2017年の主役はオレだ! ヨリドリミドリの“鳥映画”

いくつになっても“発見”したい

内藤麻弓

さぁ、2017年がやってきました! 今年の干支は酉(トリ)。そこで今回は干支にちなんで数ある映画の中から鳥にまつわる映画をピックアップ。鳥のかわいさ、凄さ、哀しさ、怖さなど鳥たちの様々な生態をじっくり観察してみましょう。

動物パニック映画の原点にして傑作。

『鳥』(1963年)

鳥

観察できる鳥:カモメ、スズメ、カラス
◆全長:15センチ(スズメ)、40~46センチ(カモメ)、約50センチ(カラス)
◆分布:サンフランシスコ北部

身近な鳥が理由もなく突如人間に襲い掛かる恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』。1羽のカモメが主人公を傷つける予兆から町の人々を大群で襲うクライマックスに至る恐怖の演出や終末観漂う世界観はさすが“サスペンスの神様”、今見ても新鮮です。

画面を埋め尽くす鳥たちには心底ゾッとさせられますが、撮影では本物の鳥約2万8000羽をはじめ、偽物、調教された鳥を用い、当時最先端の合成技術と合わせて製作されました。DVDでは、主演女優の衣装に鳥を繋ぎ目の下に入院するほどのケガを負わせたなど笑えないエピソードも多数収録。

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渡り鳥たちの軌跡を追った壮大なドキュメンタリー

『WATARIDORI』(2001年)

wataridori

観察できる鳥:アホウドリ、キョクアジサシ、ガン、ツル、コウノトリなど
◆分布:世界各国

ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ぺランが、渡り鳥たちの生態に迫ったドキュメンタリー。北半球の春の訪れとともに、楽園である北極を目指す鳥たちの数千キロにも及ぶ空の旅を追いかけます。

撮影に3年、試作費20億円をかけて作られた本作では、世界40か国に分布する100種類を超える渡り鳥たちの壮大な旅の軌跡を見ることができます。ヒナのときから撮影環境に慣らしていた、CGを一切使わず軽飛行機や熱気球で撮影したなど製作陣のこだわりが詰まった映像は圧巻! まるで鳥たちと一緒に飛んでいるかのようなダイナミックな世界をお楽しみください。

飛べない鳥が、リオの町を大冒険

『ブルー、初めての空へ』(2011年)

ブルー

観察できる鳥:アオコンゴウインコ、キバタン、キイロカナリアほか
◆全長55-57cm
◆分布:ブラジル

リオ・オリンピックの熱戦も記憶に新しいですが、そのリオ・デ・ジャネイロを舞台にした鳥の映画がこちら。絶滅種だったことから、同種の仲間に会うためにリオへ行くことになったアメリカ育ちの飛べないインコ・ブルー。しかしリオで何者かにさらわれてしまい……。

アイス・エイジ』のスタッフが手掛けたとびっきり陽気で元気になれるアニメーション。鮮やかな青色が特徴のブルーとジュエルのアオコンゴウインコをはじめ、カナリアやオウム、コウカンチョウなど南国らしい極彩色の鳥たちがサンバやボサノヴァなどラテンのリズムにのって歌い踊る姿は楽しさ満点。都会っ子でヘタレなブルーの冒険をご堪能あれ。

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スーパーヒーロー“バードマン”の幻影に悩まされる中年男の悲哀

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)

バードマン

(C)2013 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

観察できる鳥:バードマン/リーガン・トンプソン
◆全長:178センチ
◆分布:ニューヨーク

かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した落ち目の俳優が再起をかけてブロードウェイの舞台へ挑む姿を描いた、マイケル・キートン主演のダーク・ファンタジー。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が得意とするロングテイクと現実と虚構を交えたヒネリの効いた映像、実力派たちの演技が、独特の世界観を生み出し深い余韻を残します。

鷹や鷲をモチーフにしたヒーロー“バードマン”は、主人公リーガンの分身として登場。従来のイメージを一新しようとするリーガンの行動を揶揄し、ヒーローへの復活を煽ります。実際、マイケル・キートンもバードマンならぬ初代バットマンを演じており、共演のエドワード・ノートンや娘役のエマ・ストーンもヒーロー映画経験者。その絶妙なキャスティングにも注目です。

