TOKYO MXの人気バラエティ番組「バラいろダンディ」で、玉袋筋太郎(以下:玉さん)&RHYMESTER 宇多丸(以下:宇多さん)の映画好きコンビが、月に一度とっておきの映画を解説するコーナー「水曜バラいろショー」。
2017年一発目、1月のテーマは「悪い奴映画」。犯罪映画からギャング映画まで、宇多さんと玉さんが様々な「悪い奴」が登場する映画を紹介しました!
映画好きが評価する「悪い奴」が出てくる映画とは!?
宇多:さあ、今年一発目ですね。
玉:今日のテーマはこちらでございます!「悪い奴映画」。
宇多:大体映画っていうのは悪い奴出てますけどね。
玉:確かにそうだね。でも、とんでもなく悪い奴がいるんですよ。
宇多:みなさんは「悪い奴映画」といえばどんな作品を思い浮かべるのでしょうか。TSUTAYAさんがオススメする日本最大級の映画レビューサイト「Filmarks(フィルマークス)」によるランキングTOP10を見てみましょう! こちらです!
「悪い奴映画」FilmarksランキングTOP10
1位:『インファナル・アフェア』(2002年/香港)
2位 : 『狂い咲きサンダーロード』(1980年/日本)
3位:『脱獄広島殺人囚』(1974年/日本)
4位:『スカーフェイス』(1983年/アメリカ)
5位:『女囚701号 さそり』(1972年/日本)
6位:『仁義の墓場』(1975年/日本)
7位:『復讐するは我にあり』(1979年/日本)
8位:『タクシードライバー』(1976年/アメリカ)
9位:『時計じかけのオレンジ』(1971年/アメリカ)
10位:『男たちの挽歌』(1986年/香港)
—
宇多:こうやって見ると、1位に犯罪映画『インファナル・アフェア』があるかと思えば、2位には暴走族を描く『狂い咲きサンダーロード』もあったりとかですね。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】
宇多:3位の『脱獄広島殺人囚』最高ですよ、めちゃめちゃ面白い。
玉:松方さんだ。4位の『スカーフェイス』も最高だったな。
宇多:言わずと知れたギャング映画。クラシックですね。ということで、結構名作が並んでね。
玉:名作が多いですよ。やっぱり。
宇多:9位の『時計じかけのオレンジ』も、悪い奴っちゃ悪い奴ですよね。
玉:悪い。
宇多:こんな感じの結果になりましたが、本日私がオススメしたい「悪い奴映画」は、やっぱり「悪い奴」というワードがちゃんとタイトルに入っててほしい。
玉:でもTOP10には入ってないんだね。
宇多:惜しくもTOP10に入っていなかったのですが、こちらの作品をご紹介いたしましょう!
『日本で一番悪い奴ら』(2016)
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】
宇多:昨年公開になりました。『日本で一番悪い奴ら』という作品です。主演は、綾野剛さん。そして監督は、前も実際の事件を題材にした『凶悪』という作品を撮られた白石和彌監督でございます。
玉:おー!
(『日本で一番悪い奴ら』の映像を観ながら)
宇多:この『日本で一番悪い奴ら』も、2002年に北海道警察で実際に起きた日本警察史上最大の不祥事と呼ばれている「稲葉事件」。これを題材にした実録犯罪ものなんですよね。綾野剛さん演じる若者、もともとは高い志を持って警察に入ったんですけど、それがどんどんズブズブと裏社会とつながっていくと。
玉:悪い奴らだ。
宇多:たとえば、「チャカを10丁挙げたい」というと、警察がヤクザから銃を買って、それを摘発する。それで成績をどんどん上げるということを、繰り返していくというですね。
玉:悪い奴らだな〜。
宇多:ポイントは、綾野剛さん演じるこの主人公は別に悪いことをしてるっていう意識がないんですよ。警察として成績を上げたくて、どんどん常軌を逸した方向に行ってしまう。これ、実際の本がこちら「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」。
宇多:稲葉さんという方ご自身で書かれた本がベースになっているわけなんですけどね。こちらの『日本で一番悪い奴ら』がめちゃめちゃ面白いので。去年は、日本映画がめちゃくちゃ充実してたんですけど、その中の1つに数えらえるような。
玉:そうだね。
本人たちはフツーと思っている異常な会話がポイント
宇多:ということで、この『日本で一番悪い奴ら』で私が面白いなと思うポイントを抜粋してきました。要は、綾野剛さん演じる主人公は熱血なんですよ。単に刑事としての理想に燃えながらやっていると。でも、やっているうちにどんどん変なことになっちゃう。こんなことですね。
宇多:「本人たちはフツーと思っている異常な会話」。
玉:あー!
