あの伝説のミュージカル『レント』が来日!公開リハに潜入!

2016.12.19
映画祭・イベント

映画は三度のメシの次に好き

もい

今年は、映画作品としても広く知られ、日本でも大ヒットした”ミュージカル”の舞台版が本場ブロードウェイから次々と来日し、大盛り上がり!そんなミュージカルフィーバーの2016年、大トリとなるのは、なんとあの伝説的作品「レント」

rent_poster

ミュージカル好きであれば、知らない人はいない! と言っても過言ではないくらい、世界中で何度も上演されてきた。

今年は初演の1996年から20周年という記念すべき年。しかも「レント」の世界とリンクするクリスマス&大晦日の季節に、この”日本”へとやってきてくれたからには、観に行かない理由が見当たらない!!

今回は、一足先に最終稽古の場へと潜入! 映画ファンもきっと好きになるミュージカル「レント」の魅力を調査してきた。

rent_17

はじめに

私の「レント」ファン歴は全く誇れるものではない。出会いは映画版『RENT/レント』から…。しかし、作り込まれたストーリー、思わず口ずさみたくなる楽曲、そしてまるで”エンジェル”のいたずらのような奇跡の数々を知れば、そこからはトントン拍子で取り込まれてしまう。

なぜこんなにも愛されるミュージカルになったのか。ぜひ知ってもらいたい。

「レント」って名前は知ってるけど、何がすごいの?!

「レント」がオフブロードウェイで上演されたのは今から20年前1996年。映画で言えば、小規模な劇場(ミニシアター)にて上映されるインデペンデント作品のようなイメージが近いかもしれない。

初演からの「レント」の躍進はあっという間だった。オフブロードウェイから、わずか2ヶ月でブロードウェイに進出!さらに同年のトニー賞を受賞!

”レントヘッド”と呼ばれる熱狂的ファンも生まれるほど、連日Sold Outの大人気作品となった。

その後、12年にも及ぶロングランを達成し、今ではミュージカル史の1ページとして語り継がれている。

rent_16

生み出した若きアーティストもまた、伝説に…。

「レント」がすごいことは分かった。でも、次に気になるのは「誰が作ったのか?」。

脚本・作詞・作曲を担当し、まさに生みの親となったのはジョナサン・ラーソン。有名なオペラ「ラ・ボエーム」を基に、舞台を現代へと移し、若者たちの苦悩と現代にはびこるエイズや麻薬、貧困、人種や性差別問題を衝撃的に描いた。

rent_11

ジョナサンの作る楽曲は多ジャンルに及び、不採用になったものも含めれば膨大な量に。演出家のマイケル・グライフと幾度となく衝突しながら、試行錯誤し上演直前まで制作は続いた。

いよいよ公演を数時間後に控えた1996年1月25日、まさかのジョナサンの訃報が届くのである。35歳という若さだった。

ジョナサンが変えたミュージカルという壁

「レント」のストーリーについて、少し知っておこう。

舞台となるのはニューヨークイースト・ヴィレッジ廃ビルが並ぶイースト・ヴィレッジには、路上生活者や不法移住者で溢れていた。

そこに住むシンガーソングライターのロジャー、映像作家志望のマークは夢を追い、ニューヨークへやってきたが、まともに家賃=レントも払えない極貧生活に。

rent_02

そんな中、富裕層のオーナーたちは凍えるような寒さのクリスマスイブでも、立ち退きを迫る。さらに強盗やエイズ、ドラッグの蔓延によって、才能ある若者たちの命が失われていった。

愛する者との別れやすれ違いに傷つきながら、1日を必死に生き、自分の才能を様々な形で表現しようと葛藤するー。

rent_19

ジョナサンもまた、夢を追いニューヨークという地へ。しかし現実は夢物語ではなかった。アルバイトで生計を立てながらの創作活動は時間も体力も削れていく。大切な友人も病でこの世を去り、芸術家への風当たりも冷たい。

今日が最後の日かもしれない!そんな気持ちで必死に生きてきた姿が、作品のキャラクターたちにも投影され、結果今までとは違った客層で劇場は溢れかえっていった。そう物語に共感したのはキャラクターたちと同世代の若者たちだ。

そしてそれは、「ミュージカルをもっと若者にとって親しみやすいものへと変えたい」というジョナサンの夢を叶える形となった。

rent_21

すぐ実践できる!映画版『RENT/レント』で予習

今すぐに「レント」を自宅で観たい!そんな方は、当時日本でも大ヒットとなった2005年映画版をチェック!

