アジアの知られざる才能に出会える映画祭!「東京フィルメックス」ルポ

2016.12.01
映画祭・イベント

映画と本とコーヒーと。

藤ノゾミ

東京国際映画祭から街の小さなイベントまで、映画祭が目白押しの秋から冬。皆さんはどこに足を運ばれましたか?

私が毎年楽しみにしているのは、アジアの新しい才能が集う国際映画祭「東京フィルメックス」。今年も11月19~27日の9日間、イランやイスラエル、フィリピン、台湾などなど、アジアならではの独創的な映画世界をたっぷり堪能してきました。

上映作品はこれから劇場公開されるものもあり、映画祭が終わった後も要チェック!今年から新たに設けられた「Filmarks賞」の結果とあわせ、東京フィルメックスの魅力を紹介します。

西島秀俊『CUT』はフィルメックスから生まれた!

東京フィルメックスが初めて開催されたのは2000年今年で17回目を迎えました。

今でこそアジア映画は、今年のヴェネツィアでフィリピンのラヴ・ディアス監督『The Woman Who Left』が金獅子賞を獲るなど、世界で注目される存在ですが、東京フィルメックスが始まった頃、日本ではまだまだ知られていませんでした。

このため、あえてアジアに特化した東京フィルメックスは「未知の才能に出会える場」としてじわじわ人気が広がります。映画ファンはもちろん、監督や脚本家など映画の作り手にも足しげく通う人は多く、会場で知った顔を見かけることも。

俳優の西島秀俊さんもそんなフィルメックスファンのひとりで、2005年には審査員を務めました。そこでイランの巨匠アミール・ナデリと出会い、「日本映画を変えるような映画を一緒に作ろう!」と意気投合。西島さんが映画のために「殴られ屋」となる監督の役を熱演した『CUT』(2011年)が生まれます。

CUT

殴られるたびにリスペクトする映画監督の名前をつぶやき、顔中が腫れあがっていく主人公の姿は、自由な映画づくりを求めて亡命したナデリ監督の先鋭的な映画への愛そのもの。2人の出会いは、個性の強い作品が揃うフィルメックスだからこそ起こった化学反応と言えるでしょう。

世界の巨匠続々!歯に衣着せぬゲストトーク

会場で出会えるのは、日本の映画人だけではありません。

フィルメックスは毎年、海外からも多くのゲストを招いていて、例えば今年はオープニング作品『The Net 網に囚われた男』の上映にあわせ、キム・ギドク監督が来場しました。

ゲストと言えば、上映後のQ&Aにだけ登場するのが普通です。けれど、フィルメックスの場合は何気なく隣に座った人が世界の巨匠ということも。

『ザーヤンデルードの夜』上映後のトークで、イランのモフセン・マフマルバフ監督がふいに観客席に呼びかけ、投げキッスを送りました。そこには『CUT』のアミール・ナデリ監督の姿が。ナデリ監督は今年、『山<モンテ>』で招待されていましたが、自作の上映がない日でも他の作品を見に会場を訪れていたのです。

『ザーヤンデルードの夜』

『ザーヤンデルードの夜』は1978年のイラン革命を扱った映画で、検閲のため、長らく国内外での上映が禁じられていました。ようやく今回、復元版のお披露目となりましたが、本来100分あった作品のうち、実に40分近くが失われています

Q&Aでは会場から「映画で社会は変えられるか?」という質問があがり、マフマルバフ監督は「変化は起こせる。今は色んな娯楽があり、生活にも忙しく、みんなあまり映画館で映画を見ない。でも、映画は誰かと見ると、一緒に泣いたり笑ったり、気持ちが通い合う。ファーストフードのような映画はもうたくさん。心の栄養になるヘルシーな映画を共に見よう」と熱く語りかけました。

今年の最優秀作は…

さて、そんな今年のフィルメックスで最優秀作品賞に輝いたのが中国の『よみがえりの樹』です。『山河ノスタルジア』や『罪の手ざわり』のジャ・ジャンクーが若手監督をプロデュースする「添翼計画」の最新作で、チャン・ハンイ監督はこれがデビュー作となりました。

