『ラブ&マーシー終わらないメロディー』知っておきたいザ・ビーチ・ボーイズ&代表曲

映画好きをこじらせLAへ

MaryK

8月1日に公開の期待作『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』。結成から50年以上が経つ今でも根強い人気を誇るロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズの元リーダーであるブライアン・ウィルソンの伝記映画です。

Love and Mercy

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ザ・ビーチ・ボーイズといえば、一度聴いたら思わず口ずさんでしまう数々の名曲を残していますよね!しかし、中心的存在だったブライアン・ウィルソンの人生はそんな明るく楽しい曲とは大きくかけ離れたものでした。プレッシャーにより薬物と酒に溺れ、20年という長い間、苦悩の日々を送ったこともあったのです。

そこで今回は、映画を見る前に知っておきたいザ・ビーチ・ボーイズについて&彼らの代表曲をご紹介させていただきます。

ザ・ビーチ・ボーイズの輝かしい歴史と闇

ザ・ビーチ・ボーイズ

出典 : https://en.wikipedia.org/wiki/The_Beach_Boys

1961年ブライアン・ウィルソンを筆頭にカリフォルニアで結成されたザ・ビーチ・ボーイズ。アメリカ西海岸の開放的な雰囲気やサーフィンをイメージさせるテーマの曲が多く、ブライアンの父親のマネージメントのもと、デビューシングル『サーフィン』をリリースします。

その後、大手レコード会社のキャピトル・レコードと契約。62年にデビュー・アルバム『サーフィン・サファリ』を発表したあとは1年にアルバムを2枚以上というペースでリリースをし続けます。

まだ21歳と若かったブライアンですが、63年のアルバム『サーファー・ガール』からはボーカル、ベース、キーボードだけではなくプロデューサーとしても制作に関わることに。ほとんどの曲の作曲もしていたブライアンはライブ活動と曲作りのプレッシャーからコンサート活動からは身を引き、音楽作りに専念をすることを決意

そして作りあげたのが66年の『ペット・サウンズ』です。今ではザ・ビーチ・ボーイズの最高傑作だと言われ、ロック史上に残る名盤の1つとして語り継がれてきています

しかし、当時のアメリカでは今までのザ・ビーチ・ボーイズとかけ離れた音楽だったこともあり、それまでのアルバムと比べると売上は伸びませんでした。皮肉なことに、キャピトル・レコードはその後すぐに今までのヒット曲を集めたベストアルバムを発表。そのアルバムが『ペット・サウンズ』よりも売上を伸ばしてしまいます。

そのことから、次こそいいアルバムを作らなければというプレッシャーに耐え切れず、次回作『スマイル』の制作中に精神を病んでしまったのです。それから20年もの長い月日を、酒やドラッグに溺れ自堕落な生活を送ることとなります。そんなどん底まで落ちた彼を救ったのは一人の美しく聡明な女性だったのです…

世代別のブライアンを演じるのはこの名優たち

『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』では、60年代と80年代のブライアン・ウィルソンを二人の俳優が演じ分けるという大胆な手法を用いています。

60年代のブライアンを演じるのは『リトル・ミス・サンシャイン』や『ルビー・スパークス』で知られる若手実力派のポール・ダノ。後者の作品では出演だけでなく、製作総指揮も手掛けました。プライベートではバンド活動もしていますが、今作品では歌声も披露しています。

80年代以降は、タレ目でどこか頼りない雰囲気を醸し出すベテラン俳優ジョン・キューザック。数えきれないほどの代表作がありますが、やはり外せないのはキャメロン・クロウ監督のデビュー作で青春映画の傑作とも言える『セイ・エニシング』やレコード・オタクがぴったりだった『ハイ・フィデリティ』の二作でしょう。

実はこの2人、監督の意向により撮影中に会うことを禁止されていました。異なる世代のブライアン・ウィルソンを別の人物として演じて欲しかったため、お互いの話し方や振る舞いを一緒にしないようにと考慮した結果だそうです。

参照:IMDb Love and Mercy Triviaより

ザ・ビーチ・ボーイズの名曲もチェックしよう!

1. Surfin’ USA

ザ・ビーチ・ボーイズが興行的に大ヒットを残したはじめての曲がこちら。今ではリリースされてから50年もの月日が経ちましたが、決して色あせることのない永遠のサーフサウンドです。聴いているだけで海へ行きたくなってしまいます!

2. Good Vibrations

次々と曲調が変わり不思議な感覚を覚えるだけではなく、世界初の電子楽器テルミンを使用した革新的な作品。この曲を作り上げたことにより、天才ブライアン・ウィルソンの名を世間へ知らしめました。アメリカだけではなくイギリスでもNo.1を獲得。

3. Wouldn’t It Be Nice

最高傑作アルバム『ペット・サウンズ』の一曲目を飾る曲。キラキラしたイントロを聴くだけでワクワクしてしまいます。そんなメロディにぴったりなラブソングです。

4. God Only Knows

The Beatlesのポール・マッカートニーが今まで聴いた中で一番と絶賛したことでも有名な一曲。God(神)という言葉が使われたはじめてのロックソングだそうです。去年は、BBC Musicがチャリティのためにブライアン・ウィルソンはもちろん、エルトン・ジョン、Queenのブライアン・メイ、Coldplayのクリス・マーティンなどの豪華アーティストによってカバーされました。時代を超えて今でも愛されています。

5. Love & Mercy

映画のタイトルにもなっているこの曲は、死の淵からよみがえったブライアン・ウィルソンの復活後初のソロアルバムからの曲です。苦しかった時期をやっと乗り越え、作り上げた傑作は優しさと美しさに溢れた名曲です。

 

いかがでしたでしょうか?どの曲も時代を感じさせない名曲ばかりですよね!そんな数々の名曲を生み出したブライアン・ウィルソンの苦悩の人生について知ることで、今後ザ・ビーチボーイズを聴く時の感じ方も変わってくるのではないでしょうか。

 

※2021年9月28日時点のVOD配信情報です。

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  • ひまわり畑の優等生
    5
    歳を重ねるって素敵じゃないか。 生きる事って色々あるけど、素敵への近道なんだよ。
  • Ponz
    3.5
    明るい話かと思ったらそうじゃなかった。ビーチ・ボーイズメンバーとの集合シーンがすごく少ない 割と話のスピードが早かったので医師の怪しさが少し伝わりづらく、ブライアンの孤独さと周りの怪しい感じをもっと出して欲しかった
  • AAA
    3.6
    ビーチボーイズがどのように結成し、のし上がり、全米1位を獲得したのか。という華々しいお話ではなく、ブライアン・ウィルソンが音楽制作と共に精神的苦痛を味わい、精神科医に騙され、搾取され続けた先から抜け出すという、暗い伝記映画だった。 栄光の影に潜む闇の部分を垣間見れたのは面白かったけど、やはり成り上がっていく華々しい一面も見たかった。 ビーチボーイズの面々は作中でみんな眉間に皺が寄っていて、とても全米1位のバンドには見えなかった。
  • てんごー
    -
    ブライアン・ウィルソンを演じる ポール・ダノとジョン・キューザック。 2人はあまり似てないけどとても良かった。 ビーチボーイズの音楽も素晴らしい。 サーフミュージックも好きだけど "Good Vibrations"が耳に残った♪
  • chuchuyama
    3.5
    タイトルって1988年のブライアン・ウィルソン復活のソロアルバムの1曲目の曲名だったのね。当時良く聴いたのに忘れてた。しかし、復活までにこんなストーリーがあったとは。
ラブ&マーシー 終わらないメロディー
のレビュー(3573件)