18460_I

監督は「ハリー・ポッター」シリーズでもおなじみのクリス・コロンバス。「ハリー・ポッター」シリーズでもお分かりの通り、原作に対しとても忠実に且つエンターテインメント性を持たせて映像化するにはクリス以外いなかった。彼もまたレントヘッドであり、賛否はあったものの、愛するが故のこだわりはオープニングからエンドクレジットまで随所に感じられる。

さらに、舞台版のオリジナルキャストが集結し、初演から年数が経っているにもかかわらず、キレッキレのダンスと美声を聴かせてくれる。その中には、2017年再来日コンサートも控えている『アナと雪の女王』ではエルサ役で世界中に知られる事になったイディナ・メンゼルの姿も。

オリジナルキャスト以外の映画版キャストとして、ロザリオ・ドーソン(『シン・シティ」)がSMクラブのダンサー ミミ役を熱演。きわどい衣装でセクシーなダンスを披露したかと思えば、ドラッグとエイズに人生を翻弄されていく姿を体当たりで表現。

また、イディナ演じるモーリーンの彼女役として、ジョアンを演じるのは、映画やドラマと幅広く活躍しているトレイシー・トムズ。過去には舞台版「レント」のオーディションに何度も挑戦しては落ちていた経験も。ついに、映画版ではジョアン役をゲットし、さらにはファイナルキャストとしても舞台に立つことができた。

有楽町の地が熱気で燃え上がる!

2016年12月15日に始まった今回の来日公演は、東京国際フォーラム ホールCで上演されている。

初日の前に行われた公開稽古のため劇場に入ると、なんと3階まで客席が!既にSold Outの公演も出てきているというから、日本でもその人気をうかがわせる。

舞台の上には生のバンドと、電飾が付いたアーティスティックなオブジェがキラキラと雰囲気を醸し出している。

rent_01

座席で待機していると、音響の調整のため少し時間が遅れるとのこと。それは稽古なのだからしょうがない。逆に生の現場に来ているというピリピリとした雰囲気によりこちらもかなり緊張してくる。

するとなんの前触れもなく、”ザ・ロックスター”のような顔立ちのイケメンロジャーがギターのチューニングを始めた。あれ?これも調整中かな?と思いきや、突然キャストたちがバタバタと登場し、映像作家志望のマークが話し始めた。

「え?もう始まってる?!」そう…開演5分前の鐘が鳴ってからは気を抜くべからず!そうこうしているうちに、どんどん話は進行していく。続いてミュージカルの題名にもなっている楽曲「Rent」が流れると、ロック調の音に合わせてキャストたちがあちらこちらへと飛び回り、激しく力強く歌い上げる。そしてあっという間に、気づけば「レント」ワールドへと引き込まれていた。

rent_03

本場ブロードウェイのクオリティを感じられる舞台

公演が始まると、大げさな装置などはなく、キャストの体を張った動きと声、音楽で表現されていることに驚かされる。逆を言えば、アーティストやクリエイターたちの力だけで観客の心を動かさなければならないのだ。

rent_23

ロック調の曲もあれば、タンゴにゴスペルを彷彿とさせる曲など、ありとあらゆるテイストで観客を飽きさせない。

才能溢れるキャスト陣は、キャラクターと同様に20代のフレッシュな顔ぶればかり。彼らの内なる叫びを思う存分味わえる。

rent_18

英語が苦手でも大丈夫!

ストーリーはAct One / Act Two2部構成。間の休憩を含めると、上演時間は3時間弱程になる。

今回は、来日版…ということもあり、心配だったのは全編英語で進められること。長時間、セリフの意味がわからないと、ちょっと残念なことに。

でもそんな方でも全く問題なし!なんと舞台のサイドに映画のように日本語字幕が付いているのである!なんて至れり尽くせりなんだろう!これで言語に気にせずノリノリになれること間違いなし。

rent_15

推しメンは”エンジェル”!

マークとロジャーだけでなく、個性豊かなキャラクターたちが登場し入り乱れていく。その中でも名前からして特別な存在であることが分かる”エンジェル”ストリートドラマードラァグクイーン。エンジェルに出会うことで、皆が影響を受けながら、自身の人生を見つめ直し、そして命はなんと儚いものなのか現実を突きつけられることになる。

rent_07

そんな彼女のパフォーマンスは素晴らしい!机をドラムに見立てながら飛んだり跳ねたりアクロバティックに動きまわる。そして極め付きはこの笑顔!もうメロメロ。

rent_06

7年ぶりの来日公演は何かが違う

「レント」は長い月日をかけて、様々な演出が加えられてきた。

しかし20周年記念とあって、あえて今回は演出家マイケル・グライフオリジナル版での上演となる。今では世界中どこに行っても観ることができなくなった貴重な公演が日本で観られるとあって、レントヘッドの中でも話題になっている。

