人間が“おもちゃ”同士の戦争に巻き込まれる!【ANAISによるB級映画のススメ】

恐竜をこよなく愛するナード系ハーフ

ANAIS

スモール・ソルジャーズ

こどもの日。

私好きです、こどもの日。幼少期にはトイザらスに連れて行ってもらっては、おもちゃやぬいぐるみを買ってもらっていたものです。成長していくに連れて、それは“お小遣い”という名の現金となっていったわけですが……。

さて、この記事を読んでいる方は、買ってもらう側ではなく買う側の方が多いと思いますが、おもちゃは時に少し厄介ではないでしょうか。やけに高いし、片付かないし……軍事用のチップが埋め込まれていて自分の命を脅かすようなら、尚更ね。

そんな馬鹿な話しはないって?どうでしょうね……本日紹介する映画『スモール・ソルジャーズ』をご覧いただければ、その考えは変わるかもしれません。

『スモール・ソルジャーズ』(1998)

スモール・ソルジャーズ

おもちゃがテーマの映画といえば誰もが愛して止まない『トイ・ストーリー』がメジャーですが、マイナーではこの作品が私のお気に入り。グレムリン』の監督であり、B級SF・ホラーに精通しているジョー・ダンテの手がけた作品です。ヒロインにはサム・ライミ監督『スパイダーマン』のMJ役を演じた若きキルスティン・ダンスト、声優としてトミー・リー・ジョーンズが参加。また、B級映画に欠かせない俳優といっても過言ではないディック・ミラーも出演しています。

新発売のクールなフィギュアは、まさかの軍事用最新AIチップ入り?

主人公は父の店である街角のおもちゃ屋で働く非行少年。ある日、いつも店におもちゃを卸すおじさんから新作のおもちゃを見せてもらいます。それは、「ゴーゴナイト」と「コマンドー・エリート」というフィギュアでした。

「ゴーゴナイト」は、本当は心優しい怪物というキャラクターなのですが、メーカーの社長の指示によって「コマンドー・エリート」の敵役に仕立て上げられます。そして「コマンドー・エリート」は“正義のために”、醜い「ゴーゴナイト」を抹殺するようプログラミングされた兵隊フィギュアなのです。

さて問題なのは、なんとこの二つのフィギュアに、製作過程で軍事用の最新AIチップが埋め込まれてしまったこと。よって、主人公が箱から開封し起動させた後、自我を持って動いたり話しだすんですね。早速、ゴーゴナイトのリーダーである獣人アーチャーとコマンドーのリーダー、チップ・ハザードは闘い出します。このチップ・ハザードなのですが、トミー・リー・ジョーンズが声優を務めていることもあって、そこからまず勝てる気がしない。

その後、家にアーチャーを持って帰った主人公は、それがただのおもちゃではない事に気づく。それと同時にコマンドーがアーチャーの命を狙って家に襲撃してきます。無事アーチャーを守ることができたものの、主人公はコマンドーたちが人間を脅かす可能性を十分にもっていると判断し、親に話すんです。しかし、普段から嘘ばっかりついているので、信じてもらえない(まあ、正直だとしても信じてもらえないでしょうね)。それ故に、この少年はこの緊急事態を一刻も早く大人(両親)に理解してもらうために、信頼を取り戻さなければならない。人としての成長が求められるのです。

“お遊び”の時間は終わりだ!家庭用品を駆使したおもちゃが殺人マシンと化す!

さて、コマンドーたちはアーチャーをかくまっただけでなく、仲間である「コマンドー・エリート」のフィギュアの一体を破壊した主人公(人間)を敵と見なします。報復のために武装するのですが、これがまたネイルガンや可燃ガスなどガレージに置いてあるような家庭用品!その規模感なのに意外と破壊力がある、というギャップが笑えます。しかし、彼らにとってはノージョーク。

主人公が気になっているヒロインの部屋にあるバービー人形らを、自分たちに埋め込まれているチップを使って同じような兵隊に改造したり、例の卸のおじさんを襲ってトラック内に残っていた「コマンドー・エリート」のフィギュアを一斉に開封して軍隊を作るなど、手に負えません。彼らは本気(ガチ)です。

それに対しゴードナイトが立ち向かうのですが、リーダーのアーチャー以外は負け腰で隠れてばかり。何故なら、彼らは自分たちがコマンドーに負けるとプログラミングされている事を知っているからです。プログラムで敗北が確定されている弱者が、それでも尚立ち向かおうとする姿勢もこの映画の見所のひとつ

いよいよ完全武装したコマンドー軍隊が主人公の家に攻め入った時、大人はようやくこれが現実に起きていることだと理解して、子供たちと共に闘い始めます。主人公のお母さんなんかはテニスラケットで応戦するという、一見笑ってしまいそうな戦法なのに、その姿はめちゃくちゃかっこ良くて痺れる。果たして、ゴーゴナイトと人間は武装した最強軍事おもちゃに勝てるのでしょうか!?

