怪物は少年になにを伝えたかったのかー究極の映像美で贈る感涙のダークファンタジー『怪物はささやく』

2017.06.02
特集

FILMAGA編集部

フィルマーくま

英国史上初のカーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞のW受賞を果たし、世界中でベストセラーを記録した小説「怪物はささやく」に魅了されたベレン・アティエンサ。
アカデミー賞受賞作『パンズ・ラビリンス』(06)でプロデューサーを務めた彼女が、2004年のスマトラ島沖地震で発生した大津波を題材にした作品『インポッシブル』(12)で高い評価を受け、「ジュラシック・ワールド」シリーズ続編への期待が高まるJ・A・バヨナを監督に起用し、待望の映画化が実現。

怪物はささやく

2016年、スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞を最多9部門受賞し、同年のスペイン年間映画興収1位に輝いた映画『怪物はささやく』が、いよいよ6月9日(金)、日本公開されます。

真夜中に現れ、意外な結末の物語を語る怪物と、心の奥深くに誰にも言えない秘密を隠した少年の奇妙な駆け引きを描いた本作。その魅力をたっぷりご紹介していきます。

【怪物が語る3つの真実の物語】を彩る幻想的なアニメーション! 怪物は、主人公そして観客に問いかけるー

真夜中12時07分に丘の上からやって来たイチイの木の怪物は、主人公コナーに、「私が3つの物語を聞かせる。お前が4つ目を話せ」と迫ります。
怪物が話す3つの物語。<黒の王妃と若き王子><薬師の秘薬><透明人間の男>……これらは怪物の記憶の中の物語として描かれ、怪物が物語を語りはじめると、美しい水彩調のアニメーションがスクリーン上に広がり、観客を不思議な記憶の世界へと引き込みます。

怪物はささやく

 

胸躍るおとぎ話はいつも想像しがたい結末で幕を閉じ、その結末を受け入れることが出来ずに戸惑うコナー。しかし物語が深まっていくにつれ、なぜ怪物がその物語を少年に語るのかが少しずつ紐解かれていきます。

そして最後にコナーが語る<4つ目の物語>。その真実が語られた時、観客である私たちは大きな衝撃に心揺さぶられながらも、この複雑で不安定な時代を生き抜くヒントを受け取る事が出来るかもしれません。

怪物が語る何とも印象的な物語。そのアニメーションを手がけるのはドリーム・ワークスのNetflixオリジナル作品「Trollhuters(原題)」でアニー賞3部門を受賞したヘッドレス・プロダクション。
現実と虚構の世界を行き来するような不思議な感覚に陥る映像美を、ぜひ劇場で体感してみてください。

■怪物は怖いだけではなかったです。少年の境遇には怪物のような存在が必要でした。怪物がいたからこそ乗り越えられたものがあります。心に寄り添ってくれる物語でした。(jckoroさん)
■愛と許しと真実の物語。ジャンルでいうとダークファンタジーになるけど、これはノンフィクションでもあると思う。コナーにも私にも、誰にだって怪物はいる。(ElppAlicEさん)
■絵の具の色彩が鮮やかで、鉛筆をクローズアップしたところも好きでした。物語がくるくる進んでいくところもわくわく。(iamyuukaさん)
■アニメがとても楽しい。あと、怪物が思ったより迫力あるガチのやつなのがよい。(kyageさん)
■アニメーションが好きだった 苦労して作ったんだろうなあ(phoenix_0zuさん)

1,000人のオーディションから選ばれた主役…演技派ぞろいの圧巻の演技はファンタジーの枠を超えたヒューマンドラマ

主人公の少年コナーを演じるのは、1,000人の中から選ばれたルイス・マクドゥーガル
原作者のパトリック・ネスやバヨナ監督は、彼の嘘のない演技、ずば抜けた集中力、そして心の中の葛藤を演じる姿を絶賛し、主役に抜擢しました。

怪物はささやく

病魔に侵され弱って行く母親を目の前にする心の葛藤や、巨大な怪物と魂を通わす演技は圧巻そのもの。苦しい心情を見事に体現し、観客の心に迫ります。
今後の活躍にも期待が高まる注目の若手演技派俳優です。

コナーの母親には『博士と彼女のセオリー』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などの話題作に続けて出演、いまもっとも注目されるフェリシティ・ジョーンズ
本作では、愛する息子に自らの病状をうまく伝えられないまま、病に侵され死に向かう母親の心の葛藤を見事に表現しています。

