世界中のファンを虜にした伝説の女優、イングリッド・バーグマンの魅力に迫る

2016.09.17
女優・俳優

愛と自由と無限が大好きな私と、映画

GATS

2015年に生誕100周年を記念を迎えたイングリッド・バーグマン。生まれもった容姿のポテンシャル、演劇学校で身につけた女優としての実力、そしてそれから積んでいった経験が彼女をより美しく魅力的にし、世界中のファンを虜にした。

そんな、かつてオスカーを3度受賞した世界最高大女優の素顔を写したドキュメンタリー映画『イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優』が現在公開中だ。

バーグマン

(C)Mantaray Film AB. All rights reserved. Photo: The Harry Ransom Center, Austin

今回は、彼女の生い立ちと筆者がおすすめする映画を数本紹介したい。

イングリッド・バーグマンという女優

1915年、スウェーデンに生まれたイングリッド・バーグマン。幼くして両親を亡くしたため、子供時代は叔父の元で育てられた。支持された演技の多くは演劇学校と、後に出演する多数の映画で身につけた。その確かな演技力は、名作映画で人気を博し、アカデミー賞に7度ノミネート3度受賞の実力をもつほど。

イングリット

恋多き女優としても有名で、結婚は3度。初婚は一般男性としており、彼との子どもと家庭を築いていた。

1950年代は女優人生の模索や私生活のいざこざ、不倫結婚でスキャンダルが目立ったのも有名な話。2度目の結婚相手、ロベルト・ロッセリーニ監督の映画にも出演し、彼との間に双子の娘を出産し家庭を持つも、数年後に破局。離婚後すぐに演劇関係者との3度目の結婚が報じられ、その結婚生活は20年続いたが、バーグマンが60歳の時にまたもや離婚。

実に自由で、愛と仕事に情熱的な印象がある。彼女は67歳でその生涯を終えるまで、恋愛と仕事に正直に向き合い生涯を全うした最高級の女優なのである。

イングリット

おすすめイングリッド・バーグマン出演作品

名セリフを生みだしたバーグマンの代表作、『カサブランカ』

カサブランカ

Here's looking at you, kid.

君の瞳に乾杯。

このセリフを知らない人がいるだろうか。ロマンチックなこのセリフが有名なことをよそに、特に若い世代にはこの元ネタが『カサブランカ』であることを知らない人が多いようだ。

やはり見どころはイングリッド・バーグマンの美しさ。そして、1943年に開かれた第16回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞が与えられているこの映画が、アメリカを代表する映画なのは言うまでもない。

本作はハリウッドロマンスの先駆けであり、これ以降のラブロマンス映画の基本になった映画である一方、戦争映画と捉えられる見方もあり、アメリカ目線で描かれる歴史映画としても知られている。

つまり、第二次世界大戦中にアメリカで製作されているということと、当時連合国と戦っていた反枢軸国が暗に避難されており、また悪役として描かれていることこそが、本作がプロパガンダ的映画であると言われる根拠である。

名セリフ、当時の前衛ラブロマンス、歴史的戦争映画、そして美しきイングリッド・バーグマンは必見である。

精神を震わせたロマンスとサスペンスの融合、『白い恐怖』

白い恐怖

サスペンスの神様、アルフレッド・ヒッチコック監督、またデザイン面でスペインの画家、サルバドール・ダリが携わっている本作。

イングリッド・バーグマンの存在がややかき消されがちではある本作。しかし、当時、女優人生絶頂期とも言われた彼女のその美貌と演技力が支持された理由が、最も明確にわかるのがこの作品だ。無論、彼女の美しさ無くして、この映画の完成はない。

バーグマン演じるコンスタンスは精神病院に勤めており、研究や仕事に熱心で恋愛とは一線を引いていたが、新任所長のエドワード博士と名乗る男がやってきて、一目惚れの恋に落ちてしまう。エドワードは、白に縞のある模様を見ると発作を起こすという奇妙な病癖を患っており、後には記憶喪失であることがわかる。