舞台は監督の生まれ故郷である中国陜西省の山間の村。住民が次々に去り、消えゆく山村の寒々しさを背景にしながら、死んだ妻の魂が息子に憑依し、生前に植えた樹を別の土地に植えかえてほしいと夫に頼むという幽霊譚を淡々と描いています。

『よみがえりの樹』

私が注目したのは、フィリピンの『普通の家族』主人公は路上で暮らす16歳と17歳のストリート・チルドレンのカップルで、なんと2人の間には生後1ヵ月の赤ちゃんがいます。

この赤ちゃんが誘拐されてしまい、2人は何とか探そうとするのですが、まだ幼い2人はちょっとしたことでお互いを罵り、ケンカになってしまいます。かと思えば、周りが2人をバカにし、乱暴に扱う中、身を寄せ合ってお互いを守ったり……。不安定な2人の道行きに、いつしか引き込まれてしまいました。こちらは学生審査員賞を受賞しています。

『普通の家族』

また、今年から新設された特別賞「Filmarks賞」は韓国の『私たち』(ユン・ガウン監督)に決定。この賞は、映画祭で上映された全作品を対象に、★評価の最も高かった作品に贈られるもので、誰でも投票できる参加型の賞です。

『私たち』は友達をうまく作れない10歳の少女ソンのひと夏を描いていて、子供たちの生き生きとした表情が鮮烈な印象を残し、★4.2点の高評価となりました。

『私たち』

他にも4点以上の作品は多数あるので、ぜひチェックしてみてください!

■参照:【★4.0以上作品多数!】第17回東京フィルメックス最優秀作品、Filmarks賞決定

来年はぜひ東京フィルメックスの会場へ!

普段映画を見る時は、どうしても監督やキャストの名前に目がいきがちです。特に日本だと俳優さんのイメージが映画の役より先にあり、ストーリーの人物より「俳優」が前に立ってしまうことも。

ですが、フィルメックスは新鋭監督の作品が多く、良い意味で、監督も俳優も知りません。あらすじから「この映画を見よう!」と決め、俳優を俳優として意識することなく純粋にストーリーを楽しめるのは、フィルメックスのような映画祭ならではの映画体験だと言えるでしょう。

今年の上映作品では、『The Net 網に囚われた男』が来年1月7日に公開され、他にも劇場公開が決まりそうな作品もありますが、東京フィルメックスを逃すとなかなか見る機会のない作品が多いのも事実。

アジアの知られざる映画世界を体験しに、ぜひ来年は会場に足を運んでみてください!

