『ダーティ・グランパ』公開記念、やりすぎ演技さく裂!なロバート・デ・ニーロ作品選

2016.12.30
女優・俳優

気づいたら映画ファンになっていた

松平光冬

2017年の年明け早々に、1本のコメディ映画が公開される。

すでに世界37か国以上で初登場トップ10入りを果たすヒットを記録したという、ロバート・デ・ニーロ主演の『ダーティ・グランパ』だ。

グランパ

(C)2016 DG LICENSING, LLC

デ・ニーロといえば、『ゴッドファーザーPART II』や『レイジング・ブル』で2度のアカデミー賞に輝く名優。

代表作も『タクシードライバー』など数えきれないほどあれば、近年では『マイ・インターン』での好々爺ぶりや、『ジョイ/JOY』(日本劇場未公開作品。2017年にDVDリリース予定。)でのジェニファー・ローレンス演じるヒロインの父親役など、年齢に沿った役柄が増えてきている。

しかし、彼の魅力が発揮されるのは、役柄に合わせて体型や風貌を変えるメソッド、“デ・ニーロ・アプローチ”でも知られるように、徹底的に作り込んだ演技にある。

そんな彼のやりすぎ演技が久々に見られる『ダーティ・グランパ』の簡単な見どころも含め、そんなトガったフィルモグラフィを抜粋して紹介しようと思う。

『ダーティ・グランパ』のあらすじと見どころ

あらすじ

1週間後に結婚を控えた弁護士のジェイソンは、祖母の突然の訃報を受けて葬儀に駆けつける。そこには妻を失い意気消沈する祖父ディックの姿があった。ディックは孫に、妻の思い出の地であるフロリダまでのドライブ旅行への同行を求める。

じいちゃん孝行になればと同行することにしたジェイソンだが、ディックは朝から酒を飲んだり、ゴルフ場で大暴れしたり、しまいにはデイトナビーチで若い女性をナンパしまくったりと、前日に気落ちしていた人物とは思えないほどの大騒ぎぶりでジェイソンを困らせる。

果たしてディックの行動の真意は?そして真逆な2人の珍道中の行く末はいかに?

見どころ

本作の最大の注目は、とにかくディック役のデ・ニーロの暴走演技にある。

実年齢(73歳)を感じさせない暴れっぷりや脱ぎっぷり(!)を披露したり、下ネタも連発すればカラオケでラップも披露する。徹底的に破天荒な役どころだが、これまでいろんな役をこなしてきたデ・ニーロならでは。

一方の、生真面目な性格だったのが次第に祖父に感化されていくジェイソンを演じたザック・エフロンにも注目。超がつく程のバカ大学生を演じていた『ネイバーズ』と見比べてみるのもいいかも。

なお監督のダン・メイザーは、『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』、『ブルーノ』、『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』といった、一連のサシャ・バロン・コーエン主演のやりすぎコメディで脚本や製作を担当していた人物。

監督のフィルモグラフィだけ見ても、『ダーティ・グランパ』のテイストが想像できると思う。

演技が“イッチャッてる”デ・ニーロが見られる作品

ここで、役どころがはっちゃけているキレキレなデ・ニーロが見られる作品をいくつか。特に『タクシードライバー』や『アンタッチャブル』とのような、比較的知られている作品以外のものを中心に抜粋。

ただし、これらを一気に観ると胸ヤケしてしまう可能性があるので、『ミッドナイト・ラン』や『RONIN』といった、渋くてカッコいいデ・ニーロ出演作を間にはさむといいかも。

『血まみれギャングママ』:若くて血気盛んなデ・ニーロが爆発

ギャング

1930年代のアメリカに実在したとされる、4人の息子を率いて銀行強盗を繰り返した母親ケイト・バーカーを描いた、“B級映画の帝王”ロジャー・コーマン監督作品。

クセ者だらけな4人の息子の中でドラッグ中毒の四男を演じた若きデ・ニーロは、役づくりで中毒者に見えるよう飲み物しか口にせずに体を絞ったり(一説にはシンナーまで吸っていたとも)、無免許にもかかわらず車を運転したりしている

デ・ニーロ・アプローチは、すでにここから始まっていたのだ。

『キング・オブ・コメディ』:コメディアン志望者が起こす常軌を逸した行動

キンコメ

幼少時からコメディアンを目指すも、いっこうに陽の目を見ない男パプキンが、熱狂的に追っかけをしている有名コメディアンのラングフォードに憧れるあまり、次第に常軌を逸した行動を取るようになっていく。