やがて偽のエドワードに向けられる容疑の目から逃れるため、本物のエドワードについて、そして彼自身の記憶喪失について二人で記憶をたどっていくが、話は思わぬ方向にコマを進めて行く。

ヒッチコックやダリの演出が狂気的緊迫感を催し、バーグマンの献身的な務めや、サスペンスとラブロマンスのコントラストが魅力的な『白い恐怖』は、バーグマンが出演している作品の中でも、筆者個人としては一番おすすめしたい作品だ。

そのほか、バーグマンの代表作

ガス燈

以上の作品は、筆者がイングリッド・バーグマンの魅力を特に感じ取れた作品であるが、ほかにも彼女の代表作とうたわれる作品は多い。

バーグマンが初めてオスカーを受賞し、世界にその名を知らしめた『ガス燈』や、ロシアの皇女が存命した伝説が元ネタで『カサブランカ』に劣らない歴史的大ドラマ『追想』、多数豪華キャストの中、その存在感と貫禄を見せつける極上サスペンス『オリエント急行殺人事件』などが主に上げられる。

終わりに

主に得意とした映画にラブロマンスが多く、彼女のプライベートシーンでもそれは変わりはなく、恋多き女優であった。

イングリット

公開中のドキュメンタリー映画にもそのことは多く語られる。イングリッド・バーグマンいかにして世界的大スターまで上りつめたのか。プライベート映像や手紙、日記、また彼女の子供、仕事仲間の協力を通し、彼女の全てがよみがえる。

