『共犯』待望の日本公開!過去の名作とともに振り返る、台湾青春映画の系譜

Nobody's Perfect.

久保田和馬

昨年の東京国際映画祭で上映され、その直後から日本公開を切望する声が絶えなかったチャン・ロンジー監督による青春サスペンス映画『共犯』が、ついに昨日より日本でも公開されています。

今回は、これまでに台湾から発信され人気を博した数多くの青春映画の名作8本を振り返り、台湾青春映画の新たな一ページとなる『共犯』を紹介しようと思います。

『恋恋風塵』侯孝賢

恋恋

今年の秋に新作『黒衣の刺客』を発表する台湾映画界の巨匠・侯孝賢の初期作の中でも、もっとも輝きを放つ最高の青春映画。侯孝賢の自伝的側面を含めながら、60年代の台湾情勢を描き出し、日本国内における監督の知名度を押し上げた一本です。昨年デジタル・リマスター版が上映され、現在はレンタルDVDでも観ることができます。

『クーリンチェ少年殺人事件』楊徳昌

クーリンチェ

2007年に早逝した天才・楊徳昌の伝説的傑作。実在の事件をベースに築き上げられた約4時間にも渡る物語は、夏が来るたびに観たくなる中毒性を伴うほどに力強いショットの連続です。先日『恐怖分子』が再上映されただけに、早くこの映画を再リリースして欲しいという声が絶えませんが、現在はまだVHSでしか観ることができないのが残念なところ。

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『藍色夏恋』イー・ツーイェン

藍色

現在の台湾映画界で欠かせない存在になった女優グイ・ルンメイと、国内外問わず活躍を続ける人気スター、チェン・ボーリンの映画デビュー作となった、21世紀の台湾青春映画の金字塔。この映画を観ると水餃子が食べたくなり、自己紹介シーンを真似したくなります。本作を手がけたイー・ツーイェン監督の新作日本公開が楽しみです。

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『言えない秘密』ジェイ・チョウ

言えない

リメイク版の『グリーン・ホーネット』でも知られる台湾のスター、ジェイ・チョウが、自ら監督・脚本・主演・主題歌を務めたノルタルジックな青春ラブストーリー。音楽学校を主な舞台に、旧校舎という舞台設定と、劇中に流れ続けるピアノの音色が印象的。ヒロインを演じるのは『藍色夏恋』のグイ・ルンメイです。

『モンガに散る』ニウ・チェンザー

モンガ

侯孝賢の『風櫃の少年』の主演だったニウ・チェンザーの監督2作目にあたり、2010年の台湾国内No. 1ヒットとなった悲しい青春ドラマ。不良少年たちが闇の世界に足を踏み入れていく様を、重厚なドラマ性と繊細なショットで見せる、141分に及ぶ物語は観応え充分。イーサン・ルアンをはじめとする若手役者の競演に加え、チェンザー監督自身も出演しているという見所があります。

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『台北の朝、僕は恋をする』アーヴィン・チェン

台北

世界的人気を誇るヴィム・ヴェンダースがプロデュースを務め、日本でも絶大な人気を博した佳作。本屋でのボーイミーツガール、台北の街を走り抜ける一夜の物語に、とにかくドキドキが止まらなくなります。台湾を代表する人気歌手のアンバー・クォの可愛さが突き抜けております。

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『GF*BF』ヤン・ヤーチェ

GFBF

『藍色夏恋』で助監督を務めていたヤン・ヤーチェの2作目の長編作品で、昨年日本でも大絶賛で迎えられた男女3人の高校時代から27年間に渡る壮大な青春活劇。戒厳令や民主化運動といった、80〜90年代の激動の台湾情勢を描き出し、そこに生きる若者の姿を瑞々しくとらえた魅力的な一本。グイ・ルンメイ、ジョセフ・チャン、リディアン・ヴォーンの3人の魅力も全開です。

『あの頃、君を追いかけた』ギデンス・コー

あの頃

90年代に共に高校生活を送った7人の仲間たちの友情と恋愛、そしてその後を瑞々しくも切なく描きだし、台湾や香港をはじめアジア中で一大ムーブメントを巻き起こしたテン年代青春映画の最高傑作。原作者である人気作家ギデンズ・コーが自らメガホンを執った本作は、誰もが経験した学生時代の儚い記憶を呼び起こしてくれます。

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『共犯』チャン・ロンジー

共犯

前作『光にふれる』で印象的で難しいタッチの映像表現を成功させたチャン・ロンジーが新たに描くのは、少女の死と、それを目撃した少年たち3人の友情。SNSを駆使した現代的な側面と、学校の裏の湖といったどこか懐かしさを感じさせるような側面を兼ね備え、「孤独」の中で生きる若者たちの姿を描き出した本作は、きっと何年先も語り継がれる台湾青春映画の新しいマスターピースになるはずです。

主人公6人のうち、実に4人が本作で演技初経験という、先を見越したキャスティングが見事に活かされた緻密な演出に、日本でも人気のあるflumpoolがエンディング曲を歌っているという点も注目。

7月25日から新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

『共犯』公式サイト

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※2021年12月28日時点のVOD配信情報です。

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  • たかちゃん
    3.6
    3人の高校生が、路地裏で女子生徒の遺体を発見、真相究明に動く。台湾映画。  新宿武蔵野館にて
  • chiyo
    3.5
    2015/8/15
  • づん
    3
    同じ高校に通う女子高生の死体発見者となった3人の男子高校生。偶然その場を通りかかっただけの3人だったが、彼女が同級生からいじめを受けていたのではないかと、その死の真相に迫っていく。 現代の闇、学校生活の生きづらさが感じられる。 ただ設定とか行動に色々無理矢理な所があってあまり感情移入出来ず。 そういうラストかな?から、中盤で、もしかしたら伏線がいっぱい張ってあってこれは面白いかも、の展開がやってきて、から、やっぱり最初に思った通りのラストで残念。 終盤はお涙頂戴ものにも感じたけど、それにするには89分の映画では短すぎた。 ちょっとネタバレ↓↓ ところで、これ彼女の死の真相二の次になっちゃってません?
  • なまけものさん
    3.6
    なんか若者たちの闇が深すぎて。 内容には直結しないけど、 現代の10代の子達って私の頃よりも何十倍も生きづらいというか、生きるのが大変そうだよなぁ〜って思う。 ネットによって色んな情報が入る反面それによって孤独感が増してしまったり、不安を抱えることになったり。 自分が今学生だったら生きていける気がしない、、、 それはさておき、映像が美しかったり、後はカメラのアングルがとても好きだった。 若者たちをここまで駆り立てる孤独って恐ろしいよね。 この作品は行き着くとこまで行っちゃった話だけど、その手前で悩んでる若者っていっぱいいるんだろうな。
  • こじこじ
    3.6
    きっかけは何であれ事件の真相を探る使命感の様な関係性の仲間が出来た事で埋められる孤独。真実なんて意味はなくただ手に入れたこの関係が全てだった筈なのに訪れる突然の別れ。一人ぼっちじゃなく人との繋がりに幸せを感じる事が只々嬉しかった。
共犯
のレビュー(2785件)