TOKYO MXの人気バラエティ番組「バラいろダンディ」で、玉袋筋太郎(以下:玉さん)&RHYMESTER 宇多丸(以下:宇多さん)の映画好きコンビが月に一度とっておきの映画を解説するコーナー「水曜バラいろショー」。
6月のテーマは「広島映画」! え、広島映画!? 今夜も、宇多さんと玉さんがイチオシの映画を紹介してくれました。
映画好きが思い浮かべる「広島映画」と言えば…!?
宇多:今日のテーマは?
玉:こちら!広島映画!!
宇多:でた!変なくくり(笑) そんなジャンルはあるのかと(笑)でも、こういう我々のネタふりに映画ファンの皆さんが絶対面白いのを返してくれるんですよね。
玉:そう、答えてくれました。
宇多: TSUTAYAさんがオススメする国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」による「広島映画」ランキングTOP10! 映画好きが使っているサービスですから、毎回このランキングが本当に面白い。この大喜利に対してですね、広島映画とふったらこんな結果がかえってきた! どうぞ!
「広島映画」FilmarksランキングTOP10
1位:『この世界の片隅に』(2016年/日本)
2位:『東京物語』(1953年/日本)
3位: ? ? ?
4位:『仁義なき戦い』(1973年/日本)
5位:『さびしんぼう』(1985年/日本)
6位:『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(1983年/日本)
7位:『モヒカン故郷に帰る』(2016年/日本)
8位:『転校生』(1982年/日本)
9位:『トラック野郎・望郷一番星』(1976年/日本)
10位:『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』(1959年/日本・フランス)
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宇多:やっぱね、1位は記憶に新しい作品『この世界の片隅に』。
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玉:そうなんだよ。
宇多:2位の『東京物語』は、お父さん、お母さんが広島に住んでいますね。
玉:うんうん。
宇多:『仁義なき戦い』は広島舞台ですよね。『さびしんぼう』は尾道ですよね。『転校生』も尾道ですからね。
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玉:で、この3位がうまいんだよ。
宇多:そう。ということで、今回の我々のオススメ作品が『仁義なき戦い』より上の3位にくるあたりが、やっぱりフィルマークスの皆さんわかってらっしゃいますね。
玉:さすが、わかってんだよ。
宇多:我々がまさに推したいのは、3位にランクインしたこちらの作品でございます!
松方弘樹の代表作『脱獄ヒロシマ殺人囚』(1974)
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宇多:出ました!『脱獄広島殺人囚』、1974年の「広島映画」です。亡くなられてしまった松方弘樹さん、ちょうど昨日、偲ぶ会をやられておりましたが。
玉:やってたねぇ。
(『脱獄広島殺人囚』の映像を観ながら)
宇多:松方弘樹さん、さまざまなヤクザ映画がございますが、代表作『県警対組織暴力』なんかも素晴らしいですが、やはり松方弘樹さんの代表作として、我々はぜひこの『脱獄広島殺人囚』をおすすめしたい。
玉:これだよな〜。
宇多:実在したですね、本当に何度も何度も脱獄を繰り返して、どんどん刑期が伸びていく男の物語。
玉:へたれないぞ〜!
宇多:とにかく不屈の男なんですね。
玉:不屈だよね。
宇多:はい。松方さんが亡くなられて、時代劇研究家の春日太一さんが追悼として出された「不屈」。まさにこのタイトル。
玉:そうそう。
宇多:とにかく脱獄に脱獄を繰り返し、そして権力や強いものに対して決して屈さない男、これは松方弘樹さんが演じられてきた役柄の集大成的なハマリ役ですよね。
玉:やっぱりさ、脱獄してカミさんと”する”ところいいよね。
宇多:それもね。この『脱獄広島殺人囚』は1974年の作品。1973年にスティーヴ・マックイーン主演の『パピヨン』っていう映画がありまして、あの作品も(主人公が)何度も何度も脱獄して、すごく悲惨な状況になっても、牢屋の中でそこらへんにいる生き物なんかを食べたりして(あきらめない)っていう。
宇多:おそらく、『脱獄広島殺人囚』は、この『パピヨン』の影響を受けている作品なんですが、さらに松方さんならではのバイタリティで演じられている。
玉:うん!
宇多:これ、ずっとDVD出てなくて、私の私物のVHS持ってきましたけれど。自分たちで上映会なんかもやったりなんかして、本当に大好きな作品でございます。
松方弘樹のバイタリティとキュートさが溢れる映画
宇多:ということで、私の見どころシーンがこちら!
宇多:「あふれるバイタリティとキュートさ! 松方弘樹史上トップクラスのハマり役」ということで、なかでも松方弘樹さんのバイタリティとキュートさがよくわかるワンシーンをご覧いただきます。途中で見せる松方さんがパッと振り返ったときの表情のキュートさ、こちらにご注目ください。どうぞ!
(『脱獄広島殺人囚』の宇多さんオススメシーンを観ながら)
宇多:主人公が逃げて逃げて、何度目かの脱獄でございます。それでですね、大きなお屋敷に入って行くわけですね。そこで、置いてあった鎧兜、これを着て追っ手の警官をやり過ごそうとする。
玉:(笑)
宇多:警官もさすがにわかるだろって感じしますけれどね。警官に気付かれずにやり過ごすと。「よーし、じゃあ逃げるぞ」ということで、主人公の松方さんが鎧を脱ごうかなと思ったら、そこに警官がまた来る! そして、ここです!(警官に見つかった時の松方さんの)顔がかわいいんです(笑) いいんですよね。
玉:いい!
宇多:こういう感じで捕まってしまって、こういう感じでどんどん、どんどん刑期が加算されていくというね。
玉:そうだよね。
宇多:ちょっと笑っちゃうようなコミカルな要素もあったり。やっぱり不屈の魂というところで、映画見終わるとなんか元気出てくるんですよね。
玉:確かにこれはそうだよ。
宇多:ラストの切れ味最高なんだよね!
玉:いいよ〜。
宇多:ぜひご覧いただきたい。ということで、長らくこれはVHSしか手に入らなかったんですけれど、来週6月14日に念願のDVDが発売されますので、松方さん追悼の意でも、ぜひ皆さんチェックしていただきたいと思います!
松方弘樹の豪快伝説とは!?
おなじみの玉さんのコーナーでは、玉さんが松方弘樹さんの生前の豪快な伝説を紹介! 「お金編」、「オンナ編」、「イイ話編」、そして最後に松方弘樹さんの「役者としてのポリシー」を紹介したところで、次回のテーマを発表!
次回7月のテーマは「暴露映画」
宇多:さあ玉さん、次回7月はどんなジャンル、どんなテーマの作品なんでしょうか。
玉:ちょっとファンシーにいってみようということで…「暴露映画」で!
宇多:うーん、ファンシーだ(笑)
玉:ファンシー!ファンシー!
宇多:これ、もう玉さんの後半のネタの部分がね、2〜3時間必要なやつですからね。
玉:お願いいたします。
宇多:一体どんな作品を取り上げるのか、ぜひ楽しみにしていてください!
玉・宇多:以上、水曜バラいろショーでしたー!
■オトナの夜のワイドショー!「バラいろダンディ」番組公式サイト
(月〜金曜日 21:00〜21:55放送)
水曜バラいろショー過去放送分 書き起こし
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※2022年1月21日時点のVOD配信情報です。