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  • あい
    4.3
    2017.03.16 初めてのキム・ギドクでした。 暴力シーンが苦手な自分にはちょっときついな、と避けてきた監督。 暴力描写は一切排除されているときいて臨みました(笑) これは観てよかった!!観終わったあとも長い時間心に突き刺さる映画だった。 南も北も状況は違えど、国家が価値観を押し付ける。 北が人々をコントロールすることももちろんだけれど、南の人間が北の人間を「救う」と思い込んでいることの恐ろしさ。 そしてそれが生み出す、ラスト。 幸せってなんだろう。 しあわせは、いつもじぶんの心がきめる(みつを)だよね?
  • Kotobuki
    4.2
    幸せとは、こうも頼りなく、儚いものなのか。
  • sideBatsu2015
    4.6
    どっちに転んでも人の気持ちが軽んじられれば同じ事。 南も北もやってる事に大差ない。 せめて南だけでもその滑稽さに気づいて欲しい。 (日本も同じ) 追記:タイトルの『그물』 がスクリーンに出てくるのがカッコよく、なんでTHE NETなんて邦題にしたんだろう。しまらん。。。
  • KxxoYxi
    3.5
    難しい。ただこんな映画が作れるようになったことが朝鮮統一に近づいてきてるのかな?と。いま実際に起こり得る事件なだけにリアルタイムで見るべき映画なのかと。
  • myg
    3.7
    北朝鮮の漁師ナム・チョルは、不幸にも全財産である小型船のエンジントラブルで朝鮮半島南北の境界線を越え、韓国に入ってしまう。韓国で拘束された彼はスパイ容疑をかけられ、執拗な取り調べを受けることになる。彼は解放されるために、韓国である提案をされるが…。 取調の良心のみならず組織病理を照らし出し、朝鮮戦争が尾を引く様子まで投影されていて、とても見応えがあった。 ただ画中のジヌ氏(イ・ウォングン)のような取調官がいたから良かったものの、現実はどうなのだろう。 北朝鮮に家族を残し入国してしまったナム・チョルのやるせない境遇、彼を信じるジヌ氏、キム・ヨンミン演じる北朝鮮への屈折した憎悪心を抱く取調官、韓国社会と北朝鮮社会の光と影。南北関係の事実に基づいたフィクション。 確かに、北朝鮮の環境を危惧した上での亡命か脱北という韓国側の提案は理解できる。ただ目を閉じたままのチョル氏の行動や、韓国を偲び最後に贈り物を身につけている姿には心を打たれる。 個人的な意見だけど、「亡命」というのも、韓国がユーラシア大陸と地続きでありながら、北と分断されている点を鑑みると島国に近いという発想を想起させているように思う。 ラストは衝撃だった。 最後のシーンの、子供が新しいものではなく、古いぬいぐるみを抱きしめる屈託のない表情に、胸が苦しくなる。
  • ストパラ
    4.5
    17/03/20 KAVCにて 日本人の自分から見ても これじゃ..南北の統一は 無理やなぁぁと思わされる。 韓国人が観ると、、 凄い映画なんやろ〜な。。
  • kyoko
    4.1
    2017.3.17
  • おまる
    3.0
    思想家キム・ギドク
  • mura
    4.3
    さすがキム・ギドク。発想が斬新。で、毎度思うが、この監督が描くものこそが韓国のリアルじゃないかと。 北朝鮮の漁師が、網で魚を捕ろうと船を出す。ところが、スクリューに網をからませて操舵不能。韓国に流される。そこで捕らえられ、スパイの容疑で尋問を受ける。魚を捕りに出たつもりが、みずからが捕らえられるっていう、まるで寓話のようで。結局持ち帰ったものがクマのぬいぐるみ1つということも含めて。 漁師が物理的に「捕らわれている」なかで、それを尋問する韓国人も、北朝鮮=地獄、韓国=幸福という図式に精神的に「捕らわれている」。一方で北朝鮮人も、韓国=悪、北朝鮮=善という図式に精神的に「捕らわれている」。 結局はみんな国家の網に捕らわれているということを、キム・ギドクは皮肉たっぷりに訴える。素晴らしいセンス。 で、これは日本の話でもあるよな。善か悪か、正か邪か、そんな単純な価値観しか持ち合わせていないところがまさに。 さて、これから韓国映画は話題作が目白押し。しばらく韓流ブームだなと。
  • watabou
    4.2
    北朝鮮の漁師ナムチョルはエンジンに網が絡まりで韓国へ流れついてしまう。そこで待っていたものは理不尽な運命。 すべての出来事がナムチョルに絡みつく、もがけばもがくほど深く深く。 弱者が犠牲となる現代の闇を描いた作品。