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青春の危うさを切り取ったジェームズ・ディーンの名作

『理由なき反抗』(1955年)

理由なき反抗

観察できる鳥(?):ジム・スターク
◆全長:173センチ
◆分布:ロサンゼルス

永遠のスター、ジェームズ・ディーンの2作目にあたる『理由なき反抗』は、苛立ちや寂しさを抱える若者たちの衝動的な行動を描いたもの。大人でも子供でもない思春期独特の焦燥感、価値観が違う親との葛藤、甘酸っぱい恋、不良への憧れ……。当時の若者たちのナイーブな心を活写した本作は、公開1か月前に自動車事故でこの世を去ったジェームズ・ディーンの憂いのある表情とともに、映画史に残る青春映画としてその名を刻んでいます。

崖に向かって車で走り先に運転席から飛び出した方が負けという度胸試しの“チキン・ゲーム”が生まれたのもこの映画から。英語で“チキン”とは鶏のほかに“ひよっこ”や“臆病者”という意味があり、不良グループのボスであるバズに“チキン”と言われたジムは、バズの挑発を受けて立つのです。

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ドキュメンタリーから青春ドラマまで、バラエティに富んだ5羽の“鳥”が登場しましたが、このほかにも鳥にまつわる映画といえば『皇帝ペンギン』『グース』「ハリー・ポッター」シリーズ「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどまだまだあります。ぜひ自分のお気に入りの“鳥”を探してみてください。

 

※2022年3月7日時点のVOD配信情報です。

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  • ほしのかんた
    -
    鳥を平和象徴とかにしちゃうおまいらお気楽すぎよ
  • クーベルタンはな
    3.8
    新聞社の社長令嬢メラニーは、ペットショップで知り合った弁護士ミッチに興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。 ミッチは妹の誕生日が近いためプレゼントにつがいのラブバードにしようと店員と間違えてメラニーに聞いたことがきっかけだ。 ボデガ湾でメラニーは一匹のカモメに不意に襲われる。 翌日ミッチの妹キャシーの誕生日パーティーで子供たちがカモメの大群に襲われる。 夜にはスズメの大群が煙突から家の中に侵入す る。その後町のあちこちで鳥の被害を被る。 鳥が襲ってくるのがメチャクチャ怖い。鳥苦手だが1羽2羽ならまだいいか何千何万の鳥だと恐怖以外にない。 鳥に襲われている間、人間が悲鳴あげないのがちょっと違和感だったかな。鳥の泣き声をメインにしたかっとは思うのだが。 学校のジャングルジムの鳥の数がカットの度に増えているのが怖かったな。 結局、原因が解らなかったのと唐突に終わったのが残念だったな。 2023350
  • 映画大好きそーやさん
    3.1
    巨匠アルフレッド・ヒッチコックが放つ、古き良きアニマルパニック映画! 正直今の優れたCGや編集技術をもってして作られた映像作品に観慣れてしまっているなら、そこまでの新鮮味がないどころか、大量の鳥が一斉に襲ってくる一連の場面の粗が気になってしまう人もいるでしょう。 フリのようになっているシークエンスが意外と長い割に、肝心の鳥暴走描写がフリ以上の爆発になっていないので、私としてはそこまで楽しめませんでした。 名作と持ち上げられているがために、少し期待し過ぎたかもしれません。 人間の嫌なところがしつこく、丁寧に描写されているのが印象的で、そこだけはとても面白かったです。 皆追い詰められれば、本性を露わにする。 そう暗に告げられているようで、最高に最低な気分になれました。 他の作品を観るのは色々な意味で勇気がいるものとなりましたが、少しずつ鑑賞していけたらと思います。
  • sbchlcfltt
    3
    女優さんが綺麗でずっとエレガントで惚れ惚れした。攻撃に加えて鳥インフル(人に感染するやつ)バラまいたりしたら恐怖倍増。『鶏』って誤変換すると笑っちゃう。防災用品にゴーグルは必要だなと思った。
  • わかち
    4
    ラストのシーン、日常生活で起こっても多分なんとも思わないけど、この映画の中では恐怖映像だった。 最後までなんで襲ってくるのか理由がわからないのが怖すぎる。

のレビュー(16743件)