2017年の主役はオレだ! ヨリドリミドリの“鳥映画”

2017.01.06
洋画

いくつになっても“発見”したい

内藤麻弓

さぁ、2017年がやってきました! 今年の干支は酉(トリ)。そこで今回は干支にちなんで数ある映画の中から鳥にまつわる映画をピックアップ。鳥のかわいさ、凄さ、哀しさ、怖さなど鳥たちの様々な生態をじっくり観察してみましょう。

動物パニック映画の原点にして傑作。

『鳥』(1963年)

鳥

観察できる鳥:カモメ、スズメ、カラス
◆全長:15センチ(スズメ)、40~46センチ(カモメ)、約50センチ(カラス)
◆分布:サンフランシスコ北部

身近な鳥が理由もなく突如人間に襲い掛かる恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』。1羽のカモメが主人公を傷つける予兆から町の人々を大群で襲うクライマックスに至る恐怖の演出や終末観漂う世界観はさすが“サスペンスの神様”、今見ても新鮮です。

画面を埋め尽くす鳥たちには心底ゾッとさせられますが、撮影では本物の鳥約2万8000羽をはじめ、偽物、調教された鳥を用い、当時最先端の合成技術と合わせて製作されました。DVDでは、主演女優の衣装に鳥を繋ぎ目の下に入院するほどのケガを負わせたなど笑えないエピソードも多数収録。

渡り鳥たちの軌跡を追った壮大なドキュメンタリー

『WATARIDORI』(2001年)

wataridori

観察できる鳥:アホウドリ、キョクアジサシ、ガン、ツル、コウノトリなど
◆分布:世界各国

ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ぺランが、渡り鳥たちの生態に迫ったドキュメンタリー。北半球の春の訪れとともに、楽園である北極を目指す鳥たちの数千キロにも及ぶ空の旅を追いかけます。

撮影に3年、試作費20億円をかけて作られた本作では、世界40か国に分布する100種類を超える渡り鳥たちの壮大な旅の軌跡を見ることができます。ヒナのときから撮影環境に慣らしていた、CGを一切使わず軽飛行機や熱気球で撮影したなど製作陣のこだわりが詰まった映像は圧巻! まるで鳥たちと一緒に飛んでいるかのようなダイナミックな世界をお楽しみください。

飛べない鳥が、リオの町を大冒険

『ブルー、初めての空へ』(2011年)

ブルー

観察できる鳥:アオコンゴウインコ、キバタン、キイロカナリアほか
◆全長55-57cm
◆分布:ブラジル

リオ・オリンピックの熱戦も記憶に新しいですが、そのリオ・デ・ジャネイロを舞台にした鳥の映画がこちら。絶滅種だったことから、同種の仲間に会うためにリオへ行くことになったアメリカ育ちの飛べないインコ・ブルー。しかしリオで何者かにさらわれてしまい……。

アイス・エイジ』のスタッフが手掛けたとびっきり陽気で元気になれるアニメーション。鮮やかな青色が特徴のブルーとジュエルのアオコンゴウインコをはじめ、カナリアやオウム、コウカンチョウなど南国らしい極彩色の鳥たちがサンバやボサノヴァなどラテンのリズムにのって歌い踊る姿は楽しさ満点。都会っ子でヘタレなブルーの冒険をご堪能あれ。

スーパーヒーロー“バードマン”の幻影に悩まされる中年男の悲哀

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)

バードマン

(C)2013 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

観察できる鳥:バードマン/リーガン・トンプソン
◆全長:178センチ
◆分布:ニューヨーク

かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した落ち目の俳優が再起をかけてブロードウェイの舞台へ挑む姿を描いた、マイケル・キートン主演のダーク・ファンタジー。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が得意とするロングテイクと現実と虚構を交えたヒネリの効いた映像、実力派たちの演技が、独特の世界観を生み出し深い余韻を残します。

鷹や鷲をモチーフにしたヒーロー“バードマン”は、主人公リーガンの分身として登場。従来のイメージを一新しようとするリーガンの行動を揶揄し、ヒーローへの復活を煽ります。実際、マイケル・キートンもバードマンならぬ初代バットマンを演じており、共演のエドワード・ノートンや娘役のエマ・ストーンもヒーロー映画経験者。その絶妙なキャスティングにも注目です。