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  • 佐藤
    -
    そうそう、愛ってそういうこと
  • あきちゃん
    3.8
    イングリッド・バーグマンのドキュメンタリー映画。 写真や友人との手紙などの思い出の品を彼女は全て残していたというだけあってプライベートフィルムの多さには驚きです。 「私のことを決めるのは私」と常に自分の心に正直に生きていてそれ故に波乱万丈だけど子供の達への愛情はとても深い。 フィルムの中のチャーミングな笑顔がとても印象に残りました。
  • みおこし
    3.2
    女優イングリッド・バーグマンの波乱万丈の生涯に迫った正統派ドキュメンタリー。 バーグマンの熱狂的ファンというわけではなく、クラシック映画を代表する綺麗な女優さんだなあという認識でいました。 まあとにかく波乱の連続。ご家族をすぐにほとんど亡くし、単身でスウェーデンからアメリカに飛び出したイングリッド。 清楚なイメージとは対照的に、何度も情熱的な恋に走る人だった。 女優としての強い信念を持っていて、演技への妥協も一切しない女性。まるで『風と共に去りぬ』のスカーレットみたいな人だなあと。 風共マニアとしては、プロデューサーのセルズニックが彼女を見初めたエピソードや、二代目監督ヴィクター・フレミングとのエピソードが胸熱でした。素晴らしい才能をさらに引き出す当時の製作陣の眼力にも脱帽でございます...。 デビュー当時のカメラテストのイングリッドのずば抜けた美貌とカリスマ性は確かに凄まじいものがありました! 父親の違うお子さんたちが皆さん出演してお母さんの話をしてて、いろんなことが会ってる複雑な思いしたに決まってるのに、素晴らしいなと感動...。 イザベラ・ロッセリーニだいぶ雰囲気変わってて時間の経過も実感しました(笑)。 イングリッド自身は魅力的だけど、全体的にテンポが遅くて眠くなってしまったのが残念...。 あともう少しイングリッドにまつわる他のスターたちの様子も見たかった!!
  • SayakaHagimori
    3.2
    美しい人 少し退屈だった
  • ドリーに乗って
    4.3
    激情の女優の人生かと思いきや、家族の中で常に微笑む彼女を見ていたら、心和んだ。それにしても晩年まで美しく輝いていたのは本物!!
  • なのはな
    -
    出演した往年の名作が映し出されたり、世間を騒がせたスキャンダルのことも大いに語られるけど、大部分はほのぼのとした子供達とのプライベートショットと、彼女自身が書き記した日記や手紙。すごい情報量。 ただの女優ではなく、ただの母親でもなく、ひとりの人間であるバーグマンの姿。 相反するように見える彼女のいろんな一面が、矛盾しているんじゃなく、それで均衡を保ってるというか、ちゃんと一本の線で繋がってるように見えた。 細い綱の上で踊っているみたいな、わりとぎりぎりのところで生き延びている、という印象。 でもまったく憐れに見えないのは、自分のために生きているから。 とても強く美しく、自由で清々しい。 途中、恋人だったロバート・キャパからのメッセージには心底痺れました。
  • chan7
    3.0
    波瀾万丈の人生って観ていて飽きないな。親子のDNAを実感。周りは目まぐるしく変わっていくものだから、不変の世界ってだいじ。
  • Lara
    -
    どこから撮られても美しく、本当の笑顔で笑うことができる女性、
  • かや
    3.8
    今年公開映画181本目。 私は多くは望まない。ただすべてを手にいれたいだけなの。 役者としてのイングリッドバーグマンではなく、イングリッドバーグマンという一人の女性を映す、親しみのあるドキュメンタリーだった。 また、名作のワンシーンをスクリーンで観れたり、ホームビデオを観ることができる嬉しい作品である。 好きな女優は?って聞かれたら、必ずイングリッドバーグマンとオードリーヘプバーンと答える。 大して出演作を観ているわけではないが、この2人は美しいだけでなく、なんか自然と人を惹き付ける魅力があると思う。 見ただけで衝撃を受けたのは、イングリッドバーグマンが初めてで、そんな人のドキュメンタリーが観れるってだけで嬉しくてたまらなかった。 