9月9日公開!ノーラン監督セレクトの11作品から、新作『ダンケルク』の全貌を徹底予想!

あの現代最高峰の監督クリストファー・ノーランが初の実話に挑んだ最新作は、すでに今夏公開の作品の中でぶっちぎりの話題作として君臨する『ダンケルク』だ。第二次世界大戦中の1940年、港町ダンケルクで英仏40万人の兵士たちが絶体絶命の窮地に立たされた歴史的イベントを、こだわりにこだわり抜いて独創的に映像化! <そのヘンに転がっている戦争映画とはまったくの別格感!>をプンプンに漂わせている、映画ファンが待ち焦がれる一作なのだ。

ダンケルク_特集

しかも、毎作品徹底した秘密主義を守り、来日インタビュー時でさえマスコミ陣を煙に巻くノーラン監督が、今作『ダンケルク』を製作するにあたって影響を受けたという作品を“自分自身でセレクト”し、イギリスで「ノーラン映画祭」と銘打ったイベントまでも開催するという異例の大展開! まずはその作品群を知り、最新作の本質、そしてノーランの頭の中を覗け!

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『エイリアン』から『スピード』まで、タイムリミット・サスペンスの側面も色濃く加味! 

まず『ダンケルク』を敵の攻撃からの一刻を争うサバイバルの物語とポジショニングすると、自ずとサスペンスの技巧や手法も要るということで、ノーラン監督はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作『恐怖の報酬』や、かの有名なリドリー・スコット監督作『エイリアン』など、目に見えない敵や時間をめぐる緊迫感が今なお色褪せない名作たちもチョイス!

またキアヌ・リーヴスの出世作『スピード』や、トニー・スコット監督の遺作『アンストッパブル』など、比較的最近の傑作・秀作まで飽くなき探求心でリサーチするなど、『ダンケルク』がある種のタイムリミット・サスペンスの側面も濃いことを示している! 期待せずにはいられない!

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『西部戦線異状なし』の影響大! 過剰ドンパチ映像=戦争映画じゃないという真の方程式を再提案!

またノーラン監督は、『ダンケルク』を「生き残り(撤退)の物語としてアプローチすることを選択した」と語っている。戦争が人間性を奪うというメッセージを最初にして最高の手法で描いたルイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』を、影響を受けた重要な一作としてセレクト!

ノーラン監督は、「あの傑作をもう一度観れば、過剰な戦闘描写や恐怖の表現がより優れていたとは言えなくなるはずだ。登場人物たちがそれぞれの運命における意義と論理を見つけ出すという、これまでの戦争映画の常套表現に抵抗する力を示してくれる」として、いわゆる過剰ドンパチ映像=戦争映画ではない、という真の方程式を再提案しているのだ。

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美しいサイレント映画の名作も大胆に参考に 天才監督のルーツ的な作品群がコレだ! 

そしてノーラン監督は、「純粋に視覚的なストーリーテリングの可能性を探求するもの」として、エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の『グリード』なども参考にしたといい、F・W・ムルナウ監督の『サンライズ』などの美しいサイレント映画を観て、文字どおり視覚的な可能性を探ったともコメント。そしてデヴィッド・リーン監督の『ライアンの娘』では、恐怖と孤独さえ感じる吹きっさらしの浜辺や、砕ける波の場面が象徴するような、映画に登場する映像の力に影響を受けたとも。過去、徹底したリアリティーで観客の度肝を抜くような映像を構築した、天才監督のルーツ的な作品群が今明らかに!

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ヒッチコックの影響まで赤裸々に告白! 戦争映画、そして戦争の本質をエグく捉えた大傑作、『ダンケルク』に期待だ!

そして、「映画的なサスペンスや視覚的なストーリーテリングの探求は、ヒッチコックなくして完成しない」ともノーラン監督は惜しげもなく言う。「『海外特派員』での飛行機が海に墜落する様を描いたヒッチコックの才能は、我々が『ダンケルク』で試みたことの多くにインスピレーションを与えてくれた」と公言しているほどで、『ダンケルク』鑑賞前にぜひともヒッチコック作品を体験するのがベター。これまで秘密主義が恒例だったノーラン監督がここまであけすけに語るほど、並々ならぬ情熱を『ダンケルク』に注いでいる。

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これだけを見ても、何も銃弾や流血だけが戦争映画ではないという主張がビンビンに伝わる。というより、サバイバルやサスペンスを最重要ファクターとしてIMAX65ミリカメラで撮影に挑んだノーラン監督の『ダンケルク』こそ、戦争映画、そして戦争の本質をエグく捉えた大傑作の誕生に違いなく、我々はその目撃者になるのだ!