怪物はささやく

祖母役には、SF映画の金字塔「エイリアン」シリーズのみならず、数々の映画作品でゴールデングローブ賞、アカデミー賞にノミネートされる演技派女優=シガニー・ウィーバー
日々弱っていく娘を悲痛に喘ぎながらも支え、またコナーを心から愛してはいるものの、馬が合わずうまく心を通わすことができない、繊細な演技をみせています。自分よりも早く死へと向かっていく娘をただ見守っていることしかできない母の、胸を引き裂かれるような想いが、スクリーンを通して伝わってきます。

怪物はささやく

そして、物語のキーとなる怪物の声と動きを演じたのは、アカデミー賞ノミネート俳優リーアム・ニーソン
40年という俳優人生で初めてのモーションキャプチャーに挑戦し、何千年ものあいだ人々を見つめ、コナーに人生の真実を伝える怪物を力強く演じています。

最新の技術を駆使しながらも、小説に基づいた繊細な人間(怪物)の心の動きと交わりを見事に実写化した本作。
それぞれの魂の演技に、誰もが心をつかまれること間違いありません。

■すっかりおばあちゃん役が板に付いたシガニー・ウィーバーとの仲を最後にしっかりと清算するシーンが良かった(ノ_<)このシーンがあったからこそラスト、自然に感動する事ができました。(show742さん)
■主演の子の演技は本当にすごくて、瞳で演技する。命は瞳に映るって映画の中にあるんだけど本当にそのもの。(idontknowさん)
■コナー役のルイス・マクドゥーガルの演技が演技と思えないほど現実味を帯びていて、顔つきも生気がなく幸薄そうな主人公そのままで(いい意味で役にハマってる)、終始観入ってしまった…すごい(machi.okawaさん)
■怪物はこわい。怪物はやさしい。怪物は友だち。矛盾は悪じゃない。手放したから抱きしめることができる。とにかく主人公の顔が病的にかわいい。(ladywitchさん)
■主演のルイス・マクドゥーガルよすぎ。もうファンになってもた。(ElppAlicEさん)

子供から大人へ、大切な人を失う悲しみを少年はどう受け止めるのか

なによりも大好きな母の死を心のどこかで予感しながらも、それを受け入れることが出来ず、ひとり苦しむ多感な少年コナーが、怪物と出会い知る真実……。
生きていれば誰しもが必ずいつか直面するであろう大切な存在の消失を、私たちはどう考え、どう受け止めるべきなのか……。
本作はその普遍的なテーマに対して考えるきっかけを与えるとともに、複雑化する社会と人々の繋がり、善と悪の定義など、普段はなかなか深く考えることのない、けれど生きていくうえでとても大切な事柄に向かい合うきっかけとヒントを提示してくれています。

■“人間は複雑な生き物だから”矛盾・真実・寂しさ 色々なものが彼を取り囲んでいて 誰かに支えられて 癒してもらって やっと前に進めるのだと 思えました(akiho_s2さん)
■母の命と向き合う所を丁寧に丁寧に描いていて、辛く苦しくもあるけど、それを怪物の存在が柔らかくしてくれている。最後は、悲しいけど、でも大丈夫と思わせてくれる。(kaomushi18さん)
■ありのままの真実を受け入れ、向き合うことの大切さ。コナーの本音(真実)には胸を打たれました。(kosaka34さん)

◆映画『怪物はささやく』 information

怪物はささやく

 

英文学の最高傑作を『パンズ・ラビリンス』の製作スタッフが映画化! 孤独な少年と怪物の〈魂の駆け引き〉を描く、感涙のダークファンタジー!母親(フェリシティ・ジョーンズ)が癌におかされた13歳の少年・コナー(ルイス・マクドゥーガル)は、母親が元気だった頃の楽しい思い出に耽る日々を送っていた。そんな折、真夜中を過ぎると彼の元に、「真実を語れ」と木の姿をした怪物(声:リーアム・ニーソン)が現れるようになる。これは夢なのか現実なのか?怪物の正体は?そして、少年が最後まで語ることを恐れる真実とは―?

上映時間:109分

6月9日(金)全国公開
公式サイト:http://gaga.ne.jp/kaibutsu/
配給:ギャガ
(C)2016 APACHES ENTERTAINMENT, SL; TELECINCO CINEMA, SLU; A MONSTER CALLS, AIE; PELICULAS LA TRINI, SLU.All rights reserved.