本作を観て、イングリッドバーグマンという女性は、自分の気持ちにとてつもなく正直に生きた人なんだと思った。 夫がいようと、子どもがいようと、この人の方が好きだって思ったら、その人と結婚してしまう。 実際不倫スキャンダルで叩かれ、一時期アメリカ映画に出演できなかったが。 普通はしたらダメだなって思い止まるところなのにそうすることができない。 なぜなら演じることが好きだったから。 「私は内気だが、内には獅子がいた」と、また「安定が嫌いで冒険を望む」という言葉通り、役者であり続けたいという夢のために生きた人だと感じた。 内気な自分が嫌いで、演技をすることで色々な自分を作り出す。 例え周りからどう見られようと、自由奔放だと思われようと、自分であるために、したいと思ったことを貫き通す。 コンプレックスを力と夢に変え、ひたすら真っ直ぐに正直に役者であり続けた。 なるべくして名女優になった人なんだとつくづく思う。 すべてを手に入れたいなんて言うと欲深き傲慢な人間のように思えるが、全くそうは見えない。 何故なら本来我々が望む自分の気持ちに正直に生きていたからだ。 もはや羨ましくも思える。 早すぎる両親の死やスキャンダルによるバッシングなど順風満帆ではなかったはずなのに、これだけ世界中で今なお愛される女優であることが凄さを物語っている。 「追想」でアカデミー賞主演女優賞に輝いた時の、ケイリーグラントの代理スピーチにグッときた。 そして同じくスウェーデン出身のアリシアヴィキャンデルがナレーションを務めており、イングリッドバーグマンの夢がアリシアヴィキャンデルに受け継がれているような気にさせられた。 イングリッドバーグマンファンにはたまらない作品である。
  • yayuyo
    4.0
    私の住む地域ではやっと上映開始。 おじいちゃん・おばあちゃん達が沢山劇場に駆けつけていらっしゃいました! イングリッド・バーグマンの子供たちや友人の手紙、プライベートフィルムなどを通し、彼女の女優として、そして母としての素顔に迫ります。 この映画の公開が待ちきれず、『カサブランカ』や『ガス燈』をはじめヒッチコックやロッセリーニ作品等…彼女が出演した映画をDVDで色々鑑賞したけれど、 やはり今回スクリーンいっぱいに映るイングリッド・バーグマンを見れた事が何よりも嬉しい。 スウェーデン時代の映画もちらっと映りましたが、この頃の作品は『六月の雨』しか見た事がないので、いつかチェックしたいと思います。 整った顔立ちなので上品で清楚なイメージだったけれど、それを良い意味で裏切ってくれました。 プライベートフィルムや娘たちの証言からは一緒にいるのが楽しくなるような、 とてもチャーミングな人だという事が伝わってきます。 そして、自由奔放に見えるけれどしっかりと自分の信念を持った人。 自分にも他人にも嘘をつかず、信念の元に行動する。 そのバイタリティに驚きました。 歯は磨いたか、宿題はしたか…そんな母親らしい事は何も言わなかったけれど、 彼女が友人と交わした何十通もの手紙の内容は意外や意外、子供達についての内容ばかりだったと言います。 離婚や仕事の関係で家族と離れ離れに暮らすのはあまりに子供が可哀想だと途中思いましたが、 幼い頃に両親を亡くし兄弟もいなかったバーグマン。 愛情を求める一方で、ひょっとしたら愛情表現は上手でなかったのかもしれませんね。 演じる事が大好きで、それに全てを捧げた人生。改めてこの大女優に魅了され、自然と目が潤みました。
  • gon
    3.8
    20161105 KBCシネマ
  • べるまちゃん
    4.2
    これはクラシック映画ファンには嬉しすぎる映画。 外野が何を言おうが、自分の生き方を貫き通す姿に感銘を受けた。良妻賢母ではなかったかもしれない。身勝手な生き方だったかもしれない。けれど彼女は自分の生き方に責任を持って、全力で人生を駆け抜けた。その勇気と情熱に拍手を送りたい。 それにしても、今になってバーグマンの秘蔵映像がこんなにたくさん観られるなんて! 作ってくれてありがとう。感謝の思いしかないです。
  • 3.8
