酒テロクリエイター酒村ゆっけ、さんピックアップ!「私を働かなくさせた強烈すぎる5作品」をご紹介します。

酒村ゆっけ、
(酒テロクリエイター)
■プロフィール
「一人飲み」をする様子を独特の世界観と言葉で解説する動画が人気を博している酒テロクリエイター。読めるYouTubeを配信し、約9ヶ月で登録者20万人を突破。書籍「無職、ときどきハイボール」を出版。
おっはモーニング、酒村です。映画が好きすぎて新卒半年で仕事を辞めました。現在は、様々な映画からインスパイアを受けてショートムービーを作成しYoutubeで読める酒テロ動画を載せてゆるく生きています。
割愛に割愛を重ねていますが、そんな私の人生を揺らがせ、ある種歪ませた強烈な5作品を今回は紹介していこうと思います。観終えた後は放心状態、とりあえず酒飲んで感情を整理したくなること間違いなしです(いろんな意味で)。
1.『君の名前で僕を呼んで』
瞬きするタイミングがなくてドライアイになった(真実)
どこを切り取っても「Beautiful」の一言に尽きるイタリアの小さな町。そして世界一美しいと言っても過言ではない少年エリオとオリヴァーの儚いひと夏の恋。
全ての曲がどこかノスタルジックさを内包していて、この為にレコードも買ったくらい影響を受けた作品。最後のエンディング、長回しでエリオことティモシー・シャラメを捉え続けるカメラの中に入って抱きしめたい衝動に駆られた人は他にいないのだろうか。
とにかく現世で穢れた心を一瞬で青空のように晴らしてくれる究極の作品。映画関係の会社に就職し、趣味を仕事にすると純度100%で楽しむことができなくなるという壁に直面していたが、仕事も何もかも忘れるくらいに冒頭から没頭した。神推し。
2.『KIDS/キッズ』
無茶苦茶だけどめちゃくちゃ好き(語彙力)
90年代NYのストリートキッズの退廃的日常。性を知りドラックを知りアルコールを知ったばかりの少年少女が妙にリアルで生々しい。
演技経験のない子供たちとホームビデオのようなドキュメンタリータッチな見せ方、倫理観の崩壊した会話がこの世界観を現実に近づけている。記憶にこびりついて離れない、冒頭の濃厚なキスシーン・女子会の再現度・激しいロックミュージックの音色。彼らにとっては、これも青春だったと言えるのだろうか。『mid90s ミッドナインティーズ』も並べておすすめしたい。
3.『君が君で君だ』
愛って一体なんだっけ?とフリーズした
一人の女性(姫)に対し無害なストーカー3人組が見せる愛の物語。
あの娘が好きだというから、それぞれがブラピに、坂本龍馬に、尾崎豊になりきって生活を送る日々。時には髪の毛を食う、祈りの舞を踊る、女性の下着姿で立ち尽くす。
変態で偏愛だけど、いつの間にか超純粋なラブストーリーじゃないか!と錯覚を起こし始める。相手になりたいと願うほどの愛の熱量は『愛がなんだ』に通ずるものがある。
4.『ブルーバレンタイン』
恋愛は賞味期限がつきものなんだって恋愛観狂わされた
大好きな人とちゃんと恋愛して結婚して子供も授かって、幸せなはずなのに上手くいかない愛の最終電車が通過していくような苦々しい物語。
終わりへの列車が進むと同時に二人が出会って恋から愛を育むまでの場面が交互に描かれる。幸せの絶頂と苦しく切なすぎる別れが交錯したときもう息ができなくて窒息するかと思った。『花束みたいな恋をした』のもっとリアルでディープな世界線。
5.『ホーリー・マウンテン』
目を瞑ってはいけない、感じるんだ只管に(寝るな)
『サウスパーク』を超える不謹慎な作品はこれが初めてだった。
確かに残酷でグロテスクかつ不謹慎なシーンが連続して流れているのだが、それが恐ろしく芸術的なのだ。とりあえずとんでもないことが画面の向こうで起こっているのは確か。
宗教、鮮やかな色彩と映像の暴力、ホドロフスキー監督の作品は映画界の合法ドラック。好みが激しく分かれるので見る者の自己責任としてお願いする。
▼YouTubeでも紹介しています
現在、Filmarksアプリ上で、酒村ゆっけ、さんピックアップ「働きたくないし酒が飲みたい」作品一覧を掲載中。
※Filmarksアプリでのみご覧いただけます
(C)Frenesy, La Cinefacture、(C)2018「君が君で君だ」製作委員会、HAMILTON FILM PRODUCTIONS, LLC