イギリスで開催「ノーラン映画祭」での上映作品
『西部戦線異状なし』(1930)/ルイス・マイルストン監督
『恐怖の報酬』(1953)/アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督
『エイリアン』(1979)/リドリー・スコット監督
『スピード』(1994)/ヤン・デ・ボン監督
『アンストッパブル』(2010)/トニー・スコット監督
『グリード』(1924)/エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督
『サンライズ』(1927)/F・W・ムルナウ監督
『ライアンの娘』(1970)/デヴィッド・リーン監督
アルジェの戦い』(1966)/ジッロ・ポンテコルボ監督
炎のランナー』(1981)/ヒュー・ハドソン監督
『海外特派員』(1940)/アルフレッド・ヒッチコック監督

【参照URL】
Christopher Nolan curates BFI Southbank season of influences on new film Dunkirk
http://www.bfi.org.uk/news-opinion/news-bfi/announcements/christopher-nolan-presents-dunkirk

◆映画『ダンケルク​』 information

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上映時間:110分

9月9日(土)丸の内ピカデリー 新宿ピカデリー他 全国ロードショー
公式サイト:dunkirk.jp #ダンケルク
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

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  • ソイレントグリーン2022
    4.2
    私の中では、今までに見たことのないような戦争の一局面を描いた映画でした。 丁度、第二次世界大戦・ヨーロッパ戦線の資料や本を読んでいたところだったのでグッドタイミングで鑑賞出来ました。 クリストファー・ノーラン監督の技量素晴らしい。 プライベートライアンの冒頭のシーンを越えるリアルな闘い。空と海でのシーンが特に見応えあった。戦闘機の闘いは特に素晴らしい。見たこともないような映像だった。 ただ一つ疑問だったのは、燃料が無くなり 動力無しで飛行機はあんなに見事に滑空出来るものかと‥‥ 撤退する事で機運が高まる内容、 セリフを省いて、リアルな描写でグイグイ迫ってくる映像だった。 絶賛の嵐かと思いきや、皆さん達の評価がおもいのほか厳しくて意外でした。
  • びりー
    3.7
    難解な映画でしたが楽しめました。
  • 千年女優
    3
    ナチス・ドイツがフランス・ベルギーに対して激しく侵攻し、英仏軍が海峡都市ダンケンクに追い詰めらる中、就任間もない英国首相チャーチルは連合軍大規模撤退作戦「ダイナモ」を決行。いつ始まるとも分からぬ追撃の恐怖に怯える兵士達と、彼らの救出に漕ぎ出した民間船や空軍の活躍を描いたクリストファー・ノーラン監督作品です。 ナチス・ドイツがその電撃戦の強さを発揮してフランスに勝利し、勢いが最高潮にあった中で33万人を越える兵士の救出に沸いた奇跡の作戦を、ノーランイズム満載の「陸の1週間と、船の1日と、空の1時間」が交錯するシナリオと、CGではないリアル映像で描いた戦争映画です。 シナリオは巧みとは言い難く、物量がポイントの物語に対しリアルに拘る余りの不足感は致命的ですが、『ウィンストン・チャーチル』でも描かれた史実の力強さと、劇場故の没入感、そして個人的にはThe Prodigyの"Spitfire"が脳内再生される戦闘機描写に興奮を覚える一作です。 "If I was in World War Two they'd call me spitfire!"
  • たくみ
    -
    映像と音のコンビネーション
  • ICHI
    5
