ディズニーによる新たな才能を発掘する実写短編映画コレクション「Disney Launchpad」から生まれた6作品が、6月4日よりディズニープラスにて配信開始。次代を担うにふさわしい、瑞々しい感性に支えられた珠玉の作品群を、いち早くあなたの目で確かめましょう。
「Disney Launchpad」は新たな才能を世に放つ発射台
Disney Launchpadは、全米1100人以上の中から選ばれた、多様なバックグラウンドを持つ6人の若手映像作家たちがディズニープラス、ルーカスフィルム、マーベル・スタジオ、ピクサー、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャー・プロダクションなどで活躍するプロフェッショナルの指導のもとで短編映画を製作するプロジェクトです。プロジェクト名の「Launchpad(発射台)」には、新しい才能を世の中に向けて放つ、という意味が込められています。
その第一弾となる今回のテーマは「発見」。人種、宗教、ジェンダーなど様々なアイデンティティを持つ人々が自分のルーツを発見すると同時に、新たな人生の扉を開く物語をそれぞれが紡ぎあげています。
多様な背景を持った人々が発見する「自分らしさ」
発見とはなんでしょうか。それは自分とは何者かを見つけることに他なりません。人種、性別、宗教、出身国など、様々なアイデンティティを抱えながら人は生きています。今回紹介される6本の物語の主人公は、いずれも自分自身を発見することで大きな成長を遂げていきます。
15分から20分ほどの短い物語に、多様な価値観が共存する現代に生きる人々の等身大の姿が描かれており、多くの人の心を掴んで離さない作品ばかりです。
『リトル・プリン(セ)ス』
バレエダンスが大好きでフェミニンな中国系アメリカ人の男の子ガブリエルは、同じ中国系アメリカ人の転校生ロブと友達になる。ところが、女の子のようなガブリエルと親しくすることを快く思わないロブの父親は、ガブリエルから悪影響を受けるのではと心配し、ガブリエルに注意するが・・・。
ステレオタイプなジェンダー規範に縛られず自由に生きるガブリエルと、旧来的な男らしさにこだわる家庭に生まれたロブの対比と友情を通して、固定観念に縛られず自分らしく生きることの大切さを問いかける作品です。
『若きバンパイアの憂鬱』
人間とバンパイアの間に生まれたヴァルは、自分が半分人間であることを隠してモンスターが通う学校に転校したばかり。親友のジミーにはバンパイアであることを隠して生活している。しかし、ある日、ジミーが誤ってモンスターの学校に迷い込んでしまい、モンスターたちに囲まれてしまう。ジミーを助けるため、ヴァルは秘密を打ち明けねばならなくなる。
モンスター社会では人間は疎まれ、人間社会ではモンスターは忌み嫌われる存在。これは、どちらの世界で生きればいいのかと居場所のなさを感じている主人公が、自分を隠さず生きられるようになる過程をコミカルに描いた作品です。監督自身、バイセクシャルであることに疎外感を感じ悩んだといいます。現代社会は様々なバックグラウンドを持った人が共存する時代。人間とバンパイアのミックスである主人公は、そうした複数のアイデンティティを持つ人々を代弁しています。
『ディナーをどうぞ!』
アメリカのエリート寄宿学校に在籍する中国人留学生シャオユウは、キッチンで洗い場を担当していたが、格式高いメートル・ド・テル(ウェイター・キャプテン)に憧れを抱く。応援してくれる校長先生たちを信じ必死に練習を重ねトライアウトに挑戦するが、努力ではその役を勝ち取れないと気付く。
郷に入っては郷に従えという諺があるように、アメリカで成功するためにはアメリカの流儀に合わせなくてはなりません。しかし、だからといって自身のルーツを忘れてはいけないのだと伝える作品と言えるでしょう。
『トラになろう』
同性カップルに育てられている4歳の男の子のシッターをすることになったアヴァロン。母親を亡くしたばかりで悲しみが癒えない彼女は、4歳の男の子とのつかの間の交流で生きる力を取り戻していく。
2人の父親を持つ男の子を演じる少年の演技が何と言っても素晴らしいです。その自然で天真爛漫な佇まいで傷ついた少女の心を癒していく過程を優しく描いた作品で、2人のほほえましい交流に思わず涙がこみ上げてきます。
『最後のチュパカブラ』
孤独なメキシコ系アメリカ人の老女は、メキシコの伝統料理タマレを売り歩いて暮らしているが、奇異な目を向けられるばかり。ある日、彼女のもとに幻の生物、チュパカブラが現れる。老女はチュパカブラと生活を共にし、孤独な生活が華やいでいく。
チュパカブラとは、主に中南米に伝わる未確認生物。そんな空想上の生物をパペットで表現しているのが本作の見どころ。孤独な老女がチュパカブラに心を開き、そのことをきっかけに近所との交流も生まれていく過程をファンタジックに描いた作品です。
『イード』
パキスタンから移民としてアメリカにやってきた一家の次女アミーナは、ムスリムの祝日であるイードの日に学校に行かなければならないことに失望する。彼女はイードを学校で認めてもらおうと署名活動を開始。一方、アミーナの姉は同じ学校に通い、アメリカ人の同級生とダンスグループに所属しているが、グループから外れてほしいと言われてしまう。
次女は自身のアイデンティティに誇りを持ち、長女はそのアイデンティティから離れて、アメリカ人たちと同じようなダンスを踊りたがっています。対照的な姉妹の対比を軸に、多くの人種や宗教的バックグラウンドを持つ生徒が共存するアメリカの小学校の今をリアルに切り取り、あらゆる多様な価値観を包摂していくことの大切さを描いた作品です。
6人の若き作家が描く多様な価値観
これら6つのオリジナルストーリーには、多様な価値観とバックグラウンドを持ったキャラクターが登場します。社会の多数派とは異なる出自を持つが故に差別などの壁にも直面しますが、ポジティブにそれを乗り越えていく姿が観る人に勇気を与えるでしょう。
そしていずれの作品も、誰もが自分らしく生きられるようにという願いがこもっており、自分と異なる他者を尊重することの大切さをユーモアとファンタジーを交えて描いています。響き合う個性が美しい、珠玉の短編集がここに誕生しました。
若き才能の瑞々しい感性を世界に向けて放つ「Disney Launchpad」。今後展開される予定の第二弾ではどんな物語を私たちに見せてくれるのか、今から楽しみです。そして、今回紹介された6人の新たな作家たちの今後の活躍にも期待しましょう。
ディズニープラス公式サイト:https://disneyplus.disney.co.jp/
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