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    3.4
    色んな見方があるって事を知らない人に見て欲しい
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    2.5
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  • 4.3
    【辛い現実に向き合う】 気弱ないじめられっ子コナーは、いつも空想をして絵を描いていた。彼の母はガンの薬物療法を受けている。ある夜コナーは近くの丘のイチイの木が立ち上がるのを見る。その怪物は彼に3つの話をするのだった。 気弱な少年コナーは、現実の世界が嫌でしょっちゅう空想の世界に逃げ込む。そんな彼が怪物との出会いを機に現実と向き合い始める様子を描いた作品。初めのうちは、怪物の物語は単なるも寓話だろうと思える。しかし次第にその物語がコナーに向けられたメッセージだと気づき怪物の優しさを感じ、最後には母の特大の愛を感じる。「パンズ・ラビリンス」の製作スタッフの作品ということもあってダークファンタジーに強いメッセージがこめられていた。 コナーは、すぐに空想の世界に逃げ込み絵を描くことで現実から目を背ける。母と2人暮らしをしていて、大好きな母はガンを患い辛い薬物療法中。学校ではいじめっ子に毎日のように殴られる。彼にとっては現実はつらいことばかりなのだ。ある夜の12時7分近くの丘のイチイの木が動き出し人型になって彼の元に向かってくる。その怪物は彼に3つの話をし4つ目の話はコナーが話すというのだ。それ以来彼は毎晩12時7分を楽しみにする。 怪物と出会ってコナーの日常にハリが出てようだけど、現実は大して変わらないどころか悪化する。祖母宅に引き取られ、母と別れアメリカに行ったはずの父が戻ってくる。コナーが幼い頃のビデオを見て祖母や父のコナーへの愛を感じるけどコナーとしてはいまいち腑に落ちてないように見える。 それでもコナーは怪物の話す話から現実を学ぶ。3つの話はそれぞれに教訓があるのだ。 1つ目の話ー魔女といわれた王妃の話 :人は信じたいことを信じる 2つ目の話ーがんこな調合師の話   :信仰こそ薬 3つ目の話ー透明人間といわれた男の話:注目が孤独になる 特に1つ目・2つ目の話では、「誰が悪か」ということを考えさせている。人々からすれば王妃や調合師が悪いけど、実はそうではない。真実を信じたくないからこそ人々は悪を嫌な人に押し付けるのだ。それは彼自身も一緒なのかもしれない。母と一緒にいたいからこそ祖母や父を悪者扱いしていた。しかし2人ともコナーを愛してる味方なのだ。そして3つ目の話に影響を受けて彼は透明人間扱いに怒りいじめっ子を殴る。その結果彼は校長から怒られクラス内で浮く。まさに怪物の教訓は辛いが真実なのだ。 母の病状が悪化するとコナーは、自ら怪物の元へ向かう。そこで何度も見たことのある悪夢が目の前に現れる。コナーと母が離れ離れになるのだ。それこそ4つ目のコナーが話す物語。彼は母の死を受け入れなければならない、そして母を安らかに眠らせなければいけないのだ。この4つ目の話で彼は遂に真実を受け入れる。「どう考えるかではなくどう行動するかだ」という怪物の言葉も、現実を「こうだったら」と空想するのではなく現実を直視し受け入れて考えろというメッセージだったのだろう。 終盤ついに彼は母の最期を看取る。昔の彼だったら現実が嫌で空想に逃げ込んでいたかもしれないけど、今では違う。別れを受け入れ母とハグして見送るのだ。そして彼は祖母の家にできた自分の部屋で新たな事実を発見する。木の怪物や怪物の話は幼い頃の母が創り出した物語だった。つまりコナーの目の前に現れた怪物は、母に代わってコナーに大切なことを教えに来たのだ。怪物は、自分がいなくても強く生きていってほしいという母の願いの表れだったに違いない。 印象に残ったシーン:怪物が3つの話をするシーン。コナーが母の死を受け入れるシーン。コナーが母の描いた絵を見つけるシーン。 印象に残ったセリフ:"Belief is a cure.(信仰こそ薬だ)"、"It is not important what you think, it is more important what you do.(なのを考えるかではない、どう行動するかだ)" 余談 ・原作はパトリック・ネスによる同名小説です。 ・撮影はスペインとイギリスで行われました。
  • はるか
    5.0
    善と悪は同時に存在する。見方を変えればどちらも間違っていない。それぞれの正しいを選んでいる。逃げる=悪ではない。重く苦しかった。でも、温かさで包み込んでくれる。語り継がれる物語。私もあの木が大好きになった。
  • ラテ
    -
    胸が締め付けられる
「怪物はささやく」
のレビュー(6160件)