お気づきの通りストーリーは非常にB級なのですが、決して安っぽくはありませんフィギュアの動作や表情を中心とした映像のクオリティは遥かに高いという点がこの映画の最大の魅力ともいえますね。老若男女問わずに楽しんでいただける作品だと思います。

あなたも、おもちゃを買うなら十分に注意して物を選ばないと大変な事になってしまうかもしれませんよ。

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  • すくりね
    4
    新発売される子供用玩具をCMのように動かせという上司の無茶な要求をなんとか実現しようとした結果、開発者が軍用コンピュータをフィギュアに搭載してしまい、インプットされた命令に従い兵士のオモチャたちが大暴れするという今作。 自我を持ったオモチャを取り扱う作品を観ると必ずいたたまれない気持ちになってしまう自分ですが、普通にエンタメとして楽しめる一作でした。 ・アメトイの良さ やはりパッケージデザインや、プロダクトデザインのこだわりがいいですね。 ヒーロー然としていて殺戮マシーンだったソルジャーズは、それぞれ得意分野が違っていたり、見た目にも特徴があって楽しめます。 軍事用コンピュータを組み込んでしまうというアイデアも面白い。 最新技術は先に軍事利用された後で民間に広まる、みたいな話もあったりするので最先端のオモチャを目指すならそれを搭載したのも納得といった感じ。 さらにこのオモチャ、3Dモデルからプラスチック成形されており、1998年より前の段階で3Dプリンター的な概念があったのか、と驚かされましたね。 ・DIY 兵士たちのDIYっぷりが非常に良くて、ミキサーの攪拌部を組み合わせ、矢文用の矢を作るという斬新なアイデアに唸りました。 工具が大量に置いてあるガレージに侵入し、武器に変えるようなシーンはさながら「イコライザー」*1 みたいでテンション上がります。 ラジコンに乗って目標を追跡したり、火炎放射器を使ったりと、バッド・カンパニー*2 も真っ青の一個小隊を作り上げたりしていて、もはや戦争です。 ・安息の地を求めて ソルジャーズの敵として生み出されたゴーゴナイトというモンスターたちは、その恐ろしげな容貌とは打って変わって内面は平和を愛し、暴力を嫌うというギャップ萌えを刺激される仕様。 そんな彼らはゴーゴンという故郷に帰りたいという強い願望を持っています。 玩具としての設定上プログラムされただけではありますが、ソルジャーズがゴーゴナイト絶対殺すメンになっているように、ゴーゴナイトたちもゴーゴン絶対帰るメンになっているのです。 この辺、ちょっと宗教みたいだなぁと思ったりしていて、バビロン捕囚*3 っぽいんですよね。 ゴーゴナイトが兵士に弾圧されながらもエルサレムに帰りたいと願う民に見えるというか。 主人公アランもゴーゴナイトと重なる部分があります。 誰からも認めてもらえず厄介な不良として転校を繰り返していた彼は、自分にとっての安息の地を求めていたのではないでしょうか? ゴーゴナイトたちを追い払わず匿ったのも、そのような感情を持っていたからのかなと思うと結構エモいですね。 *1 イコライザー デンゼル・ワシントン主演の「舐めてた相手が実は殺人マシンでした」系映画。 ホームセンター勤務の元海兵隊員であるデンゼル・ワシントンが、痛快に悪を成敗するエンタメ作で、様々な工具を使うあたりのテンション感が似てます。まぁ自分の店の工具勝手に使ってるんですけど。 *2 バッド・カンパニー ジョジョの奇妙な冒険 part4 ダイヤモンドは砕けない」にて登場したミニチュア軍隊のスタンド。 そういえば劇中歌でレッド・ツェッペリン(ツェペリ)やAnother One Bites the Dust(バイツァ・ダスト)やスパイス・ガールズ(スパイス・ガール)などの曲が流れててめっちゃジョジョ!って1人で興奮してました。 *3 バビロン捕囚 古代イスラエルの民がバビロンに強制移住させられた事件。
  • Melko
    3.7
    「コマンドーに必要なものは?」 「敵です」 「私たちは負ける。そうプログラムされている。」 ”Gorgonites, fight!”(戦えゴーゴナイツ!) 負けられない戦いが、ここにある…!! マークをつけた思い出しレビュー作品を見返そうシリーズ 「主人公の母親が、飛んできた火の玉をラケットで撃ち返す場面」の記憶しかなかった作品、15年以上ぶりに再鑑賞! すごく面白くなりそうな要素が満載なのに、不完全燃焼だった思い出だけど、また見たくて。 うーん、あの頃の想いは覆らず、、でもやっぱり場面場面は楽しかった! というのも、再鑑賞するには私が大人になり過ぎたなっていうのもあるかも。 元も子もないツッコミをしてしまうと、 精密機器も扱うものづくりに従事してる身からすると、事の発端となるおもちゃたちの製造工程があまりにも非現実すぎて気になってしまい。 