【え?嘘なの?本当なの?】あなたを騙す珠玉の“モキュメンタリー”映画3作

2017.05.31
映画

映画狂の唄を大いに謳おう

ロックス

こんにちは。長いこと生きていると「騙された〜! くそ〜! でもやるな〜こいつぅ〜」なんて思うことありませんか?

映画の世界ではよくあることでして、俗に「モキュメンタリー」なんて呼ばれたりしています。つまり偽ドキュメンタリーのことです。ということで、今日はあなたを騙すモキュメンタリー特集をお贈りいたします!

偽ロックスターの偶像『スパイナル・タップ』

スパイナル・タップ

偽ヘヴィメタルバンド「スパイナル・タップ」を追ったモキュメンタリー。ロングヘアーに髭、金髪という当時のヘヴィメタルバンドをステレオタイプに表現、人気バンドあるあるのメンバー間の衝突や苦悩が描かれています。もちろん全部嘘だけど。

この作品はなんと役の設定だけ与えられてあとはすべてアドリブで進められています。映画の人気が出すぎてまさかの「クイーン」のボーカル=フレディ・マーキュリー追悼コンサートにもちゃっかり出演しています。また、作品としての評価も非常に高く、アメリカ議会図書館によってアメリカフィルム登記簿にも登録されています。嘘もここまでやれば立派な本物になれる、ということの証明ですな……。

僕たちはバンクシーの掌で踊らされている『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

バンクシー

ロンドンを拠点に世界的に活躍する覆面ゲリラアーティスト・バンクシーの初監督作品。バンクシーをはじめグラフィティアーティストを追った映像ディレクターがバンクシーによってグラフィティアーティスト「ミスター・ブレインウォッシュ」になってしまうというストーリーですが、実はミスター・ブレインウォッシュというアーティストは元から存在しています。一見普通に観ているとミスター・ブレインウォッシュ誕生譚のように見えますが、嘘なのか本当なのか、結局わかりません。結局僕らはバンクシーの掌で踊らされているだけ。憎たらしいですがスタイリッシュな映像も魅力の一つとして面白い作品に仕上がっています。

これが本当のクレイジー! 『容疑者、ホアキン・フェニックス』

ホアキン・フェニックス

早逝した伝説の名優リヴァー・フェニックスを兄に持ち、オスカー作品『グラディエーター』では、傲慢な皇帝コモドゥス帝を演じアカデミー助演男優賞にノミネート、そして『ウォーク・ザ・ライン』では悲願のアカデミー主演男優賞を受賞、という誰もが羨む栄光を手にしたホアキン・フェニックス

そんな彼が突然の俳優引退宣言をする。次に選んだ道はなんとミュージシャン。しかもウォーク・ザ・ラインで演じたジョニー・キャッシュのようなカントリー歌手ではなく……なんとヒップホッパーに転向! ミュージシャン転向後、公の席に現れた彼はだらしない髭にブクブクに太った体、全米のファンは大いに嘆いた。と、ここまでは本当の話。実はこの話すべてホアキン・フェニックスがこのモキュメンタリー映画を撮りたいがためにやった「演出」なのです。

2年間映画のために私財を投資し、地位も名誉も捨ててモキュメンタリーを撮りたいがためにゲラゲラ笑っていたのです。クレイジーすぎる……!

いかがですか? モキュメンタリーというジャンル、たまには騙されてみるのも一興。どの作品もクレイジーな仕上がりとなっています。ぜひご覧になってください〜!

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    4.4
    面白いしすごい。事実が歪められ、大衆向けに味付けされて報じられるのが当然になっている世の中で、ショウビズとゴシップの頂点(ハリウッド)で撮ったフェイクドキュメンタリー(というか私の個人史上最も大規模なメディアレイプ。しかも自費)。私とて潜在的に新たなゴシップを求め、著名人が引きずり下ろされる瞬間を毎日豚のよう探している中で、セレブ本人が自身の職業(演技力と俳優人生)を賭け体当たりで描くスペクタクル社会の空洞。自分自身をネタにしているため政治的な主張がなくて良い。自嘲あり、フェイクだと分かっていても怖くなるような狂気の演技ありで、ホアキン・フェニックスのことますます好きになりました。“騙された人達”の中には激怒した人も多かったと聞いていますが、こんな作品がトップ俳優2名の製作で出てくるアメリカはある意味健全。吊るし上げる有名人を週替りランチのように探しては再起不能になるまで叩き続ける我が国の風潮と比べるとどっちが病んでるか分かりません。 ホアキンが俳優辞めてラッパーを目指すというストーリーであり、MOS DEFやDIDDYも出るのでその辺の文化が好きな人はさらに必見。なんとなくKanyeじゃなくて良かった(笑)。 ※後日談を含めたスペシャルパッケージ(DVD等)が出たら買うかも。大手配給じゃないから難しいかな。
  • pika
    4.0
    前に見始めた時はホアキンの出演作をあまり見ていなかったってのもあってイマイチ面白さがわからずすぐに見るのを止めてしまったんだが、最近ホアキンの出演作をガーッと見てきてすっかりファンになって改めて見るとオープニングからめちゃくちゃ面白かった。 直前にこのフェイク引退宣言前に出演した「トゥー・ラバーズ」を見ていたというのもあってなおさら!笑 本人たち仕掛け人以外は本物の反応であるフェイクドキュメンタリー、いわゆるドッキリであり、この映画を見ている人は既にそれを承知して見ているとは言え、リアルタイムで引退宣言を聞いてホアキンの奇行を見続けフェイクとわかっていてもどこまでが本気でどこまでが演技なのかわからない奇妙な感覚が漂い続ける。 ホアキンの名演と構成そのものの生々しさもあるが、現在既に復帰して引っ張りだこで映画に出まくっていると知っているのに「本気です」と言っても納得できるレベルのリアルさ。 子供の頃からこの世界に入って常に前線で評価を受け続けているホアキン・フェニックスだから成立したところもあるだろうが、それにしてもよくぞ私財も時間も使ってここまでやったなぁと、その情熱と計算し尽くした完成度は圧巻。 全体的に多少冗長的なところはあるけどドキュメンタリーとしての構成演出も面白いし、被写体と内容とバッチリ合っていて飽きなかった。 「もし一つの道で成功した人物が全てを捨てて新たな道へと進んだら」という仮定の問いかけとしても見事で、俳優からラッパーへという特殊な道程でなくても転職とか人生の岐路とか、万人に言える他人事ではない葛藤にフォーカスを当てているところも良い。
  • plaski
    3.6
    DMMレンタルDVD
  • あだち
    3.6
    清水富美加、容疑者ホアキン・フェニックス説
  • よー
    3.0
    一連の騒動を時期が過ぎてから知っての鑑賞なので、ホアキンの目論みからは完全に「蚊帳の外」。 そのため、楽しみ方が制限されてるような感じは否めない。 作品を取り巻く狙い云々は置いといて、別の観点からお気に入りの瞬間を見つけていくしかない。 印象としては、俳優としてのターニングポイントを作るための壮大な実験、みたいな感じ。 観てて特別面白いわけでもないが、彼の自己満足が結果として成就してるだけあって、ファンとしてみれば多少の退屈ささえ心地いいものよ。 だらしないホアキンのコスプレ、ハロウィンで流行ってほしいな。 あの弱っちいラップも、個人的には好きだ。
「容疑者、ホアキン・フェニックス」
のレビュー(433件)