  • くろだ菜
    -
    無力な漁師の主人公が人間の代表だったとすれば、彼の至った結末は私たちにどんな未来を示唆しているのか。この映画観てポイントが貯まったから、また次も映画をみに行こうっと。
  • 4.0
    悲しい。
  • swaikos
    4.0
    リュ・スンボムが良かった
  • いぼんぬ怒りのデス労働
    4.0
    みんながみんな極端なわけではない様な悲観的過ぎない印象の気がする。ラストシーンはやっぱり個人の意志を尊重すべきだー!とわかりやすい描写で良かった。 シリアス部分のシナリオのもどかしさの中にレッドファミリーの様な部分的にコミカルな空気感があって好き。
  • fuchan1014
    3.8
    切なすぎて切なすぎて。 写真撮影をされてる時に笑って下さいと言われては涙を流しながら笑って撮影されるシーンなんかは自分の身に起こる上で全く理解できない感情。きっとここで生活する人にしかわからない感情。何ともせつないです。 自由を知らないという事はここまで残酷なんだと改めて思う事あり。 早く統一されて欲しいと切に願う映画でした。
  • さち
    4.4
    2017.3.14 韓国版なすびが奮闘する南北もののお話。 こちらも色々考えさせらる映画。 キム・ギドク凄いなぁ。 ラストがなんとも…
  • 味噌のカツオ
    -
    北朝鮮で妻と小さな娘と つつましやかに暮らしていた男チョル。彼のボートがエンジン故障で境界を越え、韓国側へ流れついてしまいます。 彼を北からのスパイとして裁くのか。亡命者として受けいれるのか。本人の希望に沿って、北で待つ家族の元へ帰すべきか。 韓国の警察でも その判断が、意識の温度差があることがわかります。 果たしてチョルがどうなっていくのかと。 結果 ひとつの着地点は提示されますが。 その後に ダメ押しのようなドラマが待っています。 それもまた見る側に大きくのしかかってくるんだよなぁ。 網に翻弄されたひとりの漁師。 その数奇な運命を通して、本当の幸福ってなんだろうかと。 そんなことを突き付けられる物語でした。
  • Yuta
    4.7
    衝撃的な内容。欧米によって引き裂かれた国の未来はどうなって行くのだろう。その中で、個人が犠牲になっていくのが、いたたまれない。
  • ライアンゴズリング2世
    4.4
    アシュラ、コクソン、お嬢さん、そして本作、、、 今年は韓国映画が熱い、、、 〝華麗な山河 大韓人よ 大韓を永久ならしめよ〟 キム・ギドク監督は〝嘆きのピエタ〟しか 観たこと無いのでギドクっぽくないね とか言われてるのがよく分からないんですが、 これ社会派好きにはたまらない作品。 (韓流イケメンも出てるよ 🙋🏻‍♂️안녕하세요~) 誰もが知る南北朝鮮半島の対立、 未だに緊張感の拭えない両者。 韓国側の善悪と北朝鮮側の善悪の対比が面白い◎ この現実に目を背けてならない、知るべき事実、 日本人だからこそ考えるべき問題も本作にはあった。 キム・ギドク自身も友好平和に向けての架け橋に なって欲しいとの意も込めているとの事。 コクソンとかに比べてバイオレンス的なシーンとか インパクトという点では少ないと思われますが、 リアリティイズムに特化した製作、 本作は50%事実に基づいて、 50%は映画的なフィクションで 作られてるからこそ響く社会派作品であって 👏 故障した船がよく南朝鮮に流れ着くというのは度々あり 韓国で捏造スパイだと問題発展に至ってる。 こういう国家同士の緊張感は昨年の 〝ブリッジオブスパイ〟に似てるけど 北朝鮮という社会主義独裁国家という現代に今も存在する 圧倒的な存在感に恐怖して、感情移入しっ放し。。。 もし、自分の目の前に北朝鮮から来た人が現れたら 良くしてあげようとか思えますか?? 韓国に限らず日本の教育でも、 北朝鮮という独立社会国家で育った北朝鮮人は イカれた社会不適合者という偏見は持っているはずで、 警戒したりするのは当たり前なんですよね。 でもやっぱりそういう考えが両者に払拭できないから 南北統一はできないし対立は続く訳で… とにかく〝対比〟という点でこれ程に無い満足度💮 (やっぱり北朝鮮は家に金正日飾るのが義務なのかな🤔)
  • YAMASYU
    4.0
    赤と青が交わる日 北緯38度で、なぜもこんなに違う思想と人間性?日本人にはわかりかねる。 相手を探れば探るほど溝は深まる蟻地獄を観た! 最後は行き場を失い網に捕まった魚
  • エスカルゴ
    4.0