人形自体に商品化の実績があるとはいえ、できるかどうかもわからんものを3ヶ月で仕上げろと?!鬼畜か?!悪魔か?! ハイテクな玩具は大体1年仕事です。 「テストとかやらないといけないので6ヶ月はかかります」と、開発担当は至極真っ当なことを言ってます。 それを本当に3ヶ月で仕上げた(のであろう)とは、魔法か何か使ったのかな… 誰か出張行ったり、徹夜したりしたんだよねきっと… マイクロチップ✖️1000個で50万ドル(当時の価値でも6000万ぐらい?)をポーンって簡単に発注しちゃうマーケティング担当…上司の決済とか要らないのか?? ……なんて、ものすごいノイズになってしまったわ!イケナイ! でもやっぱり、「自らの意思を持って行動し、人間を脅かすおもちゃ」ってのはすごい興味深くてテンションのアガる題材! すごいおっかないトイ・ストーリーって感じ。 軍用チップを埋め込まれたフィギュア達の戦い 角刈りチップハザード少佐率いるコマンドー部隊 VS 礼儀正しい獣人 アーチャー率いるゴーゴナイト ホントに人間を殺しにくる勢いのコマンドー軍団 やっぱりすごく勿体ないのは、戦うべき相手のゴーゴナイツがほぼ機能してないこと。コマンドーと戦ってるの、人間なんだよなぁ。。 それでも、お世話になった主人公のピンチに「隠れてたって負ける。どうせやられるなら戦おう!」みたいな、ヤケクソ根性で立ち向かうのは好感持てる。だからこそもっと早く動いて欲しかった。。 あと、特撮や人形のクオリティに力を割き過ぎて、メッセージや主人公やゴーゴナイト達の成長の過程がやや強引なのも気になってしまった。 伝えたいメッセージとして繰り返し出てくるセリフとかも特に無いし、、 あとこれはめっちゃ好みの問題だけど、コマンドーにもゴーゴナイトにもビジュアルが好みのキャラがいなかったんだよなぁ、、こればかりは仕方ない。 さすがグレムリンの監督らしいダストシュート使った制裁シーンも出てくる! バービーみたいな人形が改造されて凶悪になるシーンは今見ても結構トラウマ。グチャグチャの顔とか乱暴な言葉遣いとか、子供には刺激が強過ぎる〜 BGMが地味に良いんだよなぁ。 RUSHを好んで聞く15歳の女の子って結構拗らせてる気が… ♪Yo〜で始まるあの曲、爆音で鳴らされたら近所迷惑だよね笑 立てこもる家の中を急に取り仕切る火の玉ラリーママに、ヒャッハー言いながらバトン振りかざして人形撲殺するヒロインに、ピンチの際に強いのはやはり女か…?笑 本編の後、今回はメイキング映像とNG集、削除されたシーンなど、特典映像も堪能! 主人公もヒロインも、絶妙に美少年/美少女ではない(近所にいそうなリアリティな)のがポイントだろうか。 グロボテック社長役のデニス・リアリー 「ハンサムで頭が良い。女にモテて男に尊敬される。まぁ、いつもの役だよ」って言ってた笑 フィギュアデザイン担当のアーティストがインタビュー受けてる後ろでアーチャーが動いてて、おっ…!! 1体の人形の四肢を5人で動かす様は、人形浄瑠璃見てるみたい。。! ビックリするのは、実写フィギュアとCGフィギュアがほぼ遜色ないこと。 これもまた、プロのためのプロの現場である。 チップの声はトミーリージョーンズ ゴーゴナイツはスパイナルタップの面々 不気味ドールの1体にはクリスティーナリッチ BGMはあの←Rock&roll part2!先見の明あるじゃん〜。 削除された学校でのシーンとかあっても良さそうだったけど、この作品は120分以内に収めるべきかと。 フワッと3.0つけてた思い出しレビュー、作り手と役者の頑張りに、スコアアップ! そしていつの日かまた、見返したくなる時が来るのだろう… ▼思い出し過去レビュー▼ 話の中身はあまりないけど、健気なおもちゃたちにキュンとする。
  • アリエル
    4.2
    個人的にはかなり好きな作品 地上波放送で見られてよかったです
  • やまもと
    -
    昔みた記録。 けっこう好きだった覚え。
  • とげまる
    5
    殺意マックスなトイストーリー笑笑 新作のおもちゃとして軍事用チップを埋め込まれたおもちゃが巻き起こすドタバタコメディ映画‼️ 正義の戦闘部隊『コマンド・エリート』達と悪役設定だけど心優しいモンスター『ゴーゴーナイト』達が、おもちゃ大戦争を繰り広げるといった内容🤖 子供の頃に見たら絶対トラウマになっただろうな〜ってレベルでなかなか残酷🤣 とにかく絶対殺すマンと化したコマンド・エリート達の攻撃手段がヤバくてずっと笑って観てられる‼️ おもちゃ版マッドマックスを観ている気分笑笑 また音楽もかなり良くてバイツァダスト流れるシーンとかめちゃくちゃカッコイイ‼️ 童心に帰って楽しめる最高な90年代映画でした😄👏✨
スモール・ソルジャーズ
のレビュー(5590件)