山崎まどかのNetflixマイリスト公開中

ネトフリをもっと楽しむ

Netflix Japan編集部

Netflixを楽しんでいるさまざまな方にマイリストを公開してもらい、その使い方やルール、お気に入り作品について伺います。
今回はコラムニストの山崎まどかさんのマイリストを公開します。

山崎まどか

コラムニスト、ライター、翻訳家。「乙女カルチャー」を標榜し、少女文化、若者文化や映画、音楽などの紹介を中心にさまざまなメディアに寄稿している。最新刊「ランジェリー・イン・シネマ」(ブループリント刊)発売中。Twitterアカウント:@romanticaugogo

Netflixの楽しみ方

一日に観る配信番組/映画は最大三本までと決めていて、夜のニュースの合間である七時半から九時にかけてが私のNetflixゴールデンタイムです。一時間〜四十五分枠のシリーズ物+三十分のコメディ・シリーズorドキュメンタリー・シリーズが組み合わせとしては理想。

映画に関してはその後か、作品によっては昼間に時間を取って観ることもあります。ジムでランをする時には、携帯にダウンロードしておいたドキュメンタリーを見て、帰ってから続きをAmazonスティックにつないだテレビで観ることも。映像を楽しみたいので、映画作品や気合の入ったドラマシリーズはなるべくP Cではなくテレビの方で観るようにしています。

マイリストの使い方

私はアンチ・ビンジ派なので、配信予定が分かると観たい番組をピックアップしてまずエクセルで日程表を作ります。マイリストはその表を補強する意味合いが大きい。前は気になった作品や観たいものをランダムに入れていましたが、それだと数が逆に膨大になってしまうので、

(1)予定表の中にあって1か月以内に観ると決めている作品
(2)余裕がある時に観るシットコム
(3)仕事の参考やヒントとして見返す機会があるもの
(4)新シーズンが来たらすかさず観るシリーズ

を主に入れています。

マイリストのお気に入り作品

都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-

1970年代からアンディ・ウォーホルの雑誌「インタビュー」誌で活躍し、ニューヨークを代表するアイコン的な書き手でありながら、きちんとした著作はわずか三冊しかないという驚異の作家フラン・レボウィッツ。しかしニューヨークのカルチャーの表と裏を知り尽くし、この都市の文化史の生き証人でもある彼女の語り口は辛辣でありながら、同時にどこまでもチャーミングで、講演者としての仕事が引きも切らない。

レボウィッツの親友でもあり、既に彼女についてのドキュメンタリー映画「Public Speaking」(2010)も撮っているマーティン・スコセッシ監督によるこのシリーズは、都市の語り手としてのレボウィッツとニューヨークの魅力を網羅する素晴らしいドキュメンタリー。表情豊かなレボウィッツの手の動きを追い、彼女の言うこと成すこと全てがツボらしいスコセッシの合いの手的な笑い声を聞くだけでも幸せな気持ちになれる!

モキシー ~私たちのムーブメント~

アメリカの十代を主人公にした映画の変遷を追う者としては、90年代のライオット・ガールの文化に魅せられた主人公が、ZINE(ジン)を作って学内の性差別に対抗するという筋書きが魅力的。何よりもビキニ・キルをカバーするロサンゼルスのティーン・バンドThe Linda Lindasの演奏シーン!「Racist, Sexist Boy」のMVがバイラルになって世間で大きな注目を浴びるのに先駆けた。

事件現場から: セシルホテル失踪事件

二年前、ロサンゼルスのダウンタウンに宿泊した時。話題のフードフェスティバルに行く途中、ホームレスのテントで埋め尽くされたストリートがずっと続くのをUberの車の中から見て驚いた。ここが「スキッド・ロウ」と呼ばれる場所であるのを知ったのは帰ってから。きらびやかなアールデコ調のレトロビルが並ぶダウンタウンの闇の部分で、そこと直結しているのがセシルホテルだ。

このホテルから女子学生が消えた事件がライアン・マーフィーの「アメリカン・ホラー・ストーリー ホテル」の元ネタになっていることを、このドキュメンタリー・シリーズで初めて知った。ロサンゼルスの都市の歴史と負の遺産が垣間見えてくる、その過程がスリリングだった。

しかしネットの陰謀論の舞台人された古書店ラスト・ブックストアは気の毒過ぎる。この地域の文化的なランドマークなのに……ニューヨークで同じ存在のストランド書店が「リリー&ダッシュ」で可愛らしい恋の舞台として使われているから尚更。

隔たる世界の二人

Netflixが普及して良かったと思うことの一つに、今までは一般の観客にはなかなか届かなった短編作品が見られるようになったことがある。トレバー・ノアの番組のライターたちが作ったこの短編も、アカデミー賞の短編実写映画賞を受賞するのに先駆けて見られた。

主人公がトライ&エラーを繰り返すタイム・ループものは現在の流行だが、過ちが繰り返されるたびに人の命が失われていったアフリカ系アメリカ人の歴史と重ね合わせられるとずっしりと重い。

スパイク・リーがプロデュースした『シー・ユー・イエスタデイ』と合わせて観るのをお勧めしたい。答えが出ない現実を美化できないBLMの状況を切実に表現するのに、タイム・ループの形式がいかに有効か分かるから。

※2021年7月6日時点の配信作品の情報

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