青春の危うさを切り取ったジェームズ・ディーンの名作

『理由なき反抗』(1955年)

理由なき反抗

観察できる鳥(?):ジム・スターク
◆全長:173センチ
◆分布:ロサンゼルス

永遠のスター、ジェームズ・ディーンの2作目にあたる『理由なき反抗』は、苛立ちや寂しさを抱える若者たちの衝動的な行動を描いたもの。大人でも子供でもない思春期独特の焦燥感、価値観が違う親との葛藤、甘酸っぱい恋、不良への憧れ……。当時の若者たちのナイーブな心を活写した本作は、公開1か月前に自動車事故でこの世を去ったジェームズ・ディーンの憂いのある表情とともに、映画史に残る青春映画としてその名を刻んでいます。

崖に向かって車で走り先に運転席から飛び出した方が負けという度胸試しの“チキン・ゲーム”が生まれたのもこの映画から。英語で“チキン”とは鶏のほかに“ひよっこ”や“臆病者”という意味があり、不良グループのボスであるバズに“チキン”と言われたジムは、バズの挑発を受けて立つのです。

ドキュメンタリーから青春ドラマまで、バラエティに富んだ5羽の“鳥”が登場しましたが、このほかにも鳥にまつわる映画といえば『皇帝ペンギン』『グース』「ハリー・ポッター」シリーズ「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどまだまだあります。ぜひ自分のお気に入りの“鳥”を探してみてください。

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  • YukiIrikura
    4.0
    本当に鳥が襲ってきたら数からして人間に勝ち目はないんだろうな...ただのパニックムービーにしないで追い込まれた人間の心理劇しちゃうところがさすが。
  • Haru
    3.9
    ロケをしたボデカ・ベイの学校と教会は今でも現存してるんですね。 子供たちが歌う歌の歌詞が面白い。
  • shuwaach
    3.0
    ドライブするインコちゃんが可愛い。 カラスだけでなくカモメやスズメなんかにも襲われるとは知らんかった。 いやあ怖すぎるでしょ小さい頃見なくて良かった。
  • nutaki
    4.1
    この映画を観て鳥恐怖症になった子供もいたのでは? そういう私も小学生の時に観て、怖くてたまらなかった記憶がある。 今でも、カラスが低空飛行でもしようものなら、キャー!と叫んでしまう。 そして見上げる、仲間が居ないか確かめるために…。 よっしゃ。数十年ぶりに観ることを決心! ヒッチコック作品は大好きだし、実はこの作品、あまりに怖すぎて鳥が襲うシーンしか覚えていないのだ。 どんなストーリーだったか、ちょっと確かめないとならん! 主役のメラニーをティッピ・ヘドレン。 ヒッチコック好みのブロンド美人。 グレース・ケリーに似たクールな美人。 電話のかけ方や煙草の喫い方がかっこいい。 どこか雑な感じが気になるが、役どころの積極的な性格には合っている。 ミッチ役はロッド・テイラー。 ちょっとおじさん臭く、加山雄三似の逞しいタイプ。 ヒッチコック作品では珍しいタイプの俳優かな。 一昨年亡くなったらしい、他の映画ではあまり見たことない。 この2人の恋愛が絡んだストーリーだったのね。 今更知りましたわん。 鳥が意味なく襲うとしかインプットされていなかったんで…。 このメラニーちゃん、随分と積極的かつ大胆で図々しい女ですこと。 既婚かどうかも確かめずに家まで押しかけて(押し入ってだ) でも、そうまでされちゃあ、男としては…ということになるが、何だか母上の目つきが怖かったりして。 ボートで襲われる鳥の序章シーンが、上手いなあ。 学校の校庭のジャングルジムのシーンも。 振りむけば…。 ジワジワと、そしてヒタヒタと。 CGもない55年前に作ったこの作品に、今観てもドキドキしてしまう。 この展開のうまさ。 色々と納得したり感心したり。 やっぱ、凄いわ。 ヒッチコックさん。 ラストも好き。想像や余韻が残る。
  • sae
    -
    記録 NC(字)②
「鳥」
のレビュー(6071件)