    ナム・チョルのソウルを徘徊したのちの 台詞…耳が痛い。 『南朝鮮』『北韓』ってだけで 溝の深さを感じたんですけど オリジナルはどうなんでしょ? ジヌ役の俳優さんてアイドルか なんかですか? 爽やか〜
  • リリアナ
    4.2
    社会派ブラックコメディ『レッドファミリー』からの、この作品。笑いを取り込みながら見せた前作から、「もう南北の関係性理解してるよね?」と言わんばかりに、最初から一気にシリアスオンリーで畳み掛ける、ハードな作品だった。 対立する国同士で、思想が違うのは仕方がないのだけれど、価値観の押し付けがとても印象的だった。「幸せ」の押し付け、「自由」の押し付け。それらは、フラットな目で物事を見た主人公には矛盾にしか見えず、かといって祖国に帰ったら両国の違いの歪みを感じ、行き場をなくしてしまう。 監視係の男の子の存在が、あの映画の救いだった。キツくて、理不尽な事ばっかりだけど、一人の人間として見てくれる存在。国という大きな背景の前に、家族を大事にするひとりの人間同士。国のために偽の家族で工作活動をする『レッドファミリー』でもそうだったように、思想や国を語る前に、人間同士なんだと、両作品とも伝えていた。 網にかかった魚は抜け出す方法が分からず、それで終わりなんだという言葉。エンジンに絡まり、もがいて、もがいて、焼け焦げて、動けなくなる。 ギドク作品にしては暴力少なめでホッとしつつ、精神的にギリギリとキツく、深く考えさせられる良作でした。
  • NF
    3.7
    キム・ギドク作品にしては丁寧でオーソドックスなドラマ映画 アクション映画以外でリュ・スンボムを観るのも珍しいがすごく良い俳優になった 韓国国内では好かれてないっぽいキム・ギドクらしく、最初はアンチ韓国な感じかと思ったら実は後半そうでもない、という。観終わるとやっぱりキム・ギドクの映画だな、という印象。
  • mar88
    4.0
    the キム・ギドクでしたね。 この「冗談でしょ?」的な話の流れや、とことんチープに見えるカメラワーク。 (お金ないのかなぁ。と一瞬不安になった。失礼。笑) もうどう足掻いても、そこは地獄しかない。 運命いたずら、負のスパイラル映画。 とりあえず、チャミスル呑んでスプーンでご飯が食べたくなった。
  • 山口康成
    3.9
    denkikanにて。 キム・ギドク作品は数作しか観ていないが,どの作品も好き。 そして今作も。 理不尽を描きださせたら右に出る者無し。
  • たーぼーん
    -
    オーソドックスな社会派作品だった。 途中の展開や結末など大筋で予測のつく話だが、とても面白い。
  • yuko
    4.2
    2017.3.10 札幌シアターキノ 船のエンジンが壊れたばかりに、南に流れ着いてしまった北の貧しい漁師。 スパイ容疑をかけられ、拷問された上に亡命を勧められる。 南の生活はこんなに豊かですよーと、まずは着ていた古い服を捨てられ、アンダーアーマーのウェアを与えられるのだった...
  • GATS
    3.7
    何本も作品は知っているのに、初ギドクだった。 終始、手持ちと、ズームアップしたカメラに気になっていた。つまりどちらも焦点が合わないことが多く、それは感情の起伏や、その不安定であり、そしてモラルの不毛である。 あんまりに丁寧な話が、とんでもなく暴力的。 朝鮮の南北問題でもあるが、ここでギドクは人間を描いてくれた。 無秩序、絶望、矛盾、非情、そして無念。 デスペラアドなエンディングに、子供の無垢な笑顔を利用して、最後ブチっと切るっていう、このラストの演出は、とんでもなく重たい作品にはややチープか。やっぱり丁寧すぎるか。 そうだ、思い出した。みんなハンサムすぎて、話入りづらい。 若くて優しい同志に関しては、まあそういうのもいるんだろうが、違和感しかない爽やかさ。
  • ひな
    4.0
    やっぱりキム・ギドク監督。 酷い話やなぁ… 理不尽極まりない‼︎ 幸せって人それぞれやと感じた。 戦争中ならまだしも。 いや韓国と北朝鮮はまだ戦争中で、ちょっとお休みしてるだけなんが伝わってくる。 北韓と南朝鮮って呼び方に凄く違和感を感じて、警護官のジヌだけが救いやった。 最近、北朝鮮のミサイル発射やスパイや暗殺といったニュースが報じられている。映画やドラマの話みたい⁈って感じでピンとこなかったけど、隣の国の話なんや… 何が本当なのか見極める目を持ちたい。
「THE NET 網に囚われた男」
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