rent_27

それに加えて、日本だけの試みとして、クリスマスイブ大晦日限定公演が決定している。

「レント」のストーリーの始まりはクリスマスイブの21時。前代未聞の21時開演となるスペシャルプログラムだ。さらに大晦日公演の2回目はなんと22:15から始まる。それは、Act Twoの最初に流れる名曲「シーズンズ・オブ・ラブ」の後、年明けへのカウントダウンの場面に合わせて実際に2017年の年明けを迎えるためとのこと。選び抜かれた「レント」のキャスト陣と一緒に特別な日を迎えられるなんて、世界中のレントヘッドが羨ましがりそうだ。

rent_29

1年(525,600分)はあっという間に過ぎていく。一日一日を必死に生き抜く人たちに、愛することの大切さを教えてくれる「レント」を観れば、人生の見つめ直しのきっかけにもなるはず。

語り継がれる伝説をぜひ、あなたの目で確かめて観ては?

rent_25

★ブロードウェイ・ミュージカル「RENT(レント)」20周年記念ツアー公式サイト※PCサイトは音が流れますので、ご注意ください。 http://rent2016.jp

日本人キャストによるマイケル・グライフ演出版の公演も決定!シアタークリエにて2017年7月2日~8月6日まで上演予定。シアタークリエ ミュージカル「レント」公式サイト http://www.tohostage.com/rent2017/

 

