【カップルで観ちゃいけない映画!?】男らしさの崩壊!危機的状況で現れる男の本性とは?

2017.08.22
映画

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

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ゴーン・ガール』もカップルで見たらヤバイ映画として有名ですが、個人的には今回紹介する『フレンチアルプスで起きたこと』の方がヤバイと思いますよ。

『ゴーン・ガール』は現実離れしてましたが、『フレンチアルプスで起きたこと』は淡々とした日常に潜む危機を描いていてゾッとするんですよ。

あらすじ

家族旅行でスキーに来たら雪崩が起きてしまいます。その時なんとパパが家族を置いて1人で逃げちゃいます…。しかもスマホはしっかり持って…。ママは子供2人をしっかりと抱いて守ったというのに…。

結局みんな家族無事でしたが、ママは1人で逃げたパパに不信感を抱くようになります。期待される〝男らしさ〟を実現できなかったことで起きる家族の崩壊を描いた笑えて怖いコメディ映画なのです。

では、期待される〝男らしさ〟を発揮できなかったパパの痛々しい4つの自己防衛をご確認いただきましょう。

 

①記憶を塗り替えちゃう

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パパは「自分は逃げてない」と主張します。これは嘘をついてるんじゃなくて本当にそう思い込んでいるんです。人間の記憶は曖昧なもので、自分に都合の悪い記憶は無意識で塗り替えてしまうことがあるそうです。「じゃあ、あの時どういう行動をとったの?」と聞かれても、「いや、とにかく逃げてはないんだ。僕は逃げるような人間じゃないから。」と全然理屈の通らないことを言ってその場しのぎしてしまいます…。

 

②大人ぶってみる

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ママは責めたいんじゃなくて正直に認めて欲しいだけなんですが、「そんなに騒いでないで落ち着けよ」と言わんばかりに大人ぶった態度を取ります。これがまたイラつかせるんですけどね…。

 

③理屈攻め

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はい、来ました、理屈攻め。男性の得意技でしょうかね。しかも男友達とダッグを組んで…。

 

④子供のように泣きわめく

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こういう議員さんいらっしゃいましたね。あれは2014年の出来事でした(もう3年も前のことなんですね)。追い詰められてどうしようもなくなって「泣きわめく」。退行の一種。泣きわめくことはなくても、キレたり暴力を振るったりするのもある種の〝退行〟と言えるでしょう。

 

期待される/期待してしまう〝男性性〟

父親には「家族を守る強いリーダー性」が期待されています。しかし実際は、危機的状況に陥った時に女性よりも男性の方が自分の身を守ることを優先する傾向にある、という調査があるらしいです(監督によると)。危機を無事に乗り越えたとしても、それが原因で離婚するケースも少なくない、とのこと。

男性と女性をハッキリと区別して論じるのは好きではありませんが、社会に期待される男性像や女性像になる努力をしなきゃいけなかったり、そうなれずに苦しんだりすることはよくあることかと思います。

今作でもパパだけでなくママ自身も苦しみます。自分の中に「伝統的な父性と家族像」があるから苦しんでいるんだと気づくのです。だからママは敢えて、家族旅行中にサッと1人でスキーに行ったりします。時には家族から離れられるような伝統的な価値観に縛られない女性になりたい、と思って試みたこと。

ちなみに僕はラストがすごく好きです。今まで散々「男いじめ」をしておいて、ラストは女性に対してもチクリと一撃食らわせます。「君の正義感とか使命感ってさぁ…。ちょっと暴走する時あるよね…。」と。

この『フレンチアルプスで起きたこと』、男女カップルでは観ない方がいいでしょうね。逆に、自分たちの関係がいかに強固であるか自由であるかを試すために観るとか、別れさせたいカップルに「オススメだから観て〜♪」っつってDVDをプレゼントするのもいいかも知れません(ダメ、ゼッタイ)。

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  • soba
    4.0
    サイコーです 後半は特に面白いですね 家族の演出というか、いろんな意味で怖さのある作品です
  • SatokoHori
    3.4
    この不快感はいつまで続くの?見終わって半日経ってやっと失笑。とにかくあるあるの不快感が雪崩れて積もっております。
  • ブタブタ
    3.5
    「夫を掌で転がす妻」的な古臭い価値観は山田洋次が未だにやってる世界に相通ずる物がある→『妻よ薔薇の様に』の今までメイドロボットみたいに働いてた妻が突然いなくなって家族が右往左往する様とか日本でしか通じない価値観が日本だと「愛すべき夫や家族」等と微笑ましいみたいに扱われるけど、この日本の古臭い時代遅れの価値観なりが海外に行くと『フレンチアルプスで起きた事』みたいな完全に「この親父は阿呆だ」のブラックコメディに変換されるのでは。 家父長制や父親の威厳みたいな物を徹底的に馬鹿にして、それが何とも言えないダークな笑いになってる。 『リング』『本当にあった呪いのビデオ』がアメリカに行って「Jホラー」て持て囃されたのは今まで西欧にはなかったタイプの恐怖の形だからで、オストルンド監督の2作目『ザ・スクエア』も日本式の古臭い価値観とか「空気を読む」や気まずい滑稽さや間抜けさバカバカしさが輸出されてブラックなコメディになってる様な気がします。
  • キモサベ
    3.2
    あらすじは、出ているのでそっちで読んで下さい そうですねぇ“笑えない”喜劇・・・ということは、やっぱり悲劇なのかなぁ 男にとっては痛いとこ突かれた映画だなぁと思いました
  • AnnaAbe
    3.5
    すごく分かりやすい映画。とても狭い範囲で重点も絞り込まれており、オチもなっとくのいくものだった。この監督が何故「ザ・スクエア」のような表面的で散らかった作品を作ったのか不思議。題材はどちらも人間的心理を突いたものであるが、要点を絞ったことで「フレチアルプスで起きたこと」には鋭さがあったと感じる。 社会的なことを社会的な範囲で説明してもあまり身にしみないが、小さな家族という社会の中に落としこむ事で実感性が際立ち、素直に受け入れられるような映画になっていたように思う。
「フレンチアルプスで起きたこと」
のレビュー(2622件)