一瞬も目が離せない!劇中に没入しちゃう「長回し」が魅力的な映画3本

映画も音楽も本も好き。

丸山瑞生

みなさんは「長回し」という撮影の技法をご存知ですか?

長回しとはそのままの意味で、カットを入れず、撮影を途切れさせずにカメラを回し続ける撮影方法のこと。近ごろでは『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が記憶に新しいですね。こちらの作品のことはのちほど。

カメラを回し続ける時間がどれほどなら長回しと呼べるのか、明確な定義はありませんが、數十分単位ならば、長回しと言えると思います。

長回しの特徴は、その臨場感と持続性。映像を切らずに観続けると、その場にいるのではと思わせるリアルタイムな感覚が生まれ、あたかもその場面に遭遇したかのように感じられます。ゆえに、目を背けたくなるシーンだったり、劇中の人物との空間の共有のために用いられることも。

また、撮影が途切れないことで役者の集中力が増すせいか、緊張感が観客にも伝わってきます

後述の『台風クラブ』の相米慎二監督は、長回しの効果から生まれる「俳優のまっさらな魅力を引き出す」ために、長回しを多用したようです。同作でその才能を見出された工藤夕貴。『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子など、役者の本質を際立たせる効果もあるのかもしれません。

今回は、全編長回しから、印象的な長回しのシーンなどをご紹介します!

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2015)

birdman

リーガン・トムソンは落ち目のハリウッド俳優。かつては<バードマン>という作品で名を馳せたが、以降はヒットに恵まれず、現在は「かつてバードマンを演じた俳優」として惨めな生活を送る日々だ。失意のリーガンは自身が俳優を目指すきっかけとなった小説を舞台向けに脚色、自らで演出と主演も務め、再起をはかることに。落ち目の俳優が現実と妄想の狭間で追い込まれる姿を想天外なストーリーと独特の世界観で描く。

監督は、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。代表作は『21グラム』や『レヴェナント:蘇りし者』など。非常にオリジナリティの強い手法を用いた撮影と演出が特徴で、どの作品でもそれは冴え渡ってます。

『バードマン』のワンカット風の撮影。『バベル』などの作品における時間軸の交錯。『レヴェナント:蘇りし者』の圧倒的な映像の力。いま、もっとも新作を待たれる監督のひとりではないのかなと思います。

今作の主演は、マイケル・キートン。直近の出演作は『スポットライト 世紀のスクープ』など。その役どころゆえに、哀愁と切なさ、迷いと葛藤、不甲斐なさ、自尊心など、さまざまな感情が入り乱れた演技を見せますが、それらはコミカルさに内包されているように見えます。素晴らしい演技。

全編をワンカット風で観せる意味

『バードマン』は全編ワンカットに見えますが、実際にはそうとは気づかせずに途切れさせているようです。初見ではまったくわかりません。

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