    特別なファンだから観に行ったというよりは、このドキュメンタリーを観てファンになった。あんまりドキュメンタリーは見慣れてないし、起承転結があるわけでもないからって、鑑賞中に退屈しないかななんて心配した私のとんだ無礼をお許しください、と頭を下げたくなるくらいたくさんの魅力がスクリーンいっぱいに広がる作品で、とても満足度が高い作品だった。 クラシック映画の女優さんと言えば必ず名が上がるイングリッド・バーグマン。ただ、私がフルで観たことがあるのは『カサブランカ』だけで(この作品は大好きだから大学生になってからだけでも3回は観た)、他の作品で最後まで観たものはなかった。『カサブランカ』のワンシーンがスクリーンに映し出されたときは息を飲むくらい感動したから、他のも観ておけば「あの名作を!今!スクリーンで観てる!」って感動できたかもと思うと、惜しいことしたなあ。今回も定番のおじいちゃんおばあちゃんに囲まれての鑑賞だったから、当時から彼女のファンだったひとたちが来てたのかもしれない。 でも、この映画はやっぱりドキュメンタリーで、名女優イングリット・バーグマンだけじゃなくて、イングリット・バーグマンっていうひとりの女性を描いた作品だから、より人間味があって新鮮だったんじゃないかな。実際に彼女と共演した女優や実の子どもたちが言うように、本当にチャーミングなひとだったんだな、と思わずにはいられない生き生きとした表情が本当に素敵だった。なんというか、あれだけ品があってなおかつ愛嬌があるひとって実在するんだなって。これまで、愛らしい女優さんと言えばオードリー・ヘップバーンだったけど、この作品を観たらこれからは愛らしい女優さんと言えばイングリット・バーグマン、って答えちゃいそうなくらい可愛らしかった。オードリーはほっそりしてるけど、イングリットは正面から見ると顔は丸めで、歯を見せて笑う姿が愛おしくて、でも横顔がびっくりしちゃうくらい整ってて、気品と愛嬌が完璧に均衡を保ってる。彼女が歳を重ねていく様を順に見ていって、ノーメイクの若かりし頃のカラー映像に戻るシーンではほんとに心臓が止まった。まさに、古典クラシックの美。無垢であどけない視線を向けながら、もはや人工物かなと思ってしまうくらい完成された美の両義性は怖いくらい。 でも、彼女のすごさは、あんなにチャーミングで聖女のような見た目からは想像がつかないくらい、自由奔放で芯のある強いひとなんだってところにある。何も隠さないし、自分にも他人にも嘘をつかない、批判はすべて真正面から受け止める。ものもはっきり言うし、とにかく思い切りと行動力がずば抜けてるひとだった。安定を決して求めず、いつだって新しいことに自分から飛び込んでいくタイプの人間。彼女自身の言葉に「聖女と見られて娼婦となり、また聖女になった」みたいな台詞があったけど、絶世の美女として映画界で脚光を浴び、不倫騒動で非難され、また華麗にカムバックした彼女はまさにそう。そんな彼女の人生を見てみたら、ジャンヌ・ダルクに憧れ演じた彼女自身が、違う時代を生きるジャンヌ・ダルクに見えてくる。 彼女は邦題のように愛に生きたのではなく、夢に生きた女優だと感じた。映画への愛に生きてる、ってことと母親としての子ども愛をかけての邦題なのかもしれない(ホームビデオに映る彼女の幸せそうな姿は見てるだけで幸福になる)けど、何よりも自分の気持ちに真っ直ぐに生きる彼女は、愛じゃなくて夢に生きてたと思う。 女優になった理由も、女優を続けた理由も、夢に生きたかったからだ。「演じることが好きだった」という一見ポジティブな台詞は、実は「現実世界の内気な自分が嫌だった」という消極的な理由から来ている。「私は世界一内気だけど、内には獅子を飼っていた」。現実世界での内気な彼女の沈黙こそが、彼女に映画という想像の世界で羽ばたく機会を与えたんじゃないかと思う。その沈黙の中に閉じ込められた、現実世界では死んだ彼女と彼女の言葉が生きる場所が、他人として振る舞う、台詞も動きもすべて決まっている映画界だったんだろう。その場で言葉も動作も作り出さなくてはいけない現実世界では内気だった分、演技という味方をつけた彼女が映画や舞台に見出した魅力と可能性は本当に大きかったんだと思う。だから言語や考え方の壁も越えて、彼女は彼女の力で自分の世界を広げた。 この映画ではホームビデオがかなりの割合を占めている。他人のホームビデオなんて退屈しないかな、なんて思ったら大間違い。ビデオ撮影の天才かなと思うくらい、本当に素敵な人生のワンシーンばかりで、その「思い出、過去を保存する才能」には驚かされた。