく家族の姿がアイロニックに上げかれています。中でもジェシー・アイゼンバーグ演じるウォルトが、ピンク・フロイドの「Hey You」を弾き語るシーンは印象的。「一緒だったら頑張れるけど、別れてしまったら終わりだ」という哀愁漂う歌詞の一説が、ウォルトの心情とマッチしていて、楽曲選びのセンスがうかがえます

ちなみにサントラには1980年代後半~90年代前半に活動していたバンド、ギャラクシー500のボーカル、ディーン・ウェアハムのバージョンが収録されています。

おすすめ楽曲/Pink Floyd 「Hey You」

2.『ベン・スティラーの人生は最悪だ!』(日本未公開)

夢破れ、定職にもつかずその日暮らしをしている40代の男性、ロジャー・グリーンバーグが、ひとりの女性との出会いをきっかけに幸せを見出す姿を描いた作品。ちなみに本作日本未公開作品でしたが、2016年よりオンデマンドでの視聴が可能になりました。

人生の岐路に立たされた中年男性を『ヤング・アダルト・ニューヨーク』にも出演しているベン・スティラーが、ロジャーが心惹かれる女性、フローレンスを『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグが演じています。また、本作のスコアを担当したのが、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』で再びタッグを組むことになる元LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィー。

サントラにはジェームス・マーフィー名義の楽曲のほか、アルバート・ハモンドやデュラン・デュラン、ソニックスなどオールディーズな楽曲も収録されています。

残念ながらサントラには収録されていませんが、予告編で使用されているLCDサウンドシステムの名曲「All My Friends」は、心が駆け上がるようなアップテンポのサウンドが、徐々に生きる楽しみを見出し始めるロジャーの心情にシンクロしています。サントラと併せてチェックしてみてください。

おすすめ楽曲/LCD Soundsystem 「All My Friends」  

3.『フランシス・ハ』(2014年公開)

フランシス・ハ

(C)Pine District, LLC.

モダンダンサーになることを夢見るフランシスが、親友の結婚をきっかけに、夢に友情に人生に奮闘する姿を描いたガールズ青春ムービー。ノア・バームバック監督のガールフレンドである女優のグレタ・ガーウィグが、大人になりきれないアラサー女子を演じています。

本作の主題歌は、監督がこれでにも何度が楽曲を起用してきたデヴィッド・ボウイの「Modern Love」。友達が結婚しようと、彼氏と別れようと、現実が厳しかろうとお構いなしに自分らしさを貫くフランシスの凛とした姿と、常に新たなことにチャレンジし続け長きにわたって音楽シーンに影響を与えてきたレジェンド、デヴィッド・ボウイの姿が重なります。

劇中ではフランシスがモダンダンスを踊りながら颯爽と街中を駆け回るシーンに使用されていて、疾走感溢れるサウンドともマッチ。そのほかにもモノクロ映画のレトロな雰囲気がしっくりくるTレックスやポール・マッカートニーら古き良き楽曲がサントラには収録されています

おすすめ楽曲/David Bowie「Modern Love」

4.『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2016年公開)

ヤング・アダルト・ニューヨーク

(C)2014 InterActiveCorp Films, LLC.

ベン・スティラーとナオミ・ワッツ演じる“フォーエバー・ヤング”のつもりでいる40代カップルと、アダム・ドライバーアマンダ・セイフライド演じる成功を夢見る20代カップル。

そんな親子ほど年の離れた4人がジェネレーションギャップを感じながらも友情を育んでいくハートフルコメディ。

本作では『グリーンバーグ』から2度目のタッグを組んだジェームス・マーフィーがスコアを手掛けています。サントラにはライオネル・リッチーやデヴィッド・ボウイといったオールディーズな楽曲から、ハイムやジェームス・マーフィーによる楽曲まで幅広い世代を縦横無尽に渡り歩くような選曲で映画の世界を表現

おすすめ楽曲/HAIM「Falling」※原曲バージョン

映画のシーンと一緒に音楽も楽しもう!

YAN2

(C)2014 InterActiveCorp Films, LLC.

オールディーズから最新の音楽シーンまで、映像の世界観に合わせた音楽をセレクトするノア・バームバック監督。特にロックミュージック好きにはたまらない楽曲の数々が使用されているので、映画のシーンごとに音楽も一緒に楽しめるはず。最新作『ヤング・アダルト・ニューヨーク』をチェックするとともに、ぜひ、映像の背景に流れる楽曲にも耳を傾けてみてください。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • IK
    4.0
    序盤、最高におしゃれな2人の生活(20代)にめちゃめちゃ憧れる。SNSが主流の今だからこその映画。スマホでチャチャッと操作すればなんでも手に入る時代に、ああやってCDとかビデオとかをそのまま手にできることの大切さってすごい。人とは違うことをしてる人に憧れる。 40代夫婦が若い2人にはまって行く感じがすごい面白くて爽快。そして裏切られ方も爽快。 テンポの良さと軽さがちょうどよくて心地いい映画だった。とっても好き。仲間と笑い合いながら見るのにはすごくぴったりな映画だと思う!
  • ShioriSakaki
    2.3
    最初の5秒くらいでつまんなそう感あふれでてたのに見ちゃったな〜
  • ogatat
    3.5
    17-018
  • mai2
    3.0
    思ってたのと違ったなあ 最近、こういう感じの映画によくあたる 純粋で、自分を認めてくれて、尊敬してくれて、若さを感じさせてくれて、自分はイケてる人と思わせてくれる。 分かるなぁ。誰だって、カッコいい自分でありたいし、そんな世界を見せてくれる人がウェルカムで迎えてくれたら嬉しいよね でも、相手は利用してるだけだから、こっちもなんか違和感を感じつつも、でも失いたくなくて。 彼の純粋さとか、付け入られちゃう感じとか、すごくすごくよく分かる笑 私もあるなぁ、、 自分のやりたかったこと、近くの人が成功させてっちゃうのを見るのはツライよね。しかも自分が助けてあげててさ、力になってあげてるの。俺はなにやってんだ、て感じだよね。 自分がやりたかったこと、逃げないで向かいあいなってことかな。自分のことを1番に考えてあげられるのは、自分だけだからさ。自分のことが大好きって、最強だよね。だからってなにやってもいいわけじゃないけど、なにに遠慮してんだってことでもある。ビビってなにもしなかったのは自分だ。
「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
のレビュー(3578件)