Filmarksのレビューを見てみると、ただ映画を娯楽として楽しむだけでなく、そこから現在の社会にある諸問題について理解を深めて学ぼうとする人が増えてきた印象を受けます。
今回はそんな学びの羅針盤、入門編として最適な「学びが多い映画」を名作から隠れた傑作までまとめて10本ピックアップ。普段観ないジャンルにチャレンジする機会にしてはどうでしょうか。
『82年生まれ、キム・ジヨン』(2019)
『ウインド・リバー』(2017)
『ボーダーライン』で脚本を務めたテイラー・シェリダン監督作。ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、ギル・バーミンガム、マーティン・センズメアー出演。レビューでは「 アメリカの先住民や警察制度について勉強になった。」など本格派サスペンスの傑作として知られる。
雪深いアメリカの、ネイティブアメリカンが追いやられた土地“ウインド・リバー”で見つかった少女の死体。新人捜査官ジェーン・バナーが単身FBIから派遣されるが、慣れない雪山の厳しい条件により捜査は難航。ジェーンは地元のベテランハンターで、遺体の第一発見者であるコリー・ランバートに協力を求め、共に事件を追うが、そこには思いもよらなかった結末が……。
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『きっと、うまくいく』(2009)
『PK』のラージクマール・ヒラニ監督作。アーミル・カーン、R・マーダヴァン、シャルマン・ジョシ、カリーナ・カプール、ボーマン・イラニ出演。レビューでは「国は違っても学歴社会や競争社会は存在するということを再認識して、その上でインド特有の社会問題も垣間見ることが出来て勉強になった」など笑えるコメディでありつつ、あまり知らないインドの社会について学んだ人が多い様子。
舞台はインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。未来のエンジニアを目指す若き天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械よりも動物が大好きなファラン、なんでも神頼みの苦学生ラージューの“三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させるハチャメチャ珍騒動を巻き起こす……。
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『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2016)
『バイス』のアダム・マッケイ監督作。クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラット・ピット、マリサ・トメイ出演。「リーマンショックの背景がよくわかる。専門用語が多いけど、ほぼ理解できた。」など歴史的事件であるリーマンショック理解の助けになる。
2005年、金融トレーダー・マイケルは、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜く事を画策する。同じ頃、ウォール街の若き銀行家ジャレットは、マイケルの戦略を察知し、ヘッジファンド・マネージャーのマークを説得して「クレジット・デフォルト・スワップ」に大金を投じるべきだと勧める。また、この住宅バブルを好機と捉え、ウォール街で地位を築こうと野心に燃える若き投資家の2人から、勝負を賭けるにあたり相談を持ちかけられるベン。今は一線を退いた伝説の銀行家であるベンは2人の計画に自らのコネクションを使って彼らのウォール街への挑戦を後押しすることを決意する……。
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『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)
『靴職人と魔法のミシン』のトーマス・マッカーシー監督作。レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、リーヴ・シュレイバー出演。レビューでは「センシティブな題材を淡々と描いて、宗教の知らない側面を見た。」などマスメディアのあるべき形についても学べる良作。
2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ紙」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。“スポットライト”という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を照らし出したのか……。
『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)
『キ&カ 彼女と彼』のR・バルキ監督作。アクシャイ・クマール、ソーナム・カプール、ラディカ・アプテ、アミターブ・バッチャン出演。レビューでは「男性にも女性にも観て欲しいテーマだった。」など高評価がとにかく多い。
インドの小さな村で新婚生活を送る主人公の男ラクシュミは、貧しくて生理用品が買えず、不衛生な布で処置をしている最愛の妻を救うため、清潔で安価なナプキンを手作りすることを思いつく。日々研究とリサーチに明け暮れるラクシュミの行動は、村中の人から奇異な目で見られ、数々の誤解や困難に直面、ついには村を離れるまでの事態に。それでも諦めることなく、彼の熱意に賛同した女性パリーとの出会いと協力もあり、ついに低コストで大量生産できる機械を発明。農村の女性たちにナプキンだけでなく、彼が発明した機械を使って働く機会をも与えようと奮闘する最中、彼の運命を大きく変える出来事が訪れる……。
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016)
『しあわせの隠れ場所』のジョン・リー・ハンコック監督作。マイケル・キートン、リンダ・カーデリーニ、パトリック・ウィルソン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ出演。レビューでは「システムを作るのと、事業を拡大するのは別の才能なんだなと勉強になった」など、ビジネスについて学んだという声が多数あった。
1954年アメリカ。52歳のレイ・クロックは、シェイクミキサーのセールスマンとして中西部を回っていた。ある日、ドライブインレストランから8台ものオーダーが入る。どんな店なのか興味を抱き向かうと、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガー店があった。合理的な流れ作業や、コスト削減、高品質という革新的なコンセプトに勝機を見出したレイは、壮大なフランチャイズビジネスを思いつき、兄弟と契約を交わす。次々にフランチャイズ化を成功させていくが、兄弟との関係は急速に悪化。やがてレイは、自分だけのハンバーガー帝国を創るために、兄弟との全面対決へと突き進んでいく……。
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『タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜』(2017)
『高地戦』のチャン・フン監督作。ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル、チェ・グィファ出演。レビューでは「光州事件の事を全く知らなかったので、勉強になった」など韓国で起きた実在の事件を取り扱っている。
ソウルのタクシー運転手マンソプは「大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが……。
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『ファッションが教えてくれること』(2009)
『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』のR・J・カトラー監督作。タクーン・パニクガル、アンドレ・レオン・タリー、グレイス・コディントン、アナ・ウィンター、ハミッシュ・ボウルズ出演。レビューでは「ファッションと仕事の魅力を堪能したし、編集者としての仕事術も詰まっている。」など名作『プラダを着た悪魔』のモデルになったアナ・ウィンターに密着したドキュメンタリー。
2007年、米版ヴォーグ特大号である9月号、締め切り5ヶ月前。一年で最も重要な号の準備に、忙しくする編集長アナ・ウィンター。トレンド傾向を見極め、特集するべきテーマを決め、撮影準備に入っていく。部員から提案される掲載候補の服に対し、有無を言わせずに採用・不採用を決め、重要なブランドの事務所を訪れ、コレクション前の洋服を見てデザイナーに歯に衣着せぬ意見を言い、メガ・ブランドのコラボレーション企画に合う新進のデザイナーを提案するなど、まさに分刻みで仕事をこなしていく。彼女とともに働く編集部員も、彼女の要求に応えるために必死だ。そして締め切りは迫ってくる……。
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『ブラック・クランズマン』(2018)
『ドゥ・ザ・ライト・シング』のスパイク・リー監督作。ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー、ローラ・ハリアー、トファー・グレイス、アレック・ボールドウィン出演。レビューでは「同じ黒人問題を扱った『グリーンブック』と見比べるとより面白いかも」など、BLM以降加速する人種問題を取り上げ続けてきたスパイク・リーの代表作。
1979年、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署でロン・ストールワースは初の黒人刑事として採用される。署内の白人刑事から冷遇されるも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体 KKKのメンバー募集に電話をかけてしまう。自ら黒人でありながら電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまう。問題は黒人のロンは KKK と対面することができないことだ。そこで同僚の白人刑事フリップ・ジマーマンに白羽の矢が立つ。電話はロン、KKK との直接対面はフリップが担当し、2人で 1 人の人物を演じることに。果たして、型破りな刑事コンビは大胆不敵な潜入捜査を成し遂げることができるのか……。
※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2021年6月28日時点の情報です。