飾らない素の母親としての彼女も、妻としての彼女も、周りではしゃぐ家族の姿も本当に微笑ましい。印象的なのはプールのシーン。ホームビデオの中でも圧倒的に多いのがプールで撮影された思い出たちで、キラキラ光る水面と、少女のようにはじける笑顔を見せる彼女が眩しかったしみずみずしかった。仕事への熱意や強情っぷりはどこにいったんだろうってくらいお茶目なビデオがたくさんで、改めて数え切れない魅力を持ち合わせてるんだなと感じる。幼い頃に両親を亡くした彼女が、父の愛したレンズ越しの世界を自ら作り出し、自分の糧とする様が愛おしかった。誰よりも思い出の持つ温かさを知っているから、あんな素敵なビデオが撮れたんだと思う。 また、浮気騒動で波乱万丈な人生を送り、結果として国から国へ渡り住んだ彼女が、絶対に過去のものを捨てずに全部持ち運んだというエピソードもぐっとくる。ひとりでいる時間が多いからこそ、そのひとの温もりが感じられるものや、思い出の詰まった大切な品といつも一緒にいたかったんだろうね。新しいことにひとりで果敢にチャレンジしながらも、昔の思い出や周りとのつながりを人一倍大切にするその人間らしさと、決して直接はひとを頼らない彼女の強さと弱さを見た気がした。 子供たちとの関係も一般的な母子ではないし、批判の声もあるだろうけど、それでもあれだけ真っ直ぐ自分に正直に生きられる彼女を私はは称賛したいと思う。彼女は身勝手だから自分のやりたいことをとことんしたんじゃなくて、家族のためにも好きなことに取り組む女優としての彼女を演じ続けた。自分の在り方をこれ以上ないくらいにわかっているひとだった。 色褪せない名作の数々と、彼女自身の生き方。可憐な表情と品のある仕草で振る舞いながら、力強く低い声で喋る彼女は、いつまでも夢に生きる伝説の女優であり続ける。 「私は多くは望まない。ただすべてを手に入れたいだけなの」他のひとが言えば傲慢に聞こえるのに、イングリットが口にすればひとを惹きつけてしまうその力は、どんな形容詞でも表せない。きっとそれは、「イングリット・バーグマン」というたったひとつしかない魅力なんだろう。
  • hohry
    3.8
    19才からスェーデン、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランスと映画と恋愛に生き。素晴らしい作品と娘を産んだ絶世の美女。スキャンダルも演技も人並み外れている。冒険心溢れる人生観が彼女を磨きあげたのだろう。晩年のベルイマン作品でみせたノーメークも美しかった。
  • RyoS
    3.6
    イングリッド・バーグマンの人生の歩みが分かる。大量のホームビデオに驚いた。バーグマンの映画への底知れぬ情熱は素晴らしいと思うが、離婚して面倒をあまり見ないとか、子供があまりにかわいそうであった。
  • まぁ
    4.0
    女優の顔も勿論映りますが、 この作品の中のバーグマンは、 家庭人…特に「母親」の顔が沢山でした。 彼女の肉声や、沢山のホームビデオ、写真から、 子どもたちの事を本当に愛していたのだな…と強く思いました。 また、子どもたちも本音で語っていて…☆ 飾らないバーグマンと子どもたちに、とても好感を持ちました。 バーグマン…とても正直な女優さんだったのだな…と、 改めて、彼女に魅了されました…(*^^*)
  • tomatoK
    -
    2016.10.05 キネマ旬報シアター
  • CineGorilla
    4.2
    本人の日記と関係者のインタビューで明かされていく、力強く、しなやかなその人生が、爽快でステキだった。
  • undo
    3.8