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • jumo
    3.3
    イディナ・メンゼルの美しいお尻映画 エンジェルちゃんが友達になりたいドラァグクイーンNo. 1すぎてあつい! 歌もダンスも何もかもうますぎて…最高かよ… 僭越ながら彼女のお葬式のスピーチをわたしも考えてみたりした
  • クライヒト
    4.0
    重くて暗いテーマなのにポジティブな楽曲で楽しく観れた。 セクシャリティとか関係なく一人一人のキャラクターがとても良かった。 ただラストにもうちょっと捻りが欲しかったなあ。 ロジャーが若い頃のジョン・ボン・ジョヴィに観えてしょうがなかった。似てるよな。
  • TKD
    5.0
    記録
  • Cuma
    -
    How do you measure a year in the life? 時間の残りが見えている登場人物たちが、テーマの重さを忘れさせてしまうほど全力で歌っている姿が良かった。「Seasons of Love」を聴いてるだけで込み上げてくるものがある。52万5600分という時間を自分はどう生きられるのだろうか。
  • おみそ
    4.3
    ブロードウェイ版はライブ感 映画版はストーリーの分かりやすさ と、言ったところでしょうか なんと言っても曲がいいです それはどちらも変わりませんでした。 どちらも捨て難いけど 個人的には映画版の方がすきかも◎ やっぱりモーリーンとエンジェルがすき あと舞台版よりミミがすきになりました
  • おみ
    -
    この監督のだったらグレムリンとミセスダウトとグットナイトムーンが好き。 楽曲は良いけど、もっと若い時に観たらハマっただろうなーっていう若さ。
  • きみとめんま
    -
    俺の知ってるニューヨークと全然違くてワロタ
  • 3.7
    深い、重い、のに歌が緩和してくれてる!当たり前ですがキャストみんな歌が上手い!! 個人的に教会で歌うシーンが1番印象に残りました コリンズ役の人いい声すぎ、、 ストーリーは全体的に切なかったです、ミュージカルがあるからこそ見れたのかもしれません やるせないこともあるけど今日を大切にしていこうと思いました やっと見れてよかった!笑
  • にゃん
    3.7
    記録
  • エミナ
    3.9
    深いお話なのに音楽があるから楽しい
  • ユウイチロー
    3.7
    面白い!
  • eno
    4.8
  • take
    4.0
    記録 seasons of love ↑gleeで曲を知ってから観たけど良かった 最初の曲もかっこよくて好き
  • ぶんぶん
    4.5
    記録
  • sk
    -
    2017
  • たまま
    4.1
    冒頭のSeasons of loveでトリハダ。
  • ericom
    3.9
    みんな歌上手い
  • Mayuley
    3.8
    ミュージカル映画好きとしては、歌の数も豊富でオープニングがとても良かった。内容が少し重ためだけどとても大切なことが学べるし、アメリカの現代を映し出したような内容。
  • カイテル
    4.7
    記録
  • Akari
    4.3
    英語の先生がオススメしてくれて観たけど、良かった!でも元はブロードウエイミュージカルだそうなので生で観たらもっと感動しそう!次NYに行くときはぜひ観てみたい Seasons of loveで初っぱなから圧倒された 簡単にいうと、どんな境遇におかれていても人生は短いんだからもっと今を楽しもうぜってはなし 一昔前のNYの雰囲気も楽しめる No day but today あるのは今日という日だけ 愛を信じないと恐怖に負ける
  • Haruna
    3.0
    配給会社勤務の男性でこの映画が好きな方が多くて気になったので鑑賞。ミュージカル映画は基本的に全部好きだけどそんなに好みじゃなかった。愛してるよ〜に聴こえて嬉しい、日本語バンザイ
  • あずさ
    3.0
    曲が聞きたくて幾度目かの流し見。聞? エイズ、ドラッグ、同性愛、人種、アート、貧困 話の内容は掘り下げていくとどんどん大変なのだけど(実情をあまり知らないのもあり) 曲が明るく、楽しいものが多くて、気分的には落ち込み過ぎない。 とにかくオープニングとレストランの印象が強い。教会も好き。あっでも頭の部分も、、と見なおせばほぼほぼ好きでした。 元はミュージカルだと知りましたが、映像の力が強く出てるのでいい映画だなぁと つい何度も見てしまう。
  • 李奈
    1.8
    Seasons of Loveがめっちゃかっこよくて、熱いミュージカル映画だった。 けど、自分的にちと退屈だった
  • ゆせぱん
    4.7
    元々ブロードウェイミュージカルだったことは知らず、レンタルDVDであらすじだけを見て借りました。 率直に、物凄くぶっ飛んだ内容だなと思いました。 ドラッグや同性愛にエイズを絡め、そしてニューヨークに生きる人々のリアルな生活を描いた作品なのだなと感じました。 ニューヨーク行ったことねえけどな。 役の年齢が不詳で、そしておそらくこの辺の年齢設定だろうけどそれが演じる人と少し離れてるような感じがしました初見では。 でもそれもそのはず!ブロードウェイの初演キャストが大半だったからそこから10年以上経っていたそうで、その辺は理解しました。 あのですね、こんだけ御託並べましたが、本当にとっても良い映画なんです。 いや、映画というべきか作品というべきか。 この作品のエンジェルという人が、自分の人生に大きな意味をくれました。 エンジェルがいたからこそ、堂々と自分はゲイだよと誇って言えると言っても過言ではないです。 それぐらいに言動が素晴らしい人なんです。 作品の中の人だとは思えないぐらい、リアリティがあり、強い人。 あとモーリーンの自由奔放さがとても良かった。 これはイディナメンゼルだったからこその思いかもしれない。 カッコよくて憧れる存在です。 この映画きっかけでイディナメンゼルにどハマりました。 一つの映画としてはブロードウェイミュージカルの名残りのせいか、曲が多い印象。 それでもだいぶ削ったみたいですがね、パフォーマンスに目がいって内容が若干入りづらいかなという感じがしました。 いや良い曲ばっかりなんですけどね…!だったらどうせならブロードウェイ版みたいにとことんミュージカル調にして、とことんエンターテイメント推しの映画にしたら良かったんじゃないかと思いました。 すごくもったいなく感じた。 それでもメッセージ性が色濃く、想いが詰まりすぎて溢れかえってるようなそんな映画でした。 良いところがずば抜けて良いので、アンバランスに感じる部分もあるけど、キレイにまとめた作品よりも心に深く残る。 これこそ涙なしでは見られない。 トムコリンズのI'll Cover Youを歌うシーン、辛過ぎます。 この上ない純愛です。誰がなんと言おうと。 Take Me Or Leave Meが一番好き!! ああまとまらない…とにかく見てない人は見て欲しい… アナ雪のエルサの人出てるから!ね!見てね!!
  • マルキ
    4.0
    もちろんみてる。
  • KengoIto
    4.5
    ほぼオリジナルアクターを集結させた本作。ジョナサンラーソンの意志を継ぐメンバーでのナンバーの数々に涙。 ミュージカルとしての完成度が高い。
  • laylee
    -
    記録
  • Andy
    4.2
    曲が好き! 今日という日を生きる!
  • HINATA
    3.8
    重たいが生きる上で必要なことが学べる
  • ポテト
    3.8
    Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes. How do you measure, measure a year? 色々な人種、性別、年齢、職業。 自分の悩みなんてちっぽけに感じてしまう心にグッとくる映画でした。
「RENT/レント」
のレビュー(6161件)