宇多:さっきのチャカのシーンで、「[刑事]チャカ、そろそろ10丁くらい挙げたいんで」「[綾野]じゃあ、内地のヤクザに頼めば10丁挙がるんで」「[刑事]買うんですか?」「[綾野]はい」っていうあの感じ。
宇多:綾野剛は自分でヤクザから買った銃をロッカーに入れて、自分で警察にチクリの電話を入れたりしてるんですね。本当にこういうことをやっていたんだと。あと、私が好きな場面、中村獅童さんが登場したときの「はい、こんちは」。これがいい!「はい、こんちは〜」って一言。最高ですね。
玉:いいね〜。
宇多:ということで、真似したいセリフなんかも出てくる、非常に面白い。昨年の日本映画、非常に充実した中でも、娯楽性という意味では結構ぶっちぎりで楽しい映画でございますので。ちょうど1月11日にBlu-rayとDVDが発売された作品なので、ぜひぜひ、白石和彌監督の『日本で一番悪い奴ら』オススメでございます。ご覧ください!
映画を越える!?「芸能界の“○○が悪い奴ら”」とは
「映画の中にも悪い奴はたくさんいますが、芸能界だって負けてないんですよ」と、玉さんが芸能界の悪い奴らを紹介。宇多さんが「これは触れていい話なんですか!?」と心配する中、「酒癖の悪い奴ら」「手癖の悪い奴ら」「金運が悪い奴ら」「頭が悪い奴ら」と玉さんが続々と紹介するその内容にスタジオの一同はヒヤヒヤ!?
次回2月放送は「死のロード映画」特集
宇多:玉さん、次回があればですけどね、2月のテーマはなんでしょうか?
玉:こちら!「死のロード映画」。なんだろうな、死のロード。
宇多:死のロード映画っていうジャンルは、別にないですからね。というか、僕は正直1本しか思いつかないですけど(笑)
玉:死のロード映画でいきましょう!
宇多:どんな作品を取り上げるのか、楽しみにしていてください!
玉・宇多:以上、「水曜バラいろショー」でしたー!!
■オトナの夜のワイドショー!「バラいろダンディ」番組公式サイト
(月〜金曜日 21:00〜21:55放送)
水曜バラいろショー過去放送分 書き起こし
- 宇多丸おすすめのフィルム・ノワール新傑作『マジカル・ガール』
- 男性必見!悲哀なプレイボーを描いた名作『カサノバ』
- Jホラーを代表する2大巨頭のデスマッチ映画『貞子vs伽倻子』
- 日本警察史上最大の不祥事を扱った実録映画『日本で一番悪い奴ら』
- 映画本来の面白さに満ちた完全映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
- 日本人のトラウマを突く映画『シン・ゴジラ』
- 西川美和監督ならではのゾッとする映画『永い言い訳』
- ものすごいカースタントを淡々と見せる実験映画『マッハ’78』
- 名優 松方弘樹の魅力が溢れる映画『脱獄ヒロシマ殺人囚』
- 日本にも超関係ある話!驚愕の告発映画『スノーデン』
- 優柔不断な男なりの反論にグッとくる愛妻家映画『恋妻家宮本』
- 美しく激しい愛妻家アクション映画『イップ・マン 継承』
- ちゃんばらの美学を考察 時代劇映画特集
- 清々しいほどのクズっぷりとガチのバイオレンス映画『クズとブスとゲス』
- アラン・ドロンの痙攣に注目の映画『太陽がいっぱい』
- 日本のレガシー俳優・仲代達矢の主演最新作特集
- キャッチコピーが衝撃的な映画特集《田舎ホラーの古典》
Copyright(c) Tokyo Metropolitan Television Broadcasting Corp. Tokyo Japan All Rights Reserved.
(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会
※2021年10月29日時点のVOD配信情報です。