    レンズ越しの愛を探して。 イングリッド・バーグマン生誕100周年記念ドキュメンタリー作品。 愛と映画に生きた大女優、バーグマンの足跡を辿る。彼女の魅力とは。 出演作やトーク番組のゲストとして登場した際の女優としての顔はもちろん、プライベート映像や日記、手紙などから彼女の素顔にも迫る内容。 それにしても先週のビートルズ映画に続いてエド・サリヴァンの顔を2週連続でスクリーンで見ることになるとは。 クラシック名画をいろいろ観ていると、当然美しい女優さん達をたくさん見ることになるわけで、その中でも、さらに抜き出たクラスの人たちがいる。 ヴィヴィアン・リー、グレース・ケリー、デボラ・カー、オードリー・ヘップバーン、アヌーク・エーメ…。 そしてイングリッド・バーグマン。 彼女は美しさだけでなく、上記の誰よりも、どこか愛嬌の良さを感じる貴重な存在。一番健康的というか。 本作を見て、彼女の印象は、恋多きアクティブな自由人。そして、撮ることも撮られることも好きな、生まれながらの女優であること。 両親を幼い時に相次いで亡くした影響か、愛に飢えていたのかな、とも思ったり。 本作は資料的価値は高そうだが、衝撃の事実が明らかになるわけでもないので、見る人によっては退屈してしまうかも。 私は、「カサブランカ」や「秋のソナタ」、ロッセリーニの「無防備都市」(しかもあの有名なシーン)がほんの少しだけでもスクリーンで観れたことで目がウルウル。もっと見せて! とても素晴らしかったのが、アリシア・ヴィキャンデルのナレーション。日記などは当然スウェーデン語なので、同郷で、かつ、大女優への道を歩みつつあるアリシアはまさに適任。 声も素晴らしくて、本人以上にバーグマンのイメージに近いような気さえした。 他に印象に残った点としては、イザベラ・ロッセリーニは、顔だけでなく性格も一番お母さんに似たのかな、とか。 ファンの方は言われないでも観ると思うけど、そうじゃない人でも映画史の補完としてそれなりに有用な作品。
  • Young
    3.3
    自由過ぎてすごい。人生をもっと楽しもうと思った。
  • eddiecoyle
    2.0
    人の家のホームビデオを延々見せられるのは辛いが、おかんがイングリッド・バーグマンでもそれは変わらず。まあ彼女はべらぼうに美しいのですが。
  • りりー
    3.5
    なんてかっこいい女性でしょう!
  • kagikkt
    3.8
    プライベートフィルムの多さにビックリ。 家庭人しては破天荒な生き方で 見習うところはないけれど、 バーグマンだからこそ よく似合うカッコいい 生き方だった。
  • メル
    3.9
    幼い頃からの日記、親友への手紙、バーグマン本人が撮影した家族のビデオフィルムを中心に母親として、女優としてのイングリット・バーグマンが語られていく。 家庭も子供も大切、それと同じくらいカメラの前で演技をする女優としての仕事が好き。 そして自分の心に正直にしか生きられない女性だった。 スキャンダルとか不祥事という言葉は彼女を傷付ける為にマスコミが勝手に使っているだけで、それに対して「私の人生に他人は関係ない」と言い切れる所に芯の強さが感じられる。 彼女の子供達は、女優の母親を持って淋しい思いをした子供時代をそれぞれ口にするけれど、同じ女優として活躍したイザベラ・ロッセリーニだけは十分に母親を理解出来たのかも知れない。 作品の中のバーグマンは勿論美しいけれど、ホームビデオの中の母親としての彼女は正に太陽の様にキラキラとして写っている。 そんなお母さんにはもっともっと側に居て欲しかったのでしょうね、子供達としては。 最後の映画作品となった「秋のソナタ」で共演したリヴ・ウルマンと舞台で共演したというシガニー・ウィーバーのプライベートインタビューは興味深かった。 アリシア・ヴィキャンデルのナレーションも心地良い。 副題の意訳し過ぎ、センスの無さ、何とかして〜と言いたい。 In her own words 〜彼女自身が語った事〜 が何故「愛に生きた女優」なんて時代錯誤で陳腐な表現に…!?(・_・;?
  • のこ
    3.5
    スラッとした北欧美人、愛くるしい目と鼻の形が綺麗!大画面アップで観ても美しい~(^-^) 離婚再婚、離婚とスキャンダル多いけど、子供を凄く可愛がる素敵なママ! 仕事も積極的にどんどん新しいものに挑戦していく キャリアウーマンのようにも感じた!(^-^) 年を取っても仕事がしたくて、40,50代~スクリーンでの顔アップに自信がなく、監督にまた別のファンが付くからと言われても、 演劇に転向~こちらでも力いっぱいがんばった! 女優になって~ プール付きの家に住みたい~ 自分の願いを自分の力でゲットしていく、可愛い顔してるけど、とてもパワフルな女性! 泳ぎもさまにになって~飛び板からの高飛び込み、水上スキーは、見事! イングリッドバーグマンの美しい容姿と、自然な正直な姿に最後まで観入って~! 彼女の映画は、ほとんど観てないのでまた機会があれば~(^-^)