デ・ニーロ演じるパプキンがしつこくねちっこくラングフォードにつきまとう様は、もはやストーカーというより付き人と言った方がしっくりくるほどの気持ち悪さ。その度合は、映画通で知られるタレントの小堺一機が劇場で観ていて、あまりのデ・ニーロの演技に気分が悪くなりトイレで嘔吐しそうになったというほど。

行動の果てにたどり着いたブラックすぎるラストも必見。「どん底で終わるより一夜の王でありたい」という、パプキンのセリフが実に重い。

『ケープ・フィアー』:法規スレスレで嫌がらせをする男の復讐劇

ケープ

婦女暴行罪で有罪となるも、裁判で職務を全うしなかった弁護士サムを恨み、刑務所内で法律を学び出所した男マックスの復讐劇を描いたスリラー。

1962年の映画 『恐怖の岬』のリメイクだが、マックス役のデ・ニーロの徹底した演技で恐怖度が格段にパワーアップ。法を破らない方法で、ありとあらゆる嫌がらせをサム一家にしていく気持ち悪さがたまらない。

マックスの気持ち悪さを際立たせるため、デ・ニーロは歯並びをガタガタにして、撮影後に再び矯正しなおすという相変わらずのアプローチを施している。

『ザ・ファン』:ファンとは「応援者」か「狂信者」か

ファン

メジャーリーグの人気選手ボビーを応援する孤独な中年男ギルが、日々のストレスが溜まっていくにつれその応援がエスカレートし、ついにボビーに逸脱した行動をするように…

タイトルの「ザ・ファン」には、応援をする「ファン」と狂信者という意味の「ファナティック(fanatic)」の略語の、二重の意味がある。

「ストーカー」という言葉が浸透しだした頃に製作されたということもあり、ストーカーもの映画の代表格とされているが、デ・ニーロ扮するギルに同情の余地を持たせる作りになっているのもポイント。

『リベンジ・マッチ』:ロッキー・バルボアvsジェイク・ラモッタ

リベンジ

(C)2014 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.

過去に遺恨を残した2人の元ボクサー、ヘンリー(シルヴェスター・スタローン)とビリー(デ・ニーロ)が30年ぶりに互いのプライドをかけグローブを交わすこととなる模様を描いたコメディ。スタローン(『ロッキー』)とデ・ニーロ(『レイジング・ブル』)という、お互いにボクシング映画を代表作に持つ両者による、セルフパロディ的な要素も持ち合わせている。

企画が最初に挙がった際、スタローンよりデ・ニーロの方が製作にノリ気になっていたらしく、そのせいもあってかお調子者のビリーを楽しく演じている。ある種、『ダーティ・グランパ』でのディック役を彷彿とさせる。

2人とも60歳を超えていたにもかかわらず、しっかりと体を作ってボクシングに臨んでいる辺りはさすがとしかいいようがない。

『ダーティ・グランパ』は、毒っ気たっぷりな『マイ・インターン』

最後に再度『ダーティ・グランパ』について。

内容からしてハチャメチャな上に下ネタも満載ゆえ(レイティングはR15+)、万人におススメとは言いにくい面もある。それが理由なのか、TIME誌が選ぶ2016年映画ワースト10で堂々ワースト3にランクインされてしまった(ちなみにワースト1は『X-MEN:アポカリプス』)。

しかし、世代を超えた老人と孫のバディ・ロードムービーとして楽しめるし、何といっても老人がメンターとして若者に指南するという、『マイ・インターン』と共通する部分もあるのは強調しておきたい。

毒っ気たっぷりなデ・ニーロのメンターぶりも魅力な『ダーティ・グランパ』。

年末年始のテレビ特番を観終わって、刺激的な笑いを欲したくなった方にはぜひとも。

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  • Ringo
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    下品でおもろい!笑
  • たけるさん
    4.7
    デニーロ爺さんサイコー過ぎるな
  • maipoyox
    3.9
    ザックエフロンとロバートデニーロ最強のコンビすぎる!
  • ゆっきー
    3.0
    ロバートデニーロとザックエフロンのコンビが終始、ニコニコ、イライラさせてくれました。さすが洋画!という感じのエロが沢山ありました。ロバートデニーロはダンディで、ザックエフロンは相変わらず良い体です。
  • まさや
    4.3
    記録
「ダーティ・グランパ」
のレビュー(2184件)