    シンプルな作り、ただ土地から土地へと「脱出」するだけのストーリーなのに、とてつもなく感動する。 ヘイトを極力描かない、ただ「国に帰りたいだけ」、その為に仲間を救い、「戦い続ける」。戦争映画でこれほどまでに淡々と「やられながら」逃げ続ける作品はないのではないか。 背景音楽が、「音楽」ではなく、飛行機や駆逐艦、船独特の機体音と、ストリングスの緊迫感で終始統一されていたのも珍しい。 2h尺ずっと、同じベースの背景音なのに、没入感が続いてゆくのみで、ダレないのが不思議で仕方ない。 この作品は、逃げようとするところから逃げられたところまでを、2h使って描いている「だけ」なのだ。 普通に映画として戦争ものを描く際に、下手をしたら最初の15分くらいで縮められそうな過程なのだ。 それを2h使って描いているのに、全然長いと思わないこの没入感とリアリティと、感情に訴えかけられるシーンの数々が不思議で見事だ。 実際に渦中にいると、こんなに淡々としているのか。周りに砲弾が振ってきて人が吹っ飛んだ後、静かにまた立ち上がってにじり進む感じ。 声もなく溺れてゆく感じ。仲間割れによる不慮の死をぐっと堪えて、それでも死なせた「仲間」を助けるその表情。 言葉少なで、「無駄な」ヘイト描写が限りなく皆無に近く、ただ味方を助け、応援して、逃げる。 歴史的背景を知らなければ、フランスとイギリスとオランダとドイツ間に於けるお互いへの感情、認識がうっすらとしかわからない。 砲弾ショックでぼーっとしていた飛行士が、『パニック・フライト』『28日後』で知ってファンになったキリアン・マーフィーだと気付くまでに少し時間がかかった。 『ブリッジ・オブ・スパイ』で興味を持ったマーク・ライランス目当てに本作品を鑑賞。舟のお父さん役、感情を出さないキャラクターが唯一感情を顕わにした、不時着の飛行士を助けにスピードを出し過ぎるシーン。 お父さんに似て、息子も、友達がキリアン演じる「仲間」の飛行士に不慮の事故で「殺」されてしまった時も、ぐっと堪えて飛行士を庇った。 「大丈夫か?」そう問いかけるキリアンに、暫く怒りを堪えつ、本当は死んでしまった事は告げずに「ああ」と答えた。その息子に静かに肯きを返すライランスの表情。 戦争もの、戦争映画で、これほどヘイトを堪えた、温かみのある、じんとくる描写があるとは。 まだまだ浅い視聴歴ながら、韓国映画やナチス系の戦争もので、散々凄惨な映像をなめ尽くした自分は、こんな温かい、そして忍耐強い作品があることが新鮮でした。 (中には、沈没しそうな舟から、仲間割れをしてフランス人やドイツ人スパイと決めつけた人に降りろと迫るヘイトなシーンもありましたが..全体尺と比べると圧倒的に割合が少なかった) けして戦争は起こってほしくない。だけど、戦争によってこんなにも人々の「祖国愛」「仲間愛」が生まれるのかと、今の日本人同士、日本国家に起きているいがみ合いを思ってなんだか愕然とした。 最後、初めはなんて意地悪なんだと思っていたイギリス軍らしき隊長が、若者たち、人々が次々と「救出」されてゆく中、最後まで桟橋に残った姿にじんときた。 「駆逐艦は一隻しかよこさない、代わりに小舟を沢山呼んだ。」 最初はこれを聞いて、助けるつもりなんてさらさらないのかと憤った。だけど違った。今彼に許された権限、采配はそれくらいしかないけれど、命をかけて精一杯彼らを救おうとしていたのだと、終盤の桟橋での表情の一喜一憂を観ていて確信した。 彼のポジションは『ヒトラーの忘れもの』に出てくるデンマークの鬼将校に似ていた。最初は主人公たちにヘイトを向けてくる。でも最後には命を賭して助けてくれる。そんなキャラクターは、ニクいなあ、熱いなあ。 こんな温かい戦争映画なら、トラウマにならずに何回でも観られる。 わたしも、平和なだけではないこの現代で、小さな不和が積み重なったとしても、一人の人間、一介のいのちとして、マーク・ライランスを初め作中で「逃げながら戦った」人々のように、共に生き延びようとする者たちと優しく生き延びたいと痛感した。 ストーリー終盤、逃げ延びた人々に「よくやった」と言った老人に、「逃げてきただけだよ」と言い返した若者に対して老人が言った「それだけで十分だ」という言葉がじんときた。 命を「散らせる」ことこそが「美徳」とされやすい戦争中の心理描写に於いて、こんなに生きること、生き残ることを温かく肯定してくれるこの言葉が、本作品の締めとしてとても印象的だった。 それは、友達を死なせた飛行士の「大丈夫か?」という問いかけに「ああ」と答えた息子の表情や、それに対するライランスの肯きにも共通している。 生き延びることへの「肯定」。戦時下に於いて、真っ先に冒涜されがちであるこの「肯定」が、作品を通して、「逃げ延びる」彼らを通して描ききられている。 『ダンケルク』、また一つ素敵な作品に出会えた。感謝。
ダンケルク
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