  • いけだん
    3.7
    イングリッド・バーグマンが、自らが記録したホームビデオや手紙や日記を中心に、彼女の4人の子供たちから見たイングリッド・バーグマンを紹介した作品。 作品の中の彼女とは違う、女性としての母親としてのイングリッド・バーグマンを伺い知ることができる貴重な作品でした。 イングリッド・バーグマンがなぜホームビデオを撮ることが好きだったのか?カメラマンの男性に惹かれる理由は何なのか?その答えのようなものを知った時、思わず唸りました。 母親としてのイングリッド・バーグマンは、決して称えられるものではないと思います。それでも母親を肯定する息子たちを観ていると、この作品はイングリッド・バーグマンを評価するものではなく、称えるものであることを感じます。 最初の夫の間に生まれた長女が、18歳頃の映像があるのですが、イングリッド・バーグマンに雰囲気も似てとても美人で、性格も似ている話しぶりだったことにも驚きでした。 イングリッド・バーグマンのファンであれば、必見の作品です。 ちなにみ、鑑賞者は普段の映画に比べて圧倒的に年齢層が高かったです。
  • caramel
    2.8
    改めて、イングリッド・バーグマンって、品があって可愛らしく、嫌味のない美しさが本当に素敵。 屈託のない笑顔はまさに「チャーミング」そのもの。 女優イングリッド・バーグマンの魅力はのこっている作品を観れば一目瞭然なのだけど、この作品は子供たちへのインタビューも混ぜながら、イングリッドが家族や親友に当てた手紙、そして彼女自身が撮ったホームビデオを中心に構成されているので、妻として母としてのイングリッド・バーグマンを見ることができる。 子供たちは最後まで自分らしく生きることを貫いた母を称えながらも「当時は寂しくて仕方なかった」と正直に、笑いながら話す。いい親子だなぁ、と思いました。 そういう関係に昇華することができたのも、愛情深く、誠実なイングリッドだからこそなのかな。 一見奔放な生き方にも見えるけど、本作を観て彼女の愛は常に誠実で、いつも深く考えながら行動しているのがよくわかりました。(思い出の手がかりになる写真やホームビデオ、さまざまなものを捨てなかったのもそういう考え方からなんだろうな) とにかく素敵な女優さんですが、ひとりの女性としても彼女をより大好きになってしまうドキュメンタリーでした
  • ササミ
    3.8
    さすが、名女優。 そんなに暗記力ないんで、 ちと詳細は忘れちゃったけど、 劇中で彼女が遺した、 心に響く名言をいくつか。 「私は多くを望まない ただすべてが欲しいだけ」 …逆説的なようでいて、言い得て妙。 「成功は不運より悲惨で 人の堕落をもたらすものだ」 …すごくわかる。だから幸せの絶頂ほど、実は不幸を望んで安心する時ある。 「別れることによって 私たちは末永く幸せに暮らせる」 …とても分かる。幸せのカタチは様々。 「当然傷ついたけど 私の人生に他人は関係ない 私を葬って ハリウッドが繁栄すればいい」 …素晴らしい。働く女性の鑑。 イングリッド・バーグマンが女優になることは、彼女を死の縁から、孤独から、寂しさや辛さから救う唯一の方法だったんだろう。 これが映画の感想。 人の生き方を否定する前に 自分の生き方を見直してみろ。 これが私の伝えたい意見。 私の生き方を決めるのは私 人生には変化がある だからこそ必要なのは「変わらない場所」だ        
  • Sおさむ
    3.5
    美し過ぎる
  • miyabi
    3.5
    こんな美しい女優さん、後にも先にもいない!可愛さ!知的さ! いや、昔は、いっぱいいたかな? カメラマンが上手なのか、監督が兎に角女優を綺麗に写すのか、監督が女優に惚れるからか。今のカメラの方が、数百倍も性能良いだろうに。 あのスクリーンいっぱいに写ったバーグマンの顔! 白黒だからなのか、映像の美しさなのか。 女優である前に、女であり、母であり。でも、女であり続けたい。 久しぶりのスクリーンのバーグマン。ばかり見ていた!
「イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優」
のレビュー(81件)